2024年08月01日版:小野 智弘(総務担当理事)

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    「ニューノーマルの会議運営~1年を振り返って~

    小野 智弘(総務担当理事)


     2023年度より総務理事を拝命し、ちょうど折り返しを迎えております。総務理事の役割は、会員管理、会員サービス、広報などの担務に加え、学会全体の円滑な運営全般を見ております。私が就任したのはニューノーマルが本格化したタイミングで、コロナ禍の制約がなくなったことを踏まえ、コロナ前に戻すのではなく、より良い形態へ進化させるべく取り組んでおります。

     最も顕著な変化は、会議運営となります。ニューノーマルの現在、学会内の会議体やイベントごとに、オンライン、現地開催、ハイブリッドと異なった形態で開催されています。たとえば、理事会は現在オンラインを中心に実施していますが、支部の会議や研究会の開催形態はさまざまです。総会は昨年はオンライン中心、今年は現地中心のハイブリッドで、去る6月5日に行われた総会後の表彰式は5年ぶりに現地中心のハイブリッドで開かれ、表彰者を交えた懇親会も同じく5年ぶりに開催されて大いに盛り上がり、対面の良さを痛感しました。全国大会でも飲食を伴う懇親会が5年ぶりに開催されました。

     コロナ禍を振り返ってみると、講演、会議・イベントなどすべての学会活動がオンラインとなりました。移動がなくなって時間の効率化が図れる、交通費や会場費が不要などのコスト効率が高い、録画が手軽にできるなどのメリットの一方で、少人数でのクローズドな会話がやりにくい、隙間時間のない会議が連続して疲れてしまう、接続や画質・音質などのトラブルが発生することも少なくないなどのデメリットが顕在化しました。対面で会うと打ち解けやすい一方で、一度にその場で話せる人数も限定的です。私自身も昨年の就任時の総会で理事の方や事務局の方とできるだけ対面でお話ししようと試みましたが、全員とは話せず、1年後に再開といった状況でもありました。ハイブリッド会議については、参加の選択肢が広がることで参加者を増やせることや、オンライン・現地開催の両方の良さを享受できるというメリットの反面、オンライン参加者がインタラクションに入りにくい、コストが二重にかかるなどのデメリットも顕在化しました。

     経験を蓄積したご利益としては、オンライン会議でのファシリテーション能力が向上したり、チャット機能やSlidoなどのツールを利用して講演者と参加者とのコミュニケーションが活発化したなどがあり、これは現地開催の会議での活用も増えています。また、3D仮想空間上で会議を行うことでリアルを再現または超える体験を実現するなども可能となりました。

     さらに良かったと思うことは、上記技術やノウハウの向上に加え、コロナ禍での全面オンラインを機に、対面を前提としていたさまざまな規約の見直しが始まり、状況に応じて柔軟に設定できるようになったこと、また、会議体ごとに開催前に会議形式を妥当性とともに議論するようになったことと考えています。今年の総会資料にも記載しましたが、学会の各種行事でも、ハイブリッド開催・オンライン開催・現地開催それぞれの場合の参加者数やかかるコストなどのノウハウが溜まってきましたので、コストも含めた運営の最適方法を検討していきます。また、会議形態以外でも、学会誌や論文誌のオンライン記事の強化や過去記事のオンライン化の推進などを計画しています。以下に総会報告があり、上記などの方針は24年度事業計画に記載していますので、ぜひご一読ください。

    [総会報告リンク](https://www.ipsj.or.jp/annai/aboutipsj/soukai/soukai-20240605.html

     新しく変わる際には、良い点・悪い点のフィードバックを踏まえたループ形成が必要ですので、ぜひ皆様のご意見を学会宛にお寄せいただけますと幸いです。
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