高橋  修君

2015年度功績賞受賞者の紹介

高橋  修 君 (たかはし おさむ)

   本会正会員高橋修君(フェロー)は,永年にわたりコンピュータネットワーク・モバイルコンピューティング分野の研究・開発に携わってこられました.
 1975年電電公社(現NTT)横須賀電気通信研究所に入所されて以来,コンピュータネットワーク,インターネットをはじめとする情報通信システム分野で,数多くの研究・開発の業績をあげられるとともに,国内外のOSIにかかわる標準化活動に参加し,ISO,AOW,INTAP等の標準化組織においてもリーダーシップを発揮して,同分野の標準化に多大な貢献をされました.これらの活動に対して2000年に本会より標準化貢献賞を受賞されています.また,1999年からはNTTドコモに異動し,第三世代移動通信網を利用したモバイルコンピューティングにかかわるシステムアーキテクチャとワイヤレスTCPをはじめとするプロトコル等で数多くの研究・開発の業績をあげられました.これらの成果の一部はIETFで標準化されるなどモバイルインターネットの普及にも大きく貢献されました.これらの活動に対して,2003年には本会業績賞を受賞されています.
 2004年に公立はこだて未来大学に異動し,教育分野にも力を入れ,情報アーキテクチャ学科長,社会連携センター長,副理事長を歴任され,教育・研究のみならず,組織運営にもリーダーシップを発揮されています.
 本会においては,OSI関連の標準化委員会,研究会,シンポジウムなど,幅広い分野において活躍されました.研究会主査を務められた際には,研究会主催の国際会議ICMU(International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking)を設立し,継続的に開催することによって,この分野の発展に貢献されてきました.また,理事(2008年度~2009年度)やFIT2011実行委員長を歴任するとともに,2005年には本会フェローの称号を授与されています.
 以上のように,同君が国内外の学術の発展と研究・教育ならびに本会の発展に尽くした貢献は,まことに顕著であります.