喜連川 優 君

2010年度功績賞受賞者の紹介

喜連川 優 君 (きつれがわ まさる)

 本会正会員喜連川優君(フェロー)は,永年にわたりデータベース工学,データマイニング,ストレージシステム,ウェブアーカイブ等の研究に携わってこられました.1983年に東京大学生産技術研究所の教職につかれましたが,大学院に在籍中から,今日のデータベースシステムに欠かすことのできないハッシュに基づく操作手法を数多く提案し,実際に高並列システムでその有効性を実証するなど,きわめて優れた多くの業績をあげてこられました.その功績は,当該分野において最も権威のある ACM SIGMOD Edgar F. Codd Innovation Awardを2009年にアジアで初めて受賞するなど国際的に広く認められています.   また,同君は,文部科学省科学研究費補助金特定領域「情報爆発IT基盤」領域代表(2005年度~2010年度),経済産業省情報大航海プロジェクト戦略会議委員長(2007年度~2009年度)などを務められ,卓越したリーダーシップを発揮されるとともに,新しいIT分野の開拓を精力的に推進されました.   本会においては,理事(2002年度~2003年度),副会長(2008年度~2009年度),創立50周年記念事業実行委員会副委員長(2008年度~2010年度),創立50周年記念全国大会組織委員長(2008年度~2009年度)などを歴任され,特に組織委員長を務められた創立50周年記念全国大会では,参加人数が7,000名を超えるという突出した規模で成功を収められました.2003年度には本会フェローの称号を授与されています.   以上のように,同君が,国内外の情報処理分野,ならびに本会の活動の発展に尽くした功績は,まことに顕著であります.