論文誌ジャーナル編集細則

論文誌ジャーナル編集細則

2008年1月22日制定
2023年9月19日最新改訂
  • 第1章 編集委員会の運営、査読委員

    (編集委員会)
    第1条 論文誌ジャーナル編集委員会(以下、編集委員会という)は、次により編集規程7条に定められた業務を行う。
    (1)編集委員会は、編集規程第8条に定められた小委員会として、情報処理の各分野に対応するサブグループを設ける。
    (2)サブグループに主査および副査をおく。主査および副査は編集委員会において選任する。主査は副編集長として編集長を補佐する。サブグループ主査および副査の任期は1年とする。ただし、再選を妨げない。
    (3)毎月の編集委員会は、編集幹事会およびサブグループが運営する。
    (4)編集幹事会は、編集長、副編集長およびサブグループ副査をその構成員とする。
    (5)編集委員会は小委員会として、特集テーマに関する編集を担当する時限の特集号編集委員会を設けることができる。

    第2条 編集幹事会は次の各項を行う。
    (1)論文誌ジャーナル編集に関する基本方針の策定
    (2)年度計画の立案作成
    (3)論文誌ジャーナル各号の編集方針の立案
    (4)査読委員の選定
    (5)投稿論文の採否までの手順の決定
    (6)投稿論文の担当編集委員(メタ査読者)および査読者への割当て方法の決定
    (7)投稿論文の進捗管理
    (8)問題論文の処置についての協議
    (9)サブグループ間の調整
    (10)論文誌ジャーナル編集委員の推薦
    (11)その他、論文誌ジャーナルの編集発行に必要な基本的事項

    第3条 サブグループは次の各項を行う。
    (1)論文誌ジャーナル各欄記事の企画立案
    (2)投稿論文の査読者への割当て、進捗管理
    (3)投稿論文の採否までの手順案の作成
    (4)問題論文の処置案の作成と、編集幹事会の協議に基づく処置実施
    (5)その他、論文誌ジャーナルの編集発行に必要な事項

    (編集委員・ゲスト編集委員)
    第4条 論文誌ジャーナル編集委員(以下、編集委員という)およびゲスト編集委員は、原則として、本会の論文誌査読委員、または他の権威ある学会の相当する委員を経験した本会会員の中から、次の基準に従い選定する。
    (1)全ての投稿論文が適切に遅滞なく査読審査できるよう各専門分野の担当が揃っていること。
    (2)編集委員会に出席し、査読者の割当て、進捗管理、投稿論文の採否までの手順作成等の担当業務を支障なく遂行できること。

    第5条 編集委員は、サブグループに所属し、必要な作業を分担して委員会の目的達成に努めることを任務とする。ゲスト編集委員は編集委員と同様の作業を行うことを任務とする。

    (査読委員)
    第6条 査読委員は、原則として、本会論文誌または他の権威ある学術誌に2編以上の学術論文を発表したことのある本会会員、または2名以上の編集委員の推薦のある本会会員の中から選定する。ただし、編集委員会は、必要に応じて査読委員以外の者に臨時の特別査読を依頼することができる(以下「臨時査読員」という)。また、編集委員は、必要な場合、適宜新しい査読委員の推薦を行うことができる。

    第7条 査読委員は、原稿の査読を任務とする。査読委員の任期は3年とし、再任までとする。

    第8条 シニア査読委員は、査読委員の任期が終わった者の中から、編集委員会において選定する。

    第9条 シニア査読委員は、専門分野が十分にマッチする場合、査読委員に適切な担当者がいない場合などに原稿の査読を行うことを任務とし、任期は3年とする。再任されるためには任期中に1回以上の査読があることとする。

    第10条 名誉査読委員は、編集委員、査読委員、シニア査読委員として合計20年以上の活動歴がある者の中から、編集委員会において選定する。

    第11条 名誉査読委員は、その見識に基づく査読が要請された場合に原稿の査読を行うことを任務とし、名誉査読委員の任期は終身とする。

  • 第2章 編 集

    (誌名、発行、記事種別等)
    第12条 論文誌ジャーナルの誌名、発行、正本は次の通りとする。
    (1)誌名は「情報処理学会論文誌(IPSJ Journal)」とする。
    (2)オンライン出版されたものを正本と定め、原則として毎月15日発行とする。
    (3)巻番号は1月〜12月の1年を1巻とし、号番号は巻毎に毎月の発行順に1号から付番する。

    第13条 「情報処理学会論文誌(IPSJ Journal)」では、特集号を企画し編集することができる。また「情報処理学会論文誌(IPSJ Journal)」は、「Journal of Information Processing」と合同の特集号を設けることができる。

    第14条 記事には以下の種別がある。これらのうち(a)(b)を採録論文とよぶ。
     (a)論文
    学術、技術上の研究あるいは開発成果の記述であり、新規性、有用性などの点から会員にとって価値のあるもの
     (b)テクニカルノート
    新しい研究開発成果の速報または技術上の新しい提案
     (c)誌上討論
    掲載された論文またはテクニカルノートに対する質問および回答

