村井 純 君
フェロー
村井 純 君(正会員)
[対象業績] 「インターネット開発発展への貢献」
1979年 慶應義塾大学工学部卒業, 1981年慶應義塾大学大学院工学研究科 修士,1987年慶應義塾大学大学院工学研究科 博士, 1984年 東京工業大学 総合情報処理センター助手, 1987年 東京大学 大型計算機センター助手, 1990年 慶應義塾大学 環境情報学部助教授, 1997 年 慶應義塾大学 環境情報学部教授,2005年 慶應義塾 常任理事
[業績推薦理由]
村井純君はインターネットの重要性を夙に認識し, 1984年にJUNETを立ち上げ, まず東大, 東工大, 慶應を結び, 順次ネットワークを拡大し, さらに海外接続にも注力した. 1988年, TCP/IP導入とともにWIDE プロジェクトなる研究会を設立, 自ら代表として先頭に立って研究分野の広範化, 運用の多様化, 学生や企業の研究者の指導に積極的に努めて来た. 初期には電子メール本文で漢字が使えるよう奔走し, RFC1468を寄書し, 最近はIPv6の普及促進に腐心した. その間, 衛星を利用した東南アジアとのインターネット接続実験/ 運用, 自動車のインターネット接続実験など, 数々の新規提案を行ない, 貴重な成果を次々を収めた. RFIDの利用管理の重要性にも注目し, AutoIDの研究を発足させた. さらにルートネームサーバの日本での設置などインターネットの基本的運用でもわが国の地位を高めて来た.この間, 国際的な場面ではIETFのIAB, ISOCの理事, ICANNの理事などを歴任し, インターネット社会の健全な発展に尽力した. また1992年INET92を神戸で,2002 年IETF54 を横浜で開催し, ホストとして会議を成功させた. これらの功績により2005年8月のIETF63でJon Postel Service Awardを授与された.国内ではIT戦略会議メンバーとしてIT立国の施策に助言し, JPNICの理事長としてIPアドレス配布, ドメイン名の認定を指揮した.