村山 優子 君

2014年度功績賞受賞者の紹介

村山 優子 君 (むらやま ゆうこ)

 本会正会員村山優子君(フェロー)は,長年にわたり,インターネット,セキュリティ,トラストと安心および災害情報処理の研究に従事してこられました.
 1984年 University College London大学院修了,慶應義塾大学環境情報学部非常勤講師,広島市立大学情報科学部講師を経て,岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授として今日に至るまで,我が国における当該分野のパイオニアの1人として,多くの先駆的研究成果をあげられました.さらに,当分野の研究活性化と学会運営には大きな役割を担われ,本会では理事(2006年度〜2007年度),監事(2011年度〜2012年度),セキュリティ委員会委員長(2004年度〜現在)などを歴任されております.中でも,コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会には設立から関わり,2004年度から2005年度には当研究会の主査を務められ,セキュリティ分野のコミュニティをリードし,人材育成に尽力されました.
 ロンドン大学時代に培われた類い稀な語学力とコミュニケーション力で,国際的に広く厚い研究者ネットワークを築き,本分野の国際交流に大きく貢献をなさいました.2006年に初代の実行委員長として開催された情報セキュリティ国際会議(IWSEC)は,質の高い論文発表の場として知られ,2015年には第10回目を開催するほどに成長しています.2010年には本会の加盟する情報処理国際連合(IFIP)の主催するトラストに関する国際会議 IFIP Trust Management (IFIP TM)を実行委員長として開催し,その後の本会セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会の立ち上げに繋がりました.そして,2013年にはIFIPのセキュリティとプライバシー保護委員会(TC 11)の委員長に,日本人女性として初めて選出されています.2014年からは,IFIPの副会長に就任され,我が国を代表した強いリーダーとして国際的に認められております.
 以上のように,同君が,国内外の情報処理分野ならびに本会の活動の発展に尽くされた功績はまことに顕著であります.