2011年度研究会活動報告

2011年度研究会・研究グループ活動報告

<コンピュータサイエンス領域>
DBS SE ARC OS SLDM HPC PRO AL MPS EMB

<情報環境領域>
DPS HI CG IS IFAT AVM GN DD MBL CSEC ITS EVA UBI IOT SPT CDS BCCgr

<フロンティア領域>
NL ICS CVIM CE CH MUS SLP EIP GI EC BIO CLE NEgr
 

コンピュータサイエンス領域

◆データベースシステム(DBS)研究会

[主査: 山名早人,幹事:牛尼剛聡,岡本真,小山聡,戸田浩之,平手勇宇,堀井洋,山口実靖,渡辺知恵美]

1.定例の研究会活動報告

    第152~153回の定例の研究会を開催した。8月開催の第152回研究会は第103回情報基礎とアクセス技術研究会との合同研究会として実施し,発表件数は17件であった。11月に開催した第153回研究会は,WebDB Forum2011と連続開催で実施し,発表件数34件であった。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • データベース,Web,情報マネジメントに関する若手研究者国際ワークショップ (iDB Workshop 2011)
    本ワークショップ(8月実施)はデータベース,Web,情報マネジメント分野における国内外の研究者メンターが,メンティである若手研究者の研究への対面での直接のコメント,アドバイスを行う形式のワークショップである.2011年は,若手研究者から合計21件の応募があり,発表後メンターからのコメント,アドバイスを行った.なお,投稿は全て英語であり,発表・質疑応答も全て英語で実施した.

  • Webとデータベースに関するフォーラム (WebDB Forum 2011)
    Webとデータベースに関するフォーラム(11月実施)は,2008年から,データベースシステム研究会,日本データベース学会,電子情報通信学会DE研究専門委員会の3団体共催によるフォーラムとして毎年開催しており,今回で4回目の開催となる.研究者,技術者,学生を主たる参加者として想定し,最新のWeb/DB技術に関する最新の動向を探り,今後の方向性に関して議論する機会となることを目指している.本フォーラムでは,現在のWeb/DBに関する重要な話題を議論するために,1件の招待講演「サイバー・フィジカルカップリングによるユビキタスサービスの実現」,2件の特別セッション「Hadoopによる大規模データ解析」,「Imagine: 日本を元気にするWeb+DB」を企画した.一般セッションでは,73件の投稿から選抜された31件の研究発表が行われた.技術報告セッションでは,最新のWeb/DB技術に関して企業から12件の発表が行われた.本フォーラムは,384名という多数の参加者を集めると共に,Ustreamによる動画配信でも多くの視聴者を集めた.このように,本フォーラムは,大学や研究所の研究者ばかりではなく,Webに関係する企業の協賛・参加が多く,産官学連携のために重要な役割を果たしている.

  • データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2012)
    3月に電子情報通信学会データ工学研究専門委員会および日本データベース学会との三者で共催したDEIM2012では,発表件数が454件(一般発表306件,インタラクティブ発表138件,招待ポスター6件,チュートリアル3件,招待講演1件),参加者数は昨年に続き500名を超え538名と盛況であった.

3.情報処理学会論文誌 データベースの報告

    「情報処理学会論文誌 データベース」(電子情報通信学会データ工学研究専門委員会共同編集)のVol.4 No.2~Vo.5 No.1(合計28件)の発行を終えた.

4.総括

    データベースシステムは,広範囲に渡るメディアデータの共有・利用を実現するための中心的なシステムとして位置づけられ,それとともにさまざまな情報・コンテンツの融合に関する研究開発や,関連する情報技術・応用技術との融合に関する研究開発が,ますます重要となってきている.こうした状況を鑑み,本研究会では,データベースモデル,質問処理,画像・動画像検索,構造化文書データベース,ハイパーメディア,マルチメディア・データベース,マルチデータベース,メディエータ,情報検索,情報組織化,情報フィルタリング,情報推薦,情報視覚化,空間データベース,時間データベース,データマイニング,データウェアハウス,Web情報処理,情報統合,ソーシャルWeb,セマンティックWeb,情報共有,データグリッド,データストリーム,自律コンピューティングといった幅広い分野を扱っている.
     本研究会は,メディアデータおよびネットワークが形成する新しい情報環境を視野に入れながら,日本データベース学会,電子情報通信学会 データ工学研究専門委員会と連携をとり,本分野の発展拡大に貢献することを目指している.特に,若手研究者育成においては,「データベース,Web,情報マネジメントに関する若手研究者国際ワークショップ(iDB)」を通して,国際的に活躍できる研究者のサポートを開始している.さらに,学生による発表を対象として学生発表奨励賞を設け,優秀な発表者を顕彰することによって,本分野のさらなる活性化を目指している.受賞者には賞状の授与ならびにその氏名・業績の研究会HPへの掲載が行われる.本賞をきっかけとして受賞者がさらに研究を推進していただくことを強く願う.

5.その他

    データベースシステム研究会は,永続的な情報の共有・検索・利用のための諸技術に焦点をあてた研究会であり,広範なデータ処理技術と応用分野をカバーし,データベースや情報検索,さらにはソーシャルメディア解析等に対する需要の高まりと共に,その守備範囲が拡大している.こうした状況の中,本研究会は,他学会の関連組織(電子情報通信学会データ工学研究専門委員会,ACM SIGMOD 日本支部,日本データベース学会)との連携をさらに強化し,国際学会や他の研究会や研究グループとも連携を促進すると共に,実務者にも興味のあるテーマを提供できるようにWebとデータベースに関するフォーラム等の実施を通し,関連団体との連携を積極的に図っていく所存である.

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◆ソフトウェア(SE)工学研究会

[主査:岸 知二、幹事:阿萬裕久、鵜林尚靖、坂田祐司、野田夏子、松下 誠]

1.定例の研究会活動報告
   以下に示す第172~175回の研究発表会を計画し、合計57件の研究発表申込み(活動報告を含む)があった。なお昨年度、東日本大震災の影響で171回の開催を見送ったため、希望者には今年度に発表をしてもらったが、その件数も含まれている。
  • 第172回    5月17日 早稲田大学 発表9件 (SIGEMBとの共同開催)
  • 第173回    7月21日~22回 岡山県立大学 発表12件
  • 第174回    11月1日~2日 奈良県新公会堂 発表11件
  • 第175回    3月15日~16日 化学会館 発表25件
   研究発表の分野は、要求分析から設計・実装・テストに至るソフトウェアライフサイクルの一部分または全体を対象とした発表が多く、全体的には大きな傾向の変化は見られなかった。またビジネス系や組込み系、研究や事例・経験といったドメインや発表内容も従来通り幅広くとりあげられていた。課題としては今年度はやや発表件数が少なかったため、来年度以降のプロモーション強化が必要とされる。
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2011(SES2011)
    2011年9月12日~9月14日の3日間にわたり、東京女子大学(東京都・杉並区)にて開催した。シンポジウム論文については、研究論文フルペーパー32編、研究論文ショートペーパー1編、経験論文フルペーパー7編、経験論文ショートペーパー1編で計41編の投稿があった。このうち、フルペーパーとして11編、ショートペーパーとして22編を採録し、シンポジウム当日にこれら33件の発表が論文発表セッションで行われた。本年も例年同様、要求からテスト・保守まで、ソフトウェア開発の上流から下流に渡る幅広いテーマでの発表があった。クラウドコンピューティングに関連した論文もあり、「クラウド」というセッションが設けられたのは今年のひとつの特徴と思われる。また、経験論文というカテゴリでの募集も行ったため、企業での実践例の報告もあり、「企業実践」というセッションが設けられた。どのセッションでも活発に質疑が行われた。また、論文発表セッションに加えて、例年同様、基調講演、チュートリアル、ポスター発表、パネルディスカッション、ワークショップを企画した。参加者については、9月12日のワークショップでは、各セッションで10~20名ほど、9月13日~9月14日の本会議では、105名だった。ワークショップと本会議の3日間の参加者としては、例年通りの水準と考えられる。
    また今年度は、ジャーナル特集号の募集をシンポジウムの論文募集と時期をあわせ、シンポジウムへの投稿論文を論文誌へ同時投稿することを認めた。これにより、ジャーナル特集号への投稿が44件、採録が18件と例年に比べて両者とも大幅に増加した。
  • ウィンターワークショップ2011・イン・琵琶湖(WWS2012)
    2012年1月19日~20日の2日間、琵琶湖コンファレンスセンター(滋賀県・彦根市)にて、開催した。論文投稿は全部で61件,当初の計画とわずかに上まわる74名の参加者を集めることができ,大変盛況なワークショップとなった.今回のワークショップでは,昨年から継続して,6つのテーマ「サービス指向」「ソフトウェア開発マネジメント」「プログラム解析」「形式手法」「アーキテクチャとパターン」「ソフトウェア工学研究の評価」に関する討論グループを設定しました.参加者は,それぞれの討論グループに分かれて,1 日目の午後から2 日目の午前にかけて深い議論を行った.2日目の最後に行われた全体セッションでは,各討論グループにおける議論の成果として,現在の到達点と今後の課題に関する情報を参加者全員で共有した.今回のワークショップにより,ソフトウェア工学分野における研究および実践のさらなる発展に貢献できたと考える.
3.総括

   上記報告した研究会、シンポジウム、ワークショップ等、本年度の活動には概ね多くの方の参加を頂くことができた。SES2011への投稿論文を同時にジャーナル特集号への論文投稿として扱えるように企画し、投稿数・採録数とも大幅に増加できたことは収穫であった。今後とも質量の両面からソフトウェア工学分野の活性化につながるように、会員に対するサービスレベルの向上に努めていき、さらに充実した活動を行っていきたい。特に研究会活動のベースである通常研究会の発表件数の増加させていきたい。

4.その他

   2012年度は、4回の定例研究会、SES2012、WWS2013を予定しており、一部は既に準備を進めている。第1回目の研究会はSIGEMBとの共同開催で2日間行うことを予定している。また論文誌特集号もSES2012への同時投稿可能な形で募集を開始した。

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◆計算機アーキテクチャ(ARC)研究会

[主査:佐藤寿倫、幹事:甲斐康司、木村啓二、鳥居 淳、西 宏章]

1.定例の研究会活動報告

 第187-191回の研究発表会を開催した.

  • 第187回 2011年4月13-14日 @沖縄県立博物館(OSとの共催)
    OS研究者とのコミュニケーションを活性化する目的で,1件の招待講演「OSとアーキテクチャの連携」を催した.
  • 第188回 2011年7月27-29日 @かごしま県民交流センター(SWoPP)
    運営には加わらなかったが,BOFセッション「社会科学から自分の仕事をみつめてみませんか?」の準備に,育成の目的で協力した.
  • 第189回 2011年11月28-29日 @北海道大学(HOKKE,HPCとの共催)
    育成とHPC研究者とのコミュニケーションを活性化する目的で,1件の招待講演「コンピュータ・アーキテクチャの目指すもの」を催した.
  • 第190回 2012年1月19-20日 @電気通信大学(ICDとの連催)
    集積回路研究者とのコミュニケーションを活性化する目的で,5件の招待講演と1件のパネルを催した.
  • 第191回 2012年3月27-28日 @長崎大学
    育成の目的で,2件の招待講演「今後の豊かな人間生活を提供するシステムと半導体」と「DEGIMAにおけるLINPACK電力性能評価」を催した.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

    先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2011を,2010年5月25日(水)~27日(金)の日程で秋葉原コンベンションホールにて,OS/HPC/PRO,電子情報通信学会のCPSY/DC/RECONFとの共催で開催した。

3.総括

    前年度に明文化した計算機アーキテクチャ研究会の「理念と目的」に基づき,上の活動報告で紹介したように,「育成」「コミュニケーション」のキーワードを具体化するイベントを開催した.「国際化」についてはイベントの実施に至らなかったが,SACSISの国際化に関する独自アンケートを登録会員に対して行ない,SACSIS運営委員会へ意見を述べた.研究会独自の若手奨励賞も軌道に乗り始め,今年度は6件を選定できた.上述のSACSISや夏恒例のSWoPP,そしてOS/HPC/ICDとの共催研究会は今年度も好評だった.ICDとは春と秋にそれぞれLSIとシステムのワークショップ,アクセラレーション技術発表討論会を共催し,またEMB主催の組込みシステムシンポジウムに協賛することで,登録会員に異分野交流の機会を提供した.今後も,登録会員が必要とする研究発表の場を提供すべく,関連する研究会と密な連携を保ちつつ,さらに活動を盛り上げていく予定である.

