役員名簿(2012年度)

2012年度役員名簿

  • ※リンクは改選時の略歴・抱負

    役職名 担当職務 氏名 所属 就任年月日 学会勤務
    会 長 法人 代表 古川 一夫 (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事長 2011年6月2日 非常勤
    副会長 会長補佐 寺中 勝美 NTTソフトウェア(株) 常務取締役 ソリューション事業推進本部長 2011年6月2日 非常勤
    副会長 会長補佐 西尾章治郎 大阪大学大学院 情報科学研究科 教授/サイバーメディアセンター長 2012年6月5日 非常勤
    理 事 標準化 大蒔 和仁 東洋大学 総合情報学部 教授 2011年6月2日 非常勤
    理 事 会誌 河口 信夫 名古屋大学大学院 工学研究科 教授 2011年6月2日 非常勤
    理 事 論文誌 串田 高幸 日本アイ・ビー・エム(株) 東京基礎研究所 シニアリサーチャー 2011年6月2日 非常勤
    理 事 企画 黒橋 禎夫 京都大学大学院 情報学研究科 教授 2011年6月2日 非常勤
    理 事 技術応用/国際 中野美由紀 東京大学 生産技術研究所 特任准教授 2011年6月2日 非常勤
    理 事 事業 橋田 浩一 (独)産業技術総合研究所 社会知能技術研究ラボ 研究ラボ長 2011年6月2日 非常勤
    理 事 教育 平田 圭二 公立はこだて未来大学 複雑系知能学科教授 2011年6月2日 非常勤
    理 事 財務 山室 雅司 NTTソフトウェア(株)経営企画部 担当部長  2011年6月2日 非常勤
    理 事 総務 吉野 松樹 (株)日立製作所 ソフトウェア事業部企画本部 主管技師長 2011年6月2日 非常勤
    理 事 調査研究/(国際) 渡辺 尚 大阪大学 大学院情報科学研究科 教授 2011年6月2日 非常勤
    理 事 技術応用 赤津 雅晴 (株)日立製作所 横浜研究所情報サービス研究センタ センタ長 2012年6月5日 非常勤
    理 事 調査研究/(国際) 池内 克史 東京大学大学院 情報学環 教授 2012年6月5日 非常勤
    理 事 教育 位野木万里 東芝ソリューション(株) 生産技術センター 主幹 2012年6月5日 非常勤
    理 事 調査研究/(国際) 大沢 英一 公立はこだて未来大学 複雑系知能学科 教授 2012年6月5日 非常勤
    理 事 論文誌 岡部 寿男 京都大学 学術情報メディアセンター 教授 2012年6月5日 非常勤
    理 事 総務 折原 良平 (株)東芝 研究開発センター知識メディアラボラトリー 研究主幹 2012年6月5日 非常勤
    理 事 会誌 木下 哲男 東北大学 電気通信研究所 教授 2012年6月5日 非常勤
    理 事 事業 砂原 秀樹 慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科 教授 2012年6月5日 非常勤
    理 事 財務 鳥居 悟 (株)富士通研究所 ソフトウェアシステム研究所 主管研究員 2012年6月5日 非常勤
    理 事 企画 松井 充 三菱電機(株) 情報技術総合研究所 情報セキュリティ技術部長 2012年6月5日 非常勤
    監 事 監査 村山 優子 岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 教授 2011年6月2日 非常勤
    監 事 監査 長谷川 亨 大阪大学 大学院情報科学研究科 教授 2012年6月5日 非常勤

    ※以上、国家公務員出身者(本府省課長・企画官相当職以上および地方支分部局の本府省課長・企画官相当職以上の経験者)の該当はありません。 また、役員報酬の支給はありません。

    ■役員区分 

    候補者名(ローマ字)(出身校学部卒年)
    勤務先および役職名
    改選時の略歴・専門分野等
    改選時の抱負


    ■会 長

    古川 一夫(FURUKAWA, Kazuo)(東大昭44卒) (独)新エネルギー・産業技術総合開発機構 理事長

    [略歴] 1971年3月東京大学大学院修士課程修了, 同年4月 (株)日立製作所入社, 以降, 情報・通信分野を担当, 1992年同社情報通信事業部公衆通信本部部長, 1994年日立テレコムUSA CTO, 2003年(株)日立製作所執行役常務情報・通信グループ長&CEO, 2006年4月同社代表執行役執行役社長, 2009年6月同社特別顧問, 2007年5月-2009年5月 日本経済団体連合会副会長, 本会会員, 電子情報通信学会会員.

    [抱負] この50年, 情報処理産業は日本の経済成長を牽引してきました. その間の本会の果たした役割はきわめて大きかったと思います. 黎明期から発展期であった過去の50年の学会の有り方と「コンピュータが当たり前」となった次の50年の有り方はおのずと違うものと考えます. 現在の情報処理産業はボーダレス・グローバル化のなかで上位のアーキテクチャーは相変わらず欧米発が多く, また日本が得意とした「ものづくり」も新興国の追い上げにあい停滞感は否めません. 今こそ改めて今後の学会の役割を見つめ, 情報処理産業の持続的な成長を牽引していきたいものと考えます. また, イノベーションの速度は加速され大きな変化が日常的に起こりえます. このような変化に柔軟に対応して, 関係する皆様にとって有益な「場」としての学会の有り方も考えたいと思います. 本会がさらなるボーダレス・グローバル化のなかで情報社会を牽引し, 情報処理分野にかかわるすべての皆様が生き甲斐・やり甲斐を感じ, 自信を持って次の50年の夢を追えるよう多彩な活動を行って行きたいと考えます.

