松山 隆司 君

2015年度功績賞受賞者の紹介

松山 隆司 君 (まつやま たかし)

 本会正会員松山隆司君(フェロー)は,永年にわたり分散協調処理に基づいた知能システムの研究開発に携わり,その業績は画像処理,コンピュータビジョン,ヒューマンコミュニケーション,エネルギーマネジメントなど多岐にわたります.
 1976年に京都大学助手に着任されて以来,ディジタル画像の非線形雑音除去アルゴリズムの開発,黒板モデルおよびマルチエージェントモデルを用いた知的航空写真解析に関する先駆的な業績をあげられ,コンピュータビジョン分野では分散協調視覚システムによる複数人物協調追跡および3次元ビデオの生成・編集・圧縮・表示の実現,ヒューマンコミュニケーション分野では人間と共生する情報システムに関する研究,エネルギーマネジメント分野では情報通信技術に基づいた需要家主体の分散協調型電力管理の枠組みであるエネルギーの情報化の実現など,情報処理にかかわる幅広い分野の発展に多大な貢献をされました.
 これらの卓越した研究業績は,情報処理学会創立20周年記念論文賞,文部科学大臣表彰科学技術賞,コンピュータビジョン国際会議(ICCV)Marr Prize,情報処理学会・電子情報通信学会・国際パターン認識連合(IAPR)各フェローなど多くの賞によって国内外から高く評価されています.また本会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会主査(1994年度?1996年度),フロンティア領域委員長(1997年度~2000年度),理事(2000年度?2001年度)などを歴任されるとともに,京都大学学術情報メディアセンター長および評議員(2002年度~2005年度),同情報環境機構長(2005年~2010年),同副理事(2008年~2010年),独立行政法人情報通信研究機構知識創成コミュニケーション研究センター長(2006年度~2007年度)を務められるなど本会ならびに情報処理分野の発展に大きく貢献されました.
 以上のように,同君が国内外の情報処理分野ならびに本会の活動の発展に尽くされた功績は,まことに顕著であります.