役員名簿(2015年度)
2015年度役員名簿
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役職名 担当職務 氏名 所属
就任年月日 学会勤務 会 長 法人 代表 富田 達夫 (独)情報処理推進機構 理事長 2015年6月3日 非常勤 副会長 会長補佐 徳田 英幸 慶應義塾大学 環境情報学部 教授 2014年6月4日 非常勤 副会長 会長補佐 前田 章 (株)日立製作所 情報・通信システム社 技師長 2015年6月3日 非常勤 理 事 論文誌 相澤 彰子 国立情報学研究所 教授 2014年6月4日 非常勤 理 事 企画 阿野 茂浩 (株)KDDI研究所 執行役員/ネットワーク運用管理部門長 2014年6月4日 非常勤 理 事 財務 岩嵜 正明 (株)日立製作所 研究開発グループ情報通信イノベーションセンタ 主管研究長 兼 OSSテクノロジ・ラボラトリ ラボラトリ長 2014年6月4日 非常勤 理 事 調査研究 片寄 晴弘 関西学院大学理工学部 教授 2014年6月4日 非常勤 理 事 教育 河原 達也 京都大学学術情報メディアセンター 教授 2014年6月4日 非常勤 理 事 調査研究 清木 康 慶應義塾大学環境情報学部 教授 2014年6月4日 非常勤 理 事 長期戦略 後藤 厚宏 情報セキュリティ大学院大学 教授 2014年6月4日 非常勤 理 事 新世代 後藤 真孝 産業技術総合研究所情報技術研究部門 首席研究員 2014年6月4日 非常勤 理 事 技術応用 齋藤 正史 金沢工業大学情報フロンティア学部経営情報学科 教授 2014年6月4日 非常勤 理 事 会誌/出版 角 康之 公立はこだて未来大学 教授 2014年6月4日 非常勤 理 事 事業 住田 一男 東芝リサーチ・コンサルティング(株)シニアフェロー 2014年6月4日 非常勤 理 事 総務 松尾 昭彦 (株)富士通研究所システム技術研究所 基幹系ソフトウェア開発技術PJ 主管研究員 2014年6月4日 非常勤 理 事 標準化 伊藤 智 産業技術総合研究所 情報・人間工学領域 研究戦略部長 2015年6月3日 非常勤 理 事 総務 稲村 浩 公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 教授 2015年6月3日 非常勤 理 事 事業 大場みち子 公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 教授 2015年6月3日 非常勤 理 事 会誌/出版 加藤 由花 東京女子大学現代教養学部数理科学科 教授 2015年6月3日 非常勤 理 事 新世代 河口 信夫 名古屋大学未来社会創造機構 教授 2015年6月3日 非常勤 理 事 調査研究 小林 稔 明治大学 総合数理学部 教授 2015年6月3日 非常勤 理 事 財務 鈴木 浩 (株)富士通研究所 R&Dマネジメント本部 企画部 部長 2015年6月3日 非常勤 理 事 長期戦略 関口 智嗣 産業技術総合研究所 情報・人間工学領域 領域長 2015年6月3日 非常勤 理 事 技術応用 那須川哲哉 日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 主席研究員 2015年6月3日 非常勤 理 事 企画 深澤 紀子 (公財)鉄道総合技術研究所 交通計画研究室長 2015年6月3日 非常勤 理 事 教育 松原 仁 公立はこだて未来大学システム情報科学部複雑系知能学科 教授 2015年6月3日 非常勤 理 事 論文誌 山名 早人 早稲田大学理工学術院基幹理工学部情報理工学科 教授 2015年6月3日 非常勤 監 事 監査 守安 隆 アイシン・インフォテックス(株)統括部主査 2014年6月4日 非常勤 監 事 監査 岡田 謙一 慶應義塾大学理工学部 教授 2015年6月3日 非常勤 ※以上、国家公務員出身者(本府省課長・企画官相当職以上および地方支分部局の本府省課長・企画官相当職以上の経験者)の該当はありません。 また、役員報酬の支給はありません。
■役員区分
氏名(ローマ字)(出身校学部卒年)勤務先および役職名
略歴・専門分野、抱負(改選時)
■会 長
富田 達夫
(TOMITA, Tatsuo)(東大1972卒)
(独)情報処理推進機構 理事長[略歴] 1972年東京大学理学部物理学科卒業, 1973年富士通(株)入社, 以降, 情報機器開発に従事, 2005年同社経営執行役, 2007年同社経営執行役常務, 2008年同社取締役副社長, 2010年4月(株)富士通研究所代表取締役社長, 2014年4月同社取締役会長に就任し現在に至る. 日本経済団体連合会産業技術委員会企画部会委員, 産業競争力懇談会 (COCN) 実行委員, 本会会員, DICOMO2014実行委員長.
[抱負] 今, 社会は大きな転換点を迎えています. 文明の発展に伴い, 地球環境も大きく変化し, そこに暮らす人々も様々な価値観を持つようになってきました. まさに多様性の時代を迎えています. 情報処理技術の発展が暮らしを豊かにしてきたことは間違いない事実です.しかし, この多様性の時代の中で, 輻輳する社会課題の解決や, 個々の人々が幸せと感じられるためには, まだ情報処理技術は充分応えられていないのが事実です. 私たちの周りには溢れるばかりの情報が存在していますが, それが個々の人の真の価値に繋がるには多くの課題があります. 企業もICTの導入により効率化は進みましたが, 企業自身の変革のためにICTが充分貢献できているかといえばまだまだ多くの課題を抱えています. 今, 日本では多くの企業が, 新たな成長戦略を目指して変革しようとしています. そのためには情報処理技術が不可欠です. 科学に裏打ちされたICT技術こそが解決の道を生み出します. 情報処理学会がこうした社会の要請にこたえグローバルな視点で日本社会の成長を支えていく役割を果たすことに, 微力ながら貢献していきたいと思います.
■副会長
徳田 英幸(TOKUDA, Hideyuki)(慶大1975卒) 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
[略歴] ウォータールー大学計算機科学科博士. カーネギーメロン大学計算機科学科研究准教授を経て, 1990年慶應義塾大学環境情報学部に勤務, 本会フェロー. 専門は, 計算機科学, 分散システム, ユビキタスコンピューティングシステム等. 本会功績賞, Motorola Foundation Award, IBM Faculty Awardなどを受賞. 本会技術応用運営委員長 (2003年度-2004年度) ,本会理事(2000年度-2001年度, 2007年度-2008年度).
