役員名簿(2020年度)
2020年度役員名簿
-
役職名 担当職務 氏名 所属
就任年月日 学会勤務 会 長 法人 代表 江村 克己 NEC 2019年6月5日 非常勤 副会長 会長補佐 中川八穂子 (株)日立製作所 研究開発グループデジタルテクノロジーイノベーションセンタ シニアプロジェクトマネージャ 2019年6月5日 非常勤 副会長 会長補佐 萩谷 昌己 東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 標準化 伊藤 智 新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術戦略研究センター デジタルイノベーションユニット ユニット長 2019年6月5日 非常勤 理 事 新世代 鬼塚 真 大阪大学大学院情報科学研究科 教授 2019年6月5日 非常勤 理 事 長期戦略 小野寺民也 日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 副所長 2019年6月5日 非常勤 理 事 総務 窪田 歩 (株)KDDI総合研究所 サイバーセキュリティグループ グループリーダ 2019年6月5日 非常勤 理 事 会誌/出版 清水 佳奈 早稲田大学理工学術院基幹理工学部 教授 2019年6月5日 非常勤 理 事 論文誌 下條 真司 大阪大学サイバーメディアセンター 教授/センター長 2019年6月5日 非常勤 理 事 教育 高橋 尚子 國學院大學経済学部 教授 2019年6月5日 非常勤 理 事 財務/情報システム 田中 淳裕 NEC セキュリティ研究所 所長 2019年6月5日 非常勤 理 事 事業 長 健太 (株)東芝 研究開発センター 知能化システム技術センター AI基盤技術開発部 2019年6月5日 非常勤 理 事 調査研究 西垣 正勝 静岡大学創造科学技術大学院 教授 2019年6月5日 非常勤 理 事 技術応用 西山 博泰 (株)日立製作所 研究開発グループデジタルテクノロジイノベーションセンタ 主管研究員 2019年6月5日 非常勤 理 事 企画 本田新九郎 NTT西日本 デジタル改革推進本部 技術革新部 R&Dセンタ 主幹研究員 2019年6月5日 非常勤 理 事 会誌/出版 井上 創造 九州工業大学大学院生命体工学研究科 准教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 財務/情報システム 上原 忠弘 富士通(株) 富士通研究所 研究本部人工知能研究所 シニアディレクター 2020年6月3日 非常勤 理 事 技術応用 鎌田真由美 日本マイクロソフト(株) プリンシパルクラウドソリューションアーキテクト 2020年6月3日 非常勤 理 事 論文誌 岸野 泰恵 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 主任研究員 2020年6月3日 非常勤 理 事 長期戦略 高橋 克巳 NTTセキュアプラットフォーム研究所 主席研究員 2020年6月3日 非常勤 理 事 新世代 辰己 丈夫 放送大学 教授(教養学部情報コース)/学長補佐(兼務) 2020年6月3日 非常勤 理 事 事業 中小路久美代 公立はこだて未来大学システム情報科学部 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 教育 中山 泰一 電気通信大学大学院情報理工学研究科 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 調査研究 西田 知博 大阪学院大学 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 総務 樋口 毅 三菱電機(株) 情報技術総合研究所IoTシステム基盤技術部 部長 2020年6月3日 非常勤 理 事 企画 松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科 教授 2020年6月3日 非常勤 理 事 調査研究 森嶋 厚行 筑波大学図書館情報メディア系 教授 2020年6月3日 非常勤 監 事 監査 渡辺 尚 大阪大学大学院情報科学研究科 教授 2019年6月5日 非常勤 監 事 監査 河内谷清久仁 日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー 2020年6月3日 非常勤 ※以上、国家公務員出身者(本府省課長・企画官相当職以上および地方支分部局の本府省課長・企画官相当職以上の経験者)の該当はありません。 また、役員報酬の支給はありません。
■役員区分
氏名(ローマ字)(出身校学部卒年)勤務先および役職名(*は女性)
略歴・専門分野等
抱負
■会 長
江村 克己
(EMURA, Katsumi)(東大1980卒)
NEC取締役 執行役員常務 兼 CTO[略歴] 1982年東京大学大学院修士課程修了, 日本電気(株)入社. 光通信システムの研究開発に従事. 研究企画部長, 知的資産統括本部長, 執行役員 兼 中央研究所長を経て, 2016年より現職. 現在, 総務省情報通信審議会委員, JST AIPネットワークラボ長, 京都大学経営管理大学院特命教授, 経団連未来産業・技術委員会企画部会長, COCN実行委員. 工学博士(東大).
[抱負] デジタル化による社会の変革が急速に進んでいます. この変革を支えるのがAIやIoTをはじめとする情報処理技術です. 情報処理の研究者, 技術者が, 他の多くの領域の人たちとコラボレーションを進めることにより, 想像を遥かに超える大きな変革を実現できます. 情報処理技術がもたらす価値を如何に多くの人たちに理解, 活用いただくかが鍵になります. これまでの活動の範囲を超えた取り組みが, さらなる飛躍につながります. 本学会は, 産学官の異なるメンバーが数多く集う場として, これまでも大いなる役割を果たしてきていますが, そこに他分野の方々や老若男女を問わず広く市民に参画いただくことで新たな展開がひらけます. 研究開発のみならず, 社会の受容性や人材育成, デザインについての議論にも積極的に取り組むことが必要になります. 情報処理技術ならびに本学会が持つ価値を再認識し, 活動をより拡げることで, 本学会が影響する価値は何倍にも高まると確信します. そのような活動を, 多くの意のある学会員の皆様と一丸となって進めていきたいと思います.
■副会長
中川八穂子*
(NAKAGAWA, Yaoko)(東大1981卒)
(株)日立製作所 研究開発グループデジタルテクノロジーイノベーションセンタ シニアプロジェクトマネージャ[略歴] 1981年東京大学理学部卒業, 同年日立製作所神奈川工場入社, スパコンや大型計算機開発に従事. 2008年中央研究所組込みシステム基盤研究所長等を経て 2015年4月より現職. この間文科省HPCI計画推進委員会構成員やJST CREST 領域アドバイザー等にも従事. 2016年度-2017年度本会理事.
