富田 達夫 君

2017年度功績賞受賞者の紹介

富田 達夫 君 (とみた たつお)

富田 達夫

 本会正会員富田達夫君は, 永年にわたり現在の情報処理の主流となっているサーバ, 周辺機, 携帯端末等のシステムプラットフォームの事業に携わってこられました. 1973年富士通株式会社に入社されて以来, IT 関連の幅広い製品開発に従事され, ミッションクリティカル領域から携帯電話事業等のコンシューマー領域の立上げ・拡大まで, 同社の全プロダクト事業を統括し, 経営幹部として大きく寄与されました. また, 富士通研究所の社長・会長として, 自ら製品を世界中に送り出してきた経験から, 情報処理に関する様々な研究成果を発表してこられました.
 また, 産業界における公職として, 産業競争力懇談会実行委員会委員(2011年~2016年), 日本経済団体連合会の産業技術委員会企画部会委員(2010年~2016年), 日本学術振興会協力会評議員(2012年~2016年)等を務められ, 政財界の有識者と情報処理技術の発展, 日本の産業競争力の強化に向けた活動に貢献されました. 技術者教育においても, 日本技術者教育認定機構 (JABEE) 委員等(2014年~2015年), 情報処理学会歴史特別委員会(2014年~2015年)で技術人材の育成や表彰に貢献されました. そして, 情報処理推進機構理事長(2016年~)として, すべての国民が ITによる利便性を享受できる社会づくりを目指して, 情報セキュリティや IT 人材育成に関する国の IT 施策実施に多大な貢献をされています. 本会においては, 会長(2015年~2016年)として, これまで推進してきた本会の抜本的改革の継続しながら, 本会の価値向上のための新たな活動を開始しました. 将来における本会のあるべき姿を提言としてまとめた上で, ジュニア会員向けの施策の強化や初中等教育向け情報教育支援を通じて本会が日本の成長に資する役割を拡大しました. また, 産業界における学会の役割を拡大する認定情報技術者制度 (CITP) の運営や, 若手研究者と企業マッチングサービス等を通じて, 本会が社会に提供する価値拡大に寄与しました. これらの取組みと合わせて, 会員サービス向上を目指した学会システムの改版を企画し, 将来的な視点から正会員会費の改訂を行う等, 本会の更なる社会貢献と継続的な発展にむけて積極的に取り組みました.
 以上のように, 同君が, 我が国の情報通信産業に関する振興と技術者教育, ならびに本会の発展に尽くした功績は, まことに顕著であります.