[抱負] 実世界とサイバー世界との融合が進み, 情報処理技術や情報インフラが医療・健康, エネルギー, 防災・減災, 交通, 農業, 教育などあらゆる社会的な活動の基盤を支えています. 学会は, 情報処理分野の研究・開発を活性化する場であることはもとより, 新しい領域や他分野との境界領域を切り開くことをダイナミックに実践し, 未来社会をデザインできる創発の場であるべきと考えます. また, 規制・制度改革, 創造的IT人材育成, サイバー攻撃やパーソナルデータの利活用などといった社会的な課題に対しても, タイムリーに提言を発信できる場でもあるべきです. 技術応用運営委員長在任中は, ITに関する幅広い課題を議論できる新たな活動の場としての「ITフォーラム」の立ち上げや「ソフトウェアジャパン」の創設に関わりましたが, 学界と産業界のさらなるコラボレーションを進める時期に来ていると考えます. 皆様とともに, 活気あふれる学会をめざして, 学会のサービスや様々な場を通じて, 新しい価値を恊創していきたいと考えています.
■副会長
前田 章(MAEDA, Akira)(東大1978卒) (株)日立製作所 情報・通信システム社 技師長
[略歴] 1980年東京大学理学系研究科物理学専攻修士課程修了, 1981年日立製作所システム開発研究所入社. 画像処理技術・大規模/知的システム技術等の研究開発に従事. 2005年同所長, 2010年日立製作所インフラシステム社CTO, 2013年より現職. 本会理事 (2005年度-2006年度) .
[抱負] 情報技術の進化のスピードは加速しており, その適用範囲も急速に拡大しています. ここ数年は, スマートシティやスマートインフラなどと呼ばれるように, 電力や交通といった社会インフラに対して高度な情報技術を適用し, 様々な社会課題を解決することが情報関連事業の大きな柱になっています. 社会インフラという新しい応用分野が出現することで多くの課題・ニーズが明らかになり, それがまた新たな技術開発を促すという, 情報技術にとって大きな進歩・変革サイクルに入っていると思います. このような時期には, 学術界と産業界との密接な連携が国際競争力強化のためにも不可欠であり, 本会の果たすべき役割もますます大きく, 重要になっています. 長年企業の研究開発に携わってきた立場から, 本会の発展に貢献していきたいと考えています.
■理事[論文誌担当]
相澤 彰子(AIZAWA, Akiko)(東大1985卒) 国立情報学研究所 教授
[略歴] 1990年東京大学大学院電気工学専攻博士課程修了. 工学博士. 学術情報センター助手, 国立情報学研究所助教授を経て, 2003年より現職. 東京大学大学院情報理工学系研究科教授および総合研究大学院大学客員教授併任. 専門はテキストを中心とする知識メディア. 本会論文誌編集委員, 情報学基礎研究会運営委員, 論文誌データベース(TOD)編集委員などを歴任. 2001年本会論文賞, 2008年山下記念賞,受賞.
[抱負] これまでの学会活動を振り返って, 学会は学会員による双方向型の組織だと実感しています. たとえば論文の投稿と査読, 全国大会での発表と聴講など, 個々の学会員が立場や役割を交代しながら, 学会全体の活動が持続して行きます. したがって, 単に人を集めるだけではなく, その活動を機能的にまとめあげることが学会の重要な役割であると思います. 書物が希少な知識源であった時代, 図書館が学問の殿堂としての役割を果たしていたといいます. 現在は, 研究や開発に必要な情報はどこからでも簡単に入手できますが, どの情報が自分に必要なものかは自明ではなく, 双方向型のやりとりを通して, その価値判断やナビゲーションが得られることは学会の魅力の1つです. また, それを支援するIT的な意味での学会プラットフォームの構築は学会の取り組むべき課題でもあります. 時々刻々変化する社会への学会の発信力が期待される中, 本会のさらなる発展と繁栄のために微力ながら貢献できればと願っています.
■理事[企画担当]
阿野 茂浩
(ANO, Shigehiro)(早大1987卒)
(株)KDDI研究所 執行役員/ネットワーク運用管理部門長[略歴] 1987年早稲田大学理工学部電子通信学科卒業, 1989年同大学院修士課程修了. 同年国際電信電話(株)(現 KDDI)入社. 以来, 研究所にて, ATM交換方式, IPネットワーク管理・制御, 次世代インターネットに関する研究に従事. 1995年本会大会奨励賞, IEEE ICN’01 Best Paper Award, 2010/2012年電子情報通信学会通信ソサイエティ優秀論文賞各受賞. 博士(工学) [早大]. 東京工業大学非常勤講師(2013年~). 情報処理学会高品質インターネット研究会やインターネットと運用技術研究会の運営委員等を歴任.
[抱負] スマートフォンの普及に代表されるモバイル通信の急成長に伴い, 端末・ネットワーク間の不整合による多くの問題が発生し, 従来のITインフラの限界が指摘されています. 一方, サーバやネットワークで取得した各種ビックデータの活用も様々な目的から注目され, 多くの取組みが進められています. この様な状況において, ビックデータを真の意味で活用した新たなITインフラの構築は急務であり, その中核技術である情報処理技術は, 今まで以上に重要性が高まっております. 新たなITインフラの実現には, 国内外の産官学連携の推進が必須であり, 本会が相互間の橋渡しとしての役割を担える様, 企業での研究開発と大学を中心としたスタートアップ的取組みを結びつけ, 官の進める技術施策との整合もとりつつ, 尽力していく所存です. また, 企業での国際共同研究や標準化活動での経験と, 本会とIEEE Computer Societyとの共催の国際会議運営に携わった経験を基に, 本会の国際広報・交流活動にも積極的に貢献していきたいと考えております.
