2018年08月06日版:冨士 仁(財務担当理事)

  • 2018年08月06日版

    「学会を支える人とシステム」

    冨士 仁(財務担当理事)

     私が理事に就任し、学会の運営に初めて携わることになってから約1年が過ぎましたが、学会の運営にはさまざまな面で事務局がかかわってくださっていることを日々感じています。任の財務担当理事として右も左も分からない私は、財務を見てくださっている事務局の方にたくさん助けていただきましたし、後述する会員システムの更改も事務局の方が中心となって進めていただいています。こういった事務局の方なくして当学会の運営はままならないという思いを強くしましたし、この1年間でも勤続20年を迎えた方、30年を迎えた方がいらっしゃって、長年に渡って学会を支えてくださっている貢献は非常にありがたいと思っています。

     また、会員は学会のサービスを受ける立場であるとともに、運営に携わる立場にもなったり、社会に向けてさまざまな発信をする場合には学会を支える立場にもなることを強く意識するようになりました。研究会の主査や委員といった運営側の活動だけではなく、全国大会等に参加することはもちろん、学会が社会に向けて情報を発信するときの母体の会員であることだけでも学会を支えているといえると思います。

     一方で、この1年間で当学会には会員の減少とそれに伴う財務状況の悪化という大きな課題があることを学びました。学会の主な収入は個人会員の皆様、法人会員の企業様からの会費ですので、学会を支えるヒトとカネが両方とも減少するという難しい状況だというわけです。特に個人会員の減少は1993年以降、ゆるやかながらもずっと続いていますが、2017年度は減少幅が少なくなってくるという良い兆しが見え始めているところです。

     学会の収入は、会員の皆様にお役に立つ情報や研究会などの場をご提供するなどさまざまな活動の原資となっていますし、それらの活動を支えるITシステムの費用にも使われています。その中の1つに会員管理を行っている会員システムがあります。この会員システムは老朽化が進んでいまして、単に古いというだけではなく、いわゆるマイページの機能がなく会員の皆様にとってもさまざまな手続きが煩雑であったり、事務局での作業が非効率だったりと、多くの会員を管理するITシステムとしては少々時代に合わなくなっています。

     そこで、会員減少に伴って財務状況が良くない状況でありながらも、財務担当の理事は何代かに渡り老朽化した会員システムの更改に取り組んできました。今回のシステム更改は、学会活動の活性化に資する目的の改善もありますし、事務局の方が主に使う機能においても、会員区分や業務プロセスの見直しも行い、これまでよりも学会運営の事務が効率的になることも考慮しています。システム更改には、ある程度まとまった費用が掛かるわけですが、今後の学会活動を支えるシステムに必要な機能を考えた学会運営における戦略的な投資といえるものとなっていると思います。

     現代の組織は、ITシステムの効果的な利用によって、効率化や活性化をしていくわけですが、学会も例外ではないと思います。会員システム更改の次に、支部のシステム統合について検討が始まっており、システム運営の全体的な効率化やセキュリティレベルの向上を狙っていく予定になっています。会員システムの更改にあたっては、事務局の業務分析や要件定義に一部の会員に多大なご協力もいただきましたし、支部のシステム統合でも各支部の方からご協力をいただきながら進めています。こういった皆様からのご協力がなければ今後のシステムの改善、引いては当学会の発展もままならないと思いますので、ぜひとも会員の皆さんからの継続的なご協力をお願いします。