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◆システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)研究会

[主査:河野健二、幹事:品川高廣,盛合  敏,阿部洋丈,毛利公一]

1.定例の研究会活動報告

    第117~120回の計4回の研究発表会を開催した。

  1. 第117回 2011年4月13日(水)~14日(木) 沖縄県立博物館・美術館
    昨年に続き、「システムソフトウェアと計算機アーキテクチャの協創」のトピックで計算機アーキテクチャと共催で開催し、計算機アーキテクチャとシステムソフトウェアの相互関係などを議論した。本トピックおよび一般の発表を合わせ、OSアーキテクチャ、I/Oアーキテクチャ、仮想化、障害検知など計31件の発表があり、1泊二日の滞在型の研究会として、活発な議論が行われた。また、東京農工大学の並木 美太郎氏により、「OSとアーキテクチャの連携~OSから見たアーキテクチャ,アーキテクチャから見たOS~」というタイトルでの招待講演を行い、OS とアーキテクチャの接点について活発な議論が行われた。

  2. 第118回 2011年7月27日(水)~7月29日(金) かごしま県民交流センター
    例年にしたがい「並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ」として複数の研究会と共催により開催された。メニー/マルチコア向け OS、仮想化、ストレージ管理、分散システムなどについて全22件の発表が行われた。

  3. 第119回 2011年11月29日(火) 立命館大学 朱雀キャンパス
    昨年は ComSys 併設ワークショップとしていたものを研究会に格上げし、組込みシステム研究会との共催として開催した。車載システム、省電力化、仮想化、高信頼システムなどについて全12件の発表が行われた。

  4. 第120回 2012年2月28日(火)~2月29日(水) 七島信用組合 八丈島支店
    システムソフトウェアおよびオペレーティングシステム一般について発表を募集し、OS アーキテクチャ、省電力、セキュリティ、分散システム、I/O アーキテクチャなどについて全10件の発表が行われた。また、九州工業大学の光来健一氏により、「VM とセキュリティとアーキテクチャ」というタイトルで招待講演を行い、仮想化に絡んだ様々な話題で議論を行った。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第23回コンピュータシステムシンポジウム 2011年11月30日(水)~12月1日(木)
    場所    立命館大学 朱雀キャンパス
       OS研究会としては、コンピュータシステムシンポジウムを研究会活動として重要視している。本シンポジウム投稿をACS論文誌と同時投稿可能とすることで、質と量の充実をはかり、基調講演や招待講演により本分野の先端的な話題を提供してきた。
       基調講演として、Haibo Chen氏 (Shanghai Jiaotong University)より、「Privacy Protection in Virtualized Multi-tenant Cloud」というタイトルで、マルチテナント環境における基盤ソフトウェアが信頼できないという状況において、上位のアプリケーションのセキュリティを担保する CHAOS およびCloudVisor についてお話しいただいた。
       加えて、2 件の招待講演を企画した。一件目は、住元 真司氏 (富士通株式会社 次世代テクニカルコンピューティング開発本部) に「世界トップクラスを目指す「京」のファイルシステム」というタイトルで「京」のファイルシステムについての技術的詳細をお話しいただいた。もう一件は、杉本 礼彦氏 (株式会社ブリリアントサービス 代表取締役/日本Androidの会 理事) に「ビジネスを変えたAndroidの驚くべき技術的発想」というタイトルでスマートフォンを取り巻く状況についてお話いただいた。
       いずれの講演も会場から活発な意見交換が行われ、好評を博した。
        一般論文としては、11件の発表があったほか、萌芽的な研究やデモンストレーションを交えた研究発表の場としてポスターセッションを用意し、16件のポスター発表が行われた。また、新しい試みとしてポスター発表賞の表彰を行った。
3.総括

   システムソフトウェアとオペレーティングシステム分野の研究発表活動では、社会的要請に応じてそのトピックが遷移し、今年度はクラウド、ストレージ、ネットワーク、省電力、マルチコア関連の発表が増加傾向にあった。
   昨年度までシンポジウムの併設ワークショップであったものを研究会として格上げし、シンポジウムに併設する形で研究会を開催するようにした。また、シンポジウムでは、アジア地域を代表する新進気鋭の若手研究者に基調講演をお願いし、海外との研究交流も図れるように配慮した。さらに、産業界からの話題を提供していただくため、シンポジウムでは企業からの招待講演にも注力した。
   若手育成という視点から、2006年度より継続している学生表彰も継続して行っている。また、計算機アーキテクチャ研究会および組込みシステム研究会との合同開催を行った。今後も各種分野との研究交流について検討したい。これらの活動により、ますます重要性を増すOS分野の活性化を行うことができた。
   なお、本年度より主査の大役を仰せつかり、何かと力不足でご迷惑をかけるのではないかと心配しつつも、皆様の力添えでなんとかこなすことができた。本研究会の各種学会活動のみならず、本分野のさらなる発展のため、今後とも、各方面のご支援・ご協力をいただければ幸いである。

 

◆システムLSI設計技術(SLDM)研究会

[主査: 若林一敏 、幹事: 戸川 望、小島直仁、小松裕成: ]
1.定例の研究会活動報告

 以下に示す第150~155回の研究発表会を開催した。

  • 第150回: 発表件数: 14件、5月18・19日、
             テーマ: システム設計および一般、
             北九州国際会議場、
             電子情報通信学会 VLD 研究会と連催
  • 第151回: 発表件数: 22件、7月2・3日、
             テーマ: 組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2011
             宮古島マリンターミナル(まりんぴあ宮古) 2F研修室
             情報処理学会 組込みシステム研究会(EMB)と共催、
             電子情報通信学会 CPSY/DC 研究会と連催
             ※東日本大震災のため開催中止となった3月研究会(第149回研究会)の開催
  • 第152回: 発表件数: 18件、10月5・6日、
             テーマ: プロセッサ,DSP,画像処理技術および一般
             一の坊(宮城県仙台市)
             電子情報通信学会 SIP/IE/ICD 研究会と連催
  • 第153回(デザインガイア2010): 発表件数: 78件、11月28・30日、
             テーマ: デザインガイア2011 VLSI の設計/検証/テストおよび一般
             ニューウェルシティ宮崎(宮崎県宮崎市)
             電子情報通信学会 VLD/DC 研究会と連催、CPM/ICD/CPSY/RECONF研究会と併催
  • 第154回: 発表件数: 23件、1月25・26日、
             テーマ: FPGA応用および一般
             慶應義塾大学日吉キャンパス、
             電子情報通信学会 RECONF/VLD/CPSY 研究会と連催
  • 第155回: 発表件数: 37件、3月2・3日、
             テーマ: 組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2012
             ホテル松島大観荘(宮城県宮城郡)
             情報処理学会 組込みシステム研究会(EMB)と共催、
             電子情報通信学会 CPSY/DC 研究会と連催
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 以下に示すシンポジウムを開催した。

  • DAシンポジウム2011: 8月31・9月1日、
             下呂温泉水明館 (岐阜県下呂市)、発表件数: 35件
3.総括

   本研究会は、システムLSIを中心とする電子装置の設計技術、設計自動化技術の研究分野をスコープとして活動している。

   平成11年度に実施された「設計自動化研究会」からの改称と、それに伴うスコープの拡大により、活動の活性化が進んでいる。特に、研究会単独主催の「DAシンポジウム」では、組み込みシステム技術に関するサマーワークショップと同時開催することにより、相互に技術交流を図っている。今回の参加者数は、昨年実績と同等数の102名の参加であった。今年度は発表に対する議論を深めるために、敢えて並列セッション数を2つに絞り、発表件数は35件(昨年42件)と減らした。発表内容は充実したものが多く、活発な議論が行われ盛況であり、当研究会の活動が支持を得ていることが示されたと考えている。

   学生会員育成のための表彰SWGの活動(平成18年度創設)は、研究活動の更なる発展に向けた活動として定着した。

   平成20年度に創刊された、研究会独自のオンライン・トランザクション(TSLDM)は、平成23年8月に第 7 号(August Issue)、つづいて平成24年2月に第4号(February Issue)を発行した。

4.その他

   本研究会は「DA シンポジウム」を中心としながら、電子機器の設計およびEDA技術の先端研究開発の交流の場を提供しています。発表件数と参加登録費がリンクしており毎年頭を悩ませていますが、適当なところで折り合いをつけて今後も種々の分野との連携を活発化させたいと考えています。活動予定については、下記をご参照ください。
http://www.sig-sldm.org/

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◆ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)研究会

[主査:須田礼仁、幹事:片桐孝洋、建部修見、三吉郁夫、岩下武史]

1.定例の研究会活動報告

 第129~133回の研究発表会を開催した.第129回研究発表会は平成23年3月に予定されていたが,震災のため中止となったもので,5月10日~11日に東京大学にて改めて発表会を開催した.第130回研究会はSWoPP として,第132回研究会はHOKKEとして,他研究会との協力のもとで開催された.計算科学諸分野との一層の研究協力を目指し,第131回研究発表会において,計算科学分野で活躍されている方を招き招待講演を実施した.計画を大幅に上回る発表数があり,活発な質疑が行われた.このほか,全国大会(名古屋工業大学)でスパコン関連の2つの企画セッションを実施した.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  •  SACSIS2011 先進的計算基盤システムシンポジウムを 2011年5月25日~27日,秋葉原コンベンションホールで開催した.京コンピュータ,ポストペタコンピュータ等HPCに対する関心が高まっていることを感じた.
  • HPCS2012 ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウムを2012年1月24日~26日に,名古屋大学において開催した.ナノサイエンスと線形計算の2分野から特別プログラム委員を出していただき,オーガナイズドセッションを企画していただいた.加えて,京とその先のHPCに向けて特別企画を行い,予定を大幅に上回る200名以上の参加者を得た.
3.トランザクション

   ARC研究会,OS研究会,PRO研究会と協力し,論文誌コンピューティングシステム(ACS)のVol. 4 No.3 ~ Vol. 5 No. 2を編集した.

4.総括

   研究会への申込み数が大幅に増加し,活発な情報交換が行われたのはよかった.しかし一部パラレルセッションにせざるを得ない研究会がある一方で,発表件数が少ない研究会もあり,申込みの均一化のために工夫をしてゆきたい.HPCS2012も盛況であったので,今後の発展につなげてゆきたい.