[抱負] 2016年度から2年間総務理事を務めさせていただきました. その経験から本学会の課題をいくつか認識しました. 第一の課題は企業所属正会員の減少です. これは定年退職等に伴い退会される会員数が, 新たに正会員になる方の数を上回る為です. 連続セミナーやCITPという資格制度等の充実を図ってきてはおりますが, 更に企業会員むけイベントの見直し等が必要と感じています. 第二の課題は, WorldwideのITをとりまく変化スピードに対し, 学会運営の刷新が追い付いていないことです. これは第一の課題の要因にもなっています. 刷新には学会の基盤である研究会運営を変えていく(例えば新たな研究会を作る)必要がありますが, 研究会-領域委員会-調査運営委員会-理事会と多層レイヤの意思決定を経なければなりません. 研究会で現場の運営に携わっている方々からの提案を吸い上げやすい意思決定プロセスに変革したいと思います. これらの課題の解決に対し, 今迄の企業での研究開発や総務理事としての経験を活かし, 正会員の満足度をあげ新規会員が魅力を感じる学会となるよう, 微力ながら務めて参る所存です.
■副会長
萩谷 昌己(HAGIYA, Masami)(東大1980卒) 東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 教授
[略歴] 1982年東京大学理学系研究科修士課程修了. 京都大学理学博士. プログラミング言語, ソフトウェア工学に加えて自然計算の研究に従事. 1995年より東京大学教授. 2010-2013年情報理工学系研究科長. 2011-2017年日本学術会議会員. 本会コンピュータサイエンス領域委員長, 調査研究運営委員長, 理事(2003-2004年度, 2008-2009年度)を歴任. 本会フェロー. 2016年より本会情報処理教育委員長.
[抱負] 小学校でのプログラミング教育の開始, 高等学校「情報Ⅰ・Ⅱ」の設置, 大学入学共通テストでの「情報」の出題検討などが行われているように, わが国でこの先数年間に実施される情報教育が, この国の将来を決める分水嶺となることは間違いありません. その中で, 情報学の研究と応用を進める本会以外に, 日本の情報教育を責任を持って担うことのできる学会は存在しません. 本会が中心となって日本の情報教育を発展させることが期待されています. 私は, 本会コンピュータサイエンス領域委員長, 調査研究運営委員長, 調査研究担当理事を務めた経験を持ち, さらに二期4年間にわたって, 情報処理教育委員長を務めて参りました. この間, データサイエンス教育委員会の設置, 中高生情報学研究コンテストの創設, 大学入学者選抜改革推進委託事業の実施, 各種提言の起草などを行っています. このような活動をさらに発展させ, 本会が世界の情報学分野をリードする学会となるためには, 情報教育の充実こそが必須であり, 私が副会長としてそれを推進することが必要不可欠であると確信しています.
■理事[標準化担当]
伊藤 智(ITOH, Satoshi)(千葉大1982卒) (国研) 新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術戦略研究センター 電子・情報・機械ユニット長
※情報規格調査会からの推薦
[抱負] 情報技術 (IT) は今では重要な社会インフラとなっていますが, 現在でもその領域は拡大し続けています. センサ, 携帯, 自動車, 家電, あらゆるものがネットワークにつながり (インターネット・オブ・シングス) , 多種・大量の情報が発信・収集・解析され (ビッグデータ) 様々な利活用に結び付けられてきています. また, 様々な産業領域で効率向上や環境負荷低減などへの情報技術の活用が進んでいます. このような状況で, 社会インフラとしての情報技術のあり方, 様々な応用システム・実社会とのインタフェースなど, 標準化の果たす役割は益々重要になってきていると認識しています. 本会情報規格調査会の委員長として, 産業界が発展するよう, 国際標準化活動をリードし, 情報処理学会の発展に微力ながら貢献したいと思います.
[略歴] 筑波大学大学院博士課程1987年修了. 筑波大学にて博士号を取得. (株)日立製作所にてコンピュータの利用技術に関する研究に従事. 2002年6月から産総研にてグリッド, グリーンIT, クラウド等の産業分野への応用研究に従事. 2017年より現職. 本会情報規格調査会にて2010年7月から副委員長, 2013年7月から委員長に就任し, ISO/IEC JTC 1の国内及び国際対応を推進. 2013年度より本会標準化担当理事.
■理事[新世代担当]
鬼塚 真
(ONIZUKA, Makoto)(東工大1991卒)
大阪大学大学院情報科学研究科 教授
※理事会からの推薦[略歴] 1991年東京工業大学工学部情報工学科卒業. 同年, NTT 入社. 2000年-2001年ワシントン大学客員研究員, 2013年-2014年電気通信大学客員教授. 博士(工学) . データベースシステム, データマイニングの研究に従事. デジタルドキュメント研究会幹事 (2005年度-2008年度) , 本会論文誌データベース編集委員 (2007年度-2010年度) , デジタルプラクティス編集委員 (2016年度-2018年度) を歴任.
[抱負] AI/ビッグデータ/クラウド技術を中心とした情報処理技術の発展と共に, 情報産業は目覚ましく拡大しつつあります. 情報系のスタートアップ企業が増加し, インターネット上では論文やソフトウェアなどの技術の情報が簡単に入手できるようになり, また, AIに関わる領域の国際会議では投稿数が1000を超える等, 社会状況の変化も急速に進みつつあります. 学会の普遍的な役割として, 1)世界的な研究成果を創出する土壌の形成, 2)情報産業の発展への貢献, 3)若手の人材育成があると考えており, 社会状況の変化に応じて学会はこの役割を実践する必要があると考えています. 私はこれまでの経験 (企業研究所20年, 大学5年, 留学1年) を生かして, 次世代の会員が研究と技術力を鍛え, 更に研究を社会に還元することで長期に渡って研究が行えるような仕組みを学会で支援したいと考えています. 本会と情報処理分野のさらなる発展に, 少しでも貢献できるよう取り組む所存です.
