役員名簿(2021年度)
2021年度役員名簿
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※リンクは改選時の略歴・抱負
役職名 担当職務 氏名 所属
就任年月日 学会勤務 会 長 法人 代表 徳田 英幸 (国研)情報通信研究機構 理事長/慶應義塾大学 名誉教授 2021年6月8日 非常勤 副会長 会長補佐 萩谷 昌己 東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 教授 2020年6月3日 非常勤 副会長 会長補佐 上田 修功 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上田特別研究室 NTT フェロー/室長 2021年6月8日 非常勤 理 事 会誌/出版 井上 創造 九州工業大学大学院生命体工学研究科 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 財務/情報システム・DX 上原 忠弘 富士通(株) 富士通研究所 研究本部人工知能研究所 シニアディレクター 2020年6月3日 非常勤 理 事 技術応用 鎌田真由美 日本マイクロソフト(株) プリンシパルクラウドソリューションアーキテクト 2020年6月3日 非常勤 理 事 論文誌 岸野 泰恵 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 主任研究員 2020年6月3日 非常勤 理 事 長期戦略 高橋 克巳 NTTセキュアプラットフォーム研究所 主席研究員 2020年6月3日 非常勤 理 事 新世代 辰己 丈夫 放送大学 教授(教養学部情報コース)/学長補佐(兼務) 2020年6月3日 非常勤 理 事 事業 中小路久美代 公立はこだて未来大学システム情報科学部 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 教育 中山 泰一 電気通信大学大学院情報理工学研究科 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 調査研究 西田 知博 大阪学院大学 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 総務 樋口 毅 三菱電機(株) 情報技術総合研究所IoTシステム基盤技術部 部長 2020年6月3日 非常勤 理 事 企画 松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 調査研究 森嶋 厚行 筑波大学図書館情報メディア系 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 技術応用 荒川 豊 九州大学大学院システム情報科学研究院系 教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 長期戦略 小野寺民也 日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 副所長 2021年6月8日 非常勤 理 事 標準化 河合 和哉 (国研)産業技術総合研究所 イノベーション推進本部標準化推進センター標準化推進室 招聘研究員 2021年6月8日 非常勤 理 事 調査研究 清原 良三 神奈川工科大学情報学部 教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 企画 佐古 和恵 早稲田大学 基幹理工学部 教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 教育 高岡 詠子 上智大学理工学部 教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 論文誌 高倉 弘喜 国立情報学研究所 教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 会誌/出版 高橋 尚子 國學院大學 経済学部 教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 財務/情報システム・DX 田上 敦士 (株)KDDI総合研究所 アーキテクチャグループ グループリーダー 2021年6月8日 非常勤 理 事 IT産業連携 長谷川 亘 京都情報大学院大学・京都コンピュータ学院・京都自動車専門学校 統括理事長・教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 新世代 前川 卓也 大阪大学 大学院情報科学研究科 准教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 事業 湊 真一 京都大学 大学院情報学研究科 教授 2021年6月8日 非常勤 理 事 総務 吉濱佐知子 日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー/FSS & Blockchain Technologies 担当 部長 2021年6月8日 非常勤 監 事 監査 河内谷清久仁 日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー 2020年6月3日 非常勤 監 事 監査 中野美由紀 津田塾大学 教授/理学研究科長 2021年6月8日 非常勤 ※以上、国家公務員出身者(本府省課長・企画官相当職以上および地方支分部局の本府省課長・企画官相当職以上の経験者)の該当はありません。 また、役員報酬の支給はありません。
■役員区分
氏名(ローマ字)(出身校学部卒年)勤務先および役職名(*は女性)
略歴・専門分野等
抱負
■会 長
徳田 英幸
(TOKUDA, Hideyuki)(慶大1975卒)
(国研)情報通信研究機構 理事長/慶應義塾大学 名誉教授[略歴] 1983年カナダ・ウォータールー大学計算機科学科博士.カーネギーメロン大学計算機科学科研究准教授(1983-1993年), 慶應義塾大学常任理事(1997-2001年) , 日本学術会議会員(2014-2020年)などを経て現職. 本会副会長(2014-2015年度), 理事(2000-2001, 2007-2008年度), 技術応用委員会委員長(2004-2009年度)などを歴任. 本会フェロー. 本会功績賞, 経済産業大臣賞, 総務大臣賞, 文部科学大臣表彰:科学技術賞などを受賞.
[抱負] COVID-19の世界的大流行は, 各国で厳しい外出制限等が行われました. ICTを使ったテレワーク, 遠隔授業, 遠隔医療などが新しい生活様式に必要不可欠となる一方で, デジタルガバメントやオープンデータの利活用など社会全体におけるデジタル変革(DX)の遅れが顕在化しました. 学会は, これまで以上に社会課題の解決にむけて積極的に関与していくべきと考えます. 学会として, 新しい研究領域や他分野との境界領域を切り開くことはもとより, 誰でもが活躍でき, 包摂性を持った持続可能なポストコロナ社会のかたちをデザインする創発の場としての役割も大切であると考えます. 大会, 研究会, セミナーなどの新しいスタイルを模索するに留まらず, ポストコロナ社会やSDGsにむけた新しい学会のあるべき姿について議論し, 積極的に変革していくことが重要と考えます. コロナ禍での学会活動については, さまざまな制限をピンチと考えず, むしろチャンスととらえ, 60年に一度の“洗濯”をする良い機会ととらえ, 次の60年にむけて変革すべきと考えます. 会員だけの学会でなく, 社会の中の学会であり, さまざまなコラボレーションを通じて新しい価値を創出し, 社会に還元していくことを実践すべきと考えます. 本会は, 日本における情報処理のコミュニティを牽引してきましたが, 今後も, 会員の皆様とともに変革を進め, コミュニティを活性化し, 社会へ寄与できればと思います.
■副会長
萩谷 昌己(HAGIYA, Masami)(東大1980卒) 東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 教授
[略歴] 1982年東京大学理学系研究科修士課程修了. 京都大学理学博士. プログラミング言語, ソフトウェア工学に加えて自然計算の研究に従事. 1995年より東京大学教授. 2010-2013年情報理工学系研究科長. 2011-2017年日本学術会議会員. 本会コンピュータサイエンス領域委員長, 調査研究運営委員長, 理事(2003-2004年度, 2008-2009年度)を歴任. 本会フェロー. 2016年より本会情報処理教育委員長.