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    ■副会長

    寺中 勝美(TERANAKA, Katsumi)(京大昭49卒) NTTソフトウェア(株) 常務取締役 ソリューション事業推進本部長 

    [略歴] 昭和51年3月京都大学大学院修士課程修了. 同年4月日本電信電話公社(現NTT)に入社. データベース管理システム, マルチメディア情報検索システム等のデータベース関連の研究開発に従事. 平成18年6月より現職.平成12-13年本会理事. 平成14年度本会フェロー.

    [抱負] 21世紀も10年が経過し, 我々を取り巻く情報社会も, クラウドサービスの台頭, 電子ブックに代表される新携帯端末の誕生など, 大きな変革点に来ています. このような環境で, 本会も50周年を終え, もう一度原点に戻って, 今後の道筋を真剣に考えるべきだと考えています. 変化を恐れないことをポリシーの基本として, 特にグローバルな動きの中で, 本会が取り組むべきテーマを明確にすること, 企業の研究開発者の方々にとって魅力のある学会にすること, 研究会をはじめとした若手研究者の活躍の場の活性化を積極的に支援すること等を活動の機軸にしたいと考えています. 本会の会員の方々から, 「学会は変わろうとしている. ぜひその動きに積極的に参画したい」と言われるような環境作りに, 微力ながら貢献できれば幸いです.

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    ■副会長

    西尾章治郎(NISHIO, Shojiro)(京大1975卒) 大阪大学大学院情報科学研究科 教授//サイバーメディアセンター長

    [略歴] 1975年京都大学工学部卒業, 1980年同大学院博士後期課程修了(工学博士). 京都大学助手等を経て, 1992年大阪大学工学部教授, 2002年から現職. その間, 文部科学省科学官, 大阪大学理事・副学長等を歴任. データベースシステム研究に従事. 本会では理事(調査研究担当 1998-1999年度)等を歴任し, 現在, 日本学術会議情報学委員長. 本会功績賞, 論文賞を受賞. 本会, IEEE, IEICEのフェロー.

    [抱負] 学会には「未来をデザインする場」, 「ときめきを感じる場」, 「責任を検証する場」を提供するという役割があると思います. 【未来をデザインする場】我が国の情報通信分野の国際競争力は, 最近低迷しています. この現状を打破する方策と今後の展望について, 日本学術会議等とも連携しながら, 本会が指針を提示すべき時期に来ていると考えます. 【ときめきを感じる場】本会は, 発見や発明に感動し, 「おもしろくてたまらない」と心の底から言えるワクワクする研究成果を発表し, 議論する場であらねばならないと思います. ときめきはあこがれでもあり, 素晴らしい研究成果に触れ, 自分もそのような研究を是非やってみたい, 自分もあんな人になりたいという気持ちが湧き起こるような企画を打ち立てていくことが重要です. 【責任を検証する場】自らの研究が実社会のなかでどのように役立つのか, 社会を正しい方向にリードできているのかを冷静に見つめる場を本会が提供することが大切です. 例えば, 先の東日本大震災において何ができて, 何ができなかったのか, 今後何をすべきかを検証することは緊急の課題です. 皆様とともに, このような学会を目指していきたいと考えています.

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    ■理事[標準化担当]

    大蒔 和仁
    (OHMAKI, Kazuhito)(岩手大昭49卒) 東洋大学総合情報学部 教授

    ※情報規格調査会からの推薦

    [略歴] S54年東北大学大学院・工・情報工・博士修了, 工博, 電子技術総合研究所および産業技術総合研究所を経てH21年より現職. ソフトウェア作成技術の研究に従事, その間本会理事(H10 -11年度), 本会フェロー(平成18年度).

    [抱負] 新しく創設された本会論文誌「デジタルプラクティス」を中心に日本発の標準規格を通じて広く情報規格調査会の活動を非標準の研究者にも広く知らしめたいと考えます. また, データセンターの省エネ技術やセンサーネットワークの特に日本の技術について情報規格調査の活動領域と考えたいと思います. さらに今まで情報規格調査会に関わってこなかったエネルギー技術の関係者も巻き込みたいと思います. 本会情報規格調査会の委員長として情報処理技術における規格の重要性を訴えて行きたいと考えます.

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    ■理事[会誌/出版担当]

    河口 信夫(KAWAGUCHI, Nobuo)(名大平2卒) 名古屋大学大学院工学研究科 教授

    [略歴] 1995年名古屋大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程満了. 同大助手, 講師, 准教授を経て2009年より現職. 博士(工学). ユビキタスコミュニケーション, 位置情報システム, 行動センシングなどの研究に従事.

    [抱負] 現代社会では, すでに膨大な数と種類の情報システムが利用されており, 情報処理技術の重要性がますます高まりつつあると同時に, そのコモディティ化も急速に進んでいます. 大学への新入学生からは, かつて我々が持っていたコンピューティングに対する憧れが急速に薄れつつあります. また, インターネットを通じた個人や組織からの直接的な情報発信により, 学会が持っていた知的集約機能の必要性も低くなりつつあります. 情報処理技術と社会との関わり方や情報発信の方法が急速に変わる中, 学会の役割も変化すべきと考えます. アカデミアや産業界から「知を探求する人」を集め, 互いに切磋琢磨する場としての学会の重要性は変わり無いと確信していますが, その実現手法については多いに議論すべき余地があると感じています. 情報処理の専門家が集い, 「知の集約と広報」手法について, 真摯な議論・検討を行い, その結果をもって学会運営ができることを期待し, 微力ながら本会の活動に貢献できれば良いと考えています.