■理事[財務担当]
岩嵜 正明(IWASAKI, Masaaki)(九工大1981卒) (株)日立製作所 研究開発グループ情報通信イノベーションセンタ 主管研究長 兼 OSSテクノロジ・ラボラトリ ラボラトリ長
[略歴] 1981年 九工大電子卒,1983年 九大総理工修士,同年 日立製作所入社.以来,第5世代コンピュータ,メインフレーム,超並列マシンなどのOSの研究開発,および,データセンタの運用管理システムの研究開発に従事.2009年より現職.2008年,岡山大にて連続メディア通信処理向けOSの研究で博士号取得.
[抱負] 私が情報処理分野の企業研究者となったばかりの頃,最先端の大型計算機はマシンルームのフロアを占拠していました.今日では,それを超える性能のスマートフォンが,いつも自分の手のひらに握られています.30年前には存在しなかったGUI, Mail, Web, SNSを始めとする様々なシステムを,多くの人々が当たり前の様に使う時代となり,世界は大きく変化しました.そういった中で私自身,複数のシステムのOSや運用管理システムの研究開発に関わって来ました・・・が,未だに30年前と変わらない残念なことがあります.それは,何か新しいテーマに着手する時,IEEEやACMを始めとする海外(特に米国)の動向を調査しているという事実です.若手の企業会員の減少については様々な理由も考えられますが,少なくとも次世代を担う若い研究者達が,情報受信型から情報発信型に進化することが必要と思います.それをサポートできる様,まことに微力ではありますが,何かしら本学会に貢献したいと考えております.
片寄 晴弘
(KATAYOSE, Haruhiro)(阪大1986卒)
関西学院大学理工学部 教授
※調査研究運営委員会からの推薦
[略歴] 1986年大阪大学基礎工学部卒業. 1988年同大学院博士前期課程修了, 1991年同博士後期課程修了. 工学博士. オージス総研,イメージ情報科学研究所, 和歌山大学を経て, 2002年関西学院大学理工学部助教授, 2003年より現職.1987年本会第40回全国大会学術奨励賞, 2004年FIT論文賞受賞. 2003年本会論文誌「音楽情報科学特集号」,2008年本会論文誌「エンタテインメントコンピューティング特集号」ゲストエディタ. 2003年-2004年 本会音楽情報科学研究会主査.2009年より本会メディア知能情報領域財務委員. 2005年-2010年 JST CREST 「CrestMuseプロジェクト」研究代表者.
[抱負] インターネットの社会的浸透, スマートフォンの普及に伴い,オーディオや動画像などのマルチメディア情報が一般消費者の手元に届くようになりました.また,動画共有サイトに代表される情報発信手段の普及に支えられ, 個人ベースの「想い」やニーズが広く, かつ, 極めて早く拡散する時代となりました.従来, 学術研究は論文という紙媒体の上に積み上げがなされてきましたが, 現在のメディア環境を媒体とした積み上げを模索していくことにより,学術研究は新たな進展のステージを迎えると考えます. 特に, 体験・経験に関連した研究領域においては,方法論のみならず学術的価値観が変わる可能性があります. また, 情報化社会に対応して, 学会が求められる役割も大きく変化しつつあります.本会が, 先陣を切って時代の変遷に対応した新しい学会像を提示できるよう, 活動していきたいと考えています.
■理事[教育担当]
河原 達也
(KAWAHARA, Tatsuya)(京大1987卒)
京都大学学術情報メディアセンター 教授[略歴] 1989年京都大学工学研究科情報工学専攻修士課程修了. 京大博士(工学). 京都大学工学部助手, 情報学研究科助教授を経て, 2003年より現職. 音声言語処理に関する研究に従事. 音声認識ソフトウェアJuliusの設計, 及び衆議院の会議録作成システムの音声認識の設計・開発を主導. 科学技術分野の文部科学大臣表彰, 本会から坂井記念特別賞, 喜安記念業績賞, 論文賞を受賞. 言語処理学会理事, 本会音声言語情報処理研究会主査, IEEE SPS Speech TC委員, IEEE ASRU 2007 General Chairなどを歴任. 現在, Elsevier Journal of Computer Speech and Languageなど3つの国際論文誌の編集委員.
[抱負] 「情報学」が主要な学問分野の1つに位置づけられるようになり, 情報技術が重要な社会基盤となった現在, 情報処理学会の果たすべき役割は大きいと思います. 一方で, 国際的な学会・会議への参加・発表が当たり前となり, 世界中の文献・情報に瞬時にアクセスできるようになりました. 紙の媒体が主で, 外国とのやりとりが容易でなかった頃(私の学生時)とは隔世の感があります. 情報処理学会がそのような社会の流れに遅れているわけではありませんが, 昔のやり方を引きずっている点もあろうと思います. 情報処理に関わる人を組織を超えて結びつけて, 学術・技術の進歩・発展を図るという情報処理学会の使命に向けて, これまでのよき伝統と雰囲気を保持しながら, 新たな発想を取り入れていければと思います.
■理事[調査研究担当]
清木 康(KIYOKI Yasushi)(慶大1983卒) 慶應義塾大学環境情報学部 教授
※調査研究運営委員会からの推薦
[略歴] 1983年慶大大学院博士課程修了, 工学博士.1983年日本電信電話公社電気通信研究所.1984年筑波大講師, 1988-1996年同助教授. 1990-1991年 カリフォルニア大学アーバイン校客員研究員.1996年慶大環境情報学部助教授, 1998年同教授.2011年より文部科学省リーディング大学院“グローバル環境システムリーダー・プログラム”コーディネータ. 意味的連想検索, 感性データベース, マルチメディア・システム, 知識ベースシステムの研究に従事.
[抱負] 情報システムの発展と応用領域の拡大は, 社会における情報獲得・分析・統合・発信の環境を劇的に変化させており, 本会は, そのコアとなる研究領域を対象とした活動母体として益々重要となっています. (1)各研究会が主導する各研究領域の先端的研究活動の推進に加え, (2)応用領域が環境, 生命, 医療, 芸術, 文化, デザイン, 国際関係などへ拡大している流れを踏まえ, “先端研究活動の推進と重要応用分野との連携”をテーマとし, 調査研究運営活動の発展に力を注ぎたいと思います. 特に,国際研究感覚を有する若手研究者を育成するための国際シンポジウム開催の推進により, 国際水準研究との接点を拡大し, また, 重要応用分野との研究成果の共有と連携機会の拡大を推進したいと考えます. 1999年にデータベースシステム研究会主査を拝命し, 研究会論文誌創設時の企画・編集を行い, FIT2005では実行委員長として産業界との連携強化のための交流の場を企画した経験をベースに, 上記を最重要な使命として,尽力していきたいと考えております.