■理事[長期戦略担当]
小野寺民也
(ONODERA, Tamiya)(東大1983卒)
日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 副所長
本人のページ(外部リンク)
※理事会からの推薦[略歴] 1988年東京大学大学院理学系研究科情報科学専門課程博士課程修了.理学博士.同年日本アイ・ビー・エム(株)入社.2017年より現職. 本会会誌編集委員(2012年-2015年), 論文誌プログラミング編集委員(2000年-2003年), プログラミング研究会幹事(2000年-2002年), プログラミング研究会連絡委員(1995年-1999年), 文献ニュース小委員会委員(1991年-1994年) などを歴任.
[抱負] 1960年の本学会創立以来半世紀がすでに過ぎていますが, その間の情報化社会の進展は凄まじいものがあり, 本学会が果たしてきた役割も大きなものがあります. 今日においても情報処理技術による社会変革の勢いはとどまるところを知らず, IoTとAIを基軸にいわゆるSociety 5.0の実現に突き進んでいます. こうしたなか, 本学会の会員数は漸減傾向にあり, 過去15年で2割ほど減少しています. 本学会の持つパワーと社会に果たしうる役割を考えるとき, これはよろこばしいことではありませんが, 一朝一夕に解消できるものではなく, まさに長期戦略が必要なところであるといえます. 中長期的な視点にたった学会の安定運営に加え, 中長期的なグローバル化の推進, 新世代活動のサポート等において, グローバルIT企業での研究および研究マネジメントの経験, および, 本学会や他学会でのさまざまな活動経験を活かし, 微力ながら貢献したいと思っています.
■理事[総務担当]
窪田 歩(KUBOTA, Ayumu)(京大1993卒)(株)KDDI総合研究所 サイバーセキュリティグループ グループリーダ
[略歴] 1995年国際電信電話 (現KDDI) 入社, 以来KDDI研究所にてインターネット技術, ネットワークセキュリティなどの研究開発に従事. カリフォルニア大学バークレー校客員研究員(2003年-2004年). 本会モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム研究会幹事(2011年-2014年),同研究会運営委員(2015年-)などを歴任.
[抱負] 様々な社会インフラやサービスの維持や発展に情報処理技術が欠かせないものになっています. 特にIoTの普及などで従来情報通信と縁の薄かった分野でもICTの活用が進んだこともあり, 分野や業界の垣根を越えた連携の重要性が高まっています. 私が携わっているセキュリティの世界でも, 異なる分野の専門家の知見や産学の連携が必要となる課題に直面する場面は多く, 本会のコミュニティとしての役割への期待は益々高まっていると感じます. 企業の立場で研究開発に携わってきたこれまでの経験を活かし, 本会の発展に微力ながら貢献したいと思います.
■理事[会誌/出版担当]
清水 佳奈*
(SHIMIZU, Kana)(早大2001卒)
早稲田大学理工学術院基幹理工学部情報理工学科 教授
[略歴] 2006年早稲田大学より博士 (工学) 取得.同年, 産業技術総合研究所入所.メモリアルスローンケタリング癌センター客員研究員, 早稲田大学准教授を経て現職. 2010年-2011年日本バイオインフォマティクス学会理事. 平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞受賞.バイオインフォマティクスの研究に従事.
[抱負] 情報処理技術は, 今や, 利用されていない分野を見つけるのが難しいほど多くの分野に広がり, 各分野においてはそれぞれ特色のある発展を遂げて単純な道具以上の役割を担うようになっています. こうして多方面に蓄積された叡智を集め,互いに結びつけることができれば, 情報処理技術のさらなる発展が期待できます.したがって, 情報処理学会では多様な価値を受け入れ, それらをつなぎ合わせる機能がますます重要になると思います.計算機科学と生物学の学際分野で活動を続けてきた経験を活かし, 微力ながら異分野の交流促進に貢献できればと思います.昨今は, SNSのおかげで誰もが気軽にコミュニティを形成できるようになりました.そのような中, 学会という, 社会的に責任を持つ組織だからこそ提供できる交流の場とは何かを皆さまと見出し, その形成に尽力してまいりたいと思います.
■理事[論文誌担当]
下條 真司
(SHIMOJO, Shinji) (阪大 1981卒)
大阪大学サイバーメディアセンター 教授/センター長
[略歴] オブジェクト指向とインターネットに始まり, 応用からネットワークアーキテクチャを考える研究に取り組んでいる. 研究と社会実装の両立に興味があり, 総務省でのスマートIOT推進フォーラム, 大阪大学や大阪うめきたでのIOT実証実験に取り組んでいる.
[抱負] AIやIOTにより社会が大きく変革しようとしている今, 情報通信技術の深い理解が色々な分野で必要とされています. それと同時にプロフェッショナルな本学会も様々な分野との関わりを広げることが求められています. さらに, 情報通信技術を必要としている世代も初等中等教育から学び直しまで広がりを見せています. このような社会の強い要望に答えていくことが本学会の使命であり, そのためには, 当たり前ですが, これまで以上に産官学民の密な連携が必要だと思っております. 本会がその一助となるために, 微力ながら協力ができればと思います.
■理事[教育担当]
高橋 尚子*
(TAKAHASHI, Naoko)(東京女子大1980卒)
國學院大學経済学部 教授[略歴] 大学在学中に女子大初のマイコンクラブを結成. 卒業後, 女性SE第一期生として富士通入社, 業務システムの移行や標準化に携わる. その後ASCIIでビジネスパソコンスクール開校, OAインストラクタを経て, ライティング業のナウハウスとして独立. 1995年から大学で非常勤講師を始め, 2007年から國學院大學経済学部で情報教育に就く.
