米澤 明憲 君

2009年度(平成21年度)功績賞受賞者の紹介

米澤 明憲 君 (よねざわ あきのり)

本会正会員米澤明憲君は,1970年代半ば,いまだ「オブジェクト指向」という概念が一般的に知られていない時期に,個々の「オブジェクト」を動作主体とする「並列オブジェクト」という概念を提唱されました.そして,(1)「並列オブジェクト」に基づくプログラミング言語,(2)「並列オブジェクト」の高次・動的拡張方式,(3)「並列オブジェクト」の数学的モデル,(4)「並列オブジェクト」に基づいて構築されたソフトウェアシステムの超並列コンピュータでの高効率な実行方式,などを研究開発し,国際的に大変顕著な学術的かつ実用的な業績をあげられました.

並列オブジェクト指向技術は,現在では,インターネットにおけるセカンドライフやTwitterシステム,また,スーパーコンピュータを用いた科学技術計算分野では,生物理学用分子動力学シミュレータの実現などにも取り入れられています.以上の業績により,同君は,本会が共催する情報科学技術フォーラムにおいて,FIT2009船井業績賞を受賞され,本会論文賞も数多く受賞されておられます.また,同君は,優れた研究業績をあげられたことに加えて,情報科学分野において多くの優秀な人材を育成されてこられました.

  以上のように,同君が,国内外の学術の発展と研究・教育,ならびに本会の活動の発展に尽くした功績は,まことに顕著であります.