当麻 喜弘 君
2003年度(平成15年度)功績賞受賞者の紹介
当麻 喜弘 君 (とうま よしひろ)
当麻喜弘君は,永年にわたって,超高信頼コンピュータのアーキテクチャやソフトウェアの信頼性に関する研究に携わってこられました.たとえば,フェイルセイフ順序回路,ソフトウェアフォールトの残存数の見積もり方法,最適化問題を解くニューラルネットのフォールトトレラント設計などで優れた研究業績をあげられました.
また,フォールトトレラントシステム研究会(現デペンダブルシステム研究会)の立ち上げと初代委員長をつとめ,この分野のリーダーとしてその発展を牽引しておられます.また,東京工業大学での永年の教育経験から生まれた多数の著書・教科書があり,「順序回路」は信学会著述賞,「フォールトトレラントシステムの構成と設計」は大川情報通信基金の出版賞を受賞されています.
研究教育両面で多数の優秀な人材を育てるとともに,東工大の教育工学開発センター長をはじめ,情報処理学会のカリキュラム調査委員会委員,情報処理教育委員会委員として,情報教育について高い見識を示され委員会活動に貢献されました.特に,アクレディテーション委員会では初期から熱心に活動され,審査長も勤められるなど教育問題でも重要な役割を果たされました.本会や電子情報通信学会Dグループ委員長などとしての学会活動や,多数の委員会委員,委員長としても活躍されました.
現在は,東京電機大学の学長職にあって活躍されています.これらの情報処理分野の発展に対する貢献・尽力は大きく,その功績はまさに顕著であります.