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    ■理事[論文誌担当]

    串田 高幸(KUSHIDA, Takayuki)(豊橋技科大昭60卒) 日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所 シニアリサーチャー

    [略歴] 1985年日本アイ・ビー・エム(株)入社. 東京基礎研究所配属. 2005-06年IBM T. J. Watson Research Center 研究戦略スタッフ. 入社以来, 一貫してネットワーク, 分散処理, システム管理の研究に従事. 本会マルチメディア通信と分散処理研究会(1999年研究運営委員, 2000-03年幹事, 2004-07年運営委員, 2008-09年主査), 本会マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(2000年委員長, 2007年プログラム委員長), 本会論文誌(2000-03年編集委員, 2000-10年特集号編集委員), 本会代表会員(2009-10年) . 博士(ソフトウェア情報学).

    [抱負] 私は, 本会入会以来, 全国大会, マルチメディア通信と分散処理研究会, 論文誌編集委員会, 論文誌特集号編集委員会の活動を通じて, 会員の皆様の研究成果発表のサポートに携ってきました. このような貴重な経験を通じて, 本会が行っている会員の皆様への研究活動サポートの重要性を認識することができました. 現在, 社会での情報処理技術の発展は, 目を見張るものがあります. その一方で情報処理分野の研究活動をとりまく環境は, 日々厳しくなってきております. 本会は, 設立から50年を迎えたこということで, 一つの節目にきていると考えております. 私は,次の50年に予想される情報処理に関する技術進歩及び現在の研究活動をとりまく環境変化を見据えて, 会員の皆様に対して研究活動サポートのより一層の充実と, 会員の皆様とともに情報処理分野のさらなる発展への貢献を微力ながら行なっていきたい所存でおります.

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    ■理事[企画担当]

    黒橋 禎夫(KUROHASHI, Sadao)(京大平元卒) 京都大学大学院情報学研究科 教授

    [略歴] 1994年京都大学大学院工学研究科電気工学第二専攻博士課程修了. 博士(工学). 2006年より現職. 自然言語処理, 知識情報処理の研究に従事. 2001-03年 Computational Linguistics編集委員, 2005-06年本会論文誌編集委員会理論グループ主査, 2010-11年ACM TALIP編集委員, 2008年より言語処理学会理事.

    [抱負] 情報は人間の知的活動の根幹にかかわるものであり, 物理学, 生命科学, 脳科学, 言語学, 社会学など, 情報学と関連領域の関係は今後ますます重要になると考えられます. 今後の情報関連産業の活性化, 情報系人材育成の展開を考えるとき, 情報および人間にかかわる学協会のハブとして, これら関連領域との連携をさまざまな形で推進することが本会の使命であると考えます. 学会の第一義的な役割は研究発表および議論の場を提供することですが,ややもするとそれは固定的で内向きなものとなりがちです. 関連領域を巻き込んだオープンで活発な議論の中から, 次世代のグローバルリーダ, 国際競争力のあるIT基盤技術や新たな魅力的応用領域が生まれるものと確信します. そのような活動に微力ながら尽力したいと考えております.

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    ■理事[技術応用/国際担当]

    中野 美由紀(NAKANO, Miyuki)(東大昭55卒) 東京大学生産技術研究所 特任准教授

    [略歴] 1980年東京大学理学部情報科学科卒業. 富士通(株)勤務. 1985年東京大学生産技術研究所助手(2004年助教). 2008年7月同特任准教授. 博士(情報理工学). データベースシステム, 並列データベース処理, ストレージシステム, データ工学等の研究に従事. 本会創立50周年記念全国大会組織委員会副委員長, 本会論文誌データベース編集委員(2009年-).

    [抱負] 情報処理技術の進展により, 誰もが容易に情報を生成, 発信, 取得できる場を生み出され, インターネットを流通するデジタルデータは爆発的に増大しています. このような状況のなか, 情報処理技術は必須の社会基盤と認識され, さらに, 新たな社会的動きを生み出す革新的な手段として期待されています. そこで, 情報処理技術の根幹からさまざまな応用まで広く俯瞰する本会の役割は今後ますます重要となってきます. 溢れる情報の中, 情報処理技術のさらなる進展が望まれる一方で, 情報処理技術離れが指摘される今日, 本会が率先して, 情報処理技術に秘められた多大な社会的影響力と未来への可能性を発信することが大切であると考えています. 創立50周年記念全国大会にて「わくわくする」情報処理技術を紹介する場を手伝い, わが国の最先端情報処理技術に海外も含め, 多くの方から反響を頂戴いたしました. この経験を基に, 世界に通じる魅力ある新しい情報処理研究, 技術の発掘, 発展, 支援する本会の活動に微力ながらも貢献する所存です.

