富田 眞治  君

2006年度(平成18年度)功績賞受賞者の紹介

富田 眞治  君 (とみた しんじ)

本会正会員(フェロー)富田眞治君は,長年にわたりプロセッサおよ び並列システムのアーキテクチャの分野において,数多くの優れた研究 業績をあげてこられました.中でもVLIWの先駆けである QA-1およびQA-2の研究開発は,世界的なパイオニア研究として今 なお高く評価されています.その後も,スーパスカラ方式マイクロプロ セッサ,共有メモリマルチプロセッサ,グラフィクス用マルチプロセッ サなど,数々のユニークな高性能アーキテクチャを生み出してこられました.
  また京都大学および九州大学で30年以上にわたり後進の指導に あたられ,多くの優れた研究者・技術者を世に送り出されただけでなく,京都大学では総合情報メディアセンターの初代センター長として, また現在は情報学研究科長として,情報分野の教育に優れた貢献をされています.
  本会においては2期4年にわたり理事として貢献され,中でも現在7誌を数えるトランザクションの制度創設を提案・実現 されたことは特筆されます.また本会研究会および電子情報通信学会研究専門委員会の主査・委員長として,現在なお盛況を続ける大イベント SWoPPの創設・発展に貢献されるなど,我が国の研究コミュニティの発展に多大な寄与をされてきました.
  以上のように同君が,我が国の情報処理に関する研究・教育,ならびに本会の活動の発展に尽くした貢献は,まことに顕著であります.