5.その他

   京コンピュータがTOP500で2期連続(2011年6月,11月)世界一となり,スーパーコンピュータ技術に対する関心が高まった1年であった.また,震災・原発の問題およびポストペタスパコンの観点から,電力に関して真剣な議論がなされるようになった.モバイルデバイスにもマルチコアが搭載され,並列処理の重要性が一層高まっていて,今後もHPC研究の重要性は高まってゆくと期待されるので,今回得られた活発な議論を継続してゆけるよう運営を進めてゆきたい.

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◆プログラミング(PRO)研究会

[主査:西崎真也、幹事:長谷川立、増原英彦、八杉昌宏]

1.定例の研究会活動報告
   第83~88回の研究発表会を開催し,合計70件の発表があった.平成23年3月に予定していた83回の研究発表会は震災のため延期とし,電力事情等を考慮し,平成23年4月に京都にて開催した.このうち,第85回(8月,SWoPP2011)が他研 究会との連続開催であり,残りの4回が単独開催である.

   平成23年度も,トランザクション:プログラミング(PRO)と密着した体制で研究発表会を開催した.トランザクション(PRO)に投稿された論文は,まず研究会で発表され,発表会の直後に開催されるトランザクション(PRO)編集委員会において議論し,査読者を定めて本査読を行なった.例年通り,投稿の有無に関わらず,1件あたり発表25分,質疑・討論20分の時間を確保し,参加者が研究の内容を十分に理解するとともに,発表者にとっても有益な示唆が得られるように務めた.昨年度末に開催予定であった第83回を除くと、発表総数は57件で、その中,トランザクションへの投稿件数は39件,投稿論文からの総採録件数は20件となった.採択率は約51%となった。第83回を平成22年度とするならば、平成22年度発表件数は55件,投稿件数41件,採録件数は28件となり,平成22年度の採択率は68%となった.平成23年度採択率をこれと比べると減少しているが、平成21年度(約47%),平成20年度(約68%)であった.これを踏まえると採択率の増減については例年通りと考えられる.今後とも,編集委員会において査読の観点を論文の欠点を見つけて評価する減点法ではなく,論文の長 所を見つけて評価するようにこころがけていく方針である.

   また本年度より,新たな試みとして,日本語採録論文の著者による英語化を始 めている.本稿執筆時点においては3件の採録論文がこの英語化の適用となった.

   若手を対象としたコンピュータサイエンス領域奨励賞の受賞者を1名選んだ.第 88回研究発表会の場で表彰式を行った.
2.シンポジウム・国際会議等の報告
   情報処理学会4研究会(ARC,OS,HPC,PRO)および電子情報通信学会3研究会(CPSY,DC,RECONF)の共同主催により,先進的計算基盤システムシンポジウム(SACSIS2012)を,5月25~27日に秋葉原コンベンションホールで開催した.

   また,第19回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2011)12月1~3日,日本ソフトウェア科学会「インタラクティブシス テムとソフトウェア」研究会に協賛した.
3.総括

   プログラミング研究会の発表件数は昨年度は42件であったが,本年度は70件と増加しているが,これ昨年度実施の予定であったは第83回研究発表会が本年度実施となったためである.第83回研究発表会を昨年度のものとするならば,昨年度の発表件数は55件となり本年度は57件となり,特に大きな変化はみとめられない.今後も,査読方針や編集・査読体制の確認と検討をおこなうとともに, 会員にとってより便利で有益な研究会となることを目指したい.

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◆アルゴリズム(AL)研究会

[主査:中野眞一、幹事:上原隆平、来嶋 秀治、山中克久]

1.定例の研究会活動報告

   第135回から第139回までの合計5回の研究発表会を開催し,総発表数は52件であった.発表の内容は,グラフアルゴリズム,ネットワーク通信,列挙アルゴリズム,近似アルゴリズム,分散アルゴリズム,テキスト圧縮,計算複雑度,計算幾何,情報セキュリティなど,多岐に渡っている.本年度は2件の特別講演を企画した.1件は,アルゴリズム研究の第一線で活躍される平田富夫氏にご講演いただき,もう1件は,将棋プログラミングの第一線で活躍する保木邦仁氏にご講演いただいた.どちらの講演も,参加者の視野を広げ,研究に新たな刺激を与えるよい機会となった.他研究会との交流としては,電子情報通信学会の「コンピュテーション研究会」と9月に連催,同学会の「回路とシステム研究会」・「システム数理と応用研究会」と11月に同時開催を行い,これらの研究会との研究交流も行った.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   小規模国際会議として,韓国の研究会と連携してJapan-Korea Joint Workshop on Algorithms and Computation (アルゴリズムと計算理論に関する日韓合同ワークショップ)を定期的に開催している.本年度は第14回のワークショップを7月に釜山市(韓国)にて開催した.発表件数は一般講演が26件,招待講演が2件であった.また,国際会議 International Symposium on Algorithms and Computation (アルゴリズムと計算理論に関する国際シンポジウム)への協賛も行った.

3.総括

   年5回の定例研究会に加え,小規模国際会議を開催し,例年通り活発な活動ができたと考えている.定例研究会では,学生を含め,若手研究者による発表が多数あり,当該研究分野の将来性が期待される.今後,若手研究者による発表件数を維持,あるいは増加させながら,幅広い年齢層の研究者に論文の投稿を呼びかけ,研究会のさらなる活性化を図っていきたい.

4.その他

   アルゴリズム研究に関心を持つ研究者・学生の研究会への参加を促し,幅広い連携を展開していくことが,本コミュニティの発展にとって重要な課題のひとつであると考えている.特別講演や,他学会・他研究会との共催,連催はそのための有効な手段であり,今後も積極的に活用していきたい.

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◆数理モデル化と問題解決(MPS)研究会

[主査:小林 聡、幹事:上田 浩、高田雅美、藤野昭典、堀田一弘、棟朝雅晴]

1.定例の研究会活動報告

   第 83 - 87 回の 5 回の研究発表会を開催した.

  • 第 83 回: 5 月 17 日(火),於岡山県立大学 情報工学部棟,発表 15 件,参加者約 30 名.
  • 第 84 回: 7 月 18 日(月),於Monte Carlo Resort (Las Vegas),発表 13 件、参加者数約25名.
  • 第 85 回: 9 月 15,16 日(木,金)於室蘭工業大学 C 棟,発表 31 件,参加者約 60 名.
  • 第 86 回:12 月 1,2 日(木,金)於電気通信大学 東 3 号館,発表 35 件,参加者約 70 名.
  • 第 87 回: 3 月 1, 2 日(木,金)於指宿市・市民会館,発表 35 件,参加者約 75 名.

   平成 23 年度の発表の内訳は,最適化アルゴリズムとその応用,バイオインフォマティクス,金融工学,経済物理学,機械学習,データマイニング,エージェントシステム,脳神経科学,画像解析,情報セキュリティ,並列分散処理,センサネットワーク,複雑系,ゲーム情報学,インターネット応用,数理モデル,数値シミュレーション,感性情報処理,情報可視化,人工知能応用,などの研究分野からの発表が,合計 129 件であった.発表件数は,昨年とほぼ同じであり,本年度は,最適化アルゴリズムとその応用,バイオインフォマティクス,金融工学,経済物理学,機械学習,データマイニング,エージェントシステム,脳神経科学に関連する発表が多かった.「最適化アルゴリズムとその応用」や「機械学習,データマイニング」の分野は,本研究会の主要分野であり,例年通りの多くの発表があったが,それに追随して迫る勢いで,バイオインフォマティクス,金融工学,の研究分野が主要な位置を占めるようになってきている.また,エージェントシステムやその協調に関する研究が,多いことも本年の特徴であった.

   本年度も情報処理学会内外のいくつかの研究会と協力して開催した。第 84 回研究会は,PDPTA 2011 の並列ワークショップの形で英語での研究会発表を行い,第 86 回研究会はバイオ情報学研究会と共催を行ない、それぞれ大盛況に終った.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   本年度は以下のシンポジウムへの協賛を行った。

   1) 進化計算シンポジウム 2011 への協賛(進化計算学会主催)

3.総括

   本年度は、これまでの主要研究分野である,数理モデルとその解析,数理アルゴリズム,最適化アルゴリズムとその応用などの分野に加えて,新規分野として近年発表が増加していた,金融工学やバイオインフォマティクスの研究発表が定常的に行われるように定着してきている.今後も,他学会の研究活動の動向などを注視しながら,さらなる新規分野を開拓していくことを目指したい.そのために,異分野の研究者や産業応用を手掛けている研究者の招待講演やレクチャーを通して,問題発掘をするなど,研究会活動をより一層活性化して行きたい.

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◆組込みシステム(EMB)研究会

[主査:中本幸一、幹事:久保秋真、武内良典、早川栄一]

1.定例の研究会活動報告

   第21回~24回の研究発表会を開催した.EMB研究会は組込みシステムというテーマに関してCS領域内の他研究会が扱う諸テーマ間の横串を指す役割を担っていることから,本年度も各関連研究会との共催の研究発表会を実施した.

  • 第21回研究会(6月1~2日@早稲田大学)
    ソフトウェア工学研究会との共催で9件の研究発表を行い,組込みシステム,ソフトウェア工学の共通領域について議論を行った.
  • 第22回研究会(7月2~3日@宮古島マリンターミナル)
    震災で中止となった第20回研究会であるETNET2011を開催し,第20回研究会で発表できなった分のうち19件についての議論を行った.また,新規発表が3件あり,これについても併せて議論を行った.
  • 第23回研究会(11月29日@立命館大学)
    オペレーティングシステムとシステムソフトウェア研究会との共催で12件の研究発表を行い,組込みシステム,オペレーティングシステムの共通領域について議論を行った.また,ComSys2011と連続開催とすることによって,関連する研究者が多いシステム領域の研究者に多く参加頂いた.
  • 第24回研究会(3月2〜2日@ホテル松島大観荘)
    システムLSI設計技術研究会,および電子情報通信学会コンピュータシステム研究会,ディペンダブルコンピューティング研究会と共催で,「組込み技術とネットワークに関するワークショップ ETNET2012」を開催した.震災復興を兼ねて東北地方で開催した.36件の研究発表があり,当該分野に関する議論を行った.
2.シンポジウム・国際会議等の報告

   組込みシステムシンポジウム(ESS2011)を10月19日~21日で東京・国立オリンピック記念青少年総合センターで開催した。産業界・学術界から25件の論文発表や実践報告があり、また、基調講演として、ソニーコンピュータサイエンス研究所 所 眞理雄様、グローバル情報社会研究所株式会社 藤枝 純教様のお二人にご登壇いただいた。シンポジウム初日には4件のチュートリアルや学生を中心としたESSロボットチャレンジなど興味深いイベントも実施した。シンポジウムの参加者は約180名で組込みシステムに関する中心的なシンポジウムとして広く認知されるようになってきた。

3.その他の活動

・ 情報処理学会論文誌特集号(平成23年)を募集、査読、12月発刊した。34編投稿があり、最終的に7編が採録された。
・ 情報処理学会論文誌特集号(平成24年12月発刊予定)を募集し、現在査読中である。
・ 情報処理学会誌に研究会推薦博士論文速報を、平成22年度分として3件、平成23年度分として2件を推薦した。
・ 山下賞1名、CS領域賞2名を推薦した。

4.総括

   研究会として発足し6年が経過し、徐々にその活動が多くの方々に理解されるようになってきている。研究会運営委員も初期のメンバーから徐々に世代交代をしながら、その裾野を広げつつあり、情報処理学会内に閉じることなく電子情報通信学会などの関係する研究会や産業界の団体などとも連携を保ち、組込みシステムの技術発展に向けて学術の世界のみならず実務の世界への積極的な発信が出来るようになりつつある。

5.その他

   情報処理学会全体の課題となっている会員増、研究会登録会員増や学生会員の参加、実務視点などを考慮した活動の活性化なども問題についても研究会としてより実効性のある施策を検討していきたい。

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情報環境領域


◆マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会

[主査: 勝本道哲、幹事: 加藤由花、田上敦士,藤田 茂,山室雅司]

1.定例の研究会活動報告

 定例の研究会は,以下の通り4回実施した.