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    ■理事[事業担当]

    橋田 浩一(HASIDA, Koiti)(東大昭56卒) (独)産業技術総合研究所社会知能技術研究ラボ 研究ラボ長

    [略歴] 1986年電子技術総合研究所入所. 1988年から1992年まで(財)新世代コンピュータ技術開発機構に出向. 2010年2月より現職. 専門は自然言語処理, 認知科学など. 本会知能と複雑系研究会主査, フロンティア領域委員長等を歴任. 本会理事(2005-06年度), 言語処理学会会長, 日本ソフトウェア科学会理事.

    [抱負] ITに求められる役割は, 単に情報機器の開発やプログラミングにとどまらず, 社会の仕組みの分析や設計にますます深くかかわるようになっています. しかし残念ながら, そのことが広く社会に理解されていないように思われます. 会員の減少は本会またはIT自身もその役割を十分に果たせていないことの表われではないでしょうか. 社会に対するアカウンタビリティを高め, 会員の増加を図るためにも, まず学会の中での対話を深めて知識の共創を活性化し, さらにそれを社会と融合させる必要があるでしょう. それには企業向けの企画だけでなく論文や大会や研究会などの学術的な活動も有機的に連携させるような学会業務の再設計が必要なのかも知れません. そのような意味での学会の発展に微力ながら貢献したいと思います.

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    ■理事[教育担当]

    平田 圭二(HIRATA, Keiji)(東大昭57卒) 公立はこだて未来大学 複雑系知能学科 教授

    [略歴] 1987年東京大学大学院情報工学専門課程博士課程修了. 工学博士. 同年NTT基礎研究所, 2008年より現職. 音楽情報科学研究会初代主査, フロンティア領域委員長, 本会理事(2005-06年度論文誌担当), 現在デジタルプラクティス編集委員長. 本会論文賞, 山下記念研究賞受賞. 計算論的音楽理論及びビデオコミュニケーションの研究に従事.

    [抱負] 私は現在デジタルプラクティス(DP)編集委員長を拝命しております. DPは, 主としてIT産業界の方々が現場で日々生み出されている実践を, 社会の中で共有しより高度化することを目指して2010年2月に創刊されました. 手探りの中, これまでDPを5冊編集発行したことで, 実践に関する知見を論文の形で集積, 流通させることの意義を再確認したと同時に, 産業界と学界の皆様にも少しずつDPの重要性が認知されてきたように感じています. しかし200万人を越えると言われる我が国の情報関連産業に従事しておられるエンジニアやマネージャの総数と比べると, 約1万8千人という本会正会員はまだまだ全体のごく一部に過ぎません. これからさらにDPを通じた実践の論文化活動をIT産業界全体に広げることが, 我が国の技術者に活気をもたらし, IT産業力向上に効果があると考えています. 理事として, DPと全国大会や会誌発行等他事業とを有機的に結び付け, 産業界と学界双方の方々にとって有益な学会活動を立案, 展開していきたいと考えています.

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    ■理事[財務担当]

    山室 雅司(YAMAMURO, Masashi)(早大昭60卒) NTTソフトウェア(株)経営企画部 担当部長

    [略歴] 1987年早大大学院理工学研究科修士修了. 同年NTT入社. ネットワーク統合管理技術, データベース設計法, データ視覚化技術, マルチメディア情報検索, 情報統合管理技術の研究に従事. 本会情報規格調査会規格役員, 本会マルチメディア通信と分散処理研究会運営委員, DICOMO実行委員等を歴任. 現在同研究会幹事. 博士(工学).
     

    [抱負] 本会は50周年を迎え, これからの50年をどうしていくのかを考える重要な時期にあります. 情報処理をとりまく状況が多様化してきている一方で会員数の減少という問題があります. 本会はアカデミアのみならず産業界の会員も含めた交流の場を提供してきています. 今後, このような交流の場を益々魅力的なものにしていくとともに, 研究職に限らず, 広く企業技術者に対して, 育成を含めたキャリアの各局面を通した継続的なサービスを提供することにより, 学会が有益なパートナーとなっていくことが重要だと考えます. さらに情報処理技術は多くのユーザに利用される身近なものになっていますが, ユーザ層を巻き込んだ技術の利用面での課題の取組みも, 学会の裾野を広げていくうえで重要であると思います. このための産学官の連携や異分野間の連携の中心を担う仕組み作りをはじめ, 本会が果たすべき役割は益々広範囲化し, 重要なものになってきていると認識しています. 本会の発展に微力ながら尽力し, ひいては世界の発展に寄与していきたいと思っています.

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    ■理事[総務担当]

    吉野 松樹(YOSHINO, Matsuki)(東大昭57卒) (株)日立製作所ソフトウェア事業部企画本部 主管技師長

    [略歴] 1982年東京大学理学部数学科卒業. 同年(株)日立製作所入社. 1987-88年米国コロンビア大学大学院にて修士号(計算機科学)取得. コンパイラ, 開発支援環境, APサーバ, ビジネスグリッドミドルウェアの開発等を経て2006年9月より現職. 2007-08年度本会財務理事.

    [抱負] 情報システムは, いまや国民生活全般を支える重要な社会インフラとなっています. 社会インフラとして正常に稼働しているのが当たり前のことになり,不具合が発生するとニュースになるという状況です. しかし,情報処理技術は社会インフラとして我々の生活を支えることはもちろん重要ですが,それだけに留まらず,我々の生活を更に便利に, 楽しく,夢のある社会に変えていくエンジンでもあると考えます. そのエンジンが回り続けるためには,新しい分野,手法に果敢に挑戦する研究者, その成果をビジネスに活用し, フィールドで発見された新たな課題をフィードバックする実務家が連携し切磋琢磨するための場が重要です. さらにビジネスをグローバルに展開するためには, 戦略的な標準化活動も極めて重要です. 当会は, この3つの活動を有機的に連携させる場を提供できるポテンシャルを持っていると思いますが, まだまだ不十分ではないかと感じてます. このポテンシャルを最大限に発揮できるような場の提供に微力ながら貢献していきたいと思います.

