鶴保 征城 君

2003年度(平成15年度)功績賞受賞者の紹介

鶴保 征城 君 (つるほ せいしろ)

鶴保征城君は,永年にわたってデータ通信用大型計算機の基本ソフトウェアの研究開発に携わってこられ,数々の優れた業績をあげられました.

すなわち,NTT研究所において当時国内で最大規模のデータ通信用大型計算機DIPSのOS実用化に従事され,先進的なコンセプトに基づくリアルタイムシステム用のOSとして完成させました.このOSを搭載したDIPSは社会保険庁システムや郵政省貯金局システムをはじめとする全国有数の公共的なデータ通信システムに適用され,その実現に大きな貢献を果たされました.この成果は,日本のデータ通信サービスを世界のトップレベルに引き上げることに寄与するとともに,国産の計算機メーカのOS開発などに多大な影響を及ぼしました.

さらに,その後NTTデータ(株)やNTTソフトウェア(株)において要職を歴任され,各種の計算機システムの開発を指導され,今日の情報化時代を支えるシステム開発技術,情報処理技術の向上に大きく貢献されました.その間に多くの優れた技術者の育成にも力を尽くされ,産業界の発展に広く寄与されました.

以上に加えて,本会の会長,副会長,理事などを歴任され,その指導力によって学会の発展に大きく貢献されました.このように,我が国の情報処理分野の発展に尽くされた功績は誠に顕著であります.