  • 第147回DPS研究会/2011年6月2日~3日/岡山大学(岡山市)
  • 第148回DPS研究会/2011年9月15日~16日/和歌山商工会議所(和歌山市)
  • 第149回DPS研究会/2011年11月24日~25日/湯田温泉かめ福(山口市)
  • 第150回DPS研究会/2012年2月29日~3月1日/横浜市開港記念開館(横浜市)

   第147回は,岡山でMBL,信学会MoMuCとの合同での開催とし,全体で27件の研究発表(うちDPSは6件)があり,野村総研の横井正紀様より「中国などの新興国にみる社会基盤としてのICT」という題目で,またNHK放送技研の大出訓史様より「超臨場感の評価技術」という題目でご講演を頂いた.当初,5月に沖縄での開催を予定していたが,震災の影響により会場,日時ともに変更となった.第148回は,和歌山でGN,EIPとの合同開催とし,全体で19件の研究発表(うちDPSは9件)があり,香川大学垂水浩幸教授より「地域向けネットワークサービスアプリケーションの試み」という題目でご講演を頂いた.第149回は,山口で10件の研究発表があった.ここでは合宿形式での開催を試み,主査レポート,参加者全員による研究討論等を企画し,活発な議論が行われた.第150回は,横浜でCSECとの合同開催とし,全体で50件の研究発表(うちDPSは27件)が行われた.今年度の発表件数は,招待講演を除き52件であった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモーバイルシンポジウム(DICOMO2011)
    2011年7月6日~8日に京都府宮津市天橋立宮津ロイヤルホテルにおいて開催された.「日本を元気にするICT」という統一テーマを掲げ,219件の研究発表が行われた.本シンポジウムは,DPS,GN,MBL,CSEC,ITS,UBI,IOT,CDS,SPTの9つの研究会の共催,BCC研究グループの協賛による非常に大規模なシンポジウムである.本シンポジウムにおけるDPS関連発表は,63セッション中11セッション,21件(デモを除く)を占めており,多くのDPS関連発表者がこのシンポジウムに参加し,交流を深めた.

  • マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
    今回で19回目となった本ワークショップは青森県十和田市の奥入瀬渓流ホテルで開催された.22件の論文発表と,デモ・ポスターセッションでの18件の発表を合宿形式で行い,88名の参加者のもと真摯な議論が行われた.投稿されたすべての論文は,プログラム委員によって並列査読された.参加者全員参加による深い議論を目指し,今年度もシングルセッションによる開催とした.また,特別セッションとして,デモ・ポスターセッションを初日に設けたが,多くの参加者が集まり,デモ及びポスターの前で活発な議論が行われた.発表は,既存の研究分野にとらわれず,分野を融合した先駆的試みを持つ論文も多く見られた.査読コメントに基づいて改良された論文をベースとした討論は,発表の場として発表者及び参加者の双方にとって有意義であった.表彰としては,査読結果に基づく優れた論文に対して,最優秀論文賞1件,最優秀学生論文賞1件,優秀論文賞3件,優秀学生論文賞2件,奨励賞1件,学生奨励賞4件,審査員特別賞1件,審査員及び参加者の投票によって最優秀ポスター賞1件,優秀ポスター賞1件,最優秀デモンストレーション賞1件,白鳥賞(審査員特別賞)2件,最優秀プレゼン賞2件,優秀プレゼン賞1件を授与した.また,3日間の発表を通して,活発な議論をしてくれた参加者に対してベストカンバサント賞を1件授与した.これらの賞により,優秀な研究成果及び研究者を評価奨励し,活発なワークショップとすることができた.また,通常のセッションはもちろんのこと,懇親会や宿泊している部屋で大学や企業組織の枠を超えた議論が深夜まで続き,新しい研究の発展が得られるワークショップとなった点でも,今後の本研究領域の発展に寄与するものと考えられる.

  • 論文誌「分散処理とネットワークサービス」特集号
    将来のネットワークを実現するネットワーク基盤技術,サービス技術,アプリケーション技術,新世代のマルチメディア処理や分散処理に関する優れた論文を一括掲載することを目的として本特集号が企画された.ゲストエディタには,串田高幸氏(日本IBM)を迎えて編集委員会を組織し,応用研究などの実用的な論文や,時事的に重要なテーマ,萌芽的な研究についても積極的に評価する方針とした.また,早い結果通知の実現のため,編集委員会のスケジュール等の工夫を行った.その結果,新世代のマルチメディア通信と分散処理に関する論文が35件投稿され,編集委員会による査読評価の結果,21件を採録とした.採録率は60%であり,採録された論文は,ネッワークトラフィック,ミドルウェア技術,モバイルネットワーク技術,デジタルサイネージ,分散ファイル技術,ネットワークセキュリティなど多岐に渡り,基盤技術から応用まで特集号の狙いに合致した論文を採録することができたと考えられる.
3.総括

   本研究会では、4回の定例研究会、シンポジウム、ワークショップを通して、研究者相互の交流と研究に対する活発な意見交換の場を提供することがで きた。特集論文については、非常に多くの方にご協力頂き、遅延のない査読プロセスを進めることができた。ここに改めて、ご協力頂いた皆様に感謝する。今後 も、DPS関連研究者の更なる研究の活性化、また国際化への支援を進めていく予定である。皆様の積極的な参加とご協力をお願いしたい。

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◆ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)研究会

[主査:西本一志、幹事:宮下芳明、新西誠人、三浦元喜、中村聡史、中村嘉志、福地健太郎、吉高淳夫]

1.定例の研究会活動報告

   第143~147回の研究発表会を開催した。各回のテーマと招待講演、発表件数等は以下の通り。

  • 第143回(名古屋大学 ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー) 2011/5/27
    テーマ:元気がでるインタラクション
    招待講演:「ダンゴムシの心とのインタラクション‐HDI ?!」 森山徹氏(信州大学ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点助教)
    発表件数:15件(うち6件は震災で中止になった第142回研究会からの振り替え発表)
  • 第144回(宇奈月グランドホテル) 2011/7/28-29
    テーマ:文化とインタラクション
    招待講演:「中東における情報通信技術の普及と政治・社会・文化変容」 山本達也氏(名古屋商科大学)
    発表件数:27件(うち1件は震災で中止になった第142回研究会からの振り替え発表,もう1件はインタラクション2011の3日目口頭発表からの振り替え発表)
  • 第145回(お茶の水女子大学) 2011/10/14
    テーマ:インタラクション理解
    招待講演:「マルチモーダルデータに基づいた多人数インタラクションの構造理解」 角康之氏 (公立はこだて未来大学)
    発表件数:6件
  • 第146回(国立民族学博物館) 2011/1/19-20
    テーマ:配置とインタラクション
    招待講演:「博物館資料の属性:異なるコンテキストにおかれるモノ」 野林厚志 氏(国立民族学博物館 准教授)
    発表件数:19件
  • 第147回(JAIST東京サテライト) 2011/3/21-22
    テーマ:視覚情報とインタラクション
    招待講演:「臨床医学とフラクタル生理学」 中村嘉宏氏(東京大学医学部小児科学教室 非常勤講師)
    発表件数:30件(うち1件は震災で中止になった第142回研究会からの振り替え発表)

 以上,総発表件数97件(うち,HCI142及びインタラクション2011からの振り替え発表は9件)

第142回~146回研究会より、以下の5件を学生奨励賞として表彰した:

  • 第142回研究会(2011年3月17・18日 筑波大学東京リエゾンオフィス)
    ・秋山広美君(信州大学)「オノマトペから感じる印象の客観的数値化方法の提案」
  • 第144回研究会(2011年7月28・29日 宇奈月グランドホテル)
    ・山中祥太君(明治大学)「重なりあったウィンドウ間を移動可能なマウスカーソル操作手法の提案」
    ・佃洸摂君(京都大学)「時刻同期コメントを用いた動画の登場人物の活躍度推定とその検索への応用」
  • 第146回研究会(2012年1月19・20日 国立民族学博物館)
    ・高見将則君(東京工業大学)「射影に基づく対話的三次元グラフ可視化手法」
    ・吉川拓人君(筑波大学)「タッチパネル上において指の接触点の関係を活用するメニュー」

 また、HCI研究会貢献賞として以下の1名を表彰した:

  • 山中祥太君(明治大学)
    1年間に以下の3件の発表があったことに対して:
    HCI143:「発言履歴編集機能がチャットに及ぼす影響の考察」
    HCI144:「重なりあったウィンドウ間を移動可能なマウスカーソル操作手法の提案」
    HCI147:「コンテンツリストにおけるインタラクション手法の提案」
2.シンポジウム・国際会議等の報告

   The 16th Human Computer Interaction Workshop (HCIP16) を、第144回研究会と併設開催した。研究会のテーマでもあった「文化とインタラクション」に関して、5つのグループを構成してディスカッションを行い、その議論結果を報告した。
   また、インタラクション2012シンポジウム(2012/3/15-16)を、GN研・UBI研およびEC研と共催した。GN研究会の小林様(NTT)が大会委員長を担当し,HCI研究会の宮下准教授(明治大)がプログラム委員長を,また澤田教授(香川大)が大会副委員長を担当した。今回は,インタラクティブ発表の論文ページ数を6ページに増やしたため投稿件数の減少が危惧されたが,結果的には139件が採録となり,量を維持しつつ,同時に質を向上することに成功した.

3.総括

   研究会での発表件数は,振り替え分を除いて総計88件となり、前年度の89件と同等の高い水準を維持した。また、研究会登録会員数はH24年1月31日現在で650名となり、H22年度末より35名増加(23年度計画を80名超)した。年度当初は、インタラクション2011の参加費徴収体系の反動による登録会員の減少を危惧していたが、これは杞憂に終わり、逆に増加する結果となった。このように、研究会活動は、昨年度に引き続き活発な状態を維持している。

4.その他

   H24年度も引き続き研究会の活性化に努める所存である。

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◆グラフィクスとCAD(CG)研究会

[主査:山口 泰、幹事: 伊藤貴之、土橋宜典、藤代一成、吉田典正]

1.定例の研究会活動報告
  • 第143回 テーマ:リアルタイムCGとその他一般CG技術
    平成23年 6月27日(月) くにびきメッセ(松江市学園南一丁目2-1)
    発表件数 8件
  • 第144回(夏の集中研究集会) テーマ:人と情報をつなぐCGおよびCG一般
    平成23年 9月 4日(日)~ 5日(月) ホテルグリーンヒル白浜(和歌山県西牟婁郡白浜町2018)
    発表件数 8件(予定:台風のため中止,各講演は第145回と第146回に振替発表)
  • 第145回 テーマ:質感認知に関わる画像の解析・表現およびCV・CG一般
    平成23年11月17日(木)~ 18日(金) 筑波大学 筑波キャンパス(つくば市天王台1-1-1)
    発表件数 37件(CVIMとの合同開催)
    (一般講演 CG 22件,CVIM 8件,チュートリアル 3件,招待講演 3件,学会報告 1件)
  • 第146回 テーマ:形状モデリングの新展開,CG教育およびCG一般
    平成24年 2月 7日(火)~ 8日(水) 東京大学 駒場キャンパス(東京都目黒区駒場3-8-1)
    発表件数 36件

   総発表件数は81件,このうち当研究会申込みの発表は66件で,昨年度の55件からかなりの増加が認められた.優秀研究発表賞(GCAD賞)として,シンポジウム発表も含めた年間合計105件の中から11件を選出した.