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    ■理事[調査研究/(国際)担当]

    渡辺 尚(WATANABE Takashi)(阪大昭57卒) 大阪大学大学院 情報科学研究科  教授
    ※調査研究運営委員会からの推薦

    [略歴] 大阪大学大学院修了(S62年). 工学博士. 徳島大学工学部助手(S62-H2年), 静岡大学工学部助教授(H2年), H13年より現職. カリフォルニア大学アーバイン校訪問研究員(H7-8年). 通信ネットワークに関する研究に従事. 静岡大学創造科学技術大学院研究部長. モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会幹事(H8-12年), 同主査(H17-20年), 同運営委員(H21年-). 国際会議ICMU2005TPCチェア, 特集号論文誌ゲストエディタ, 高度交通システム研究会・放送コンピューティング研究グループ運営委員.
     

    [抱負] 私は, 本会の基本は各研究会の活動であると考えます. 種々の知識や経験がぶつかり合って渦をなし, 当該分野を深く掘り下げまた新たな分野をも開拓する場が研究会であります. 私はこのことを強く念頭に置き各研究会の活動がさらに活発化するように努力します. また, ここ数年静岡大学研究部長という立場から他分野の方々と接してきました. その経験を通して感じることは, 情報処理分野は他分野に比べると特に論文の英文化率が低いことです. 日本発の技術を世界に向けて発信していくためには. 英文化も重要な要素であります. 会長等学会執行部, 研究会執行部そして会員の立場を尊重し理解しながらモバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会主査や国際会議ICMUステアリングの経験を生かし, 研究会活性化, 新分野開拓, 国際化等に微力ながら尽力させていただきたく存じます.

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    ■理事[技術応用担当]

    赤津 雅晴(AKATSU, Masaharu)(東大1987卒) (株)日立製作所横浜研究所情報サービス研究センタ センタ長

    [略歴] 1987年(株)日立製作所入社. 企業情報システムの管理・評価手法, 社会インフラシステムのモデリング, サービス・イノベーション方法論などの研究・開発に従事. システム開発研究所部長, 情報・通信グループ経営戦略室担当部長などを経て, 2010年より現職. 2011年より北陸先端科学技術大学院大学客員教授. 博士(工学).

    [抱負] Big Dataというキーワードに代表されるように, 大量の多様なデータが収集できるようになり, 計算機処理能力の向上とあわせて, 複雑な分析も可能になりました. 情報処理技術のさらなる発展が, 今後の経済発展や他分野の技術革新において重要な役割を果たし, 安心・安全・快適な社会の実現に大きく寄与することは疑う余地のないことだと考えます. このような状況の中で, 情報処理学会の果たすべき役割は一段と大きくなっていると思います. 情報技術を活用したイノベーションを興せる人材の育成とワールドワイドのトレンドを牽引できるような情報発信を目標に, 研究会や論文誌の活性化をはじめとして, 本会が価値協創の場となるように, 微力ながら尽力する所存です.

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    理事[調査研究/(国際)担当]

    池内 克史(IKEUCHI, Katsushi)(京大1973卒) 東京大学大学院情報学環 教授

    ※調査研究運営委員会からの推薦

    [略歴] 1978年東大院博士修了. 工博. MIT/AIラボ, 電総研, CMU/CSを経て, 1996年東大教授. 本会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会/主査・研究会論文誌初代編集長を歴任, 現在, 本会フロンティア領域委員長. 本会・信学会・IEEEフェロー. IAPR 2nd VP, IEEE-ICCV Sig. Res. Award受賞. コンピュータビジョンの研究に従事.

    [抱負] 情報処理分野の研究・開発の活性化は, 日本の生き残りをかけた重要課題です. この課題への1つのアプローチとして, 情報処理分野の裾野を広げ, 新分野を開拓してゆくことがあると思います. 情報処理と他分野との接点領域を積極的に拡大・活性化してゆくことです. このため, 調査研究運営委員会をベースとする理事として, 境界領域での研究会の新設や研究会活動の量的質的拡大をボトムアップ的に強化し, 新しい学問分野として育て上げるよう努力し, これを通して学会全体の研究活動の拡大・活性化を目指し, 日本の情報処理分野の活性化に寄与したいと考えています. これと並行して, 日本のコミュニティのガラパゴス化の防止, グローバル化の推進にも力を注ぎたいと考えます. このため, 最近少々微妙になって来ている国内学会の国際的活動と海外学会の活動との関係を, 海外の学会や雑誌の役職経験を通し十分に吟味し直し, ウィン・ウインとなる上手い着地点を考え, 学会の国際化をはかり, 日本のコミュニティのビジビリティ向上にも力を注ぎたいと考えます.

