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「中央教育審議会高大接続特別部会審議経過報告及び初等中等教育分科会高等学校教育部会審議まとめ案」に対する意見

2014年5月7日
一般社団法人 情報処理学会
会 長  喜連川 優

以下のとおり、2014年5月7日付で意見書を2件提出しましたので、ご報告いたします。
(協力:教育委員会)


【1.内容に関するもの】
2014年5月7日
文部科学省高等教育局高等教育企画課高等教育政策室 御中
文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室 御中
一般社団法人 情報処理学会
会長 喜連川 優
以下のとおり意見を提出しますので、宜しくご査収ください。

現在、高等学校には必履修教科として「情報」が設置され、その目標は「情報および情報技術を活用するための知識と技能を修得させ、情報に関する科学的な見方を養うとともに、社会の中で情報技術が果たしている役割や影響を理解させ、社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。(平成21年告示学習指導要領)」ことにあります。そしてこの内容として、コミュニケーションや(グループを含む)問題解決が大きな比重で含まれていますが、これは、審議まとめ案で大きく取り上げられていつつ、従来の教科では担保できていない、「汎用的能力」「社会参画」「批判的に考える力」等「生きる力」の強化の核心を担っています。また、情報科の学習は決して実習中心ではなく、学習評価の一例として情報入試ワーキンググループ(http://jnsg.jp)が開発した情報入試模擬問題(選択肢式および記述式)や、一部の大学で実施されている情報入試等により、ペーパーテストによって学習内容の評価を適切に行えることが示されています。従って、経過報告やまとめ案の「…情報及び…の各学科は、実習等による幅広い学習活動によって評価される比重が高く」の部分から「情報」を削除頂くのが適切であると考えます。

経過報告のp9の「アクティブラーニングへの移行」は大いに推進されるべきであり、その土台として高等学校の情報科による学習の定着が不可欠です。p14の「多面的・総合的な評価」は極めて重要である一方、具体的な実施までの道筋で未定の事項が多いと考えられます。これに対し、情報科は(従来教科が知識・技能指向であるの対照的に)総合的能力指向であり、前術の確立した情報科の試験を用いた学習評価は、多面的・総合的な評価の現実的な手段となり得ます。p15で「総合的な学習の時間」は望ましいが評価が難しいと述べられていますが、情報科の内容は問題解決型学習も含むため、情報科の試験により、この問題が解決できると期待されます。p16の総合型問題の開発や、p18の汎用的能力の測定などの課題に対しても、情報科の試験問題には既にそのようなものが存在しているため、その活用が実際的だと考えられます。これらを考慮すると、達成度テスト(発展レベル)において、「数学・情報」「理科・情報」などの形で情報科の問題を取り込むことが、「経過報告」に挙げられている課題(複数)に対する有効な解決策となると思われます。

審議まとめ案のp19においてコアの内容として例示されている「批判的に考える力」「コミュニケーション」なども情報科の内容に含まれます。p28において、統合型や記述式の問題に言及されていますが、情報科の試験問題はこのような形に適するものと考えます。これらを考慮すると、達成度テスト(基礎レベル)においても、統合型などのテストを用いて情報科の評価を含めることが「審議まとめ」が述べている方針にかなうものと考えます。

なお、審議まとめ案p24「ICT教育の推進」の項の記述では、冒頭の文のみがICT教育であり、第2文以降は「教育におけるICTの活用」の内容です。上述のような情報科教育の重要性に鑑み、両者を別項目として分けて記載すべきだと考えます。同様に、p33では(4)としてICT等の活用に言及されていますが、この項と隣接して「情報科教育」の充実についても言及頂くべきであると考えます。
以上


【2.実施方法に関するもの】
2014年5月7日
文部科学省高等教育局高等教育企画課高等教育政策室 御中
文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室 御中
一般社団法人 情報処理学会
会長 喜連川 優
以下のとおり意見を提出しますので、宜しくご査収ください。
達成度テスト等のCBT化について:

答申案27ページには以下のような説明があります。
  • 達成度テストの教科については、実施当初は国語、数学、外国語、地理歴史、公民、理科を想定して検討。(※選択も可能)
  • 全ての教科(とりわけ保健体育、芸術、家庭、情報及び専門学科の各教科)において、各生徒の多様な学習成果を評価するため、外部試験や検定の結果、各種コンクール等による評価を活用することも、達成度テストの導入とともに別途検討。
高校生の人数は1学年当たり約100万人であることや、達成度テスト等には基礎レベルと発展レベルの試験があり,複数回の受験機会が与えられることを考慮すると、大学入試センター試験と比較しても,より大きな試験実施体制および試験インフラが必要になります。

そのため、CBT(Computer Based Testing)の導入を積極的に推進するのが,試験の公平性を担保しつつ採点に携わる人員の削減を図ることができるため,合理的だと考えられます。

経済産業省が所管する取り組みになりますが、ITパスポート試験では、10万人以上の規模の受験者を対象とするCBTの仕組みを構築しています。国家試験であることから信頼性やセキュリティ面の対策も十分考慮されているため、達成度テスト等を実施するに当たっても、この仕組み(試験実施体制およびCBTインフラ)を活用するのが合理的だと考えられます。

ITパスポート試験 https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/

CBTの導入を通じて、達成度テストやその他の外部試験等がワンストップで受験できるようになれば、高校生や高等学校にとっても有益だと考えられます。

ITパスポート試験の担当部署に上記の案についての意見を求めたところ、協力可能との回答も得ていますので、併せてお知らせします。
以上

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