2016年02月01日版:清木  康(調査研究担当理事)

  • 2016年02月01日版

    「研究推進のための“活力ある場”の構築に向けて

    清木  康(調査研究担当理事)

     本学会における調査研究分野の活動,特に,研究会,シンポジウム,国際会議の開催は,本学会の中心的な活動の1つであり,これまで,我が国における情報分野の研究推進を支援する重要な役割を担ってきました.

     調査研究分野は,今まさに,新しい時代,“グローバルかつ複雑な社会環境”,“広域,あるいは地域的な自然環境”,“急速な技術革新”のなどの急激な変化の中において,夢のある新たな創造的社会,独創的技術の実現に向けて,優れた研究成果を集約し,新たな時代を先導する技術やモデルを発信する“活力ある場”の構築に向けて,力を注ぐときと考えております. 現在の世界規模に影響を与える社会的変化,技術革新,環境変化は,多くの研究分野の連携のもとに対応すべき研究の対象であり,本学会は,“情報”という最重要な分野から,社会を新たな創生,発展の軌道に導く一翼を担うことを重要な使命とする段階にあります.

     地球規模に影響を与える社会的変化,技術革新,環境変化の中において,我々は自然および社会環境の永続的維持,改善,健全な発展を重要な使命として実現しなければならない状況に直面しています.調査研究分野の活動では,情報分野を中心とした基礎技術,基礎理論,応用技術を新たな発展へ導く場の構築を重要な使命とする学会でありたいと考えております.そのために必要な活動は,自然環境,社会環境の維持・改善・発展のための情報系システムの設計・構築を実現する基礎的かつ応用的な研究・開発の推進を生むための“活力ある場”の構築であると考えます.

     調査研究分野の中心的な活動の1つである研究会活動を対象に,最近2年間に推進してきた活動をまとめます.
    1. 個々の研究会活動を超えて,領域または調査研究全体による国際会議支援,女性研究者支援の活動の活性化.
    2. 現在の調査研究活動における研究会やシンポジウムの機会を活用し,異なる領域を統合する新たな研究領域開拓のための取り組み,それらを社会へ発信する活動の推進.
    3. 研究会活動を中心に,国際会議を積極的に主催するとともに,海外学協会との連携の推進.
    4. 研究会活動の国際化,特に,海外学会との共同シンポジウム,合同ワークショップを積極的に開催し,国際的かつ継続的な“研究コミュニティの形成”を行い,新しい研究,技術の国際的発信を継続的に行う研究活動環境の構築.
    5. 欧米に加えて,アジア諸国との研究会活動の交流を推進し,アジアからの留学生の本学会,研究会参加を奨励し,将来にわたる継続的な調査研究活動の交流・共有環境の構築
     今後も,本学会調査研究分野では,“コンピュータサイエンス領域(10研究会)”,“情報環境領域(17研究会)”, “メディア知能情報領域(12研究会)”の3領域が連携し,新たな研究・開発を生むための“活力ある場”の構築を推進してまいりますので,学会員の皆様の本活動への参加とご支援をお願い申し上げます.