後藤 厚宏
(GOTO, Atsuhiro)(東大1979卒)
情報セキュリティ大学院大学 教授
※理事会からの推薦[略歴] 1984年東京大学情報工学専攻博士課程修了. 工博. 同年日本電信電話公社(現NTT)入社. 並列分散処理, クラウドコンピューティング, サイバーセキュリティ研究に従事. 現在, 情報セキュリティ大学院大学教授. 本会総務理事(2007年度-2008年度). 本会フェロー. IEEE Computer Society理事(2011年-2016年)
[抱負] 情報処理に関わる社会構造と産業構造は常に変化し続けています. 高度技術が瞬く間にコモディティ化して社会生活に浸透すると, そこに新たなサービスや技術課題が生まれ, 次なる高度技術開発競争が始まります. このような情報処理技術の変貌と進化サイクルを支えていくためには, 本会においても, 新たな価値の尺度とともに会員活動が広く産業界や社会, 海外に認知され続ける仕組み作り, また外部からの反応や期待を感度良く収集できる仕組み作りが必須です. 本会において, このような仕組みを実現するためには, 長期ビジョンに支えられた継続的に活動できる体制が必要となります. 私は, 30年にわたる企業での研究開発と事業開発, 国家プロジェクトや海外での研究開発経験を活かし, 本会の新しい仕組み作りに貢献していきたいと思います.
■理事[新世代担当]
後藤 真孝(GOTO ,Masataka)(早大1993卒) 産業技術総合研究所情報技術研究部門 首席研究員
※理事会からの推薦[略歴] 1998年早稲田大学大学院博士後期課程修了. 博士(工学). 現在, 産業技術総合研究所情報技術研究部門首席研究員. IPA未踏プロジェクトマネージャー等を兼任. 2007年から2年間音楽情報科学研究会主査. 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞, ドコモ・モバイル・サイエンス賞, 星雲賞, 本会論文賞, 長尾真記念特別賞等, 35件受賞. 21年間, 音楽情報処理研究を推進.
[抱負] 世の中は情報処理技術への依存度をますます増しつつあり, 未来の情報社会を築く上で, 我々研究者の果たすべき役割は大きくなっています. そして, 今後も情報処理技術が未来を切り拓き続けるためには, 次世代の人々も興味を持って活躍することが重要です. そのためには, 本会で学術的に深い技術や理論の面白さ, 社会の役に立つ醍醐味等を議論していくと共に, 次世代がワクワクするトピックについても野心的に取り上げ, 未来の学会の姿を率先して具現化すべく新たな試みに挑戦していく必要があります. この度, 新設の「新世代」担当理事として理事会から推薦を頂きました. 情報処理2013年7月号巻頭言に喜連川会長が書かれていた「やんちゃな若手枠」というご期待に応える貢献ができるように, これまでの研究会主査, WISSプログラム委員長, 国際会議General Chair等の経験を活かして努力していきます. 本会を人と人がつながり協調していくハブとしてさらに発展させつつ, これからの情報処理技術が主役な時代を, 様々なコミュニティの方々と力を合わせて楽しく切り拓いていきたいと思います.
■理事[技術応用担当]
齋藤 正史(SAITO, Masashi)(東工大1983卒) 金沢工業大学情報フロンティア学部経営情報学科 教授
[略歴] 1983年三菱電機(株)入社, 情報電子研究所配属. 1992年Cornell University修士課程修了. 2006年大阪大学大学院情報科学研究科博士課程修了. 博士(情報科学). 2006-2010年 Mitsubishi Electric Research Laboratory, Senior Principal Technical Staff. 入社以来, オペレーティングシステム, 分散処理, インターネットの研究開発ならびに新製品開発に従事. 本会マルチメディア通信と分散処理研究会(1993-96年 運営委員, 1997-99年 幹事). 論文誌特集号編集員(2005-06年). 高度交通システム研究会(2013年 運営委員). 東京電機大学非常勤講師(2012-13年).
[抱負] 情報が諸資源と同等の価値を持つ情報社会の提唱から50年, 今やITは社会インフラとなりました. 情報の流れはマスメディアからネットワーク型のソシャルメディアに変貌し, 更に多数のセンサが生み出すデータの活用や自動化への応用も活発化しています. ITの活用分野は産業・教育・交通・生活・農業など爆発的に広がっており, その進化と広がりは今後もとまることはないでしょう. 情報が「モノ」や「コト」に近づき一体化していく将来に向け, ITの研究・開発を担う本会への期待は多大です. 産業界とアカデミア, 学生・若手とシニア, 異分野・異文化研究者などの多様な人達による知的集約と化学変化がイノベーションを生み出します. 学会は研究会やシンポジウムなどの場の提供だけでなく, オープンイノベーションを起こすための仕掛けを準備し, 新しい技術を創出していくことが大切だと考えます. 私は皆さんと一緒にこの課題に取組み, 産業界・アカデミアの双方にとって魅力的な学会作りに微力ながら貢献していきたいと考えています.
■理事[会誌/出版担当]角 康之(SUMI, Yasuyuki)(早大1990卒) 公立はこだて未来大学 教授
[略歴] 1990年早稲田大学理工学部卒業, 1995年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了. 博士(工学). 国際電気通信基礎技術研究所(ATR), 京都大学を経て, 2011年より現職. 知識工学, ヒューマンインタフェース, 体験メディアの研究に従事. 本会での活動はユビキタスコンピューティングシステム研究会主査, 関西支部幹事, インタラクション2011大会委員長等. 2006年度長尾真記念特別賞受賞.