[抱負] いまや多くの人がコンピュータを意識することなく, 情報システムの末端を触り, 情報を操っている. 中学時代に銀行の電算室に勤める隣のお姉さんにあこがれ, 大学時代にボードマイコンを制作し, バイトでプログラムを作って稼いだ. こんなに楽しく, ステキなものを世の中の多くの人に伝えたい!というのが頭に浮かんだ. メーカーのSEのままでは多くの人に伝わらない. そこで, パソコンスクールの開校, OAインストラクタ, マニュアルの制作, 教材の作成, 雑誌・書籍の執筆と, 広く人に伝えることを仕掛けてきた. そして, 大学教員になり, 文系学生を中心に情報に関する教育を通して社会の大半を構成する人達に, デジタルではなく情報(インフォメーション)の利活用を伝えている. また, 情報入試委員会で高校生へ裾野を広げる一旦を担えるまできた. あと一押し, この学会から社会に向けて, もっと「楽(らく)」で楽しい情報の利活用, 「インフォメーションネイティブ」な未来を先導するようにしていきたい.
■理事[財務担当]
田中 淳裕
(TANAKA, Atsuhiro) (東大1990卒)
NEC セキュリティ研究所 所長[略歴] 1992年東大院・情報工学・修士修了, 同年NEC入社. 大規模システム性能評価, スマートグリッド, 耐災害向け自律通信網等の研究開発に従事. 現在, コア技術のソリューション構築・推進活動を担当. 本会システム評価研究会(EVA)運営委員(2007年-2010年), FIT実行委員(2011年) などを歴任, 2015年より本会JIP編集委員(情報システムグループ).
[抱負] 社会生活のいたるところで情報処理技術が活用されてきています. スマートフォンは生活の一部となり, 高度な認識・分析技術を活用したサービス, 例えば自動運転等が社会機能の一つとなる日も近いでしょう. 情報処理に関する研究は, 単に新しい機能を実現するために要素技術の実現方法や性能・効率を追求するだけではなく, 同時に社会における技術の位置付けを考慮しながら, 技術を通じて社会がどのように変革し, 新しい社会が構築されるかを考慮する必要があります. このような中で本会は, 新たな社会価値の創造を実現すべく, アカデミアと産業界がお互いの得手不得手を理解し合いながら, 実社会の課題を解決し, 社会にイノベーションを起こす「場」としての機能が求められています. 私はこれまで企業研究者としてコンピュータや通信を始めスマートグリッド等の研究活動に取り組んできました. その中で得たアカデミアと産業界の連携経験, および本会でのこれまでの活動経験を生かしながら, 更なる本会の発展に貢献したいと考えております.
■理事[事業担当]
長 健太
(CHO, Kenta)(早大1995卒)
(株)東芝 研究開発センター 知能化システム技術センター AI基盤技術開発部
[略歴] 1997年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了. 同年(株)東芝入社. エージェント技術, コンテクストアウェア技術, 音声認識技術の研究開発に従事. 博士 (工学). 会誌編集委員会 基礎・理論分野 委員 (2008年-2009年), 同幹事 (2010年), 同主査 (2011年), などを歴任.
[抱負] 情報処理技術が広く社会に浸透した今, 次々に生まれる新しい技術が我々の生活のあらゆるところにすぐ適用される時代となりました. 斬新なAI技術によって今までのコンピュータでは見えなかったものが見え, 分からなかったことが分かるようになり, その技術がIoTを通じて産業界から日常生活までありとあらゆるところに使われるようになる. そのサイクルは今後どんどん速くなっていくでしょう. このような技術革新の速度を向上させていくためには, 学術界を中心に生まれる先端技術と, 産業界を中心に生まれる課題・データを共有し, すばやく活用できる場が必要と考えます. 学術領域と産業領域の橋渡しの場として, これら領域から多くの人が集い新しい技術を共有・発展させていく場として, 情報処理学会は今後ますます重要になります. 企業における研究開発に携わってきた経験を活かし, 本会の発展に微力ながら貢献していきたいと思います.
■理事[調査研究担当]
西垣 正勝
(NISHIGAKI, Masakatsu)(静大 1990卒)
静岡大学創造科学技術大学院 教授
※調査研究運営委員会からの推薦[略歴] 1995年静岡大学大学院博士課程修了.博士(工学).2010年より現職.情報セキュリティに関する研究に従事.本会コンピュータセキュリティ研究会主査(2013年-2014年), 電子情報通信学会バイオメトリクス研究専門委員会委員長(2015年-2016年), 日本セキュリティマネジメント学会常任理事(2016年-)などを歴任.現在, 本会情報環境領域委員会財務委員.本会フェロー(2018年度).
[抱負] 近年の情報技術の発展は, 世の中のすべてのエンティティをバーチャル(インターネット)に, あるいはフィジカル(IoT)に結合しました.結合されるエンティティが多くなるほどに, その結合が密になるほどに, それらの間に様々なユーザが関与し, 多様性とトレードオフが生まれることになります.このような時代の変容に合わせ, 情報処理学会もその役割を変化させながら, 進化し続けることが求められています.私は, 情報技術を更に加速させていくことと同時に, 情報技術によってつながるエンティティの間のグッドバランスを提供していくことが, これからの情報処理学会の大きな責務の一つとなってくると考えています.本会が, 国内外をつなぎ, 産官学をつなぎ, コミュニティ間をつなぎ, そして会員の皆様どうしをつなぐために進化するために, 微力ではありますが尽力させて頂きたく思っております.
■理事[技術応用担当]
西山 博泰(NISHIYAMA, Hiroyasu)(筑波大 1988卒) (株)日立製作所 研究開発グループデジタルテクノロジーイノベーションセンタ 主管研究員
[略歴] 1993年筑波大学大学院工学研究科電子・情報工学専攻博士課程修了.同年株式会社日立製作所入社.スーパコンピュータ向けコンパイラ, アプリケーション実行基盤, プログラム解析等の研究に従事.近年はIoTプラットホームに関するOSS活動に従事. 博士 (工学) .
