RDM研究グループ新設のお知らせ
オープンサイエンスと研究データマネジメント(RDM)研究グループ新設
1. 設立の趣旨
オープンサイエンスに関わる国内の取り組みを広く集約する情報交換の場を設けるとともに、その人材に評価・育成に資することを目的として、オープンサイエンスと研究データマネジメント(RDM)研究グループを設立します。
オープンサイエンスとは、論文だけでなく研究データを含む研究成果の積極的な公開を通じて、研究成果の再現性・透明性を確保し、その再利用や分野横断型研究への発展を促進しようとする国際的なトレンドです。2013年のG8科学技術大臣会合において「公的資金を得た研究データのオープン化」について共同宣言がなされたのち、統合イノベーション戦略において「オープンサイエンスのためのデータ基盤」が日本におけるイノベーションを生む重要な基盤になると言及されるなど、我が国でも重要な政策と位置づけられています。公的研究資金を受けた研究について、研究データの公開計画を含めた研究データ管理計画を提出することは今や世界の常識となりつつあり、日本でもJSTやAMED、NEDOで同様の取り組みが始まっています。
オープンサイエンスを推進するためには研究者へのインセンティブの確保が不可欠です。しかし、従来の業績評価方法である論文や特許などの形では、データ生産者およびデータ流通者が研究業績を蓄積していくことは困難です。研究者にとっても、オープンサイエンスに寄与していくためには多少なりともエフォートを要する反面、それがキャリア上有利に働く仕組みが備わっていないため、現状では自らの研究をオープン化するインセンティブに欠けています。海外では、International Digital Curation Conference(IDCC)、Digital Infrastructure for Research(DI4R)、International Open Science Conference、eResearch Australasia Conferenceなどのカンファレンスが開催され、オープンサイエンスに関する諸問題への取り組みや最新のケーススタディを発表する場が形成されています。単に情報共有するだけではなく、エクセレントな取り組みや報告を論文として刊行する道筋も確立しつつあります。一方、国内では、大学ICT推進協議会(AXIES), JAPAN OPEN SCIENCE SUMMIT(JOSS)などのカンファレンスが開催されていますが、発表者が学術的な業績を得る場とはなっていません。
我々は、オープンサイエンスの実践を学術の一分野として捉え、幅広い関係者にインセンティブを与えるため、本研究グループを設立します。研究データを管理・公開・蓄積・再利用していくための技術開発やケーススタディに関し、各分野の研究者が自身の取り組みを発表するとともに、データ生産者、ソフトウェア開発者、大学図書館員、リサーチアドミニストレーター(URA)などの支援者がファーストオーサーとして成果を発表することを期待します。さらに、国際会議参加報告などを通じて海外の最新情報を普及するとともに、発表者に国際会議への投稿を促します。本研究グループにおいて発表された取り組みから、論文誌ジャーナルやデジタルプラクティス特集号を提案できるように活動を展開することで、よりフォーマルにアカデミアでの業績として評価される道筋を整備し、我が国におけるオープンサイエンスの定着・発展に資することを目指します。
研究者にとって、研究データのオープン化は自らの業績の表現の自由度を高めるチャンスです。オープンサイエンスに関わる諸施策を研究への制約条件と捉えるのではなく、この新たな研究環境を積極的に育成していくことが、今後の科学の発展を支える礎となるものと考えられます。情報交換と人材育成の場として本研究グループを活用していただければ幸いです。
研究グループWebページ : https://meatwiki.nii.ac.jp/confluence/x/FY96Ag
オープンサイエンスとは、論文だけでなく研究データを含む研究成果の積極的な公開を通じて、研究成果の再現性・透明性を確保し、その再利用や分野横断型研究への発展を促進しようとする国際的なトレンドです。2013年のG8科学技術大臣会合において「公的資金を得た研究データのオープン化」について共同宣言がなされたのち、統合イノベーション戦略において「オープンサイエンスのためのデータ基盤」が日本におけるイノベーションを生む重要な基盤になると言及されるなど、我が国でも重要な政策と位置づけられています。公的研究資金を受けた研究について、研究データの公開計画を含めた研究データ管理計画を提出することは今や世界の常識となりつつあり、日本でもJSTやAMED、NEDOで同様の取り組みが始まっています。
