田中　穂積　君

[対象業績]　「自然言語処理技術の基礎と応用に関する研究」

　昭和16年10月2日生まれ．昭和39年3月東京工業大学工学部卒業，昭和41年3月同大学理工学研究科修士課程修了．昭和41年4月，通商産業省工業技術院電気試験所（電子技術総合研究所）に入所，OSの研究開発に従事．昭和46年より1年間スタンフォード大学に在外研究員として滞在、自然言語処理の研究に興味を持つ．パターン情報部推論機構研究室長を経て，昭和58年10月，東京工業大学工学部情報工学科助教授，昭和61年3月工学部教授，現在東京工業大学大学院情報理工学研究科教授．

[業績推薦理由]

　自然言語処理に関する基礎研究に取り組み，わが国におけるこの分野の草分け的存在．現在，わが国の自然言語処理分野の研究は，アジア諸国だけでなく世界をリードしている．田中穂積君の最近の主な研究成果は，形態素解析と構文解析とを同時並行して自然言語処理を行う新しいアルゴリズムを提案するとともに，それをベースにした自然言語解析用ツールを一般に公開するなど自然言語処理の学術の発展に貢献している．電子化された大量の実例文収集頒布を行う NPOを立ち上げ自然言語処理技術の基盤整備にも尽力している．