[抱負] 情報処理技術が社会の隅々にまで浸透し, 社会の利便性や効率性を高めるだけでなく, 私たちの生活様式にも多大な影響を与える重要な技術としてその発展と活用が期待されています.理論的な研究を基盤とした長期的な基礎研究が技術革新のために引き続き重要であることに加え, 近年注目を集めているクラウド, IoT, ビッグデータ, AIのような技術によって実社会のさまざまな課題の解決に対して情報処理技術の研究活動がどのように貢献できるかが問われていると思います.このような点から, これからの情報処理技術研究や応用の中核を担う研究者を育成し, アカデミアと産業界とがより密接に連携して社会問題解決へ結びつける場として本会の役割はますます重要性を増していくものと考えます.私は産業分野での研究開発活動やOSS分野での活動経験を活かし, 本会における実践的な情報処理技術の振興に微力ながら貢献できればと考えております.
■理事[企画担当]
本田新九郎
(HONDA, Shinkuro)(慶大1993卒)
NTT西日本デジタル改革推進本部 技術革新部 R&Dセンタ 主幹研究員[略歴] 1998年慶應義塾大学大学院後期博士課程修了. 博士(工学). 日本学術振興会特別研究員(1997年-1999年). 1999年NTT入社, 高臨場感通信システムの研究開発に従事. NTT研究企画部門等を経て2015年より現職. グループウェアとネットワークサービス研究会運営委員(2014年-), DICOMO2019シンポジウム実行副委員長などを歴任.
[抱負] 日本においては2020年の東京五輪や2025年の大阪万博とビッグイベントを控え, 技術革新のマイルストンを迎えようとしています. また世界に目を向けると少子高齢化やエネルギー, 環境, 食糧問題等々の社会的課題はもちろんのこと, 個人の生活に直接関わる事柄においてもまだまだ解決すべき課題は多く, 解決のためには様々な分野の英知を集結する必要があります. 課題解決にたどり着くためには産学官といった立場の違いや研究分野の違いを超えていかなければならない時代になり, 私自身, 業界や人, 研究成果等を「つなぐ」という仕事をする機会が増えてきました. 本学会が, 情報処理技術の専門家に加えて多様なバックグラウンドを持つあらゆる分野の専門家が参画し, お互いの立場を超えて課題解決へ向けて議論する場としてのプラットフォーム機能を担い, 拡大していければと考えております. 本会および情報処理分野の発展, そして社会課題の解決に少しでも寄与できるよう, 尽力してまいります.
■理事[会誌/出版担当]
井上 創造(INOUE, Sozo)(九大1997卒) 九州工業大学大学院生命体工学研究科 准教授
[略歴] 2002年九大システム情報博士後期課程修了. 博士(工学). 同大助手, 准教授, 九工大工学研究院准教授を経て, 2018年より九工大生命体工学研究科准教授. ドイツカールスルーエ工科大客員, 理研客員, コロンビアロスアンデス大客員. スマートフォン人間行動認識およびビッグデータ医療・介護応用に興味を持つ.
[抱負] 巷では, サブスクリプションサービス(サブスク)と言いつつ, 定額制のサービスが流行っていますが, 学会は, その究極のものだと思っています. 学会のイベントに参加して知識を得るだけではなく, 知を媒介とした, 人と人とのつながりができます. 個別に会えばコンサルティング料が発生するような先生や研究者とまとめて会うことができ, また学生や若手研究者にとっても, キャリアにおける節目で支援してくれる人とつながることができる, こんな学会員資格は, 最高のサブスクでありステイタスです. 私も, 学生のときに参加した学会の合宿でたまたま挨拶した先生にその後情報爆発や情報大航海, 最先端研究といった大きなプロジェクトに長い間お世話になった経験があります. このような学会の価値をより際立たせ, 国内・国際を含めた情報処理学会ブランドの向上に貢献できればと思っています.
■理事[財務担当]
上原 忠弘(UEHARA, Tadahiro)(東工大1993卒)(株)富士通研究所 サービスビジネス開発運用・ユニットシニアディレクター[略歴] 1993年東京工業大学理工学部制御工学科卒業. 1995年同大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻修士課程修了. 同年(株)富士通研究所入社. 以来, 業務システム開発をターゲットに, ソフトウェア開発方法論, ソフトウェアテスト, 形式手法, ソフトウェアアーキテクチャに関する研究開発に従事.
[抱負] 現在, 情報処理技術をフル活用して企業のビジネスや組織の活動を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が叫ばれており,それを実現する技術が求められています. AIやクラウドなどソフトウェア領域を始めとした情報処理分野の新技術はDX実現に向けた必須要素ですが, これらは先進企業の実践の中から生まれておりOSSやクラウドサービス等の形で急速に広がっています. 一方で, DXを推進したい企業/組織は,あまたあるOSSやサービスに関して何をどのように活用するか, 既存システムとどのように連携させるか, 頭を悩ませているのが現状です. このような時代においてアカデミアの重要な役割の一つは, 次々と登場する新技術に学術的視点を与えることで, 新技術の評価や活用さらには発展を促進することだと考えます. それには, 実践の場をもつ産業界と本会のさらなる連携強化が不可欠です. 企業の研究者としての経験を活かし, 本会が革新的な技術の創出/発展の場として魅力的かつ有益な役割を果たして行けるよう, 微力ながら貢献したいと思います.
■理事[技術応用担当]
鎌田真由美*
(KAMATA, Mayumi)(横国大1986卒)
日本マイクロソフト(株)プリンシパルクラウドソリューションアーキテクト[略歴] 日本アイ・ビー・エム株式会社にてSEおよびプロジェクトリーダーとしてSIビジネス担当後, 東京基礎研究所にてサービスリサーチ分野のマネージャー, 米国IBMワトソンリサーチにて技術戦略コアメンバーを務める. 2013年より日本マイクロソフト株式会社にてクラウド関連ビジネスに携わる.専門分野はソフトウェア工学, 特に要求工学.