オープンサイエンスを推進するためには研究者へのインセンティブの確保が不可欠です。しかし、従来の業績評価方法である論文や特許などの形では、データ生産者およびデータ流通者が研究業績を蓄積していくことは困難です。研究者にとっても、オープンサイエンスに寄与していくためには多少なりともエフォートを要する反面、それがキャリア上有利に働く仕組みが備わっていないため、現状では自らの研究をオープン化するインセンティブに欠けています。海外では、International Digital Curation Conference(IDCC)、Digital Infrastructure for Research(DI4R)、International Open Science Conference、eResearch Australasia Conferenceなどのカンファレンスが開催され、オープンサイエンスに関する諸問題への取り組みや最新のケーススタディを発表する場が形成されています。単に情報共有するだけではなく、エクセレントな取り組みや報告を論文として刊行する道筋も確立しつつあります。一方、国内では、大学ICT推進協議会(AXIES), JAPAN OPEN SCIENCE SUMMIT(JOSS)などのカンファレンスが開催されていますが、発表者が学術的な業績を得る場とはなっていません。
我々は、オープンサイエンスの実践を学術の一分野として捉え、幅広い関係者にインセンティブを与えるため、本研究グループを設立します。研究データを管理・公開・蓄積・再利用していくための技術開発やケーススタディに関し、各分野の研究者が自身の取り組みを発表するとともに、データ生産者、ソフトウェア開発者、大学図書館員、リサーチアドミニストレーター(URA)などの支援者がファーストオーサーとして成果を発表することを期待します。さらに、国際会議参加報告などを通じて海外の最新情報を普及するとともに、発表者に国際会議への投稿を促します。本研究グループにおいて発表された取り組みから、論文誌ジャーナルやデジタルプラクティス特集号を提案できるように活動を展開することで、よりフォーマルにアカデミアでの業績として評価される道筋を整備し、我が国におけるオープンサイエンスの定着・発展に資することを目指します。
研究者にとって、研究データのオープン化は自らの業績の表現の自由度を高めるチャンスです。オープンサイエンスに関わる諸施策を研究への制約条件と捉えるのではなく、この新たな研究環境を積極的に育成していくことが、今後の科学の発展を支える礎となるものと考えられます。情報交換と人材育成の場として本研究グループを活用していただければ幸いです。
研究グループWebページ : https://meatwiki.nii.ac.jp/confluence/x/FY96Ag
2. 主な研究分野
オープンサイエンス/オープンデータ/研究データ管理/e-Science/データ中心科学/データ管理計画 (DMP)/データ共有/データ出版/データサイテーション/リポジトリ/検索サービス/解析プラットフォーム/研究ソフトウェア/オープンソース/学術情報流通/メタデータ設計/データ匿名化/データ暗号化/クラウド基盤/認証基盤/装置データ収集/研究データカタログ/ツールカタログ/データベースアーカイブ/アノテーション/キュレーション/電子実験ノート/研究倫理/データ連携/メタデータ標準化・規格化/研究成果データベース/特許・ライセンス管理/機関リポジトリ/オープン査読/オープン教材/オープン教育リソース/学術コミュニケーション/市民科学/超学際科学/オープンイノベーション/研究者評価/研究支援者評価/キャリア開発
3. 発起人(五十音順)
合田憲人(NII)、相原玲二(広島大)、青木学聡(京大)、安達淳(NII)、天野絵里子(京大)、家森俊彦(京大)、大向一輝(NII)、大山敬三(NII)、岡田義広(九大)、岡村耕二(九大)、梶田将司(京大)、加藤文彦(NII)、北本朝展(NII)、喜連川優(NII)、蔵川圭(NII)、倉田敬子(慶大)、小林広明(東北大)、込山悠介(NII)、佐藤聡(筑波大)、佐藤周行(東大)、下條真司(阪大)、菅沼拓夫(東北大)、杉木章義(北大)、鈴木彦文(信州大)、田浦健次朗(東大)、武田英明(NII)、竹房あつ子(NII)、谷藤幹子(NIMS)、玉造潤史(東大)、土屋雅稔(豊橋技科大)、外山勝彦(名大)、西村浩二(広島大)、能勢正仁(名大)、林和弘(文科省 科学技術・学術政策研究所)、林正治(NII)、原正一郎(京大)、深澤良彰(早大)、藤原一毅(NII)、船守美穂(NII)、升井洋志(北見工大)、松井 啓之(京大)、松浦健二(徳島大)、松原茂樹(名大)、美濃導彦(理研)、村山泰啓(NICT)、元木環(京大)、森健策(名大)、安浦寛人(九大)、山地一禎(NII)、義久智樹(阪大)