池内 克史 君

2015年度功績賞受賞者の紹介

池内 克史 君 (いけうち かつし)

 本会正会員池内克史君(フェロー)は,永年にわたり情報科学の分野の教育研究に関して先導的な役割を果たしてこられました.コンピュータビジョンの研究分野において数々のパイオニア的な研究業績をあげられるとともに,多くの世界的研究者を育成されてこられました.特に,明るさ解析による形状復元等,物理ベースビジョンについては,同君によって創始された領域として世界的に知られています.また,バイヨン寺院デジタルアーカイブ化プロジェクト,バーチャル飛鳥京等,複合現実感の技術を応用した文化財のデジタルアーカイブ化を進められ,学際的な研究分野の発展にも先導的な役割を果たされてこられました.これらの研究業績により,1990年 David Marr Award,1991年 CVPR1991 Outstanding Papers Award,1998年 IEEE-RAS KS Fu Memorial Best Transaction Paper Award,2000年日本バーチャルリアリティ学会論文賞,2006年,2008年本会論文賞他多数を受賞されています.
 学協会の活動においては,本会フロンティア領域委員会委員長(2009年度~2011年度),理事(2012年度~2013年度)などを歴任されたほか,電子情報通信学会,日本ロボット学会,人工知能学会,IEEE,IAPR等の運営にも深く関与され,情報科学分野の発展に大きく貢献されました.これらの卓越した功績により,2012年紫綬褒章, 2013年電子情報通信学会業績賞,2015年大川賞他多数を受賞されました.
 以上のように,同君が国内外の情報科学分野の発展に尽くした功績はまことに顕著であります.