[抱負] 小学校でのプログラミング教育の開始, 高等学校「情報Ⅰ・Ⅱ」の設置, 大学入学共通テストでの「情報」の出題検討などが行われているように, わが国でこの先数年間に実施される情報教育が, この国の将来を決める分水嶺となることは間違いありません. その中で, 情報学の研究と応用を進める本会以外に, 日本の情報教育を責任を持って担うことのできる学会は存在しません. 本会が中心となって日本の情報教育を発展させることが期待されています. 私は, 本会コンピュータサイエンス領域委員長, 調査研究運営委員長, 調査研究担当理事を務めた経験を持ち, さらに二期4年間にわたって, 情報処理教育委員長を務めて参りました. この間, データサイエンス教育委員会の設置, 中高生情報学研究コンテストの創設, 大学入学者選抜改革推進委託事業の実施, 各種提言の起草などを行っています. このような活動をさらに発展させ, 本会が世界の情報学分野をリードする学会となるためには, 情報教育の充実こそが必須であり, 私が副会長としてそれを推進することが必要不可欠であると確信しています.
■副会長
上田 修功
(UEDA, Naonori)(阪大1982卒)
日本電信電話(株)NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上田特別研究室長(NTTフェロー)(兼務)理化学研究所革新知能統合研究センター 副センター長[略歴] 1984年大阪大学大学院修士課程修了.同年日本電信電話公社(現NTT)横須賀電気通信研究所入所.1992年博士(工学).NTTコミュニケーション科学基礎研究所所長を経て現在上田特別研究室長(NTTフェロー). 2016年より理化学研究所革新知能統合研究センター副センター長併任.2019年より日本科学技術振興機構(JST) CREST研究総括.専門は統計的機械学習とその自然科学, 社会科学への応用.
[抱負] 近年, 第4の科学研究アプローチとしてデータ駆動型科学が注目を集めています.産業界でもGAFAに代表されるようにデータ駆動型戦略が展開されています.データが中心的役割といえども,単にデータを保有しているだけでは意味がなく,新価値に変えるためのシナリオやそれを実現する技術が伴わなければなりません.本会はまさにデータ中心時代における,新価値創造,革新技術の創出,情報システム開発に携わる人たちの情報発信,情報交換の重要な場であると言えます.しかし,一方でソーシャルメディアの普及により,研究開発コミュニティにおいてさえ, 情報発信, 情報交換の形態も特に若い世代で急速に変化しています.こうした動きに対し, 学会もDX化, グローバル化を加速させ, 機動的に進化することが重要だと考えます.微力ながら, 会員の皆さんの要望に応え, かつ, 社会情勢を鑑みながら,本会の持続可能な発展に尽力する所存です.
■理事[会誌/出版担当]
井上 創造
(INOUE, Sozo)(九大1997卒)
九州工業大学大学院生命体工学研究科 教授[略歴] 2002年九大システム情報博士後期課程修了. 博士(工学). 同大助手, 准教授, 九工大工学研究院准教授を経て, 2018年より九工大生命体工学研究科准教授. ドイツカールスルーエ工科大客員, 理研客員, コロンビアロスアンデス大客員. スマートフォン人間行動認識およびビッグデータ医療・介護応用に興味を持つ.
[抱負] 巷では, サブスクリプションサービス(サブスク)と言いつつ, 定額制のサービスが流行っていますが, 学会は, その究極のものだと思っています. 学会のイベントに参加して知識を得るだけではなく, 知を媒介とした, 人と人とのつながりができます. 個別に会えばコンサルティング料が発生するような先生や研究者とまとめて会うことができ, また学生や若手研究者にとっても, キャリアにおける節目で支援してくれる人とつながることができる, こんな学会員資格は, 最高のサブスクでありステイタスです. 私も, 学生のときに参加した学会の合宿でたまたま挨拶した先生にその後情報爆発や情報大航海, 最先端研究といった大きなプロジェクトに長い間お世話になった経験があります. このような学会の価値をより際立たせ, 国内・国際を含めた情報処理学会ブランドの向上に貢献できればと思っています.
■理事[財務担当]
上原 忠弘(UEHARA, Tadahiro)(東工大1993卒)(株)富士通研究所 サービスビジネス開発運用・ユニットシニアディレクター[略歴] 1993年東京工業大学理工学部制御工学科卒業. 1995年同大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻修士課程修了. 同年(株)富士通研究所入社. 以来, 業務システム開発をターゲットに, ソフトウェア開発方法論, ソフトウェアテスト, 形式手法, ソフトウェアアーキテクチャに関する研究開発に従事.
[抱負] 現在, 情報処理技術をフル活用して企業のビジネスや組織の活動を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が叫ばれており,それを実現する技術が求められています. AIやクラウドなどソフトウェア領域を始めとした情報処理分野の新技術はDX実現に向けた必須要素ですが, これらは先進企業の実践の中から生まれておりOSSやクラウドサービス等の形で急速に広がっています. 一方で, DXを推進したい企業/組織は,あまたあるOSSやサービスに関して何をどのように活用するか, 既存システムとどのように連携させるか, 頭を悩ませているのが現状です. このような時代においてアカデミアの重要な役割の一つは, 次々と登場する新技術に学術的視点を与えることで, 新技術の評価や活用さらには発展を促進することだと考えます. それには, 実践の場をもつ産業界と本会のさらなる連携強化が不可欠です. 企業の研究者としての経験を活かし, 本会が革新的な技術の創出/発展の場として魅力的かつ有益な役割を果たして行けるよう, 微力ながら貢献したいと思います.
■理事[技術応用担当]
鎌田真由美*
(KAMATA, Mayumi)(横国大1986卒)
日本マイクロソフト(株)プリンシパルクラウドソリューションアーキテクト[略歴] 日本アイ・ビー・エム株式会社にてSEおよびプロジェクトリーダーとしてSIビジネス担当後, 東京基礎研究所にてサービスリサーチ分野のマネージャー, 米国IBMワトソンリサーチにて技術戦略コアメンバーを務める. 2013年より日本マイクロソフト株式会社にてクラウド関連ビジネスに携わる.専門分野はソフトウェア工学, 特に要求工学.