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム2011
    平成23年 6月25日(土)~ 26日(日)  くにびきメッセ(松江市学園南一丁目2-1)
    発表件数47件(うちポスター発表26件) 招待発表2件 投稿件数58件
    昨年度から,画像電子学会ビジュアルコンピューティング研究委員会に加えて,映像情報メディア学会映像表現&コンピュータグラフィックス研究会との合同で開催している.なお,参加組織が増えたことから,当初名称を変更する予定であったが,当面は従来の呼称を継続することになった.
  • CGリサーチフォーラム
    平成23年年 9月 8日(木)  パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい一丁目1-1)
    特別講演 1件,招待講演 3件,パネル討論
    CEDEC2011 から1会場の提供を受けて,当研究会関係者による終日イベント「CGリサーチフォーラム」を実施した.各コマ1時間ずつ,午前1コマ,午後4コマのイベントを実施した.研究会関係者からは総計51名が出席したが,いずれも盛況で座席数120名分がほぼすべて埋め尽くされ,立ち見が出るほどであった.2012年度以降も,類似のイベントを実施したいと考えている.
3.総括

   従来は 2月の研究発表会のみがCG-ARTS協会との共催であったが,今年度からは11月の研究発表会をCVIM研究会と合同開催し, 9月のCEDEC2011ではCESAとの共同イベントを実行した.一昨年度は発表者数が減少してしまったが,昨年度・今年度の活動によって,発表者数や出席者数に一定の増加が認められた.CVIM研究会との合同開催やCEDECでの共同イベントは,今後も継続していきたい.
一昨年度から研究会のウェブサーバならびにメーリングリストの管理を,業者の提供するホスティングサービスに移行した.今年度からはシンポジウムの査読にも当該サーバを利用しており,今後は各種の引き継ぎ作業も軽減できると期待している. 

4.その他

   昨年度,論文誌委員会から提案のあった推薦論文制度を利用することにしたが,推薦論文のメタ査読者が研究会主査に限定されており,主査の作業量が増加するだけでなく当該論文の査読者が実質的に公開されているという状況は改善されていない.そのような事情もあり,今年度の推薦は2件に留まっている.
   2011年度は,当研究会の発足以来,ちょうど30年の節目の年であった.しかし,新たな試みを実施したり,一般講演が予想外に増えたりしたため,30周年の記念行事を大々的に開催することはなかった.2012年度には第150回の研究発表会が予定されており,何らかの形で記念行事を行うことも検討している.

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◆情報システムと社会環境(IS)研究会

[主査:阿部昭博、幹事:畑山満則、児玉公信、大森久美子]

1.定例の研究会活動報告

   第116回(6月6日、東京理科大学、5件)、第117回(9月5・6日、小樽商科大学、13件)、第118回(12月5日、キャンパス・イノベーションセンター東京、10件)、弟119回(3月15・16日、専修大学、16件)と4回の研究発表会を開催し、計44件の論文発表があった。くわえて、東日本大震災の影響で開催を中止した第115回発表予定者への特例措置として、第116回と117回で計13件の発表機会を設けた。情報システムの分析・設計・開発・運用・利用に関する多彩なテーマのほか、東日本大震災後に一層関心の高まった安心・安全に関する研究報告が例年より多く見られた。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   チュートリアル「使うシステムから使えるシステムへ~発想の転換で活きる情報システム」を10月24日に情報サービス産業協会にて開催した。真に役立つ情報システムの実現には発想の転換が必要であるとの認識から、人材が主体的に活動するために個人・組織に求められる行動変革の取組みについて、2名の識者による特別講演と総合討論が行われ、ベンダー・ユーザー企業の方々と研究・教育者が共に考える良い機会となった。

3.総括

   本年度も情報システムにおける広い分野からの多くの種類の発表や議論が活発に行われた。特に、近年の研究会で発表数が増えている社会システム系のテーマについては、方法論のみならず、多数の実践研究や先進事例について共有することができた。また、研究会独自の論文執筆ワークショップを継続し、情報システムの有効性評価手法分科会の活動成果である評価ガイドラインを教材の一部として活用するなど、情報システム論文の質向上に努めた。

4.その他

   本年度も当研究会が編集母体となって情報システム関連のジャーナル特集号の発刊を継続したほか、新たに当研究会編集の用語辞典「ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識」を学会サイト上で公開することとした。

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◆情報基礎とアクセス技術(IFAT)研究会

[主査:関 洋平、幹事: 稲垣陽一、岸田和明、酒井哲也、野本忠司]

1.定例の研究会活動報告

   第103-106回の研究発表会を開催した。
   定例の研究発表会は例年通り、DBS研・ディジタル図書館ワークショップ・NL研およびDD研とそれぞれ合同で開催した。第103回研究発表会では、英語セッションを設け、3件の発表が行われた。第104回研究発表会では、「ライブラリーサイエンスのチカラ」というパネルを企画した。第105回では、国際会議IJCNLP2011について参加報告のセッションを設けた。第106回は、特別セッションとして「NTCIR-9 総括と今後の展望」というセッションを設け、7人の研究者による講演を行った。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   第三回情報アクセスシンポジウム(IAS2011)を開催した(9/14, NII)。今回より学生メンタリングセッションを導入し、受講した学生の一人はのちに研究を発展させて国際会議で発表した。また、「災害情報を共有するための情報アクセス技術~何ができるのか,日本復興に向けて~」というテーマで実震災からの復興に携わった、小松 健作 氏(NTTコミュニケーションズ 先端IPアーキテクチャセンタ)、佐々木 博 氏(株式会社創庵 代表取締役)、乾 健太郎 氏(東北大学)による招待講演のセッションを設けた。国際会議報告は、ACM SIGIR JCDL 2つの会議について行った。また、第一回IFATヤングリサーチャ賞授賞式を開催した。査読付き論文セッションは、昨年同様に、情報学広場でオープンアクセス公開した。IAS2012は開催時期を動かし、査読つき論文セッションの規模を拡大したいと考えている

3.総 括

   情報基礎および情報アクセス技術の分野は、検索エンジンなどの情報アクセス手段が一般社会に浸透した今日、重要性が増すばかりである。今後は、韓中台など東アジアの興味を共有する研究グループとの連携等を通じ、同分野をさらに活性化していきたい。

4.そ の 他

 - 情報基礎とアクセス技術研究会(通称IFAT)は、2010年4月に情報学基礎(FI)研究会より名称変更しました。
   http://ipsj-ifat.org
- twitterでも情報配信中です(@sigifat)。
- 情報アクセスによる研究コミュニティを立ち上げました。
   https://www.facebook.com/groups/264260043657555
- IFATは、Asia Information Retrieval Societies conference (AIRS) の日本からの協賛研究会です。

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 ◆オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)研究会

[主査:酒澤茂之、幹事:石川孝明、井上雅之、高木幸一]

1.定例の研究会活動報告

   第73-76回の研究発表会を開催した。

  • 第73回研究発表会 2011年7月14、15日 
    奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究調査センター 研修ホール 
    連催:電子情報通信学会モバイルマルチメディア通信研究会(MoMuC)
    テーマ: 無線PAN、IPTV、画像符号化、ストリーム技術および一般
    11件
  • 第74回研究発表会 2011年9月21、22日 
    秋田大学 手形キャンパスベンチャービジネスラボラトリー 
    連催:電子情報通信学会スマートインフォメディアシステム研究会(SIS)
    テーマ: 知的マルチメディアシステム、画像符号化、ストリーム技術および一般
    23件
  • 第75回研究発表会 2011年12月15、16日 
    名古屋大学 東山キャンパス IB電子情報館北棟
    連催:電子情報通信学会通信方式研究会(CS)、画像工学研究会(IE)
    共催:映像情報メディア学会放送技術研究会(BCT)
    テーマ: 画像符号化、ストリーム技術および一般
    25件
  • 第76回研究発表会 2012年2月23日 
    早稲田大学 理工学部 
    テーマ: 画像符号化、ストリーム技術および一般
    6件
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 ・画像符号化シンポジウム、映像メディア処理シンポジウム(PCSJ/IMPS)
   当分野の取り扱う分野に関連の深い表記シンポジウムと共催した。2011年10月26~28日の3日間、ニューウェルシティ湯河原にて開催され、約150名の参加があった。画像符号化や映像処理、特にHEVC(High Efficiency Video Coding)や新しい符号化処理方式、画像復元、超解像、三次元復元など約100件の研究成果が発表された。また特別講演として、NHK技研の正岡顕一郎氏による「UHDTV広色域表色系とその国際標準化」、および京大・田中利幸先生による「圧縮センシング:基礎と応用」が行われ、多数の質疑応答があった。また、恒例のナイトセッションでは、HEVC標準化に関わられている5名によるパネル「次期映像符号化標準HEVCをひもとく」、および、新潟県工業技術総研・阿部淑人氏による「電算写真術がやって来る」、NiCT河北真宏氏による「アクティブ型距離画像カメラの研究開発動向」に関する発表が行われ、活発な議論と意見交換が行われた。

3.総括

   映像符号化伝送に関して、国際標準化の動向も反映しつつ、専門性の高い研究発表が行われた。テーマとしては長年取り組まれているものではあるが、国際的な研究水準の向上も踏まえつつ、引き続き新たなアイデアが議論される場を研究会として提供している。一方で、研究分野の開拓は、他研究会との共催、連催を通して、様々な研究発表が行われる形で、多様性の確保が行われた。

4.その他
   新たな研究分野を当研究会としても開拓していくことにより、新たな発表や参加者を獲得することが必要である。2011年度に試行した、マルチメディア分野への進出と国際学会との連携を引き続き2012年度も継続し、研究会の活性化を更に図っていきたい。

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◆グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会

[主査:小林 稔、幹事:緒方広明、金井秀明、金子 聡、斉藤典明]

1.定例の研究会活動報告

   平成23年度は以下の通り、第80-83回の研究発表会を開催しました。

  • 第80回(平成23年5月19-20日 NTT武蔵野研究開発センタ):発表件13件
    電子情報通信学会LOIS研究会と連催。
  • 第81回(平成23年9月15-16日 和歌山商工会議所:発表19件
    DPS, EIPと共催。
  • 第82回(平成24年1月19-20日 かんぽの宿 熱海:発表30件
    BCC,CDSと共催。
  • 第83回(平成24年3月21-22日 電気通信大学:発表20件
2.シンポジウム・国際会議等の報告