[抱負] 情報処理技術が我々の社会生活に深く浸透していく中で, 私には2つの危機感があります. 一つは, スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い, 誰でもいつでもどこでも情報技術を「利用」することが可能になりましたが, 我々の「創造」力は高まったのか, ということです. 与えられたものを器用に使いこなしてはいるのですが, 対象世界を観察して情報処理技術を適用したシステムを作り出す, ということには無頓着な人が増えているのではないかという危機感です. もう一つは, 情報処理のデバイスやインタフェースが姿を消し, あまりにも簡単に「つながり」過ぎてしまうことで, その先に起きることへの「想像」力が追い付かなくなってきてしまうことへの危機感です. これらの危機感に対処していくには, さらなる情報処理技術の研究開発を進めるとともに, 情報処理技術を使うだけでなく理解し作ることの教育・啓蒙活動が重要ですし, 情報処理技術の運用に関わる法制度等への提言も必要です. そういったことの核にある情報処理学会の活動に少しでもお役にたてればと思っています.
■理事[事業担当]
住田 一男
(SUMITA, Kazuo)(東工大1980卒)
東芝リサーチ・コンサルティング(株)シニアフェロー[略歴] 1982年3月東工大大学院総合理工学研究科修士課程修了. 1982年4月(株)東芝入社. 2013年4月より現職. 人工知能学会副会長(2009-10). 本会監事(2010年度-2011年度). 東工大連携教授(2012年-). デジタルプラクティス編集委員会委員(2013年-). 本会フェロー. 博士(工学). 音声翻訳等の研究に従事
[抱負]グローバル化や少子高齢化, 生活様式やニーズの多様化など社会変化に伴い, 情報処理技術が社会に貢献できる場面はますます増加していくと考えます. 情報処理技術に関わるイノベーション創造によって社会に貢献するという視点で, 本会が果たす役割は今後もこれまで以上に重要なものになっていくでしょう. 私は, 企業の研究者あるいはマネージャとして, これまで自然言語処理, 情報検索, ナレッジマネジメント, 音声翻訳等の研究開発に携わってまいりました. その過程で, 新しい研究テーマの立ち上げやそのためのチーム作りから, いくつかの研究テーマについての事業化や製品化まで経験してまいりました. 加えて, 大学における講義や学生の研究指導をする機会をいただくとともに, 本会や他学会での委員会委員や理事会役員としての活動もさせていただき, イノベーション創造において組織内外の人や技術のインタラクションが重要さを認識することができました. これまでの経験を通じ, 本会と社会の関わりをより良くするために, 微力ながらも貢献できればと考えます.
■理事[総務担当]
松尾 昭彦
(MATSUO, Akihiko)(東京理科大1987卒)
(株)富士通研究所システム技術研究所 基幹系ソフトウェア開発技術PJ 主管研究員[略歴] 1987年東京理科大学理学部物理学科卒, 同年(株)富士通研究所入社. 業務アプリケーションの保守や再構築に関する研究開発に従事. 本会論文誌編集委員主査(書評・ニュース分野), ソフトウェア工学研究会運営委員, 第66回全国大会プログラム委員等を歴任.
[抱負] 長年, 業務アプリケーションの保守に関する研究開発に取り組んできました. 業務システムは長期間に渡って使い続けられることが多く, これまでの修正や機能追加によって大規模・複雑化して保守現場の負担は増大する一方です. さらに, 高い信頼性と低いコストが同時に求められるため, 品質を維持しながらいかに保守を効率化していくかが大きな課題となっています. ソフトウェア工学をはじめとする情報処理技術の活用が現場で切実に求められており, 産学を繋ぐコミュニティの必要性を強く感じます. 保守の分野に限らず, 研究成果を現場に普及させるには粘り強い努力と周囲の協力が必要ですが, 企業の研究者としての経験を生かし, 本会が実用的な技術を創出したり現場で育てていく場として魅力的かつ有益な役割を果たして行けるよう, 微力ながら貢献したいと思います.
■理事[標準化担当]
伊藤 智(ITOH, Satoshi)(千葉大1982卒) 産業技術総合研究所セキュアシステム研究部門 研究部門長
※情報規格調査会からの推薦[略歴] 筑波大学大学院博士課程1987年修了. 筑波大学にて博士号を取得. (株)日立製作所にてコンピュータの利用技術に関する研究に従事. 2002年6月から産総研にてグリッド, グリーンIT, クラウド等の産業分野への応用研究に従事. 本会情報規格調査会にて2010年7月から副委員長, 2013年7月から委員長に就任し, ISO/IEC JTC 1の国内及び国際対応を推進. 本会標準化担当理事 (2013年度-2014年度) .
[抱負] 情報技術 (IT) は今では重要な社会インフラとなっていますが, 現在でもその領域は拡大し続けています. センサ, 携帯, 自動車, 家電, あらゆるものがネットワークにつながり (インターネット・オブ・シングス) , 多種・大量の情報が発信・収集・解析され (ビッグデータ) 様々な利活用に結び付けられてきています. また, 様々な産業領域で効率向上や環境負荷低減などへの情報技術の活用が進んでいます. このような状況で, 社会インフラとしての情報技術のあり方, 様々な応用システム・実社会とのインタフェースなど, 標準化の果たす役割は益々重要になってきていると認識しています. 本会情報規格調査会の委員長として, 産業界が発展するよう, 国際標準化活動をリードし, 情報処理学会の発展に微力ながら貢献したいと思います.
■理事 [総務担当]
稲村 浩(INAMURA, Hiroshi)(慶大1988卒) 公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 教授[略歴] 1990年日本電信電話(株)入社, 1998年より(株)NTTドコモ. 博士 (工学) .モバイル環境におけるシステムソフトウェア,トランスポートプロトコルに関する研究開発に従事. 本会モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会幹事, マルチメディア通信と分散処理研究会運営委員, DICOMO2013プログラム副委員長等を歴任. 本会業績賞受賞 (2003年度) .
[抱負] 無線通信や組込みシステムなどの技術によって実現された携帯電話やスマートフォンの利用の広がりに見られるように, これら情報機器やインターネットサービスが日常生活に不可欠なものとなった昨今, 情報処理技術は社会の基盤となりました. 一方でこれまで見たことのなかった世界を実現し知の領域を広げることへの期待も高まり, インフラを担いフロンティアを併せもつ情報処理分野を支える本会の役割はより重要になっていると感じます. オープンな学会運営を通じて研究水準の向上を図り会員サービスから実務家を支援することなどを通じて情報処理分野の研究者・技術者の皆様が元気に世界で活躍できるようこれまでの学会活動の経験を活かし本会の持続的な発展に微力を尽したいと考えております.
