村岡 洋一 君

2002年度(平成14年度)功績賞受賞者の紹介

村岡 洋一 君(むらおか よういち)

村岡洋一君は,永年にわたって,並列コンピューティングの研究開発に携わってこられ,数々の優れた業績をあげられました.すなわち,イリノイ大学でのIlliac-IVソフトウェア開発時におけるループ並列実行のための自動並列化アルゴリズムに関する先駆的研究,日本電信電話公社電気通信研究所でのデータ通信システムDIPSのソフトウェア(OS)および方式設計の研究および実用化,分散する複数のコンピュータをあたかも1つのコンピュータであるかのように利用するメタコンピュータ概念の提唱とそのための分散・並列化コンパイラの開発,世界初のWebページ分散収集型ロボットの開発,Grid上でオブジェクトの動的移動を可能とする世界初のアルゴリズムの考案・実装など,枚挙に事欠きません.

さらに,学界,官界と連係し,今日の情報化時代を支える並列コンピューティングとそのネットワーク・マルチメディアへの応用に関して日本の先進的技術を世界に示すとともに,日本の情報処理技術の向上に大きく貢献されました.また,早稲田大学における研究活動,並列コンピューティングに関する著作活動を通して,情報処理分野における多くの優れた人材の育成に多大な貢献をされました.

以上に加えて,本学会の副会長・理事として学会の発展に寄与するとともに,国の審議会・委員会委員を多数歴任し,多くの国際会議・国際論文誌の実行委員・編集委員を務めるなど,国内外において大きな成果をあげられました.

このように,我が国の情報処理分野の発展に尽くされた功績は誠に顕著であります.