[抱負] 情報技術がきわめて特殊な技術だった時代から, その中身を知らなくとも気軽に扱える時代になり, さらに生まれたときから毎日情報技術の恩恵を受けて生きていく時代へと変化してきました. 情報技術は常に発展中であり, ここには世界中がしのぎを削る最先端基礎研究も, 人々の生活を支えるインフラとしての情報技術も, 生活を彩る応用技術もあり, 夢と興味の尽きないエリアです. 私自身もIT業界に身を置きながらも大学院でソフトウェア工学を学びなおした経験があり, その時から情報処理学会会員としてここで多くの学びと知見をいただき, 大学や企業を超越した人脈を得たことで充実した研究ができました. この度, 未熟者ではございますが, 理事として立候補させていただきました. 多くの方に, かつての私のように本会を通じて多面的な情報技術の世界を知って深めていただけるよう微力でございますが, 力を尽くしたいと考えております.
■理事[論文誌担当]
岸野 泰恵*(KISHINO, Yasue)(阪大2002卒)NTT コミュニケーション科学基礎研究所 主任研究員
[略歴] 2002年大阪大学工学部卒業. 2004年同大学情報科学研究科博士前期課程修了. 2007年同研究科博士後期課程修了, 日本電信電話(株)入社. 博士(情報科学). ユビキタスコンピューティング,センサネットワークに関する研究に従事.
[抱負] AI, IoTといった技術の普及に伴い, 情報処理技術は, 誰にとっても身近なものになってきました. 情報処理技術が利用者にとって身近な技術となってきている状況であればこそ, セキュリティ技術によって利用者に安心感を与えたり, 親しみやすいインタフェースによって使いやすいシステムを提供するといった, 単に高い性能で識別を行ったり, 効率よく高速に処理するだけでない, さまざまな価値が求められてきます. 一方で, 企業だけでなく地方自治体など, さまざまな場所でAI, IoTといた情報処理技術への期待は高まっています. 学会がさまざまな情報を発信し, 新たな連携の生まれる場となり, それによって, この分野がさらに活性化すればと考えています. 私はこれまでに本会の研究会の運営委員, 幹事, シンポジウムの運営委員を務めてきました. これらの経験を活かし, 少しでもみなさまのお役に立てればと考えております.
■理事[長期戦略担当]
高橋 克巳
(TAKAHASHI, Katsumi)(東工大1988卒)
NTTセキュアプラットフォーム研究所 主席研究員
※理事会からの推薦[略歴] 1988年日本電信電話(株)入社. 以来, 情報セキュリティ, ビッグデータ分野の情報処理研究に従事. 2011年筑波大学客員教授. 2012年総務省統計研修所客員研究官. 本会では, 2015年フェロー. 2010年情報規格調査会規格役員, 理事(2013年度-2014年度, 2018年度-2019年度). 論文賞(2000年, 2011年, 2016年). 博士(情報理工学).
[抱負] 私は2018−2019年度に理事D(長期戦略を担当)を努めさせていただきました. 規程に基づいて2期目の立候補をさせていただきます. 現在の情報処理学会はネットやスマホという情報処理が社会の基盤になった現状に対し, 我々のアドバンテージをどう活かせるかという葛藤の中にあるといえます. これまで, 情報処理学会の魅力や期待を議論し直し, それらサービスを持続的に提供できる基盤を確立するための議論を行ってまいりました. 現在までの議論では, 情報処理学会のカバーする領域と営みは十分に魅力的であり, さらにそのことは情報処理のユーザも含んだ幅広い層年代にアピール提供すべきだという方向性がまとまってきています. また前向きな見直しにより, より本会の活動は強くなれると考えられます. 本会の維持発展には会員獲得, 財務, 事業, それに学会運営に様々な課題があります. しかしそれらは情報処理が解決できる魅力的なユースケースでもあります. これら課題を戦略的実行的に計画し, 本会に貢献します.
■理事[新世代担当]
辰己 丈夫(TATSUMI, Takeo)(早大1991卒) 放送大学 教授(教養学部情報コース)/学長補佐(兼務)
※理事会からの推薦
[略歴] 博士(システムズ・マネジメント). 1993年早大情報科学研究教育センター助手. その後, 神戸大, 農工大を経て2014年放送大学准教授. 2016年より現職. コンピュータと教育研究会幹事, 情報処理教育委員会幹事, 教員免許更新講習委員会副委員長, 初等中等教育委員, 一般情報教育委員, 会誌編集委員, 教科書委員を歴任.
[抱負] 本会が, これまでに情報学の深化・情報処理の普及・情報産業の形成に果たしてきた役割は大きいものです. そして, 本会は, 次代を担う若い人たちが情報学を身に付けていくために, 今後も, さまざまなことに寄与していくべきでしょう. 我が国の状況を見れば, 既に, 初等中等教育での情報科学の重点化が指導要領などで決定されており, さらに, 大学入試における情報学の出題も検討されています. こうした一般向けの学校教育の層が厚いほど, 逸材を見つけるチャンスも増え, 専門家育成のための教育も確固たるものになります. そのためには, 現職教員への情報教育・研修・教員養成などが, ますます重要な役割を果たします. 本会こそが, 情報学領域の普及活動を総合的に担うことが可能な, 我が国唯一の学会であると, 私は感じています. 今後は, 情報教育の役割が重要になる状況で, 本会が安定して社会的使命を果たせるように, 学会活動の認知度を上げる活動, 若手の発掘などを中心に新たな事業の立ち上げを行い, 本会の発展に貢献したいと考えております.
■理事[事業担当]
中小路久美代*
(NAKAKOJI, Kumiyo) (阪大1987卒)
公立はこだて未来大学システム情報科学部 教授[略歴] 1986年 SRA入社. 米国コロラド大学より M.S.(1990年)およびPh.D.(1993年). 奈良先端大, 東京大学, 京都大学を経て2019年より現職. SRA先端技術研究所長を兼任. 文部科学省科学技術・学術審議会委員等歴任.インタラクションデザイン, ソフトウェア開発支援, 創造性支援等の研究に従事.