    第15条 論文あるいはテクニカルノートの原稿は次の方法で投稿される。
     (a)一般投稿
    次(b)特集号投稿、次(c)推薦投稿以外の著者による自発的な投稿
     (b)特集号投稿
    編集委員あるいはゲスト編集委員によって構成される特集号編集委員会が公知した論文募集に対する投稿(第17条を参照)
     (c)推薦論文投稿
    本会主催の研究会、シンポジウム、ワークショップ、国際会議および支部主催シンポジウム(以下、イベントと呼ぶ)において発表された原稿の中で、主催者またはプログラム委員会が優秀と認定した原稿を元にした投稿(第18条を参照)
     (d)招待論文投稿
    編集委員会あるいは特集号編集委員会が著者に執筆を依頼した論文の投稿(第19条を参照)

  • 第3章 原稿の取扱い、および査読依頼・採否の決定方法等

    (一般投稿の論文あるいはテクニカルノート)
    第16条 論文あるいはテクニカルノートとしての採録を目的として投稿された一般投稿論文の取扱いは次の通りとする。
    (1)投稿された原稿は事務局で受付け、受付処理を行うとともに著者宛に受領書を送付する。事務局は著者の資格条件と投稿原稿の条件の点検を行い、条件を満たさない場合はそのむねを記して不足分を筆者に請求する。なお、後にこの原稿を記事として掲載する場合には受付日と採録決定日を本文末尾に入れる。
    (2)受付けた原稿のキーワードと、編集委員が予め事務局に届け出たキーワードの照合を行い、原則としてキーワードが合致した編集委員1名が担当編集委員(メタ査読者)を務める。
    (3)担当編集委員は、原稿に添付されたキーワードと梗概を参考にするとともに、次の諸事項を考慮して、1週間以内にその原稿に対する査読者(査読委員、シニア査読委員、名誉査読委員、または臨時査読員)を選定し、査読を依頼し、内諾を得る。
     a)査読者の専門分野が原稿の専門分野をカバーすること。
     b)査読者は著者と同一機関に所属、またはこれに準ずる関係にないこと。
     c)査読者は原則担当編集委員と同一機関に所属、またはこれに準ずる関係にないこと。
     d)査読者が査読中の原稿を3件以上手持ちしていないこと。
    (4)原則として、論文の査読者は2名、テクニカルノートの場合は1名とする。
    (5)著者には査読者名および担当編集委員名を知らせないものとする。
    (6)担当編集委員、または論文誌幹事会構成員が原稿が論文誌掲載に不適切であると判断する場合には、査読者へ査読依頼をせずに、理由を添えた上で、査読なし不採録を編集委員会に提案できる。編集委員会では、協議の上、提案の可否を判断する。査読なし不採録と判断するのは以下のような原稿である。
     a)情報処理学会論文誌として扱う分野外の論文である。
     b)二重投稿、盗用と判断する論文である。
     c)その他、論文として体をなさないなど、査読を実施するのに不適切であると編集委員会が判断する論文である。
    査読なし不採録と編集委員会で判定がされた原稿については、編集委員の示した理由を付して著者へ通知を送る。
    (7)査読者は査読を辞退する場合は、1週間以内に事務局経由で担当編集委員に申し出る。担当編集委員は代わりの査読者を選定する。
    (8)査読を承諾した場合は、査読者は「査読報告書の書き方」、「論文査読に対する基本的な考え方」および「論文査読のプロセス」(テクニカルノートの場合、「査読報告書の書き方」、「テクニカルノート査読に対する基本的な考え方」および「テクニカルノート査読のプロセス」。以下全てまとめて「論文査読の手引き」等という)に従い1ヵ月以内に査読を終了するものとする。期限内に査読が終了しないと見込まれる事態が発生したときは、ただちに事務局に連絡する。
    (9)事務局は査読者から申出があった場合および査読が著しく遅延している場合には、担当編集委員と相談の上、査読者の交替手続きをとるものとする。
    (10)査読者は査読を終了したときは、「論文査読の手引き」等に従い、論文については「採録」、「不採録」または「条件付採録」のいずれか、またテクニカルノートについては、「採録」または「不採録」のいずれかの判定をし、論文誌編集委員会への査読報告を作成して事務局へ提出する。
    (11)出版済みあるいは採録決定済みのテクニカルノートを発展させて、論文として採録されることを目的として投稿された論文の査読において、当該テクニカルノートの存在は新規性を阻害しない。
    (12)著者に修正依頼を行う場合は、査読者または担当編集委員が作成した照会書を付して原稿を事務局より著者に送付する。修正依頼に対する回答が8週間以内に到着しない場合は、原則不採録とする。
    (13)論文誌編集委員会は「論文査読の手引き」等に従い、査読者による査読結果をもとにして各投稿論文の取扱いを決定する。編集幹事会で決定の上、採録あるいは不採録を著者に通知する。なお、不採録と決定された原稿については編集委員の示した理由を付した査読結果を著者へ送付する。
    (14)事務局から著者、担当編集委員ならびに査読者への連絡は、電子メールを基本とする。