大場 みち子
(OBA, Michiko)(日本女子大1982卒)
公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 教授
[略歴] 1982年日立製作所入社. 同システム開発研究所にて知識工学応用システムの研究, 同ソフトウェア事業部でミドルウェアの開発等に従事. 現在は公立はこだて未来大学にてソフトウェア工学, ドキュメントコミュニケーションなどの研究に従事. 2001年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了. 博士 (工学) . 本会理事 (2009年度-2010年度) .[抱負] 今,情報システムやネットワークは社会を支える重要なインフラとなり, 生活する上でなくてはならない空気のような存在です. インターネットや情報技術の画期的な発展で,情報処理技術は社会を変えたと言っても過言ではないでしょう. 情報処理に関する権威ある学会として,本会の活動はこの画期的な社会変化の一翼を担ってきました. 本会では総務理事 (2009年度-2010年度) , デジタルドキュメント研究会主査他を歴任し, 現在は情報システムと社会環境研究会やコンピュータと教育研究会の運営委員や特集論文編集委員等を担当しております. 2010年からは公立はこだて未来大学に転出し, 実践的IT人材育成教育とこれを支える基盤システム, デジタルコミュニケーション等の研究に力を注いでいます. これら産学両面での経験を活かし,情報技術で社会イノベーションを起こすような高度IT人材育成や若手や女性が元気に楽しく活動ができる場作りなどを推進し, 本会の発展や会員拡大につながるように力を尽くしたいと考えております.
■理事 [会誌/出版担当]
加藤 由花
(KATO, Yuka)(東大1989卒)
東京女子大学現代教養学部数理科学科 教授
[略歴] 1989年東京大学理学部卒業. 同年NTT入社. 2002年電気通信大学大学院情報システム学研究科博士後期課程修了. 博士 (工学) . 同助手を経て, 2006年産業技術大学院大学准教授, 2009年同教授, 2014年より現職. 情報ネットワーク, ネットワークを利用したロボットサービス等の研究に従事. 2007年-2010年本会論文誌編集委員, 2009年-2012年本会マルチメディア通信と分散処理研究会幹事, 2013年度-2014年度本会理事.
[抱負] 情報処理技術はあらゆる産業や社会の基盤となり, 私たちの生活に無くてはならないものになりました. モバイル通信やユビキタス・コンピューティングの発展は, かつての夢物語を現実のものにし, 私たちのライフスタイルを大きく変えるほどのインパクトを持ちました. そして今, 情報処理の世界は次の一歩に踏み出そうとしています. 人間の知能を超えるコンピュータの出現が様々な場所で語られるようになるなど, 情報処理技術に対する注目が再び高まってきていることを感じます. この2年間, 会誌・出版担当理事として, 様々な施策に取り組んできました. 会誌への速報記事や女性編集委員によるコラムの掲載, スマートフォンでの会誌記事講読の実現, 女性会員増を目指したFIT2014でのイベント企画, 学生トライアル会員制度の展開など, 新たなチャレンジがたくさんありました. 世の中からの期待に応えるべく, 本会の進化を実感した2年間でした. 一方, まだまだ道半ばであり, 地道に取り組まなければならない課題が多く残されていることも事実です. 引き続き, 本会の発展に貢献するべく, 尽力していきたいと思います.
■理事[新世代担当]
河口 信夫(KAWAGUCHI, Nobuo)(名古屋大1990卒) 名古屋大学未来社会創造機構 教授
※理事会からの推薦[略歴] 1995年名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程満了. 同大助手, 講師, 准教授を経て2009年より現職. 博士 (工学) . ユビキタスコミュニケーション, 位置情報システム, 行動センシングなどの研究に従事. 本会理事 (2011年度-2012年度)
[抱負] 様々な情報がデジタル化され, オンライン化され, 大規模に収集される現代では, 情報処理技術の重要性はますます広がっています. 一方, コモディティ化も急速に進んでおり, 大学への新入学生からは, かつて我々が持っていたコンピューティングに対する憧れが急速に薄れつつあるように感じています. また, インターネットを通じた個人や組織からの直接的な情報発信により, 学会が持っていた知的集約機能への期待も変わりつつあると思います. アカデミアや産業界から「知を探求する人」を集め, 互いに切磋琢磨する場としての学会の重要性は変わり無いと確信していますが, その実現手法については多いに議論すべき余地があると感じています. 新しいアイディアや仕組みの導入について真摯な議論や検討を行い, その結果をもって学会運営ができることを期待し, 微力ながら本学会の活動に貢献できれば良いと考えています.
■理事 [調査研究担当]
小林 稔(KOBAYASHI, Minoru)(慶大1988卒) 明治大学総合数理学部 教授
※調査研究運営委員会からの推薦[略歴] 1988年慶大理工学部計測工学科卒, 1990年同大学院修士課程修了. 同年日本電信電話 (株)入社. 1996年マサチューセッツ工科大修士課程 (Media Arts and Sciences) 修了. 2000年慶大より博士 (工学) 取得. NTTヒューマンインタフェース研究所等にて, ヒューマンインタフェース, CSCW, バーチャルリアリティに関する研究に従事. 2010年度本会論文賞. 2013年より情報環境領域財務委員.
[抱負] コンピュータや高速な通信が広く普及し, さらにはハード, ソフトの多様な開発リソースが共有され, 誰もが情報技術の研究の担い手となる可能性を秘めた時代となりました. 創造的な活動者が出会い議論し考えを発展させることが, 技術の発展にますます重要となってきています. 本会の主要な要素である研究会活動は, ボトムアップの創造的提案を受け止め, 共有し発展させる枠組みとして重要性を増しています. 私はインタラクション2012大会委員長, DICOMO2013実行副委員長として多くの有志の皆さんとシンポジウムの実現に取り組みました. そこでは, 社会のニーズを敏感に感じ取りながら工夫を凝らし学会を知の交流の場としてさらに発展させようとする熱意ある取り組みが行われています. 学会の随所にあるこのような熱意を支援し活かす仕組みを整えることも重要と考えます. 規模の拡大や参加者の多様化に適切に対応し, 社会の力をうまく取り込み, 情報技術の発展を推進する学会像を, 調査研究運営活動を通じて探索していきたいと考えています.