[抱負] 我々を取り巻く物理的, 論理的な環境の多くに情報技術が組み込まれるようになったいま, 情報処理技術により実現可能となる現象と, それらと関わることによる学習や適応といった人の変化と, その双方を理解することの重要性をますます感じます. 私は, 1990年初頭から一貫して, 情報環境と人とのインタラクションによる知識共創の研究に携わってきました. 人と情報環境が構成する系の〈あるべき姿〉を探求する研究です. 情報環境による情報提示によって人が触発され新たな知識を生み出し, 外在化された知識が情報環境に蓄積され展開し社会を循環するような, 機構の構築と原理の解明を目指してきました. 学会活動もまた人の知識共創の営みのひとつであると考えます. 情報処理学会は, 人や社会をとりまく環境, 人々の営為を支えるインフラ, 人を助け拡張する道具, 人々の触発と共創を促す仕掛けとなる情報技術を研究するコミュニティの核であると考えます. 本学会の未来の〈あるべき姿〉の構想と実現に向けて, 学会役員としての活動を通して微力ながら貢献したいと思います.
■理事[教育担当]
中山 泰一
(NAKAYAMA, Yasuichi)(東大1988卒)
電気通信大学大学院情報理工学研究科 教授[略歴] 1993年東京大学大学院修了. 博士(工学). 同年より電気通信大学において, 計算機システム, 並列分散処理, 情報教育の研究に従事. 本会では, 論文誌ジャーナル編集委員会編集長, 初等中等教育委員会副委員長などを務める. 2014年度学会活動貢献賞, 2016年度山下記念研究賞, 2017年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞受賞.
[抱負] 私は, これまで, 本会情報処理教育委員会のメンバーとともに, 情報教育の充実と高度化に向けて活動してきました. たとえば, 全国大会に中高生情報学研究コンテストを創設し, 中高生に本会のジュニア会員となり情報学の探究活動をすすめてもらうことを目指しました. また, 大学入試で情報入試を普及させるための模擬試験を実施するなどの活動に取り組みました. 2020年度から小学校でプログラミング教育が開始され, 2022年度からは高校でもプログラミング, AI, データサイエンスなどを扱う「情報I」や「情報Ⅱ」が設けられます. さらに, 2021年度中に2025年に実施される大学入学共通テストで情報が出題されるかどうかが決まります. つまり, 2020年からの数年間は, 本会がこれまでわが国の情報学分野をリードしてきたその成果を, 広く国民全体に広げていくための重要な期間となります. この成否が, 本会はもとより, わが国の将来をも左右すると言っても過言ではありません. 理事として, 本会の教育・人材育成の活動を推進するとともに, 社会に貢献して行きたいと考えております.
■理事[調査研究担当]
西田 知博(NISHIDA, Tomohiro)(阪大1991卒) 大阪学院大学 教授
※調査研究運営委員会からの推薦[略歴] 大阪大学基礎工学研究科を経て1996年同大情報処理教育センター助手. 2000年大阪学院大学情報学部講師, 准教授を経て, 2018年より現職. 博士(情報科学). コンピュータと教育研究会主査(2014-18年), 論文誌教育とコンピュータ編集委員長, 情報規格調査会SC36専門委員会委員長などを務める. 情報教育, プログラミング教育に関する研究に従事.
[抱負] コンピュータやネットワークは今やあって当たり前のものになっていますが, それ故, 単なる道具のように捕らえられてしまい, 若い世代の情報分野への関心が外形的な薄いものになっていることが懸念されます. そんな中, 2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されるなど, 技術的な部分により踏み込んだ情報教育が学校において行われるようになります. それを教える教員の研修や教材の開発など, いろいろな課題はありますが, これを機会に, 新しい発想が求められるこの分野で, 子どもたちが情報技術に興味を持ち, 研究を志してもらえるようにするための活動が学会として重要だと考えます. 教育分野の研究会主査や論文誌編集委員長の経験を生かし, このような活動を推進していくことと, ジュニア会員も含めた若手研究者の本会での発表や論文執筆などを支援することを, 研究会のみなさまのご協力を得ながら進めていけたらと考えています.
■理事[総務担当]
樋口 毅
(HIGUCHI, Tsuyoshi)(東北大1990卒)
三菱電機(株)情報技術総合研究所IoTシステム基盤技術部 部長[略歴] 1990年東北大学工学部情報工学科卒業, 同年三菱電機(株)入社. OS, サーバ仮想化技術, サーバ運用監視技術, 組込みプラットフォーム技術開発に従事. 2019年より現職. 本会コンシューマ・デバイス&サービス研究会幹事.
[抱負] 計算機技術や通信技術, センシング技術, HMI技術などの発展で, 世の中で色々なものがつながるようになっています. つながり, データを活用できるようになることで, これまであまり関わりのなかった産業分野でも情報処理技術が使われるようになり, 情報処理技術者の活躍の場が広がっています. 情報処理技術を様々な産業分野へ適用して新たな価値を産み出すには, その専門領域の技術や知識との融合が必要となり, 異なる専門領域の技術者との活発な議論が重要になります. そのためには学会が, 技術の進化と, 様々な領域への技術の適用との両輪で貢献できる場であることが必要です. サーバやクラウドの領域と組み込み領域, つなげる側とつながる側, 両方の研究開発に携わってきた経験を活かし, 様々な専門領域の技術者と議論できる場を提供し, 本会を通じて情報処理技術を様々な産業分野に適用できるようにしていきたいと考えています.
■理事[企画担当]
松尾 豊
(MATSUO, Yutaka)(東大1997卒)
東京大学大学院 工学系研究科 教授[略歴] 2002年東京大学大学院博士課程修了. 博士(工学) . 産業技術総合研究所研究員, スタンフォード大学客員研究員を経て2007年より東京大学大学院准教授, 2019年より教授. 専門分野は人工知能, 深層学習, ウェブマイニング. 2014-2018年人工知能学会倫理委員長, 2017年より日本ディープラーニング協会理事長, 2019年よりソフトバンクグループ社外取締役.
