稲垣　康善　君

[対象業績]　　「情報処理の基礎理論分野に関する貢献」

　昭和37年名古屋大学工学部電子工学科卒業．昭和42年同大学院工学研究科博士課程電子工学専攻修了．工学博士．その後，名古屋大学工学部助手，講師，助教授を経て，昭和52年三重大学工学部教授に就任．昭和56年より名古屋大学工学部教授．平成4年から名古屋大学にて，評議員，プラズマ科学センター長，高温エネルギー変換研究センター長，大学院工学研究科長・工学部長，名古屋大学大型計算機センター長を歴任．

[業績推薦理由]

　稲垣康善君は，情報処理技術の萌芽期からオートマトンと形式言語理論，計算論，プログラム理論などの計算機科学の基礎分野の研究で先駆的な業績を挙げ，本分野の研究の発展に大きく貢献した．名古屋大学および三重大学においては，優秀な人材を育成すると共に，大学内における情報処理技術の利用の促進にも貢献された．また，本会の理事および調査研究運営委員会委員長をはじめ，電子情報通信学会，日本ソフトウェア科学会，人工知能学会など多くの学会の役職を歴任し，日本の情報処理の学術レベルの向上に大きく貢献された．