    (特集号投稿の論文あるいはテクニカルノート)
    第17条 特集号の企画を有するものは、編集幹事会にその企画を提案することができる。編集幹事会で承認された特集号企画案に関し、当該特集号企画案を実施する特集号編集委員会を、編集規程第8条の小委員会として設立する。
    (1)特集号企画案の提案には、少なくとも以下の項目を含むこと
     - 特集名
     - 提案者所属/氏名(連名も可)
     - 提案趣旨
     - 掲載予定論文数
     - 論文募集から掲載までのスケジュール
     - 特集号編集委員会委員構成
      ・委員長と委員からなる。少なくとも2名の論文誌編集委員(内1名はいずれかのサブグループ主査か副査)を含むこと。
    (2)特集号編集委員会の編集委員長は本特集号のゲストエディタとなり、その特集号の編集に責任を持つ。
    (3)特集号編集委員会は、本特集号に関する論文募集、担当編集委員と査読者の割り当て、査読ならびに処置案を作成する。
    (4)特集号編集委員会は特集号の論文を、広く一般から募集する。また必要に応じて招待論文を編集幹事会に提案する。
    (5)特集号編集委員会は、第16条(6)の査読なし不採録に該当すると判断できる論文については、論文誌編集委員会へ理由を添えた上で、査読なし不採録を提案できる。なお、第16条(6) a)の分野外については特集号で扱う分野外と読み替える。該当する論文が特集号で扱う分野外であるが情報処理学会論文誌の扱う分野には含まれると思われる場合には、一般論文への再投稿を推奨し、著者も一般論文での査読を希望する場合には、改めて一般論文へ投稿することとする。なお、事務局を通じて著者へ事前の照会がある場合がある。
    (6)特集号編集委員会は投稿論文の査読および処置案について、特集号編集委員会での編集会議後遅滞なく論文誌幹事会に報告する。
    (7)特集号編集委員会は、採否決定および特集掲載号の決定後、特集号の目次を作成し、論文誌幹事会の承認を得る。
    (8)特集号編集委員会は、特集号編集委員の変更等(1)項で示した提案内容に修正があった場合、編集委員会幹事会に報告しその承認を得ること。
    (9)特集号の掲載をもって、その特集号編集委員会は解散する。

    (推薦投稿の論文あるいはテクニカルノート)
    第18条 研究会主査・支部長・プログラム委員長(以下、推薦者という)はそのイベントで発表された原稿を推薦論文候補として論文誌幹事会に推薦できる。推薦論文候補は1イベント当たり発表論文のうち、ページ数が6ページ以上の論文の総数の10%以内とする。論文誌幹事会で承認された推薦論文候補を元にした投稿を推薦論文投稿とする。推薦論文投稿された論文(以下推薦論文)の扱いは次の通りとする。
    (1)論文誌編集委員会は、推薦者に推薦論文のメタ査読を担当する特別編集委員を委嘱する。ただし、支部主催シンポジウムの場合は、推薦者が推薦論文の分野に造詣が深い特別編集委員を選定し委嘱する。
    (2)メタ査読者は、第16条に定める一般投稿と同様のプロセスに従い、推薦論文を査読する。また、担当する推薦論文が判定される論文誌ジャーナル/JIP編集委員会小委員会に可能な限り参加し、判定に関する説明を行うものとする。
    (3)推薦論文が採録になった場合には、推薦論文を掲載する際、「著者紹介」の直前に所定の推薦文を添えるものとする。
    (4)推薦論文が不採録になった場合には、その時点で推薦論文としての処理は終了する。

    (招待論文投稿の論文あるいはテクニカルノート)
    第19条 サブグループあるいは特集号編集委員会からの提案に基づき、論文誌幹事会は題目、執筆者、頁数などを決定し、論文誌への執筆を依頼することができる。執筆依頼は論文誌編集長名(特集号においては、特集号編集委員会委員長名)で行う。この執筆依頼に基づき投稿された論文を招待論文と呼ぶ。
    (1)原則として招待論文は、論文誌1号につき最大5件とする。
    (2)受付けた原稿は、原則として担当分野のサブグループあるいは特集号編集委員会の編集委員のうち1名が通読し、不備の点があれば、執筆者に修正を依頼する。

    (誌上討論)
    第20条 誌上討論として投稿された論文の取扱いは、原則として前16条に準ずる。
    誌上討論が特定の既掲載論文またはテクニカルノートに対する討論として書かれている場合は、原稿を当該論文の原著者に送付して、回答原稿作成を依頼し、討論と回答が同号の論文誌に掲載され、第三者に理解しやすくなるよう取り計らう。

    (その他)
    第21条 投稿および原稿執筆案内、査読基準、査読手続きの詳細は別に定める。

    第22条 論文誌編集委員会は、査読者の協力に対して感謝の意を表するため、年1回、当該年の査読者全員の名前のリストを付した謝辞を会告する。

  • 第4章 付 則

    第23条 本細則の改廃は論文誌運営委員会の決定により行う。

    第24条 本規則は論文誌運営委員会議決の日より発効し、平成20年4月1日より施行する。

    第25条 「論文誌編集細則」ならびに「論文誌編集委員会運営細則」は、本細則の施行をもって廃止する。