[抱負] これまで情報処理学会には約20年に渡り継続して論文を投稿し, また全国大会にもたびたび参加させていただきました. 学会のオーガナイズとしては, 人工知能学会で編集委員長, 倫理委員長を務めました. 昨今の人工知能のブーム, 特に深層学習の進展は, この技術が人工知能領域に留まらず, 情報系の関連領域, さらには工学系のさまざまな領域, また人文社会学系の学問を巻き込んで, 幅広い視点からの技術開発が必要であることを示唆しています. 情報技術の中心となる情報処理学会で, 社会全体のさまざまな視点を反映した技術を研究開発・実装していくために, 微力ながらお役に立てればと思っております.
■理事[調査研究担当]
森嶋 厚行
(MORISHIMA, Atsuyuki) (筑波大1993卒)
筑波大学 図書館情報メディア系 教授
※調査研究運営委員会からの推薦[略歴] データベースシステム研究会幹事 (2007-2009年度), 同主査 (2014-2017年度), 論文誌データベース編集委員 (2002-2006年度, 2019年度-), 同共同編集委員長 (2015-2018年度), コンピュータサイエンス領域財務委員 (2018-2019年度), 論文賞 (2003年度). 1998年 筑波大学大学院工学研究科修了. 2013年より現職. データベースシステム, クラウドソーシングシステム, Webデータ管理等の研究に従事. The VLDB Journal Associate Editor. 日本データベース学会理事, ICADL, DASFAA Steering Committee Member.
[抱負] 情報処理技術による社会変革は, これから本番を迎えようとしています. インターネットを活用すれば, 国内のみならず国際的なコミュニティづくりが個人レベルでできる時代です. しかし一方で, 研究者が本来行うべきである研究以外の業務の量は増大しています. そのような時代に, 我が国の学会がどうあるべきなのか, 諸先輩に築き上げていただいた歴史を尊重しつつ, 新しい考え方も取り入れていきたいと思っております. 時代に合わせて, 個々の研究者と研究コミュニティの活動の支援と活性化につながる仕組みをデザインすることが重要です. これまで, コンピュータサイエンス領域財務委員, データベースシステム研究会主査・論文誌データベース共同編集委員長などを経験する中で, コミュニティの研究活動支援・活性化について取り組み, また, これらのあり方について考えてまいりました. 次の時代を支える研究者が主体的に活躍できるような, 皆が幸せになれる学会を実現するために, 微力ながら貢献できればと考えております.
■理事[技術応用担当]
荒川 豊
(ARAKAWA,Yutaka)(慶大2001卒)
九州大学大学院システム情報科学研究院 教授[略歴] 2006年慶大大学院理工学研究科後期博士課程修了. 博士(工学). 同大助手, 九大助教, 奈良先端大准教授を経て,2019年より九大大学院システム情報科学研究院教授. IoTとAIによる行動認識と行動変容に関する研究に従事.本会MBL研究会の運営委員および幹事,本会関西支部庶務および行動変容と社会システム研究会主査等を歴任.
[抱負] 情報処理技術は, 今や社会基盤として, 我々の生活にはなくてはならないものになっているだけではなく,あらゆる業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しする重要な技術となっています. 特に, 昨今のパンデミックにおいては,仕事, 研究, 教育がリモートになるなど, 一気にDXが進み, 情報処理技術の重要性を再認識しました. 今後, 情報処理学会は,このような時代を支える最先端の研究を生み出し, 研究者を育て, 産学連携を推し進める重要な場になっていくと考えられます. 私自身,30歳のときに, 研究分野を変えたことで, 初めて情報処理学会に関わったのですが, 研究会でさまざまな研究者と交流し, 切磋琢磨したことが,研究者の礎となったと感じています. その経験を活かし, 今後は若い世代の育成, 学会自体のDX, そして,情報処理分野のさらなる発展に貢献していきたいと思います
■理事[長期戦略担当]
小野寺民也
(ONODERA, Tamiya)(東大1983卒)
日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 副所長
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※理事会からの推薦[略歴] 1988年東京大学大学院理学系研究科情報科学専門課程博士課程修了.理学博士.同年日本アイ・ビー・エム(株)入社.2017年より現職. 本会会誌編集委員(2012年-2015年), 論文誌プログラミング編集委員(2000年-2003年), プログラミング研究会幹事(2000年-2002年), プログラミング研究会連絡委員(1995年-1999年), 文献ニュース小委員会委員(1991年-1994年) などを歴任.
[抱負] 1960年の本学会創立以来半世紀がすでに過ぎていますが, その間の情報化社会の進展は凄まじいものがあり, 本学会が果たしてきた役割も大きなものがあります. 今日においても情報処理技術による社会変革の勢いはとどまるところを知らず, IoTとAIを基軸にいわゆるSociety 5.0の実現に突き進んでいます. こうしたなか, 本学会の会員数は漸減傾向にあり, 過去15年で2割ほど減少しています. 本学会の持つパワーと社会に果たしうる役割を考えるとき, これはよろこばしいことではありませんが, 一朝一夕に解消できるものではなく, まさに長期戦略が必要なところであるといえます. 中長期的な視点にたった学会の安定運営に加え, 中長期的なグローバル化の推進, 新世代活動のサポート等において, グローバルIT企業での研究および研究マネジメントの経験, および, 本学会や他学会でのさまざまな活動経験を活かし, 微力ながら貢献したいと思っています.
■理事[標準化担当]
河合 和哉(KAWAI, Kazuya)(横浜国大 1985卒) 国立研究開発法人産業技術総合研究所デジタルアーキテクチャー推進センター 招聘研究員
※情報規格調査会からの推薦
[略歴] 1987年横浜国立大学大学院工学研究科電子情報工学専攻修了.同年松下通信工業(株)入社.以来,システム開発,技術渉外に従事し,2005年より国際標準化に従事.情報規格調査会 副委員長(2014年より)SC31専門委員会委員長(2011-2016年).SC41専門委員会委員長(2017年より).2020年より現職.
[抱負] 標準化担当理事は, ISO/IEC JTC 1の国内審議団体である情報規格調査会の委員長として, 日本の情報技術の標準化を担うことになります.Society 5.0の実現に向けて,情報技術の果たすべき役割は, そのますますその重要性を増しており,それに伴って情報規格調査会の果たすべき役割, 情報規格調査会への期待は大きくなっているものと認識しています.2011年からJTC 1で具体的な規格開発を担うSCに対応する専門委員会の委員長として,国際標準化の前線で活動してきました.また, 2014年から2期,副委員長として伊藤委員長を補佐しながら情報規格調査会の運営に参画してきました.これらの活動を通じて,現在の情報規格調査会の課題は十分に認識しているつもりです.特に情報規格調査会の経営基盤の安定, 標準化人材の育成は大きな課題だと認識しています. 役員に就任いたしましたら, これらの課題の解決に向けて, 情報処理学会本部, 役員の皆様のご意見を伺いながら取組んでまいる所存です.
