中島 浩 君

2021年度顕功賞受賞者の紹介

中島 浩 君(なかしま ひろし)

中島 浩

中島浩君におかれては,諸活動にご活躍のところ,誠に残念ながら2021 年10 月6 日に不慮の事故のため生涯を閉じられました.ここに謹んでご冥福をお祈りするとともに,生前のご功績に対し,第659 回理事会(2022 年3 月)の議を経て贈呈が決定した顕功賞をご 紹介いたします.

中島浩君は,40 年以上に渡り,並列計算機アーキテクチャ,並列化コンパイラ/言語実装,並列応用ソフトウェアを中心に幅広く並列処理技術の研究に取り組み,顕著な業績を挙げられました.教育者としてもこれらの分野で多くの後進を育成されました.また,スーパーコ ンピュータ「京」そして「富岳」を中核に全国の計算機資源をネットワークで結ぶ我が国のハイパフォーマンスコンピューティングインフラの構築と運用を支えてこられました.

本会においては計算機アーキテクチャ研究会主査,論文誌ハイパフォーマンスコンピューティングシステム編集委員長,論文誌コンピューティングシステム編集委員長,理事などを歴任され,また論文誌のデジタル化・オンライン化においては自らLaTeX のスタイル ファイルや投稿査読システムを開発されるなど大きな貢献をされました.

中島浩君の生前の業績は優れて顕著であり情報処理に関し特別の功労があると認め,顕功賞を贈呈し,永く表彰いたします.

1979 年3 月 京都大学工学部情報工学科卒業
1981 年3 月 京都大学大学院工学研究科修士課程情報工学専攻修了
1981 年4 月 三菱電機(株)に入社
情報電子研究所(現情報技術総合研究所)で,第五世代コンピュータプロジェクトにおいて並列推論マシンの研究開発に従事
1991 年 京都大学博士(工学)
1992 年 京都大学工学部助教授に就任.情報工学科計算機工学講座計算機構成分野(富田眞治研究室)にて,並列処理を中心とした研究/教育を行う
1997 年 豊橋技術科学大学情報工学系教授に就任
2006 年 京都大学学術情報メディアセンター教授に就任
2010 年4 月 京都大学学術情報メディアセンター長(2014 年3 月まで)
2016 年5 月 一般社団法人HPCI コンソーシアム第3 代理事長に就任(2017年度まで)

1988 年 元岡記念会元岡賞受賞

本会関係略歴

(1)1979 年5 月入会
(2)理事(調査・研究担当)(2006 年度~ 2007 年度)
(3)計算機アーキテクチャ研究会主査(1996 年度~ 1999 年度)
(4)論文誌編集委員(1997 年度~ 2000 年度)
(5)論文誌ハイパフォーマンスコンピューティングシステム編集委員長(2002 年度)
(6)論文誌コンピューティングシステム編集委員長(2003 年度~ 2004 年度)
(7)JSPP2002 実行委員会副委員長
(8)SACSIS 運営委員長(2003 年度~ 2007 年度)
(9)SACSIS2003 組織委員長
(10)1992 年度坂井記念特別賞
(11)2010 年度フェロー