[抱負] 情報技術がきわめて特殊な技術だった時代から, その中身を知らなくとも気軽に扱える時代になり, さらに生まれたときから毎日情報技術の恩恵を受けて生きていく時代へと変化してきました. 情報技術は常に発展中であり, ここには世界中がしのぎを削る最先端基礎研究も, 人々の生活を支えるインフラとしての情報技術も, 生活を彩る応用技術もあり, 夢と興味の尽きないエリアです. 私自身もIT業界に身を置きながらも大学院でソフトウェア工学を学びなおした経験があり, その時から情報処理学会会員としてここで多くの学びと知見をいただき, 大学や企業を超越した人脈を得たことで充実した研究ができました. この度, 未熟者ではございますが, 理事として立候補させていただきました. 多くの方に, かつての私のように本会を通じて多面的な情報技術の世界を知って深めていただけるよう微力でございますが, 力を尽くしたいと考えております.
■理事[論文誌担当]
岸野 泰恵*(KISHINO, Yasue)(阪大2002卒)NTT コミュニケーション科学基礎研究所 主任研究員
[略歴] 2002年大阪大学工学部卒業. 2004年同大学情報科学研究科博士前期課程修了. 2007年同研究科博士後期課程修了, 日本電信電話(株)入社. 博士(情報科学). ユビキタスコンピューティング,センサネットワークに関する研究に従事.
[抱負] AI, IoTといった技術の普及に伴い, 情報処理技術は, 誰にとっても身近なものになってきました. 情報処理技術が利用者にとって身近な技術となってきている状況であればこそ, セキュリティ技術によって利用者に安心感を与えたり, 親しみやすいインタフェースによって使いやすいシステムを提供するといった, 単に高い性能で識別を行ったり, 効率よく高速に処理するだけでない, さまざまな価値が求められてきます. 一方で, 企業だけでなく地方自治体など, さまざまな場所でAI, IoTといた情報処理技術への期待は高まっています. 学会がさまざまな情報を発信し, 新たな連携の生まれる場となり, それによって, この分野がさらに活性化すればと考えています. 私はこれまでに本会の研究会の運営委員, 幹事, シンポジウムの運営委員を務めてきました. これらの経験を活かし, 少しでもみなさまのお役に立てればと考えております.
■理事[長期戦略担当]
高橋 克巳
(TAKAHASHI, Katsumi)(東工大1988卒)
NTTセキュアプラットフォーム研究所 主席研究員
※理事会からの推薦[略歴] 1988年日本電信電話(株)入社. 以来, 情報セキュリティ, ビッグデータ分野の情報処理研究に従事. 2011年筑波大学客員教授. 2012年総務省統計研修所客員研究官. 本会では, 2015年フェロー. 2010年情報規格調査会規格役員, 理事(2013年度-2014年度, 2018年度-2019年度). 論文賞(2000年, 2011年, 2016年). 博士(情報理工学).
[抱負] 私は2018−2019年度に理事D(長期戦略を担当)を努めさせていただきました. 規程に基づいて2期目の立候補をさせていただきます. 現在の情報処理学会はネットやスマホという情報処理が社会の基盤になった現状に対し, 我々のアドバンテージをどう活かせるかという葛藤の中にあるといえます. これまで, 情報処理学会の魅力や期待を議論し直し, それらサービスを持続的に提供できる基盤を確立するための議論を行ってまいりました. 現在までの議論では, 情報処理学会のカバーする領域と営みは十分に魅力的であり, さらにそのことは情報処理のユーザも含んだ幅広い層年代にアピール提供すべきだという方向性がまとまってきています. また前向きな見直しにより, より本会の活動は強くなれると考えられます. 本会の維持発展には会員獲得, 財務, 事業, それに学会運営に様々な課題があります. しかしそれらは情報処理が解決できる魅力的なユースケースでもあります. これら課題を戦略的実行的に計画し, 本会に貢献します.
■理事[新世代担当]
辰己 丈夫(TATSUMI, Takeo)(早大1991卒) 放送大学 教授(教養学部情報コース)/学長補佐(兼務)
※理事会からの推薦
[略歴] 博士(システムズ・マネジメント). 1993年早大情報科学研究教育センター助手. その後, 神戸大, 農工大を経て2014年放送大学准教授. 2016年より現職. コンピュータと教育研究会幹事, 情報処理教育委員会幹事, 教員免許更新講習委員会副委員長, 初等中等教育委員, 一般情報教育委員, 会誌編集委員, 教科書委員を歴任.
[抱負] 本会が, これまでに情報学の深化・情報処理の普及・情報産業の形成に果たしてきた役割は大きいものです. そして, 本会は, 次代を担う若い人たちが情報学を身に付けていくために, 今後も, さまざまなことに寄与していくべきでしょう. 我が国の状況を見れば, 既に, 初等中等教育での情報科学の重点化が指導要領などで決定されており, さらに, 大学入試における情報学の出題も検討されています. こうした一般向けの学校教育の層が厚いほど, 逸材を見つけるチャンスも増え, 専門家育成のための教育も確固たるものになります. そのためには, 現職教員への情報教育・研修・教員養成などが, ますます重要な役割を果たします. 本会こそが, 情報学領域の普及活動を総合的に担うことが可能な, 我が国唯一の学会であると, 私は感じています. 今後は, 情報教育の役割が重要になる状況で, 本会が安定して社会的使命を果たせるように, 学会活動の認知度を上げる活動, 若手の発掘などを中心に新たな事業の立ち上げを行い, 本会の発展に貢献したいと考えております.