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    理事[教育担当]

    位野木万里(INOKI, Mari)(早大1989卒) 東芝ソリューション(株)生産技術センター 主幹

    [略歴] 1991年早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻修士課程修了, 同年(株)東芝入社, 2011年10月より現職. 2008年早稲田大学大学院理工学研究科情報・ネットワーク専攻博士課程修了, 博士(工学). 専門はソフトウェア工学. 2007年情報専門学科カリキュラムJ07ソフトウェアエンジニアリング(SE)領域教育委員会委員, 2008年度より本会会誌編集委員. 2009年度より国立情報学研究所トップエスイープロジェクト講師, 2011年度より早稲田大学非常勤講師.

    [抱負] 企業内研究者としてソフトウェア工学の研究開発に約20年従事してきました. 実際の開発部門の課題を解決するための最適な研究開発は何か, いつも壁に直面しています. また, 最近は, 非常勤講師などで教育の機会をいただき, 技術, 市場, 環境の変化の中で, 自律した技術者や研究者になるために学生らに何をどう教えれば有効なのだろうかと思い続けています. このような悩み多き状況の中, 企業内研究者として継続できたのは, 情報処理学会の研究会, 会誌などの委員会活動を通して, 様々な研究者・技術者と議論させていただき, 研究成果や情報を得て, 実務や教育の中に活用することができたためだと感謝しております. 当方にとり事業に活かす企業内研究を続ける上で情報処理学会はなくてはならない存在であり, 産官学全体からみても, 開発, 研究, 教育などの様々な視点からのニーズを取り込み, シーズをマッチングさせる場としての重要性を実感しています. 今回はこれまでの恩返しがしたく立候補させていただきました. 企業内研究者としての研究開発, 研究成果を事業に活用するための事業部門との連携業務, 学会や教育活動を通して得られた経験を活かし, 学会の今後の継続的な進化・成長に貢献させていただけるように取り組んで参りたいと存じます.

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    理事[調査研究/(国際)担当]

    大沢 英一(OSAWA, Ei-Ichi)(東工大1982卒) 公立はこだて未来大学複雑系知能学科 教授

    [略歴] 1982年東工大学理学部数学科卒. 同年, ソニー(株)入社. 1989年(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所入社. 2000年より現職. マルチエージェントシステム, 複雑ネットワークの研究に従事. 2009年人工知能学会研究会優秀賞, 同年, 本会山下記念研究賞を受賞. 元日本ソフトウェア科学会理事. 博士(工学).

    [抱負] 私は大学卒業後, 民間企業の研究所に配属されてから一貫して研究畑を歩んできました. どのような学問であれ, 研究には基礎研究と実用化・応用研究があります. 情報処理分野においても同様ですが, 当該分野の他に見られない特徴として, 基礎研究から実用化までのプロセスが他の産業に較べて簡易で, 短時間で行われることがあげられます. 現実に, 米国では情報処理分野において, 大学などでの研究成果をもとにベンチャー企業を起こし, 数年で大規模に成長させるということが良く起きています. 私は, 日本の情報処理産業を大きく発展させる上で, 本会が担う責任は非常に大きいことを認識していますが, 特に, その情報処理分野の固有の特性を意識した研究活動を推進していくとが重要だと考えます. 具体的には, 学会が主体的に行う, また, 支援する研究活動は, 産業界や社会(ユーザ)と深いコミュニケーションを持ち, 活力に満ちた迅速なもので, そして実践的な解を提示できるものである必要があると考えており, そのような事柄の実現に尽力したいと考えています.

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    理事[論文誌担当]

    岡部 寿男(OKABE, Yasuo)(京大 1986卒) 京都大学学術情報メディアセンター 教授

    [略歴] 1988年京都大学大学院工学研究科修士課程情報工学専攻修了. 2002年より現職. 国立情報学研究所客員教授. インターネット技術, 並列・分散アルゴリズムの研究に従事. 本会論文誌編集委員(1999-2002年). 関西支部幹事(2005-2006年). SAINT2008 Program co-Chair, SAINT2010 General co-Chair. マルチメディア通信と分散処理研究会(1994-1997年), ハイパフォーマンスコンピューティング研究会(1994-1997年, 2005-08年), 高品質インターネット研究会(2001-2004年), コンシューマ・デバイス&システム研究会(2011年-)各委員.

    [抱負] 情報処理学会が設立されてから半世紀余, この間も, 本会の対象とする研究分野は大きく拡がり, 技術も変容してきました. 今後も大きな変動の中で新しい分野を切り拓いていかなければならないでしょう. その中で学会の果たすべき役割は何でしょうか. 私見ですが, 学会の役割の原点は, 同じ志を持つ研究者が集い, 互いに認めあう場を提供することにあると思います. 同時に, 学問分野を持続的に発展させるためには, 若い人をその場に誘い, 育み, 一人前の研究者として認め, さらには新しい研究領域へ送り出す循環を確立することが必要です. 学会の課題として, 若い人の学会離れが挙げられています. 情報系に従事する人の総数は増える以上に, その職場や仕事の領域の拡がりが大きく, 従来の枠ではとらえきれていないように思います. たとえば, ハードウェアやソフトウェアの開発, システムの設計と運用に関わる業績は, アカデミアにおいてももっと評価されてよいと愚考します. このような視点で学会の枠を大きくする仕事に微力ながら貢献できればと考えています.

