【声明】「京」コンピュータの世界一の性能達成について

2011年6月24日
一般社団法人 情報処理学会
会長  古川 一夫

我が国が次世代スーパーコンピュータ開発プロジェクトにおいて開発を進めている「京」コンピュータが、スパコン性能ランキングTOP500(http://www.top500.org/)において世界No.1の性能を達成いたしました。未曾有の大震災があった後に大変勇気づけられる成果であり、情報処理技術を担う本学会として大変意義のあることと考えます。「京」コンピュータ開発に携わって来られた皆様の多大なご努力に心より敬意を表します。

「京」コンピュータを代表とする大規模なスーパーコンピュータによるシミュレーションは、難病の特効薬の開発やバイオテクノロジーによる品種改良、再生可能エネルギー用のナノデバイス開発、CO2排出による地球温暖化予測など、現代における健康・食・エネルギー・環境などの我が国の国力を表わす根本的な項目の安全保障の確保のために重要な手段となっています。更に、我が国の産業の国際競争力の維持はもとより、震災後の復興・防災の観点からも重要な役割を果たすことが期待されます。

スーパーコンピュータの開発技術は情報技術の粋を集めたものであります。それは、高速半導体プロセス、高性能プロセッサおよび広帯域光ネットワークなどのハードウェア関連技術だけでなく、並列処理技術、大規模データ処理技術、大規模システム構築技術、高性能科学技術計算技術などのソフトウェア技術までも含む総合的な計算機システム技術の最先端にあります。今回の「京」コンピュータの成果は、我が国の技術の水準の高さを示すものであり、さらにこれからの計算機科学全体の発展に大きく貢献するものであります。

これからは、「京」コンピュータの性能を科学的な成果に着実に結びつけていくことが重要です。数十万CPUからなる「京」コンピュータの活用には、大規模並列計算技術及び計算科学に関連するソフトウェアの開発など最先端の計算機科学の貢献が不可欠であります。また、「事業仕分け」後の見直しを受けて、「京」コンピュータと国内の大学や研究機関が所有するスーパーコンピュータを連携させ、さらに共有ストレージを新たに設置し、これらを有効に活用するための「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」の構築が進められており、ここでもインターネット技術などの情報処理技術の貢献が重要となっています。

本学会として「京」コンピュータの今回の成果について高く評価し、これからの「京」コンピュータでの成果を期待し、支持を表明するものです。

以上

管理部門への問い合わせフォーム