■理事[事業担当]
中小路久美代*
(NAKAKOJI, Kumiyo) (阪大1987卒)
公立はこだて未来大学システム情報科学部 教授[略歴] 1986年 SRA入社. 米国コロラド大学より M.S.(1990年)およびPh.D.(1993年). 奈良先端大, 東京大学, 京都大学を経て2019年より現職. SRA先端技術研究所長を兼任. 文部科学省科学技術・学術審議会委員等歴任.インタラクションデザイン, ソフトウェア開発支援, 創造性支援等の研究に従事.
[抱負] 我々を取り巻く物理的, 論理的な環境の多くに情報技術が組み込まれるようになったいま, 情報処理技術により実現可能となる現象と, それらと関わることによる学習や適応といった人の変化と, その双方を理解することの重要性をますます感じます. 私は, 1990年初頭から一貫して, 情報環境と人とのインタラクションによる知識共創の研究に携わってきました. 人と情報環境が構成する系の〈あるべき姿〉を探求する研究です. 情報環境による情報提示によって人が触発され新たな知識を生み出し, 外在化された知識が情報環境に蓄積され展開し社会を循環するような, 機構の構築と原理の解明を目指してきました. 学会活動もまた人の知識共創の営みのひとつであると考えます. 情報処理学会は, 人や社会をとりまく環境, 人々の営為を支えるインフラ, 人を助け拡張する道具, 人々の触発と共創を促す仕掛けとなる情報技術を研究するコミュニティの核であると考えます. 本学会の未来の〈あるべき姿〉の構想と実現に向けて, 学会役員としての活動を通して微力ながら貢献したいと思います.
■理事[教育担当]
(NAKAYAMA, Yasuichi)(東大1988卒)
電気通信大学大学院情報理工学研究科 教授[略歴] 1993年東京大学大学院修了. 博士(工学). 同年より電気通信大学において, 計算機システム, 並列分散処理, 情報教育の研究に従事. 本会では, 論文誌ジャーナル編集委員会編集長, 初等中等教育委員会副委員長などを務める. 2014年度学会活動貢献賞, 2016年度山下記念研究賞, 2017年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞受賞.
[抱負] 私は, これまで, 本会情報処理教育委員会のメンバーとともに, 情報教育の充実と高度化に向けて活動してきました. たとえば, 全国大会に中高生情報学研究コンテストを創設し, 中高生に本会のジュニア会員となり情報学の探究活動をすすめてもらうことを目指しました. また, 大学入試で情報入試を普及させるための模擬試験を実施するなどの活動に取り組みました. 2020年度から小学校でプログラミング教育が開始され, 2022年度からは高校でもプログラミング, AI, データサイエンスなどを扱う「情報I」や「情報Ⅱ」が設けられます. さらに, 2021年度中に2025年に実施される大学入学共通テストで情報が出題されるかどうかが決まります. つまり, 2020年からの数年間は, 本会がこれまでわが国の情報学分野をリードしてきたその成果を, 広く国民全体に広げていくための重要な期間となります. この成否が, 本会はもとより, わが国の将来をも左右すると言っても過言ではありません. 理事として, 本会の教育・人材育成の活動を推進するとともに, 社会に貢献して行きたいと考えております.
■理事[調査研究担当]
西田 知博(NISHIDA, Tomohiro)(阪大1991卒) 大阪学院大学 教授
※調査研究運営委員会からの推薦[略歴] 大阪大学基礎工学研究科を経て1996年同大情報処理教育センター助手. 2000年大阪学院大学情報学部講師, 准教授を経て, 2018年より現職. 博士(情報科学). コンピュータと教育研究会主査(2014-18年), 論文誌教育とコンピュータ編集委員長, 情報規格調査会SC36専門委員会委員長などを務める. 情報教育, プログラミング教育に関する研究に従事.
[抱負] コンピュータやネットワークは今やあって当たり前のものになっていますが, それ故, 単なる道具のように捕らえられてしまい, 若い世代の情報分野への関心が外形的な薄いものになっていることが懸念されます. そんな中, 2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されるなど, 技術的な部分により踏み込んだ情報教育が学校において行われるようになります. それを教える教員の研修や教材の開発など, いろいろな課題はありますが, これを機会に, 新しい発想が求められるこの分野で, 子どもたちが情報技術に興味を持ち, 研究を志してもらえるようにするための活動が学会として重要だと考えます. 教育分野の研究会主査や論文誌編集委員長の経験を生かし, このような活動を推進していくことと, ジュニア会員も含めた若手研究者の本会での発表や論文執筆などを支援することを, 研究会のみなさまのご協力を得ながら進めていけたらと考えています.
■理事[総務担当]
樋口 毅
(HIGUCHI, Tsuyoshi)(東北大1990卒)
三菱電機(株)情報技術総合研究所リアルタイムプラットフォーム技術部 部長[略歴] 1990年東北大学工学部情報工学科卒業, 同年三菱電機(株)入社. OS, サーバ仮想化技術, サーバ運用監視技術, 組込みプラットフォーム技術開発に従事. 2019年より現職. 本会コンシューマ・デバイス&サービス研究会幹事.
[抱負] 計算機技術や通信技術, センシング技術, HMI技術などの発展で, 世の中で色々なものがつながるようになっています. つながり, データを活用できるようになることで, これまであまり関わりのなかった産業分野でも情報処理技術が使われるようになり, 情報処理技術者の活躍の場が広がっています. 情報処理技術を様々な産業分野へ適用して新たな価値を産み出すには, その専門領域の技術や知識との融合が必要となり, 異なる専門領域の技術者との活発な議論が重要になります. そのためには学会が, 技術の進化と, 様々な領域への技術の適用との両輪で貢献できる場であることが必要です. サーバやクラウドの領域と組み込み領域, つなげる側とつながる側, 両方の研究開発に携わってきた経験を活かし, 様々な専門領域の技術者と議論できる場を提供し, 本会を通じて情報処理技術を様々な産業分野に適用できるようにしていきたいと考えています.