  平成23年度は以下の通り、2シンポジウム、1ワークショップを開催しました。

  • DICOMO2011シンポジウム(平成23年7月6-8日 京都府 天橋立宮津ロイヤルホテル):
    発表229件、デモ12件、企業常設展示7件、基調講演・招待講演・特別講演13件
    平成9年より開催しているDICOMOシンポジウムは、DPS、MBL、CSEC、ITS、UBI、IOTと共催、BCC研究グループおよびEIPが協賛
  • インタラクション2012(平成24年3月15-16日 日本科学未来館):
    一般講演18件、招待講演1件、インタラクティブ発表162件
    平成9年より開催しているインタラクションシンポジウムは、HCI、UBI、ECと共催
  • グループウェアとネットワークサービスワークショップ2011 (平成23年11月10-11日 愛知県南知多温泉郷海栄館鯱亭):
    発表17件(招待講演1件、査読5件、一般9件、ポジション2件)
    平成16年に第1回を開催して以来、GN研究会ならではの発表の場を提供するべく開催しています。質の高い研究成果の報告を得ると同時に、研究の芽や方向性に関する報告など、ワークショップにふさわしい多様な研究報告が行われました。一般講演のほかに、手塚博久様(NTT研究企画部門 OSSセンタ)による招待講演,査読付き論文講演、ポジションペーパーによる講演を行い活発な議論が行なわれました。その中で、ベストペーパー賞1件とベストプレゼンテーション賞2件を選出して表彰しました。
3.総括

   当研究会は、平成5年度の発足以来、グループウェア技術に関して、理論から応用、情報科学から社会科学、と幅広い学際的研究活動を活発に推進してきました。この間、Webなどのグループウェアの実用化が急速に進み世の中に定着しました。当初は企業内の既成組織など目的の明確なグループの協調作業を対象にした研究や応用システムが大部分でしたが、インターネット技術の発展とともに、企業対企業、企業対個人、また個人対個人での作業、あるいは業務にとらわれない人と人とのコミュニケーションや興味を主体とするコミュニティ形成にまで対象が広がってきております。
   これらの動向を踏まえて、平成13年度より、研究会名称をグループウェアとネットワークサービス研究会へと変更し、ネットワークサービスも対象として、これらの分野での研究の推進役としての活動を行っております。発表内容もマルチユーザインタフェースからWeb2.0関連サービスまで広がっています。
   H23年度の具体的な活動として、4回の研究会、1回のワークショップ、2回の共催シンポジウムを開催しました。また、年度を通じて継続的な発表を行い研究会活動に貢献いただいた方を「グループウェアとネットワークサービス研究賞」とし、平成22年度に活躍された1名の方を平成23年に表彰しました。

4.その他

   H24年はGN研究会結成20周年になるため、20周年記念シンポジウムの開催を予定しています。
   * 研究会関連メンバへのサービスとしては、平成13年4月から毎月メーリングリストによるニュースレターの発行を継続しており、現在約300名がメーリングリストに登録されています。

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◆デジタル・ドキュメント(DD)研究会

[主査:今村 誠、幹事:秋元良仁、天笠俊之、高橋慈子、細見 格]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 

3.総括

4.その他

 

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◆モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)研究会

[主査:竹下 敦、幹事:太田 賢、安本慶一、山口弘純、石原丈士、窪田  歩]

1.定例の研究会活動報告

   第58-61回の研究発表会を開催した。

  • 第58回研究発表会 6月2,3日、岡山大学
    ・共催:情報処理学会マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会
    ・連催:電子情報通信学会モバイルマルチメディア通信(MoMuC)研究
  • 第59回研究発表会 9月5,6日、三菱電機 情報技術総合研究所
    ・共催:情報処理学会コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会
    ・優秀論文,優秀発表の表彰式を実施
  • 第60回研究発表会 11月10,11日、かごしま県民交流センター
     ・共催: 高度通信システム研究会(ITS)、放送コンピューティング研究グループ(BCC)
  • 第61回研究発表会 3月12,13日、情報通信研究機構
    ・共催:ユビキタスコンピューティングシステム研究会(UBI),電子情報通信学会アドホックネットワーク(AN)研究会
    ・連催:電子情報通信学会モバイルマルチメディア通信(MoMuC)研究

   本年度の定例研究会は計画通り4回実施し、発表件数(招待講演・共催分は含まない)は48件と、昨年度(48件)同様であり、引き続き活発なモバイルコンピューティング研究の発表の場を提供した。発表内容としては、アドホックネットワーク・位置情報・センサネットワーク・携帯端末に関する研究への関心が引き続き高く、ソーシャルネットワークとの連携や災害時対応を想定した取り組みなども見られた。また、研究会活性化の取り組みとして、チュートリアル講演や国際会議出張報告等の招待講演を積極的に増やし、有益な情報交換機会を提供することができた。2011年度は優秀論文4件、優秀発表8件、奨励発表10件を選出した。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム
    7月6~8日, 会場:京都府 天橋立宮津ロイヤルホテル
    シンポジウムは今回で15年目を迎え、9つの研究会の主催、1研究グループの協賛による開催であった。MBL研究会からは49件(デモ2件を含む)の発表があり、14セッションが構成されるなど盛況振りを見せた。また、優秀論文5件と推薦論文5件が選出され、発表の質も高いものとなった。

  • 論文誌特集号集号の発行・企画
    MBL/ITS特集号:平成24年1月号
    MBL/ITS両研究会の共同企画による論文誌特集号は平成13(2001)年7月号以来12回目の発行となる。今回は、44件の投稿があり23件を採録した。本分野の研究成果を示す場として広く認識されていることを示している。

  • 国際会議ICMU2012の企画
    10月26-28日に九州大学での開催を予定していたICMU2011を震災の影響により延期し、ICMU2012として2012年5月23-24日に沖縄で開催することとした。
3.総括

   平成23年度は、MBL運営委員会の活動の元、4回の定例研究会、シンポジウムを開催し、論文誌特集号の企画を滞りなく進めた。これにより、モバイルコンピューティング技術の発展に寄与するとともに、国内外の研究者相互の交流ならびに大学と産業界の連携のための意見交換の場を積極的に提供することができた。今後とも、これらの交流で得た研究者間の関係をベースに本研究会をさらに発展・充実させたい。

4.その他

   情報処理学会連続セミナー2011の第4回「スマートフォンとコンシューマサービスの新たな展開」の企画に協力した。組み込みシステムからセキュリティ、カーナビ等多岐にわたるテーマについての講演が行われ盛況であった。
   今後も、MBL研究会活性化の取り組みとして、この分野に沿った研究発表会のテーマの設定や、モバイルコンピューティングに関連する企業からの講演、国際会議出張報告等の招待講演を積極的に増やし、研究発表会の魅力を向上していきたい。

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◆コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会

[主査:松浦幹太、幹事:寺田雅之、西垣正勝、山内利宏]                      

1.定例の研究会活動報告

   第53回~第56回の研究発表会を開催した。内容は、ネットワークセキュリティ、マルウェア対策、暗号、生体認証、セキュリティ評価など多岐に渡っている。

  • 第53回 2011年5月12~13日(福岡市、発表22件)
  • 第54回 同7月12~13日(浜松市、発表36件)
  • 第55回 同12月5日(千代田区、発表9件)
  • 第56回 2012年2月29日~3月1日(横浜市、発表49件)
     

   第53回は、インターネットと運用技術研究会(IOT)との合同開催かつ電子情報通信学会情報通信マネジメント研究会(ICM)との連立開催(連催)であった。震災の影響で開催地を変更したが、円滑に運営された。
   第54回は、我が国の情報セキュリティ関連研究会の交流を目的として、情報セキュリティ心理学とトラスト研究会(SPT)との合同開催、電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)、技術と社会・倫理研究会(SITE)、情報通信システムセキュリティ研究会(ICSS)、マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント研究会(EMM)との連催で開催した。ITリスク学とトラストの招待講演が行われ、新たなセキュリティの方向性を考察するよい機会となった。
   第55回は、日本セキュリティ・マネジメント学会ITリスク学研究会との合同開催であった。サステナビリティやレジリエンスをテーマとした特別講演を2件含むなど、特徴ある内容となった。
   第56回は、本学会マルチメディア通信と分散処理研究会(DPS)との合同開催で、DPSは第150回という節目の開催であった。その歴史の重みの中で交流でき、有意義であった。

2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • コンピュータセキュリティシンポジウム2011 (CSS2011)
       2011年10月19~21日に新潟市の朱鷺メッセで開催された。MWS(マルウェア対策人材育成ワークショップ)と共催、参加者336人、投稿140件であった。実務と密接に関連した2件の特別講演「東日本大震災と臨時災害放送局」「民事訴訟と電子署名 -法律の世界と技術の世界-」も好評であった。MWS運営母体の活動が2011年で終了したが、MWSはサイバーセキュリティの研究振興に重要なので、CSECのサブWG的な活動として継続する。
  • 6th International Workshop on Security (IWSEC2011)
       予定通り2011年11月8~10日に東京大学で開催した。今年度の状況下で、無事に東京開催できた意義は大きい。
       電子情報通信学会ISEC研究会との共催で、7カ国91名が参加し、45件から採録された14件の論文(Springer LNCSシリーズで出版)が発表された(採択率31%)。放射能問題の風評被害が懸念されたが、海外からの投稿数は経年変動の範囲であった。また、若手奨励目的のポスターセッションを取り入れ、27件のポスターが発表された(うち4件を優秀ポスターとして表彰)。さらに、暗号分野とシステム分野から1件ずつ招待講演が行われた。

  • マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム
       2011年7月6~8日に京都府宮津市で開催された。10もの研究会・グループが集い、幅広い分野をカバーしている。セキュリティと関連深い発表も、セキュリティ教育、トラストとヒューマンインタフェース、認証、プライバシー保護と多岐に渡った。

  • 論文誌「人と共存するするコンピュータセキュリティ技術」特集
       本特集は、コンピュータセキュリティ技術全般に対して、人間というファクタを強く意識しつつ、基礎となる理論・技術、プロトコル、アーキテクチャ、ソフトウェアシステム及びそのアプリケーション、実装、管理運用、さらに社会科学的考察も含めた研究を活性化することを目的とした。47件の投稿中24件を採録した(採択率51%)。2012年9月発行の予定で次の特集号「スマートな社会を実現するコンピュータセキュリティ技術」を企画し、編集作業を進めている。

3.総括

   傾向としては、学際研究を含むテーマの広がりに加えて、技術研究でも人との接点を深く掘り下げる発表が増えている。また、MWSの取り組み等が功を奏し、実験的評価の質も上がりつつある。これらの傾向は、論文数等の数値指標において、震災後の厳しい時期でもアクティビティが高いレベルで保たれた一因となっている。今後も、本研究会の役割を認識し、より広く深く情報セキュリティ研究へ貢献する組織であらんことを強く願う。

4.その他

   2012年度は、研究発表会4回に加え、2012年10月30日~11月1日に島根県松江市でコンピュータセキュリティシンポジウム2012、同11月7~9日に福岡市で第7回情報セキュリティ国際会議IWSEC2012を開催予定である。今後共、会員の方々には積極的な発表、論文投稿と参加をお願いしたい。

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◆高度交通システム(ITS)研究会

[主査:屋代智之、幹事:梅津高朗、遠藤秀則、 重野 寛、田坂和之]

1.定例の研究会活動報告

   平成23年度は、第45~48回の研究発表会を開催した。全部で44件の発表があり、内容も、ドライバ挙動のモニタリング、交通制御手法、通信実験、画像処理、ネットワーク技術、歩行者サービスなど基礎から応用までの多岐にわたる技術について幅広い発表、議論が行われた。また、そのうちの7件は招待講演・特別講演であり、安全運転支援システムや隊列自動運転技術に関する具体的な取り組みやシミュレーション技術に関する解説から、地域ITSや無線技術の今後の動向まで、各分野の専門家に幅広い内容を取り扱った。。
   9月は電気学会ITS研究会と共催、電子情報通信学会ITS研究会との連催、11月はMBL研究会、BCC研究グループとの共催で開催した。

