吉浦 裕 君
[対象業績] 「情報の活用と保護のためのセキュリティ技術の研究およびその製品化と普及に対する貢献」
1981年東京大学理学部情報科学科卒業.日立製作所入社,システム開発研究所勤務.2003年より電気通信大学勤務.情報理工学研究科教授.情報セキュリティ,著作権保護,プライバシー保護の研究開発に従事.理学博士(東京大学).情報処理学会論文賞(2004年度,2010年度),システム制御情報学会産業技術賞(2005年度),IEEE IIH-MSP最優秀論文賞(2006年),日本セキュリティ・マネジメント学会論文賞(2010年度)等受賞.
[業績推薦理由]
吉浦裕君は、情報セキュリティとプライバシー保護の発展に大きく貢献した。特に電子透かしの画質維持、安全性、信頼性、計算量および実装法の各領域における世界レベルの研究成果は同分野の発展に大きな影響を与えた。また、秘密計算データベースの関係代数によるモデル化は、個人情報を安全に管理する秘匿型データベースの基礎的な知見となった。さらに、我が国で唯一の情報セキュリティの国際会議であるIWSECの初代プログラム委員長として同会議を成功に導き、現在に至る礎を築くなど、学会の発展にも尽力した。