2023年03月16日版:長谷川 亘(IT産業連携担当理事)

  • 2023年03月16日版

    「京都コンピュータ学院・京都情報大学院大学・京都自動車専門学校

    長谷川 亘(IT産業連携担当理事)


     本会と一般社団法人日本IT団体連盟(IT連盟)は、協力事業に関する協定を締結しております。本会とIT連盟の相互連携としては、IT連盟のIT教育・人材育成委員会や政策提言委員会への参加や、IT教育に関する提言をIT連盟の政策提言に盛り込んだこと等が挙げられます。私は、前述の協定に基づく相互理事推薦により、E枠候補者として推薦され、現在IT産業連携担当の理事を拝命しております。専門は、教育行政学・大学経営学で、京都情報大学院大学・京都コンピュータ学院・京都自動車専門学校の統括理事長を務めております。

     京都コンピュータ学院は、日本最初のコンピュータ教育機関として、1963年に、初代学院長 長谷川繁雄と現学院長 長谷川靖子によって創立されました。両名が、確固たる教育哲学のもと、他のいかなる資本や権力からも独立して開設した私塾が、私共の起源です。これまでに5万人以上の卒業生を輩出してきました。本学の2人の創立者は京都大学の卒業生・修了生であったことから、創立当初より、京大をはじめとする関西圏の大学や企業のコンピュータ関係者が参加する研究会は盛況を呈していたというエピソードも残されています。また、本学は創立以来教育に活用した数々のコンピュータや周辺機器等を、京都駅前校内のKCG資料館にて保存・展示しております。2008年度に、同資料館は「分散コンピュータ博物館」の第1号として本会より認定されました。さらに、同2008年度には「TOSBAC-3400」と「OKITAC-4300Cシステム」、2010年度には「NEAC-2206」、2011年度には「NEACシステム100」、2012年度には「MZ-80K」、2014年度には「PDP-8/I」、2015年度には「TOSBAC-1100D」がそれぞれ情報処理技術遺産に認定されています。

     京都情報大学院大学は、日本最初、アジア最初のIT専門職大学院として2003年末に認可が決定し、2004年に開学しました。京都コンピュータ学院の伝統と実績を継承しつつ、IT教育に経営・マネジメント教育を加味したカリキュラムを構築し、高度専門職業人を育成しております。また、京都府との連携のもと、サイバースペースにおける京都ブランドの確立を目指す地理的名称トップレベルドメイン「.kyoto(ドット京都)」のレジストリを務めています。

     京都コンピュータ学院と京都情報大学院大学では、応用情報学として医療、海洋、農業、観光等さまざまな分野におけるIT応用の研究・教育を進めております。また、アニメや舞台芸術等のコンテンツビジネス分野の人材育成にも力を入れています。BIPROGY株式会社(旧 日本ユニシス株式会社)とは、研究・学術の共同作業に関する協定の下、京都駅前校に「未来環境ラボ」を共同で開設しています。また、京都府警察とは、サイバー空間の脅威に対処する人材育成に関する協定を締結しています。

     同じグループ内の京都自動車専門学校は、1986年に創立した京都で最も伝統のある自動車整備士養成のための教育機関です。国家資格である二級自動車整備士の合格者を輩出してきました。IT化が急速に進む自動車産業界において、多くの卒業生が活躍しております。

     2016年7月に発足したIT連盟は、国内IT関連企業約5000社、総従業員数約400万人で構成される60以上の団体が結集した日本最大級のIT関連団体の連合体です。私はその創設者の一人として代表理事・筆頭副会長を拝命しております。会合等で本学の卒業生・修了生とお会いすることもあり、また、活躍のニュースに接することもあります。同窓生のネットワークは、日本国内にとどまらず、アジアをはじめ世界の各地域に広がっています。

     IT・コンピュータ・情報の分野は、深刻な人材不足の状況が継続しています。このような問題を一刻も早く打開するために、上述のような背景の下で、微力ながら尽力いたす所存でございます。特に、政府や関係省庁へのさらなる提言や、IT産業界との連携の一層の緊密化に注力いたしたく存じます。 なにとぞよろしくお願いいたします。