  • 第45回 6/24(金) 大阪大学 吹田キャンパス 発表6件(内招待講演1件)
  • 第46回 9/28(水) 宇都宮大学工学部陽東キャンパス 発表10件(内招待講演1件、特別講演1件) 電気学会ITS研究会共催、電子情報通信学会ITS研究会連催
  • 第47回 11/10(木)-11(金) かごしま県民交流センター 発表20件(内招待講演2件、内招待講演1件) MBL研究会・BCC研究グループ共催
  • 第48回 3/16(金) 電気通信大学 発表8件(内招待講演1件)
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム 7/6(水)-8(金)、京都府 天橋立宮津ロイヤルホテルにおいてDPS研究会、GN研究会、MBL研究会、CSEC研究会、UBI研究会、IOT研究会、CDS研究会、SPT研究会との共催(BCC研究グループ 協賛)で開催した。複数の研究会に関連する発表テーマが一堂に会した合宿形式で有意義なシンポジウムであった。
  • 高度交通システム(ITS)2012シンポジウム 1/20(金)、東京都江東区の日本科学未来館にて、「高度交通システム(ITS)2012シンポジウム ~LTE・車載機器関連の動向~」のテーマで開催した。今後の移動帯通信システムの動向、携帯端末および車載プラットフォームの動向、昨今と今後の海外動向などについて6件の発表が行わ れ、48名の参加者があった。また、ITS研究会優秀論文(1件)の表彰も行われた。
  • 情報処理学会 連続セミナー2011 「コンシューマが切り拓くデジタル化社会の新しい潮流」と言うタイトルで全6回催された2011年度の情報処理学会連続セミナーの第6回目として、「センサ、デバイスによる新たな情報と高度交通システム」という副題で2012年2月17日に実施されたセミナーの運営を行った。車載機器から社会インフラまで、高度交通システムにおけるセンサー技術とその利用に関して産官学各業界より講師を招き、5件の講演を実施し、61名の参加を得た。
3.総括

   本年度も2回の研究発表会を連催あるいは共催とし、またDICOMO2011シンポジウムにも共催参加するなど、学会ならびに研究会間の交流に力を入れて取り組んだ。
  
また、ITSシンポジウム2012を開催し、ITS関連の研究活動の拡大や潜在的な研究者の発掘にも積極的に取り組んだ。
  
ITSという分野は他の分野・技術との関連性が高いことから、今後もより広範な意見交換が行える場の提供を行っていきたいと考えている。
   また、研究発表会、シンポジウムとも、参加者の減少傾向が見られるため、広報の仕方について再検討を行うとともに、研究会登録会員を増やす施策を考えていく予定である。

4.その他

   2012年度も引き続き、ITS分野の研究・開発のすそ野の拡大や潜在的な研究者の発掘・啓蒙をはかる。また、一昨年度まで実施していたITS産業フォーラムの位置づけを見直し、ITS分野における行政施策や産業の早期展開に学会として少しでも貢献できるよう次年度以降の開催へ向けて検討していきたいと考えている。

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◆システム評価(EVA)研究会

[主査:岸場清悟、幹事:杉野栄二、堀川 隆、義久智樹]

1.定例の研究会活動報告
  • 第35回研究発表会(平成23年7月28日、かごしま県民交流センター、発表件数:1件)をSWoPP2010の一環として開催し、インターネット放送型配信システムの提案とその評価に関する発表があった。
  • 第36回研究発表会(平成23年12月2日、株式会社アイアイエムセミナールーム、発表件数:4件)を開催し、 SPECjEnterprise2010の測定、UML図からのハードウェア設計手法の実証実験、詳細未知の部分を含むシステム性能評価モデル作成手法の提案、仮想化技術を用いたIT統合基盤構築に関する発表があった。なお、最後の1件は招待講演である。
  • 第37回研究発表会(平成24年3月30日、会津大学、発表件数:3件)を開催し、データストレージ保存データ縮退手法の評価、受信状況を加味した放送データ決定手法、情報システムのヘルスケア分野(腎臓移植ドナー=患者マッチング)への適用に関する発表があった。なお、最後の1件は招待講演である。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

   平成23年度は実施なし。

3.総括

   システム評価研究会は幅広い多様な観点からのシステム評価を目的としているが、今年度は性能評価に関係する発表が大半を占めた。それらを分類すると、 新しく提案したアーキテクチャやアルゴリズムの性能を評価したものが4件、システムモデル、手法、ツールを提案し、実際のシステムに適用したものが3件、性能測定方法に関するものが1件であった。評価対象は、サーバや通信プロトコルといった情報基盤システムの構成要素であったり、 開発設計手法やシステム運用、DBアプリケーションなど多岐に渡っていた。
    当研究会の性格を考えると、特定の技術分野についての深い議論よりも、他分野の情報を互いに交換し、それを各自の今後の研究に役立てる、といった意図で参加して頂くのが適切と考えている。この主旨をより確実に実現す るため、参加者全員での質疑応答が活発に実施されるような運営を心がけた。これにより、参加人数は比較的少ないながらも、活発な研究発表会を開催できたと考えている。

4.その他

 2012年度のシステム評価研究会は8月(SWoPP2012内)、9月、3月の3回を予定しています。

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◆ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会

[主査: 椎尾一郎、幹事: 植原啓介、大内一成、川原圭博、角  康之 ]

1.定例の研究会活動報告

 第30-33回の研究発表会を開催した.

  • 第30回研究発表会 5月27日,東芝科学館
  • 第31回研究発表会 7月14,15日,九州大学 西新プラザ
        ※連催:電子情報通信学会ユビキタス・センサネットワーク研究会(USN)
  • 第32回研究発表会 11月24日,お茶の水女子大学
        ※2010年度優秀論文賞・学生奨励賞表彰式を開催
  • 第33回研究発表会 3月12,13日,情報通信研究機構(NICT)本部
        ※合同:モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会(MBL)
            連催:電子情報通信学会アドホックネットワーク研究会(AN)
                      電子情報通信学会モバイルマルチメディア通信研究会(MoMuC)
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • マルチメディア,分散,協調とモバイルDICOMO2011シンポジウム

    7月6~8日,天橋立宮津ロイヤルホテル
    ※共催:マルチメディア通信と分散処理研究会
                  グループウェアとネットワークサービス研究会、
                  モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会
                  コンピュータセキュリティ研究会
                  高度交通システム研究会
                  インターネットと運用技術研究会
                  コンシューマ・デバイス&システム研究会
                  情報セキュリティ心理学とトラスト研究会
        協賛:放送コンピューティング研究グループ
  • インタラクション2012 3月15~17日,日本科学未来館

    ※主催:ヒューマンコンピュータインタラクション研究会
                 グループウェアとネットワークサービス研究会
                 ユビキタスコンピューティングシステム研究会
                 エンタテインメントコンピューティング研究会
        共催:日本科学未来館
3.総括

   2011年度は4回の定例研究会を開催した。他研究会との合同、連催も積極的に行い、関連分野の参加者と活発な意見交換が行われた。内容は、行動認識やセンサネットワークに関するものから、コミュニケーション支援、ヘルスケア、ライフログなど、非常に幅広く、本分野がより広い分野に適用され始めていることを示唆するものであった。

4.その他

   ユビキタスコンピューティングの研究は黎明期を過ぎ、いよいよ産業実用化が問われる時期となってきた。産業界との連携を積極的に図り、社会的意義の高い議論を研究会の中で行いたい。多くの会員の参加を期待する。

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◆インターネットと運用技術(IOT)研究会

[主査:山之上卓、幹事:上原哲太郎、佐藤  聡、土井裕介、村上登志男、山井成良]

1.定例の研究会活動報告

   以下に示すように第13〜16回の研究発表会を開催した。

  • 第13回 5月12日(木)〜13日(金) 発表件数6件(全体22件)
        九州大学大橋キャンパス (参加者数36名, 全体103名)
        コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会と共催
        電子情報通信学会情報通信マネジメント(ICM)研究会と連催
  • 第14回 7月15日(金)発表件数7件(全体10件)
        岡山大学津島キャンパス(合計参加者数52名)
        国立大学法人情報系センター協議会ISMS研究会と共催
  • 第15回 10月7日(金)発表件数9件
        愛媛大学城北キャンパス(参加者数40人,全体約60名)
        愛媛大学ICTスペシャリスト育成コースと共催
  • 第16回 3月15日(木)〜3月17日(金)発表件数30件(全体54件)
        北海道大学(参加者数84名, 全体138名)
        電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ(IA)
        および技術と社会・倫理(SITE)研究会と連催
        国立大学法人情報系センター協議会ISMS研究会と共催
いずれの研究会においても、情報教育関連、インターネット運用技術、分散システム運用技術、ネットワーク構築、セキュリティ、性能評価など、幅広いテーマで議論が行われた。第13回研究発表会ではこれまでのICM研究会との連催に加えて初めてCSEC研究会と共催する形となり、盛況であった。また、第13回では2件、第14回では1件、第15回では1件の招待講演が行われ、いずれも好評であった。第16回では、さくらインターネット株式会社のご厚意により石狩データセンターの見学会を、また国立大学法人北海道大学のご厚意によりアカデミッククラウドの見学会をそれぞれ開催することができ、いずれも大変盛況であった。
2.シンポジウム・国際会議等の報告
  • 第4回 インターネットと運用技術シンポジウム(IOTS2011)
    本シンポジウムは「危機管理の視点から運用技術を考える」をメインテーマとし、12月1日(木)〜2日(金)に慶応義塾大学日吉キャンパス(横浜市港北区)で開催した.講演数は招待講演2、パネル討論1を含む15件で,参加者数は65名であった。

  • 第10回情報科学技術フォーラム(FIT2011)
    本フォーラムは9月7日(水)〜9日(金)に函館大学・函館短期大学(北海道函館市)で本研究会を含む情報処理学会,電子通信学会情報・システムソサエティ,電子通信学会ヒューマン・コミュニケーショングループの合同により開催された.一般講演869件のうち,本研究会に関連したテーマで41件の発表が行われた.IOT 研究会は一貫して査読付き論文の受け入れを行っており,FIT2011では6 件の査読付き論文が発表された.

  • Second Workshop on Company, Campus, and Community Networking - Technology, Management and Ethics (C3NET 2011)
    本ワークショップは本会とIEEE Computer Societyが共催する国際会議SAINT2011の一部として7月20日(水)にドイツ・ミュンヘン市で開催され,6件の発表と2件の招待講演が行われた.

  • マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2011)
    本シンポジウムは7月6日(水)〜8日(金)に天橋立宮津ロイヤルホテル(京都府宮津市)で本研究会を含む9研究会の共催,1研究グループの協賛により開催された。一般講演219件のうち,本研究会に関連したテーマで11件の発表が行われた.