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    理事[総務担当]

    折原 良平(ORIHARA, Ryohei)(筑波大1986卒) (株)東芝 研究開発センター知識メディアラボラトリー 室長

    [略歴] 1988年(株)東芝入社. 発想支援, 機械学習, ナレッジマネジメント, データマイニングの研究開発に従事. 2008年より現職. 1993-1995年University of Toronto客員研究員. 2004-2009年東京工業大学連携准教授. 2010年より電気通信大学客員教授. 2006, 2007年度本会論文誌編集委員会知能グループ副査・主査. 2007-2008年度本会代表会員. 2008-2010年人工知能学会理事. 博士(工学).

    [抱負] 社会, 経済, 自然環境がはげしく変化し, 従来我が国を支えてきた産業構造が変革を迫られている今, 革新をリードすべき技術としての情報処理に対する期待は膨らみ続けています. その期待に対し, 我々は最先端の技術を開発していくことはもちろんのこと, 専門家としての責任ある態度で社会に接し, 説明責任を果たしていくことが必要であると考えます. 本会は, 我々相互の連携や情報共有をサポートして研究開発を促進する場であると同時に, 社会から見た情報処理専門家集団の顔であるという側面を持っており, その存在意義は今後ますます重要になるでしょう. 私は, 企業の研究者としてデータマイニング技術の研究に携わると同時に, その製品化や販売に従事, また大学においては同技術を通じて学生を指導する機会をいただき, 技術が社会のさまざまな側面と相互作用する場面を垣間見てきました. こうした経験を通じて, 本会と社会の関わりをより良くすることに微力ながらお力添えできればと思います.

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    理事[会誌担当]

    木下 哲男(KINOSHITA, Tetsuo)(茨城大1977卒) 東北大学電気通信研究所 教授

    [略歴] 1979年東北大大学院修士課程修了. 同年沖電気工業(株)入社. 2006年東北大電気通信研究所助教授, 2001年同大情報シナジーセンター教授. 2010年より現職. 本会論文誌編集委員, 代表会員, 東北支部長などを歴任. 工博. 本会フェロー(2008年度). エージェント工学, 知識工学, エージェント応用/知識応用システムなどの研究に従事.

    [抱負] ソーシャルとかスマートといったキーワードを冠したサービスやシステムが巷に溢れ, 人々のコミュニケーションやリレーションにも質的, 量的な変化が起こりつつあります. 2011年3月の震災では, 新しいメディアやサービスの効果が随所でみられ, これらが電気や水道に代表される日常生活のインフラと同様に重要なものとなりつつあることが実感されました. その一方で, こうした新しい道具を生み出したアイディアや技術の多くが海を渡ってきたものであることは些か悩ましい問題です. しかし, それらを自然に楽しく使いこなしている若者達を目にするとき, その中から新たな発想や技術にチャレンジする人達が必ず現れると思っています. この期待を現実のものとするために, そして, やはり日本の貴重な財産は人と技術だとすれば, 情報処理分野において研究, 教育, 人材育成, 技術の普及・啓発に幅広く取り組んできた本会の果たすべき役割は極めて大きいといえるでしょう. 私も微力ながらその一翼を担っていきたいと考えています.

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    理事[事業担当]

    砂原 秀樹(SUNAHARA, Hideki)(慶大1983卒) 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授

    [略歴] 1988年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程単位取得退学. 工学博士. 電気通信大学情報工学科助手, 奈良先端科学技術大学院大学情報科学センター助教授, 教授を経て, 2008年4月より現職. 1984年より日本のインターネットの構築とその研究に従事. センサを用いた新たな情報通信基盤構築プロジェクトを進行中. 2003-2005年本会高品質インターネット研究会主査. 2009-2010年度本会理事.

    [抱負] インターネットの登場は人々の情報流通の仕組みを大きく変えました. こうした状況の中で本会が果たすべき役割も大きく変化しようとしています. 単に, 提供する情報の質を向上させるだけでなく, 会員相互の情報共有を促進することで情報処理技術の社会への貢献度を向上させることが重要になってきていると考えています. そして, こうした変化への対応は社会の要請に応じて迅速に進めていかなければなりません. 昨年3月11日に発生した東日本大震災では情報処理技術が社会基盤として重要な役割を果たしていることを再認識させてくれるものでした. 一方で, 情報処理技術をもう少し適切に活用することができたならば, もっと大きな役割を果たせたのではないかという反省もしなければならないと考えています. こうした反省に基づき情報処理技術をより高い社会基盤とするために, 本会がなすべき役割は重いものであると考えます. これらの目標を見据え, これまでの本会の果たしてきたことを尊重しつつ, 新しい時代に対応した本会の展開に貢献することができれば幸いだと考えます.

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    理事[財務担当]

    鳥居 悟(TORII, Satoru)(東京理科大1985卒) (株)富士通研究所ソフトウェアシステム研究所 主管研究員

    [略歴] 1985年(株)富士通研究所入社. 並列処理系やオペレーティングシステムの研究開発を経て, 現在, ネットワークセキュリティの研究開発に従事. 本会コンピュータセキュリティ研究会幹事, コンピュータセキュリティシンポジウムCSS2008実行委員長, 特集号論文誌編集委員長等を務める. 「学会会員管理システム開発への貢献」で本会感謝状受賞. 現在本会セキュリティ委員会委員.