■理事[企画担当]
松尾 豊
(MATSUO, Yutaka)(東大1997卒)
東京大学大学院 工学系研究科 教授[略歴] 2002年東京大学大学院博士課程修了. 博士(工学) . 産業技術総合研究所研究員, スタンフォード大学客員研究員を経て2007年より東京大学大学院准教授, 2019年より教授. 専門分野は人工知能, 深層学習, ウェブマイニング. 2014-2018年人工知能学会倫理委員長, 2017年より日本ディープラーニング協会理事長, 2019年よりソフトバンクグループ社外取締役.
[抱負] これまで情報処理学会には約20年に渡り継続して論文を投稿し, また全国大会にもたびたび参加させていただきました. 学会のオーガナイズとしては, 人工知能学会で編集委員長, 倫理委員長を務めました. 昨今の人工知能のブーム, 特に深層学習の進展は, この技術が人工知能領域に留まらず, 情報系の関連領域, さらには工学系のさまざまな領域, また人文社会学系の学問を巻き込んで, 幅広い視点からの技術開発が必要であることを示唆しています. 情報技術の中心となる情報処理学会で, 社会全体のさまざまな視点を反映した技術を研究開発・実装していくために, 微力ながらお役に立てればと思っております.
■理事[調査研究担当]
森嶋 厚行
(MORISHIMA, Atsuyuki) (筑波大1993卒)
筑波大学 図書館情報メディア系 教授
※調査研究運営委員会からの推薦[略歴] データベースシステム研究会幹事 (2007-2009年度), 同主査 (2014-2017年度), 論文誌データベース編集委員 (2002-2006年度, 2019年度-), 同共同編集委員長 (2015-2018年度), コンピュータサイエンス領域財務委員 (2018-2019年度), 論文賞 (2003年度). 1998年 筑波大学大学院工学研究科修了. 2013年より現職. データベースシステム, クラウドソーシングシステム, Webデータ管理等の研究に従事. The VLDB Journal Associate Editor. 日本データベース学会理事, ICADL, DASFAA Steering Committee Member.
[抱負] 情報処理技術による社会変革は, これから本番を迎えようとしています. インターネットを活用すれば, 国内のみならず国際的なコミュニティづくりが個人レベルでできる時代です. しかし一方で, 研究者が本来行うべきである研究以外の業務の量は増大しています. そのような時代に, 我が国の学会がどうあるべきなのか, 諸先輩に築き上げていただいた歴史を尊重しつつ, 新しい考え方も取り入れていきたいと思っております. 時代に合わせて, 個々の研究者と研究コミュニティの活動の支援と活性化につながる仕組みをデザインすることが重要です. これまで, コンピュータサイエンス領域財務委員, データベースシステム研究会主査・論文誌データベース共同編集委員長などを経験する中で, コミュニティの研究活動支援・活性化について取り組み, また, これらのあり方について考えてまいりました. 次の時代を支える研究者が主体的に活躍できるような, 皆が幸せになれる学会を実現するために, 微力ながら貢献できればと考えております.
■監事
(WATANABE, Takashi)(阪大1982卒)
大阪大学大学院情報科学研究科 教授[略歴] モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会主査 (2005年度-2008年度) , 理事 (2011年度-2012年度), 情報環境領域委員長 (2011年度-2012年度), 特集号論文誌ゲストエディタ等. 大阪大学大学院修了 (1987年) . 工学博士. 徳島大学, 静岡大学工学部を経て2013年より現職. 情報ネットワークに関する研究に従事. 本会フェロー (2013年度).
[抱負] 今日, 人々の暮らしを豊かにし安心安全な社会を構成するためのIoTや機械学習を駆使した情報処理技術の重要性が広く認識されています.本学会は, 大学と企業を中心に構成されており, 情報処理技術の学術性と実用性の両面で社会に貢献すべき立場にあり, 今まさに社会から大きな期待が寄せられていると思います.期待が大きいことはその責任も大きなものであるとも言えます.監事は, コンプライアンスを重視し主として財務経理面から学会を監査する役員でありますが, 同時に社会からの期待に応えるべく研究会等学会活動を間接的に支援する役割であると考えます.私は, IFIP代表補佐, 本会研究会主査, 情報環境領域財務委員・委員長, 理事, 電子情報通信学会研究会副委員長等の経験を生かし, 諸先輩が今まで尽力され築き上げられた土台を元に, 収益構造の改革, 適正な規模かつ効果的な学会活動のあり方を監事の立場で支援して貢献したいと思います.なお, 私の研究業績等はwww-int.ist.osaka-u.ac.jpにてご確認いただけます.
■監事
河内谷清久仁
(KAWACHIYA, Kiyokuni)(東大1985卒)
日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー
※本人のページ(外部リンク)[略歴] 1987年日本IBM入社. 以来, 同社東京基礎研究所にてOSやプログラミング言語処理系などの研究に従事. 博士(政策・メディア). 本会では論文賞(2004年度), シニア会員(2014年度), プログラミング研究会幹事(2014-17年度), 理事(2017年度-2018年度). 日本ソフトウェア科学会元理事,ACM Distinguished Member.
[抱負] AIやIoTの利用が一般化し, またプログラミング教育が2020年度以降必修化されていくことなどから, 情報処理の分野におけるプライバシーやコンプライアンスに対する配慮がますます重要になってきています. また, 学会としてそのための提言や施策を行うには, 学会自体の健全性や透明性が確保されていることが必要なのは言うまでもありません. これらの両面において微力ながら貢献できればと考え, 今回監事に立候補させていただきました. 以前担当した, 全国大会やFIT, プログラミングコンテストなどを管轄する事業担当理事とは違った立場になりますが, その経験も踏まえ, 諸先輩の皆様が60年にわたり築いてこられた土台の上で, 私自身の本会や他学会の理事会・研究会・その他委員会での経験, 企業でのマネジメントや海外活動経験なども生かして学会と社会の発展に寄与していければと思います. どうぞよろしくお願い申し上げます.