「世界最先端IT国家創造」宣言(案)に対する意見

2013年6月10日
一般社団法人 情報処理学会
会 長  喜連川 優
 

 
 以下のとおり、2013年6月7日付で意見書を提出しましたので、ご報告いたします。 

2013年6月7日
内閣官房IT担当室 御中
一般社団法人 情報処理学会
会 長 喜連川 優

『世界最先端IT国家創造』宣言(案)に関し、下記のとおり意見を提出しますので、何卒宜しくご査収ください。

1. 情報処理学会は、IT利活用を成長戦略の柱と位置づける本宣言におおいに共感するとともに、本宣言が目指す社会の実現へ向けて、学術、科学技術、教育の各側面から支援を行います。

2. 本宣言の中で、公共データの民間開放、パーソナルデータの利活用環境整備は特に重要で、迅速な対応が望まれます。パーソナルデータの利用・流通に関しては先日、意見表明(※注1)を行っています。

※注1)情報処理学会「「パーソナルデータの利用・流通に関する研究会」報告書(案)に対する意見」2013年5月31日提出(6月5日ホームページ掲載) 
http://www.ipsj.or.jp/release/personaldata_com.html

3. 世界最高水準のIT利活用社会の実現のためには、国民全体のITリテラシーの向上が必須であり、情報処理学会ではすでに「誰もが主体的に情報技術に向き合う社会を実現する」ことを目標とする教育ビジョン2011(※注2)を宣言しています。また、高度IT人材の育成については、上級資格制度の創設が急務であり、情報処理学会では制度案の公表(※注3)と試行を開始したところです。

※注2)情報処理学会「教育ビジョン2011〜誰もが情報技術に主体的に向き合う社会の実現をめざして〜」2011年12月27日
http://www.ipsj.or.jp/release/vision20111227.html
※注3)情報処理学会「情報産業のグローバル化に対応した上級資格制度」2013年6月3日 http://www.ipsj.or.jp/topics/ITshikaku.html

4.「IV-4 研究開発の推進・研究開発成果との連携」においては、先進的な研究開発の強力な推進が望まれます。研究開発および人材育成の根幹である大学について、現在の予算配賦状況ではその情報環境の整備・改善が困難であり、例えば、学術情報ネットワークの整備状況に関して、欧米と比較して格段劣っており、最近では中国との比較においても劣る状況になりつつあります。アカデミアにおける情報基盤に関する国際競争力のこのような低下が、延いては世界最先端IT国家創造の大きな障害になることを危惧いたします。

情報処理学会としては、ITに関するオープンな意見交流の場としての役割をより充実させることにより、研究開発の推進および社会への実装・浸透に協力します。

5. 「V-1 本戦略のPDCAサイクル等の推進管理体制」においては、IT総合戦略本部の下に設置される専門調査会や分科会について、情報処理学会としても必要に応じて適任者を推選させていただくことが可能です。
以上

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