[プレスリリース]2012年度情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定式
情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定式
報道関係者各位
プレスリリース
2013年2月27日
「情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定式」開催
〜2013年3月6日東北大学川内キャンパス〜
一般社団法人 情報処理学会
一般社団法人情報処理学会(会長:古川一夫)は、我が国のコンピュータ技術発達史上の貴重な研究開発成果や国民生活、経済、社会、文化などに顕著な影響を与えたコンピュータ技術や製品など、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ情報処理技術遺産の保存と活用を図るために、2008年度より情報処理技術遺産および分散コンピュータ博物館認定制度を設けています。
第5回目となる本年度は、8件の情報処理技術遺産と1件の分散コンピュータ博物館を認定し、史料および施設の所有者をお招きして認定式を行うことになりましたので、お知らせいたします。
■期 日 2013年3月6日(水)13:00〜13:35
■会 場 東北大学 川内キャンパス 第1イベント会場マルチメディア教育研究棟2F M206
(〒980-8576 宮城県仙台市青葉区川内41)
●認定制度制定の背景と目的
情報処理学会では我が国のコンピュータ発達史上の重要な成果や製品を当会ホームページの中の「コンピュータ博物館」に掲載して、紹介してきました。約1,700点の写真を含めてその史料点数は3,000点を超えており、月に10万件前後のアクセスがあるなど、多数の方々にご利用いただいております。
しかしながら、それら史料の大半はすでに実物としては存在しておりません。コンピュータ技術の急速な発展や利用環境の変化の中で、古い技術や製品の意義が見失われ、廃棄されて急速に失われつつあります。情報処理学会では、現存する貴重な史料をコンピュータに特化した実博物館などで保存すべきと考えて各方面に働きかけるなど努力してきましたが、残念ながら未だ実現の可能性がみえません。
このような状況の中で、わずかに残っている貴重な史料の保存を図るとともに、我が国のコンピュータ技術の発展を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことが急務と考えております。その一助として、情報処理技術遺産の認定制度を設けました。
また、小規模ながら、貴重な史料を保存・展示しておられる資料室やコレクションが日本各地に点在いたします。それらをネットワーク化して利用を拡大することも有意義であると考え、併せて分散コンピュータ博物館の認定制度も設けました。
●2012年度認定リスト
<情報処理技術遺産>8件
1)潮候推算機
製造者:Légé社(英国)
製造年:1957年
長年海上保安庁で潮汐変化の計算に使われた機械である。
2)FACOM 201
製造者:富士通信機製造(株)(現・富士通(株))
製造年:1960年
日本独自の演算素子パラメトロンによる科学用電子計算機。使用当時の状態で保存された貴重な技術遺産である。
3)MADIC-IIAシステム一式
製造者:松下通信工業(株)(現・パナソニックモバイルコミュニケーション(株))
製造年:1963年
松下通信工業最初の商用計算機。トランジスタ式の科学技術用小型高性能機。和歌山大学でシステム一式保存。
4)東京オリンピック情報システム関連資料
作成者:日本アイ・ビー・エム(株)他
作成年:1964年他
東京オリンピックで試合結果の集計や配信に使用された情報システムの設計書や出力リスト等の関連資料25品目。
5)USAC-1010
製造者:ウノケ電子工業(株)(現・(株)PFU)
製造年:1966年
オフコン初期普及モデルの1つの原型となったモデル。事務近代化のため多くの地方自治体で採用された。
6)ワイヤドットプリンタ
製造者:沖電気工業(株)
製造年:1968年
沖電気初のワイヤドットプリンタ。活字による印字方式しかなかった当時、ドットによる印字方式を開発した。
7)MARS-105用座席予約端末装置
製造者:(株)日立製作所
製造年:1975年
全国のみどりの窓口に設置された座席予約端末装置で、制御装置、操作盤、切符等を印刷するプリンタからなる。
8)MZ-80K
製造者:シャープ(株)
製造年:1978〜80年
初期の8ビットパソコンの代表機種の1つ。BASICインタープリタをCMTから読み込み、種々のOSや言語が利用可能。
<分散コンピュータ博物館>1件
1)計算科学振興財団 高度計算科学研究支援センター展示コーナー
世界一となったスパコンNWT、CP-PACS、地球シミュレータの実機モジュール、京のパネル、歴史年表などを展示。
以上
<本件に関するお問い合わせ>
企業名:一般社団法人情報処理学会
担当者名:会誌編集部門 TEL:03-3518-8371 Email:editj <at> ipsj.or.jp