岩村 惠市 君

岩村[対象業績] 「JPEG 2000に関するセキュリティ技術標準化およびコンテンツ保護技術活性化に対する貢献」

 

1958年生まれ. 1980年に九州大学工学部情報工学科を卒業し, 1982年に同大学大学院情報工学研究科修士課程を修了. 同年キャノン株式会社に入社. 1994年東京大学博士(工学). 2006年に東京理科大学工学部電気工学科教授となり, 現在に至る. この間, 東京大学客員教授, 筑波大学非常勤講師, 横浜国立大学非常勤講師, 放送大学非常勤講師, 産業技術総合研究所客員研究員などを務め, 情報理論とその応用学会企画理事, 情報理論とその応用学会評議員, 電気学会セキュリティシステム技術評価専門委員会幹事, 日本電子工業振興協会電子透かし技術委員, 日本情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会幹事, 電子情報通信学会情報セキュリティ研究会専門委員, 電子情報通信学会マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会専門委員, 電子情報通信学会情報ハイディング及びその評価基準研究会委員長 等歴任. 

 

[業績推薦理由]

岩村惠市君の静止画像に対するセキュリティ標準であるJPSEC(JPEG 2000のセキュリティ標準)において, 様々なセキュリティツールの機能を表現するシンタックスを提案し, 必須の規定事項であるNormativeとして採用させた. また, JPEG2000の特徴でる“Compress Once, decompress many ways”を生かす“Encrypt Once, decrypt many ways”を実現する暗号鍵の鍵管理方式2つと, JPEG 2000のファイルフォーマットに従って暗号化を実現する暗号化方式1つを提案し, 3つの技術をInformativeとして採用させた. さらに, 大学移籍後も“Compress Once,decompress many ways”を生かす画像認証方式を提案し,日本発の技術によって総合的なセキュリティをJPEG 2000で実現できるようにし, この分野の発展に大いに貢献した. また, 情報処理学会におけるコンピュータセキュリティ研究会に立ち上げから支援し, わが国におけるセキュリティ技術の発展に寄与した. さらに現在, 電子透かしに対する評価基準の明確化と, 電子透かし技術の標準化を可能とするスキームを提案し, それを実践する活動を行っている.