■理事[調査研究担当]
清原 良三
(KIYOHARA, Ryozo)(阪大 1983卒)
神奈川工科大学情報学部情報工学科 教授
※調査研究運営委員会からの推薦[略歴] 1985年三菱電機(株)入社.1989年-1993年(財)新世代コンピュータ技術開発機構出向.2012年より現職.本会論文誌編集委員会ネットワークG主査,高度交通システムとスマートコミュニティ研究会主査を歴任.現在,論文誌コンシューマデバイス&システム編集長,情報環境領域財務委員.博士(情報科学).本会フェロー(2018年度)
[抱負] 近年, 広く研究されてきたICT(情報通信技術)が, 携帯電話, カーナビゲーションシステムなどの様々な制約のあるデバイス上で応用,実装されてくるなど,生活に必須なあらゆる物がICTによって支えられるようになってきています.また, 人々が快適な生活をする上ではICTを如何に使いこなすかが重要な課題となっています.すなわち, 本会による研究活動の活発化などは国際競争力を高めるだけでなく,あらゆる人を支援できることが重要となってくると思います.企業の研究者であった経験,コンシューマ向け製品の開発に携わっていた経験, 論文誌委員会の主査や研究会での幹事, 運営委員, 国際会議の委員の経験などを活かし,会員が相互に役立つとともに, 産業界にも役立つ成果発表の促進に貢献したいと思います.
■理事[企画担当]
佐古 和恵*
(SAKO, Kazue)(京大1986卒)
早稲田大学基幹理工学部情報理工学科 教授[略歴] 大学卒業後, NECに入社. 情報セキュリティ, プライバシ保護, 公平性保証の研究に従事. 2020年より現職. 2017-2018年度電子情報通信学会副会長, 第26代日本応用数理学会会長. (社)MyDataJapan副理事長. 国際会議Asiacrypt, CT-RSA, FC, PKC, ESORICS等プログラム委員長. 博士(工学).
[抱負] 情報処理技術は短時間の間に大きく発展し, 日々の生活に欠かせないものになりました. できることは大幅に増えたけれども, 一方で, その恩恵が一部の人や組織に偏っていないでしょうか. 過去の新技術がそうであったように, 情報技術も, 今一度, その使われ方の適切性を議論する時期になってきました. いままでの研究の延長だけではなく, 社会学や法学など, 他の分野と知恵を出し合って, 望ましいIT社会を詳細に設計することを手掛けはじめる必要があります. 特に, 猜疑心を生むようなブラックボックス化から脱出し, 透明性や説明可能性, さらに検証可能性があることが大事になってくると思います. 情報処理技術が一般の人の安心・安全や社会の健全化に資する技術となるよう, 本会の活動を通じて, その適正な使い方を社会の皆様と議論し, 発信していくとともに, 次世代に受け継がれるようなコミュニティを形成していきたいと思っています.
■理事[教育担当]
高岡 詠子*
(TAKAOKA, Eiko)(慶大1990卒)
上智大学理工学部 教授[略歴] 慶大理工,同大学院計算機科学,博士(工学),上智大学理工学部情報理工学科教授,医療・看護・介護・福祉,環境,教育分野におけるWebアプリ/スマフォアプリ等開発と運用,コンピュータと教育研究会運営委員・幹事,論文誌編集委員,情報処理教育委員会委員, 学会誌編集委員,理事(教育),情報処理に関する法的問題研究グループ主査を歴任,本会山下記念研究賞,学会活動貢献賞受賞, 主著:チューリングの計算理論入門, シャノンの情報理論入門(講談社ブルーバックス)
[抱負] 2025年から大学入学共通テストで「情報I」に対応した科目が出題されることになりました. 本会で長年初等中等情報教育や情報入試の普及に携わってきたことが形になったと思います. すべての受験生が幅広く受験できるよう, 初等中等教育・プログラミング教育の分野に携わってきたことを活かし, 協力できることをしていきたいと思います. 技術革新のスピードに法制度が追いついていないという問題に立ち向かうべく, 2015年に立ち上げた「情報処理に関する法的問題研究グループ」では昨年度アジャイル開発のソフトウェア契約モデルを策定しました. 図らずもほぼ同時に, 昨年, 経産省/IPAの「DX対応モデル契約見直し検討WG」主査として「アジャイル開発のソフトウェア契約モデル」作成に携わる機会をいただきました. 今後, AIの発達により情報と法の問題はさらに複雑化することは間違いなく, 本会にその点で貢献することができれば幸いです. 一方, Covid-19の拡大は社会に大きな影響を及ぼしましたが, 社会経済活動を継続するためICTの重要性が再認識されたことは本会の責任もさらに高まったと認識しています. 同時にICTへのアクセスとその利用に対する不公平さが顕になっています. これらの問題に対しても真摯に取り組んでいく所存です. 本会が社会においてこれからも重要な役割を果たし続けることができるよう理事として貢献できれば幸いです.
■理事[論文誌担当]
高倉 弘喜
(TAKAKURA, Hiroki)(九大 1990卒)
国立情報学研究所 教授/同所サイバーセキュリティ研究開 発センター センター長[略歴] 1990年九大卒,1992年九大修士修了,1995年京大博士後期課程修了・博士(工学).京大研究員・イリノイ州立大学訪問研究員,奈良先端助手,京大講師・助教授・准教授,名大教授を経て2015年より国立情報学研究所教授.現在,サイバーセキュリティに関する研究に従事.