■理事[財務担当]
鈴木 浩
(SUZUKI, Hiroshi)(日大1983卒)
(株)富士通研究所 R&Dマネジメント本部 企画部 部長[略歴] 1985年日本大学大学院理工学研究科電子工学専攻博士前期課程修了 (修士) . 同年 (株)富士通研究所入社, 光磁気ディスク装置 (MO) の信号処理開発に従事. 1993年富士通(株)にて事業化の一環でMOのエバンジェリスト. 2007年業務課題解決のフィールドイノベータ. 2010年研究所再任, 学術や技術情報の活用強化業務に従事 (現職) . DICOMO2014シンポジウム実行委員.
[抱負] 古来より“情報”は, 人が生きていく上でなくてはならないものでしたが, 今やその量は, 膨大になり, 更に今後も増え続けて情報をどう整理し, 役立つものを見出していくかがますます重要になってきております. 情報学・情報処理技術は, その極みであり, 多くの学術・技術分野と横断的につながっております. そこに携わる人たちは, これまでの研究スタイルを変えていくことが求められると考えております. 情報処理技術を基本とし, 領域を横断してどの組織, どの技術と組み共創することで問題を解決できるのか, ということを考えられる技術者へと変わることだと考えます. そうした情報処理技術に関わる人たちが, 組織や技術を超えて結びついていけるように, 情報処理学会が, その中心的な存在となって, これまでの良き伝統と雰囲気を保ちつつ, 新たな発想で人や技術の交流の場となるようにしたいと思います. これまでの自身の拙い経験ではありますが, 研究から事業化に向けた活動から仲間作りや商品の布教, 課題解決の取組みなどが役立てればと思い微力ながら貢献したいと考えております.
関口 智嗣
(SEKIGUCHI, Satoshi)(東大1982卒)
産業技術総合研究所 情報・人間工学領域 領域長
※理事会からの推薦
[略歴] 1982年東京大学理学部情報科学科卒. 1984年筑波大学大学院理工学研究科修士課程, 2011年東京大学大学院博士課程修了, 博士 (情報理工学) .電子技術総合研究所入所以来, 現職に至るまで一貫して並列計算や分散計算などの情報システム高性能化に関する研究やマネージメントに従事. Research Data Alliance 評議員, グリッド技術やクラウドにおける国際活動への貢献が大きい. 本会元理事 (2010年度-2011年度) , フェロー. 日本学術会議連携委員. カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員,情報セキュリティ大学院大学連携教授. 技術士(情報工学部門).[抱負] 情報処理学会はICTに携わる高度な専門家集団です. しかしながら, 産学官連携が謳われているもののメディエータの役割を担う学会が十分に機能していないのではないかと懸念しています. これは, 情報関連技術に従事する人口は増加しているものの, 学会員数の伸び悩み等に現れています. 専門家過ぎるためか会員以外の方々からはその活動実態が見えていないのも現状です. せっかくの知識, 技術, 技能, ネットワークなどの潜在的な力を有していながらそれを有効に使えていません. 学会では2012年度に政策提言委員会を発足させ, 特に政府機関の政策立案に対して専門家集団の立場から中立かつ公益を優先したやコメント等を出すようにしてきました. 私も微力ながらそのお手伝いをしてきました. 少しずつ, 頼りになる学会として地位を築いてきたものと思います. これまで25年近くにわたり学会活動の活性化に努めて参りました. 本会において長期展望に立ちながらアウトリーチ活動のより一層の活性化を目指し, 会員からの意見をより丁寧に集約することなどを通じて, 本会の会員の活動の一層の発展につながるように尽力してまいります.
■理事 [技術応用担当]
那須川 哲哉
(NASUKAWA, Tetsuya)(早大1987卒)
日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所 主席研究員
[略歴] 1989年日本アイ・ビー・エム (株)入社, 東京基礎研究所配属. T.J.ワトソン研究所やコンサルティング部門などを経験しつつ自然言語処理の研究に従事. テキストマイニング技術の開発により2012年文部科学大臣表彰. 2010年から2011年に慶應義塾大学大学院理工学研究科特別研究教授を, 2012年から静岡大学情報学部客員教授を兼務. 博士 (工学).
[抱負] 情報処理技術が世の中を変革する速度は高まる一方で, 本学会及び学会員の役割もますます高まっていると感じます. 私自身, 学会活動を通じて, 多くの方々と知り合い, 学び, 評価を得ることで, これまで研究者としてやってくることができました. 情報処理分野での人材不足が深刻になってきている状況も踏まえ, 情報処理技術でより良い世の中に寄与するために, 本学会でできること, 本学会がやるべきことは何かを考え, あるべき姿の実現に貢献したいと考えています. 組織の壁や分野の壁を乗り越えて, 人と人がつながり, わくわくするような活動に取り組めるようにすることが, 活性化を促し, 高い成果を引き出すために重要だと考え, 新しい取組みを考えていきます.
■理事 [企画担当]
深澤 紀子
(FUKASAWA, Noriko)(日本女子大1991卒)
(公財)鉄道総合技術研究所 交通計画研究室長[略歴] 1991年財団法人鉄道総合技術研究所入社. 旅客の交通行動や各種交通データの分析に関する研究に従事. 2013年4月より現職. 本会高度交通システム研究会 (2008-2011年運営委員, 2012年-幹事) , 論文誌特集号編集委員 (2013年-2014年) . DICOMOプログラム委員 (2015年) .
[抱負] ジム・グレイが第4のパラダイムとして「データ科学の時代」を提唱してから数年以上が経過しました. この「データ科学の時代」への潮流が, サイエンスの世界のみならずビジネスの世界にも大きな影響を与えることを, 日々の業務の中で実感しています. そしてこれらデータすなわち情報を円滑に処理する情報通信基盤とともに, 人やものの移動円滑性を向上させる交通基盤の充実もまた, 経済を活性化させ人々の暮らしを豊かにするために必要不可欠であるとも考えます. 交通と情報通信という2つの重要な社会インフラに携わる研究者として, 情報処理応用分野の活性化と発展に寄与すべく, 微力ながら貢献したいと思います.
