白鳥 則郎 君

2007年度(平成19年度)功績賞受賞者の紹介

白鳥 則郎 君 (しらとり のりお)

本会正会員白鳥則郎君は,永年にわたり分散情報システム分野の研究に携わり,数多くの優れた業績をあげてこられました.特に,情報システムの知能化と進化さらに人間との共生へ向けた基本概念の提唱とその設計法に関する一連の研究は,先駆的な研究として世界的に高く評価されています.たとえば,「知識型システム設計法」,「やわらかいネットワーク」や「共生コンピューティング」の研究は先進的な分散情報システムの研究を先導し多大な貢献をされています.
  また,これらの研究と教育経験を基に,「ネットワークシステムの基礎」(岩波書店)など多数の教科書を執筆して優れた教育を行い,優秀な人材を送り出しています.これまで,56名の博士と102名の修士の学位論文の指導教官を務められました.
  さらに,同君は通産省・創造的ソフトウェア育成事業,日本学術振興会・未来開拓研究,総務省・戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE),そして日本学術振興会・科学研究費補助金などのプロジェクトリーダを務め,分散情報システム分野のリーダとして,現在もなお活躍されています.
  本会においては,研究会主査,理事(平成8~9年),副会長(平成16~17年)などを歴任されています.昭和60年に25周年記念論文賞,平成8年度論文賞などを受賞し,平成12年にはフェローの称号を授与されています.また国内では,平成14年に電子情報通信学会よりフェローを授与されています.国際的には,研究成果がIEEE TransactionやMagazineなどの著名な学術論文誌に掲載され,多くの国際会議の基調講演や招待講演に招かれています.さらに,IEEEや IFIP主催の分散情報システム分野で著名な国際会議の組織委員長やプログラム委員長を務められました.これらの功績により,平成10年にはIEEEフェローを授与されています.
  以上のように同君が,国内外の学術の発展と研究・教育,ならびに本会の活動の発展に尽くした貢献は,まことに顕著であります.