萩谷 昌己 君
萩谷 昌己 君 (はぎや まさみ)
本会正会員萩谷昌己君(フェロー)は、各種のプログラミング言語、すなわち、 Lisp に代表される記号処理言語、Lispを理想化した関数型言語、Prologに代表される論理型言語、さらにJavaに代表されるオブジェクト指向言語に関して、様々な処理系の開発を行うとともに、意味論、型理論、検証系などの基礎理論に関する研究を幅広く推進しました。 東京大学の学生時代はHyperlispの実装に関与し、京都大学の助手時代はCommonLispの仕様に完全に従ったKyoto Common Lispの開発に注力しました。またGMWウィンドウシステムの開発にも加わり、現在のJavaと同様の役割を果たす並行オブジェクト指向言語であるG言語の設計を担当しています。基礎理論の分野では、型理論、高階単一化、部分評価、抽象解釈、バイトコード検証、モデル検査等において数々の業績をあげました。計算機システムのプログラミングだけでなく、自然システム、特に分子システムや細胞システムを「プログラム」することも研究対象として主としてDNA分子を用いて、汎用的なプログラム可能な分子システムを構築する分子プログラミングの研究を牽引しています。プログラミング全般に対する大きな貢献はまさに功績賞にふさわしいものです。 以上のように、同君が情報処理分野ならびに本会の活動の発展に尽くされた功績は誠に顕著であります。