[抱負] 私たちの生活が情報技術に大きく依存するようになった現在,その使われ方を考慮した研究開発が求められるようになったと考えています.一方,道具である情報技術をうまく使いこなせていない,使う人が期待したものとは全く異なる道具を開発してしまった事例も増えています.それぞれの国・地域には長年培ってきた文化が存在しますが,それを無視した性急な技術導入が上記のミスマッチの要因の一つです.それぞれの文化に適応しつつ,かつ,新たな時代への文化進化を促す技術開発が必須であると考えています.このために,研究者はそれぞれの研究領域を深く探求する一方で,情報技術を取り巻く環境全体を俯瞰するセンスを身につけること重要だと考えています.学会はその両方を提供する場です.応用分野における情報技術の適用法などを学会会員だけでなく他学問分野や利用者との間で共有し,直面している課題を気軽に議論できる枠組みを作りたいと考えています.
■理事[会誌担当]
高橋 尚子*
(TAKAHASHI, Naoko)(東女大1980卒)
國學院大學経済学部 教授[略歴] 大学時代に女子大初のマイコンクラブを結成. 女性SE第一期生として富士通入社, その後ASCIIでビジネスパソコンスクール開校, OAインストラクタを経て独立. 1995年から大学で非常勤講師を始め, 2007年から國學院大學経済学部で情報教育に就く.一般情報教育委員会副委員長(2016-2019年),情報処理教育委員会 幹事(2017-2018年),教育担当理事(2019-2020年度).
[抱負] この2年,教育理事として学会内の多くの事業と関わり,さらに外部のさまざまな機関や人々と交流して,数知れない情報を吸収,視野を広げることができました.その中で,情報科教員への多面的な支援,データサイエンス教育の検討,大学入試科目としての情報の設置,など多くの課題を手掛けてきました.さらにコロナ禍により,遠隔授業が全面的に実施されたことで,情報教育だけでなく,情報分野の教員の存在価値,教育を継続させるための情報技術の重要性が大きくクローズアップされました.『情報とコンピュータ』は,世界がどんな状況に陥っても,サスティナブルな社会を実現する基盤・環境・フレームと,世間で認識されてきたように思います.そして,どのように利活用するのか考え,応用できるのは,やはり人間の力だと改めて感じています.この2年間で蓄積したことを,あと2年間続けて,ぜひとも皆さんに貢献していきたいと考えています.
■理事[財務担当]
田上 敦士(TAGAMI, Atsushi)(九大1995) (株)KDDI総合研究所 次世代通信方式グループ グループリーダ
[略歴] 1995年4月九州大学工学研究科修士課程に進学,1996年九州大学システム情報科学研究科に転科,1997年同研究科修了. 同年国際電信電話(株)(現KDDI(株)入社), 以来, 将来ネットワークに関する研究開発に従事. 博士(工学). 本会では,マルチメディア通信と分散処理研究会幹事(2008年度-2011年度), 同研究会主査(2018年度-), 論文誌コンシューマ・デバイス&システム編集委員会副編集長(2016年度-). などを歴任.
[抱負] 情報処理技術は, 社会インフラやサービスの維持・発展に欠かせないものとして,利用させていない分野を見つけるのが難しいほど広まっています.従来情報通信と縁の薄かった分野へもICTの活用が進んだこともあり, 分野や業界の垣根を越えた連携の重要性を感じています.これまでの活動の中でも,異なる分野の専門家の知見や産学の連携が必要となる課題に直面する場面は多く, 本会のコミュニティとしての役割への期待は益々高まっていると感じます. 企業の立場で研究開発に携わってきたこれまでの経験を活かし, 本会の発展に微力ながら貢献したいと思います.
■理事[IT産業連携担当]
長谷川 亘
(HASEGAWA, Wataru)(早大卒,(米国)コロンビア大学ティーチャーズカレッジ(教育大学院)卒))
京都情報大学院大学/京都コンピュータ学院/京都自動車専門学校 統括理事長・教授
※理事会からの推薦[略歴] 早稲田大学卒業,(米国)コロンビア大学ティーチャーズカレッジ(教育大学院)文学修士号(M.A.)取得,(米国)コロンビア大学ティーチャーズカレッジ(教育大学院)教育学修士号(M.Ed.)取得,米国ニューヨーク州教育行政官資格. 一般社団法人京都府情報産業協会会長,一般社団法人全国地域情報産業団体連合会(ANIA)会長,一般社団法人日本IT団体連盟代表理事・筆頭副会長,一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)理事.
[抱負] 人類社会全体のデジタル化の加速を担える優れた人材を獲得し育成することは,より一層の急務です. 2020年,一般社団法人情報処理学会と一般社団法人日本IT団体連盟(IT連盟)は,協力事業に関する協定を締結しました. 本会とIT連盟とが緊密な連携・協力を図ることは,我が国における「真の産学協同」の実現に繋がるものと確信しております. 「学び」と「仕事」の往来により,多くの方々がさらにスキルアップすることのできる機会の拡充,「学習の成果」を産業界が適切に評価することができる方策の具体化等に,本会の一員として,またIT連盟の筆頭副会長(IT教育・人材育成委員会管掌者)として,微力ながら尽力させていただく所存でございます.
■理事[新世代担当]
前川 卓也(MAEKAWA, Takuya)(阪大2003卒) 大阪大学大学院情報科学研究科 准教授
※理事会からの推薦
[略歴] 2006年大阪大学大学院 博士後期課程修了. 2006年NTTコミュニケーション科学基礎研究所入所. 2012年より大阪大学大学院 情報科学研究科 准教授, 現在に至る. ユビキタスコンピューティング, ウェアラブルセンシングに関する研究に従事. 本会論文誌編集委員 (2017年度-) , ユビキタスコンピューティングシステム研究会幹事 (2020年度-) を歴任.
[抱負] 今や情報技術はあらゆる場所に浸透し, 我々の生活や産業, 様々な学術分野でも欠かすことのできないインフラとなっています. また, これまでは情報分野の研究者しか扱えなかったような高度な人工知能技術に誰でも容易にアクセスできるような時代が到来しつつあります. そのような情報技術のコモディティ化が将来的に進むと考えられる中, 情報技術を専門とする我々研究者はどこにアドバンテージを見出し, 社会や学術に貢献していくのでしょうか. 新世代の情報研究者は, 情報分野をとりまく環境が激変すると考えられる将来, 情報分野だけに留まらずに様々な領域で真に革新的な技術を開発する力が必要とされると考えています. 私がこれまでに行ってきた異分野融合研究等の活動から得た経験を基に, 学会の将来を担う新世代研究者の育成に微力ながら貢献できればと思っています.