    [抱負] 組織や自宅あるいは街中などのあらゆる生活シーンにおいて, さまざまなサービスや情報が受けられる時代になっています. この基盤としてネットワークや情報システムは重要な役割を担っており, 豊かな社会生活の実現に欠かせないものとなっています. 一方で, 情報システムの利用形態は多岐にわたり, さまざまな背景を持つ利用者が混在しています. いろいろな状況において, 安心して情報システムを利用できるようにするためには, 情報処理の研究活動にさらなる飛躍が求められているのではないでしょうか. 情報処理技術の研究, その研究成果の普及, 研究人材の育成, さらには, 世の中に対するメッセージの発信など, 本会に求められる役割は広範囲に及ぶものと考えています. これらの期待にこたえられるような魅力的かつ有益な場としての本会の実現に向け, 企業の研究者としての経験を活かし, 微力ながら貢献したいと考えます.

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    理事[企画担当]

    松井 充(MATSUI, Mitsuru)(京大1985卒) 三菱電機(株)情報技術総合研究所 情報セキュリティ技術部長

    [略歴] 1987年京都大学理学研究科数学専攻修士修了. 同年三菱電機(株)入社, 以降誤り訂正・暗号技術の研究開発に従事. 1999年欧州にて第三世代携帯電話標準暗号設計に参加, 2004年全国発明表彰恩賜発明賞受賞. 博士(情報理工学), 本会フェロー, IACR理事, 情報セキュリティ大連携教授, 北陸先端大産官学連携客員教授.

    [抱負] 私は企業の研究所での情報セキュリティの仕事を通して長年AcademiaとIndustryの両方に接してきましたので, この両者の橋渡しの点でお役に立てるのではないかと考えています. AcademiaとIndustryの距離は, 私がこの世界に入った二十数年前と比べるととても近くなりました. これは, それが時代の要請であったという理由とともに学会諸先輩のご努力に負うところも大きいのだと思います. しかしその一方で, かつての創造力の源泉であったdiversityやcraftsmanshipが失われつつあるとも正直感じるところです. 現在花開いている技術のなかには, 二十数年前は見向きもされなかったものがたくさんあります. 学会の使命として, 会員へのサービスと社会への情報発信がありますが, 私はこの両方のチャネルを使って, さまざまな可能性の中から新しい技術の創出につながる芽を, AcademiaとIndustryの両面から探し出すためのお手伝いを皆さんと考えていきたいと思います.

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    ■監事

    村山 優子(MURAYAMA, Yuko)(津田塾大昭48卒) 岩手県立大学ソフトウェア情報学部 教授

    [略歴] 1973年津田塾大学学芸学部数学科卒業. 企業を経て, 1992年University College London博士課程修了. Ph. D. (ロンドン大学). 1992年慶應義塾大学非常勤講師, 1994年広島市立大学講師, 1998年岩手県立大学助教授. 2002年より同大学教授, 現在に至る. インターネット, 安心およびトラストの研究に従事. 本会マルチメディア通信と分散処理研究会連絡委員, 論文誌編集委員, コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会幹事および主査を歴任し, 2006-07年度本会事業担当理事. 現在情報セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究グループ主査. セキュリティ委員会委員長. 本会フェロー.

    [抱負] 21世紀に入り10年経ちます. 性能や効率を必死に追求していた20世紀に比べ, 科学技術の発展にも人間や環境を考える余裕が出てきました. 情報処理の世界にも, 人間の習性や行動に即した技術開発や研究が進められています. それ以上に文化的背景まで考えようという動きもあります. それには, 今までのコンピュータや通信の知識だけでなく, 今までいわゆる文系といわれていた心理学や社会学, 経済学等学際的な知識に加え, 芸術や哲学の世界の知識も役立ちます. 分野間の流動的な融合が進む中, 本会が, 如何にフレキシブルに発展していくかは重要な課題です. 私は, CSEC研究会を中心に活動し, 事業担当理事を1期務めました. 2008年にはSPT研究グループを設立し, 国際会議の発表論文から本会論文誌特集号を企画する等, 色々試みています. 学会の規則は, 学会員が活動しやすいものであるべきで, 先にルールありきではありません. このような観点から, 監事として, 学会の今後を見据え, 会員の皆様が本会での様々な試みや活動をしやすい環境作りのために尽くしたいと思います.

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    監事

    長谷川 亨(HASEGAWA, Toru)(京大1982卒) 大阪大学 大学院情報科学研究科 教授

    [略歴] 1982年京大・工・情報卒. 1984年同大学院修了. 同年KDD(現KDDI)入社. 以来, プロトコルの形式記述, 次世代インターネットの研究に従事. 2003年電波産業会電波功績賞受賞. 2006-2007年度本会理事. 2010年度本会フェロー. ICNP, P2P等, 国際会議TPCチェア多数. 情報学博士.

    [抱負] クラウドやインターネットのITインフラとしての役割の高まりとともに, 情報処理とネットワーク技術が真に融合する時代を迎えました. しかしながらApple, Googleに代表されるよう, 近年情報処理技術は米国が中心となって発展しています. この状況打破には, 産業界および学術界の連携が求められおり, 情報処理とネットワーク技術の専門家が集う本会は, 産学の橋渡しの場を提供するとともに中心的な役割を果たすことを期待されています. さらにSNSの進展に見られるように, 情報処理技術に心理学や社会学の知見が必要となりつつあり, 本会に新たな分野を取り込む柔軟な活動も必要となっています. これまでのコンピュータネットワークの研究開発・標準化活動の経験, ならびに本会理事としての会誌による広報活動の経験を活かして, 監事として, 学会の今後を見据え, 会員の皆様が新たな試みを可能とする柔軟な環境作りに貢献したいと考えています.

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