■理事[教育担当]
松原 仁
(MATSUBARA, Hitoshi)(東大1981卒)
公立はこだて未来大学システム情報科学部複雑系知能学科 教授[略歴] 1986年通産省工技院電子技術総合研究所 (現産業技術総合研究所) 入所. 2000年より公立はこだて未来大学教授. 専門は人工知能, ゲーム情報学, エンタテインメントコンピューティング, 観光情報学など. 2007年度-2008年度, 2013年度-2014年度本会理事. 本会フェロー. 人工知能学会会長.
[抱負] コンピュータのハードウェアおよびソフトウェア技術の進歩によって, 人間の頭脳労働と見なされていることの一部はコンピュータの方が人間よりもうまくこなせるようになってきました. コンピュータ将棋がプロ棋士に勝ったことはその典型的な例です. この傾向は今後も続いていくことが予想されます. そのような状況で人間とコンピュータが今後どのように関わっていけばいいのかを考えることが情報処理学会として非常に重要だと思います. いまコンピュータが人間に追いつき追い越しつつある将棋がその考察のためのよい参考になるはずです. 道具としてのコンピュータが便利になって生活がますます豊かになると感じる人がいる一方で, 自分を越える存在になったコンピュータに脅威を感じる人もいるでしょう. うまく折り合いをつけて人間とコンピュータが共生する社会を築いていくために, その過程で情報処理学会がちゃんと役割を果たせるように, 役員になったら頑張っていきたいと思います.
■理事[論文誌担当]
山名 早人
(YAMANA, Hayato)(早大1987卒)
早稲田大学理工学術院基幹理工学部情報理工学科 教授[略歴] 1987年早稲田大学電子通信学科卒業. 1993年同大博士後期課程修了. 博士 (工学). 1993年-2000年電子技術総合研究所. 1996年通産省機械情報産業局電子機器課課付. 2000年より早稲田大学理工学部助教授. 2005年より現職. 本会山下記念研究賞, 同ベストオーサー賞, IBM Faculty Award等を受賞. 本会データベースシステム研究会主査, 論文誌データベース共同編集委員長を歴任. 本会シニア会員. 大規模データ解析等の研究に従事.
[抱負] 本会に限らず多くの学会がその会員数を減少させる中, 「会員サービスとは何か」「何のための学会なのか」を今一度点検し, 必要があればこれまでの学会が果たすべき役割を大きく変えることも視野に検討を進める時期に来ていると感じます. こうした変革は一朝一夕にできるものではなく, また役員だけでできるものでもありません. 多くの会員の皆さまのサポート, 事務局との密な連携, そして何より大切なのが「会員の皆さまが, 今何を学会に求めているのか」ということだと思います. そして, 会員の皆さまが「会員を続けたい」と思える学会を目指して, 微力ながら尽力する所存です. 特に, ビッグデータ時代の今, 本会が持つ多くのデータを多角的に分析し, それらを学会の新しい活動にフィードバックすると共に, 外部に積極的に配信することを通して, さらに魅力的な学会へと発展させるために努力したいと思います.
■監事守安 隆
(MORIYASU, Takashi)(京大1977卒)
アイシン・インフォテックス(株)統括部主査[略歴] 1982年京都大学大学院工学研究科博士課程単位認定退学,1983年現(株)東芝入社,総合研究所.以来,知識処理,システム連携等の研究開発に従事.2004年総務省 u-Japan政策懇談会構成員.2008年度-2009年度本会財務理事.IEEE,日本経営工学会会員,JEITA,JISA等委員.博士(工学)
[抱負] 我国のIT分野の国際競争力は残念ながら, 近年, 低迷しています. ここには産業の競争力だけではなく, ITに関する研究や教育, ユーザである企業や政府自治体, 学校や医療, 交通など社会システムの国際評価も含まれています. 情報処理学会は, 学界, 産業界, 社会を結ぶ中核にあって, これら3者の好循環を活性化するカタリスト(触媒)であれと考えます. 3者を相互に橋渡しし, 接点での反応を刺激し, それぞれの活動を活性化し, もって社会と産業と科学の発展と国際競争力向上に資すべしと考えます. 今年度の当会事業計画にある通り, 学生・若手研究者育成, 社会や国への提言, グローバル化推進, 実務家やITプロフェッショナル向けの活動, 会員サービスの充実など, 多面的な事業に注力しています. 財務理事などの当会での経験や, 企業活動やJEITA, JISAなど業界団体での活動を通じた経験や人脈を活かし, 学会事業の推進に寄与し,情報科学の発展に貢献いたします.
■監事岡田 謙一
(OKADA, Kenichi)(慶大1973卒)
慶應義塾大学理工学部 教授[略歴] 1975年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程所定単位取得退学. 工学博士. 同大学助手, アーヘン工科大学訪問研究員を経て2002年より同大学理工学部教授. 専門はCSCW, HCI. 本会理事 (2010年度-2011年度) , 日本VR学会理事などを歴任. 本会論文賞 (1996年, 2001年, 2008年) , 40周年記念論文賞を受賞. 本会フェロー.
[抱負] 昨年の情報処理12月号「シニアコラム -- 仮想と現実の狭間で」にも書きましたが, これまで学会理事, 研究会主査及び幹事, 学会誌及び論文誌編集主査, ハンドブック幹事長, シンポジウムや国際会議の運営委員長など数多くの学会活動を経験し, 新研究会の立ち上げにも尽力しました. 現在は論文誌デジタルコンテンツの編集長を務めています. 私は監事の役割は重石のようなものだと思っています. それほど積極的に動くわけではありませんが, 学会の現状や将来の方向性をじっと見守り, 必要に応じて意見や助言をして学会を健全に発展させていく役割を担っているのではないでしょうか. そのためには学会の様々な活動に関する経験が豊富であることが望ましいと思います. 卒業論文を春の全国大会で発表してから40年間, 情報処理学会には本当にお世話になりました. 学会活動を通じて得られた貴重な経験や幅広い人脈は, なににも代えがたいものです. もし監事に選ばれましたなら, この貴重な経験や人脈を生かして情報処理学会のために働きたいと思います. どうぞよろしくお願いします.