■理事[論文誌担当]
湊 真一
(MINATO, Shin-ichi)(京大1988卒)
京都大学大学院情報学研究科 教授[略歴] 1990年京都大学大学院修士課程修了, 1995年同博士課程(社会人)修了. 1990年よりNTT研究所に勤務. 2004年北海道大学助教授. 2010年より同教授. 2018年より京都大学教授(現職). 2018年度-2019年度本会論文誌担当理事, 2020年より本会英文論文誌JIP編集長.
[抱負] 情報処理技術は社会の様々な分野を結びつけるための鍵となる重要な技術でありますが, 2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により人類社会は不連続的な変化を起こしており, その中で情報技術の重要性が一層高まっています. 近年では子供の習い事としてプログラミングの人気が高まり, 多くの学生が良い就職先を得るためにプログラミングコンテストに競って参加するような時代になってきました. 情報処理学会は, 1960年に情報処理国際連合(IFIP)の設立に対応する団体として日本で設立され, 現在では約18000人の有料会員を擁し, ACMやIEEE-CSと姉妹協定を持ち, 情報分野で日本を代表する学会として, 単なる学問の交流の場としてだけでなく, 国の情報教育に関する調査提言を行ったり, 国際規格標準化に関わるなど, 日本社会を支える重要な役割を担っていると思います. もしも当選させていただいた場合には, 学会理事としての活動を通じてこれからの時代を作っていくお手伝いができればと思っております.
■理事[総務担当]
吉濱佐知子*
(YOSHIHAMA, Sachiko)(青学大1993卒)
日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所?シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー,FSS & Blockchain Technologies 担当 部長[略歴] 2001年より米IBMのワトソン研究所で勤務.2003年より日本IBM東京基礎研究所で情報セキュリティ関連の研究や新興国向け研究戦略の策定を担当.現在はAIやブロックチェーン技術を活用した金融業界向けの研究開発に取り組んでいる.本会シニア会員,ACMおよびIEEE会員.博士(情報学).
[抱負] 世界が未曾有のパンデミックに直面し,目に見えないウィルスへの対応を迫られる中で,さまざまな事象をデータから理解し,科学的に意思決定をしていくことの重要性が昨今,再認識されてきています.例えば私が関わっている金融業界でも,AI・ビッグデータを活用した高度な意思決定や,クラウドによるITインフラ変革への取り組みが始まっています.一方で,使い方によっては,AIが差別的な判断を行ってしまうなどの問題も指摘されており,最先端の技術を正しく理解して使うためには,学会と産業界が連携して取り組んでいく必要があります.このような時代に,情報学の応用と研究をすすめる情報処理学会の役割はますます重要になってきており,異なる分野の専門家が協力して課題に取り組んでいくためのコミュニティとしての役割に対する期待も高まっていくと感じます. 私は企業に所属する研究者として,産業界と学術界の連携を促進するとともに,情報処理学会の発展に微力ながら貢献したいと考えています.
■監事
河内谷清久仁
(KAWACHIYA, Kiyokuni)(東大1985卒)
日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー
※本人のページ(外部リンク)[略歴] 1987年日本IBM入社. 以来, 同社東京基礎研究所にてOSやプログラミング言語処理系などの研究に従事. 博士(政策・メディア). 本会では論文賞(2004年度), シニア会員(2014年度), プログラミング研究会幹事(2014-17年度), 理事(2017年度-2018年度). 日本ソフトウェア科学会元理事,ACM Distinguished Member.
[抱負] AIやIoTの利用が一般化し, またプログラミング教育が2020年度以降必修化されていくことなどから, 情報処理の分野におけるプライバシーやコンプライアンスに対する配慮がますます重要になってきています. また, 学会としてそのための提言や施策を行うには, 学会自体の健全性や透明性が確保されていることが必要なのは言うまでもありません. これらの両面において微力ながら貢献できればと考え, 今回監事に立候補させていただきました. 以前担当した, 全国大会やFIT, プログラミングコンテストなどを管轄する事業担当理事とは違った立場になりますが, その経験も踏まえ, 諸先輩の皆様が60年にわたり築いてこられた土台の上で, 私自身の本会や他学会の理事会・研究会・その他委員会での経験, 企業でのマネジメントや海外活動経験なども生かして学会と社会の発展に寄与していければと思います. どうぞよろしくお願い申し上げます.
■監事
中野美由紀*
(NAKANO, Miyuki)(東大1981卒)
津田塾大学 教授/理学研究科長[略歴] データ工学に興味を持ち, 高性能データベース, 大容量・高速ストレージ, 省電力データベース, ビッグデータ支援プラットフォーム等の研究に従事.1985年に東京大学生産技術研究所, その後, 芝浦工業大学, 産業技術大学院大学を経て津田塾大学に在籍.情報処理学会 事業担当理事(2018-2019年度) , 技術応用理事(2011-2012年度), セミナー推進委員会委員長(2012年)等歴任.
[抱負] 2020年は「新型コロナ」の影響により,おそらく世界にとって忘れられない年となるかと思います.様々な困難が生じるなか,情報処理技術はまさに社会における人々の暮らしを維持するために欠かせないものとして利用されています.世界中の感染状況,医療情報から経済,教育に至るまで,情報処理技術が多くの社会集団にとって必須のツール,プラットフォームとなっています.「新型コロナ」以前にも人工知能等が着目されてきましたが,「新型コロナ」以降の時代を牽引する上でまさに情報処理技術は不可欠です.我が国でもデジタル庁が創設され,情報処理技術は各所から大きな期待が寄せられています.本会は,先端の情報処理技術を学術的かつ社会的な観点から日本社会に発信,牽引すべき立場にあり,大きな期待が寄せられています.このような先行きが不透明な状況において,監事は, コンプライアンスを重視しつつ学会を監査する責にありますが,同時に社会へ本会から情報技術の発信を支援するお手伝いができると考えます.今までに務めました本会の各種委員,委員長,理事等の等の経験に加え,日本データベース学会, 電子情報通信学会等の経験を生かし,「新型コロナ」以降に向けた新たな学会における健全かつ適正な学会活動のあり方を監事の立場で支援して貢献したいと考えております.