3.総括
   平成23年度は震災の影響で第13回、第14回研究発表会、およびマルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウムの開催場所が急遽変更になり、参加者の方々にもご迷惑をおかけした。しかし、これらのイベントを中止せずに開催でき、危機管理もテーマの一つとして掲げている当研究会にとっては最低限の義務を果たすことができたと考えている。発表内容も耐障害性向上や省電力化など震災後の社会情勢に合わせたものが多かった。

   一方、本研究会が中心となった論文誌「ディペンダブルなシステムの構築・運用・管理技術」特集号では、20件の投稿のうち8編を採録としたが、投稿件数、採録数とも昨年度とほぼ同様の結果となった。今後も研究会で論文投稿を積極的に働きかけるとともに指導的査読を充実させ、書き方の問題で不採録と判定される論文の数を減らしていきたい。

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◆情報セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会

[主査:村山優子、幹事:西垣正勝、松浦幹太、藤原康宏]

1.定例の研究会活動報告

   平成23年度は、以下の通り第1-2回 の研究発表会を開催した。

  • 第1回研究会 平成23年7月11〜13日 静岡大学浜松キャンパス 発表7件(内招待講演1件)
  • 第2回研究会 平成23年12月26日 京都大学楽 友会館 発表6件(内招待講演3件)
    セキュリティ技術の人間的側面、トラスト、リスクに関する研究報告が多数発表された。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成23年度は、次のシンポジウムを共催,協賛した。

  • マルチメディア、分散、協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2011)
    平成23年7月6〜8日 発表 5件
  • SOUPS2011発表論文をものすごい勢いで読破する会
    平成23年10月12日 SECOM本社セコムホール 発表15件
  • コンピュータセキュリティシンポジウム 2011
    平成23年10月19-21日朱鷺メッセ[新潟コンベンションセンター]  発表4件
    定例研究会とシンポジウムをあわせて39件の発表があり、発表件数は増加傾向にある。 
3.総括

   今年度は研究会として開始した。当初予定していた5月の第1会研究会 は、東日本大震災後の計画停電が懸念されたため中止した。その際計画していた招待講演を7月のCSEC研究会等との合同研究会にてお願いした。また、京都での第2回研究会では、震災関連の活動事例や災害情報システム等の招待講演を企画した。 
   さらに、新たな試みとして、米国で毎年開催されるSOUPS Symposium On Usable Privacy and Security (SOUPS2011)の発表論文を, 1日で読破す るための勉強会を開催した。これにより、セキュリティやトラストとユーザビリティの分野の推進と、若い研究者や学生諸君に関連研究調査の練習 も兼ねたイベントとなった。来年度も開催予定である。
   CSEC研究会と共催のCSS2011で は、SPTセッション「心理学とトラスト」で発表された以下の論文が 「CSS2011論文賞」を受賞した。
   ・高田哲司:災害被災者の生活復旧支援を目的とした「自分証明書」に関する一 検討

4.その他

   平成24年度より,研究会名の「情報セキュリティ心理学」の「情報」を除き、「セキュリティ心理学とトラスト研究会」に変更する。 英文省略形(SPT)は変更はない。

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◆コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会

[主査:石川憲洋、幹事:峰野博史、齊藤義仰、一色正男]

1.定例の研究会活動報告

 平成23年度は、以下の通り第1-3回の研究発表会を開催した.

  • 第1回研究会 平成23年6月15日~16日 同志社大学東京オフィス 発表12件
  • 第2回研究会 平成23年9月5日~6日 三菱電機情報技術総合研究所(MBL研究会と共催)発表22件
  • 第3回研究会 平成24年1月19日~20日 かんぽの宿熱海(GN研究会・BCC研究グループと共催)発表29件
   発表内容は、コンシューマ・デバイスとシステムの幅広い分野にわたっている。
   本研究会の狙い通り、特に企業からの発表が多く、回を重ねるごとに増加傾向にあった。
2.シンポジウム・国際会議等の報告
・マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム
   平成23年7月6日~8日 天橋立宮津ロイヤルホテル

   DICOMO2011シンポジウムは、DPS研究会、GN研究会、MBL研究会、CSEC研究会、ITS研究会、UBI研究会、IOT研究会、CDS研究会、SPT研究会の共催、BCC研究グループの協賛にて開催した。一般講演件数は219件(うちデモ発表12件)と非常に大規模なものとなった。
3.総括

   本研究会に関連するコンシューマ・デバイスとシステムは、日常のあらゆる場面で幅広く利用される技術である。今後も本研究会は、企業の発表も積極的に受け入れ、産学問わず対象とし、技術者の相互情報交換の場を提供することを目指す。平成24年度は、平成23年度に継続して研究会を開催するとともに、関連研究会との連携によるシンポジウムへの共催を予定している。

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◇放送コンピューティング(BCC)研究グループ

[主査:塚本昌彦、幹事:阿倍博信、岡田謙一、串間和彦、齊藤義仰、長谷川亨、義久智樹]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・国際会議等の報告

3.総括

 

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フロンティア領域

◆自然言語処理(NL)研究会

[主査:徳永健伸、幹事:飯田 龍、船越孝太郎 、宮尾祐介]

1.定例の研究会活動報告

 

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 

3.総括

 

4.その他

 

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◆知能システム(ICS)研究会

[主査:長尾 確、幹事:市瀬龍太郎、大平茂輝、松尾徳朗、山下晃弘]

1.定例の研究会活動報告

 

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 

3.総括

 

4.その他

 

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◆コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)研究会

[主査:奥富正敏、幹事:岩井儀雄、岡谷貴之、清水郁子、高松  淳、日浦慎作、八木康史、和田俊和]

1.定例の研究会活動報告

   第177-181回の通常の研究発表会を下記のように開催した。毎回100名前後の聴講者があり、熱心な討論が行われた。本年度は、以下のテーマ別オーガナイズドセッションを企画した。

  • 2011年5月:卒論・D論セッション
  • 2011年9月:コンピュータビジョンとパターン認識のための機械学習
  • 2011年11月:質感認知に関わる画像の解析・表現およびCV・CG一般
  • 2012年1月:実世界センシングとその応用
  • 2012年3月:Web上に蓄積された大規模データベースを用いたCV

   さらに、通常の研究発表に加えて、特定の手法・技術に関してチュートリアル講演を継続的に実施し、好評を博した。

  • 照度差ステレオ(2011年5月)
  • 動物体のアクティブ3次元計測(2011年5月)
  • 微分位相特徴解析に基づくボリュームグラフィックスの高度化(2011年11月)
  • Multi-view 3D Reconstruction Techniques in Computer Vision(2011年11月)
  • 光線空間法と3次元映像取得・表示方式(2011年11月)
  • 魅力的3D映像の制作技術(2012年1月)
  • 3D圧縮伝送技術(2012年1月)
  • 幾何学的推定のための最適化手法:最小化を越えて(2012年3月)

   5月の177回研究会では、若手研究者の育成を目的に、前年度に学部を卒業した方を対象とした「卒論セッション」及び、前年度に博士の学位を取得した若手研究者を対象とした「D論セッション」を開催した。卒論セッションは27件、D論セッションは4件の発表があった。なお、卒論セッションにおいては、最優秀賞1件ならびに優秀賞3件の表彰を行った。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   第14回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)を、7月に金沢市にて、電子情報通信学会PRMU研究会と共同主催にて開催し、549名の参加者があった。ロングオーラル発表22件、ショートオーラル(インタラクティブ)発表221件、デモ論文12件の計255件の研究発表、および、招待講演1件、震災特別セッション「震災復興へのビジョン」と題したパネル討論会を開催した。従来はポスターを前にしての発表のみであったインタラクティブ発表者に対し、1分30秒の短い口頭発表(ショートオーラル発表)の機会を設け、あわせてロングオーラル発表をシングルセッションとすることで、MIRU2011 における発表を全て俯瞰できるようにした。ロングオーラル発表の中からMIRU長尾賞(最優秀論文賞)1件、優秀論文賞3件、学生優秀論文賞1件を表彰した。また、インタラクティブセッション賞4件、デモセッション賞1件を表彰した。

3.総 括

   研究会発表に対するコメント制度、卒論・D論セッション、研究会推薦論文制度など、研究者育成の活動を重視してきた。また、研究会論文誌は、2009年2月より英文オンライン出版による IPSJ Transactions on Computer Vision and Applications(CVA)を発行している。

今年度の研究会論文誌CVAの発行状況は以下のとおりであった。
Vol. 3(2011)、Regular paper 6件、Invited paper 2件、MIRU2010特集号12件
Vol. 4(2012)、Regular paper 1件

4.その他

   24年度は、5回の研究会開催とMIRU2012の共同主催を予定している。従来よりPRMU研究会等との連催を行ってきたが、23年度には新たにGCAD研究会との共催を行った。両研究会にとって有益な交流となり、24年度も継続する予定である。また、海外からの招待講演者・チュートリアル講演者の招聘や国際的な催しへの積極的参画など、日本のコンピュータビジョン界の更なる活性化・国際化を推進したいと考えている。

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◆コンピュータと教育(CE)研究会

[主査:角田博保、幹事:高岡詠子、長  慎也 、中山泰一、長瀧寛之]

1.定例の研究会活動報告

   第110回~114回の研究発表会を、順に富山大学、帝京大学、島根大学、三重大学、明星大学で開催し、発表総数は72件であった。前年とほぼ同数の発表件数であり、後述のシンポジウムも含め、安定した研究発表活動が行われていると言える。年度初めは発表が少ないことから、後半に研究発表会をずらすことにしたが、予定の件数を確保することができたと思われる。2回の共催開催を行なうことで、活動の場を広げることができた。第113回研究発表会では、昨年度同様に研究論文セッションを設け、論文作成のアドバイスを行い、7件の応募があった。研究としては、教育・学習に関する支援システムの提案・作成・評価、教授方法、プログラミング教育・学習、教育現場の環境の高度化、教材などが盛んに発表された。また、高等学校「情報」を含む情報教育に関する教育実践例と考察、情報教育に関する各種調査の報告などもなされ、教師の実際の役に立つ発表が多くなっている。

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   平成23年8月18日~20日に「情報教育シンポジウム SSS2011」を岡山いこいの村(岡山県瀬戸内市)で開催した。本シンポジウムは、"情報教育"に関わる三つの立場である教育、研究、教具教材開発に携わる人々が、立場の境界を越えて語りあうという趣旨で開いたものであり、初回のSSS99以来、熱気のこもった合宿型研究発表会となっている。81名の参加者があり、21件の質の高い研究発表が行われ、夜遅くまでの議論が続いた。今回は招待講演2件、ポスターセッションに加えて、特別セッションを導入して会を盛り上げた。どのセッションでも熱心な討論が行われた。なお、今回も教育学習支援情報システム研究会との共催となっている。

3.総括

   当研究会は、情報の本質を理解し、教育の実践をしっかりと視野に捉えながら情報教育の可能性を探ることにより、情報教育に関連する学界と教育界へ寄与することを目的としている。近年の活動により、初等中等教育から高等教育にわたる情報教育に関係する様々な立場の方々の間に、教育という側面から情報の本質に関わる議論ができる場としての認知度が高まっている。最近では、「初等中等教育における情報教育」の報告が、実際の教材や教授法研究とともに、「大学などにおける情報教育との接続」を視野に入れた研究発表の増加へと発展しており、今後の充実が期待される。
   研究会発表論文の質の向上のために、本学会論文誌の「教育とコンピュータ」特集号を平成23年12月に発行した。引き続き、平成25年1月発行予定の論文誌「教育とコンピュータ」特集号を企画し、現在、査読・編集作業が進行中である。

4.その他

   運営委員会委員として研究会運営に主体的に参加・協力する研究者を募った結果、運営委員会への出席、研究会発表の推進、シンポジウムや他の活動への積極的な寄与、などが活発となり、研究会としての主体性が確立されている。また、全国大会やFITなどの学会全体の活動への対応も定着している。今後も、運営委員会のさらなる質的・量的充実をはかってゆく予定である。

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◆人文科学とコンピュータ(CH)研究会

[主査:関野  樹、幹事:後藤  真、阪田真己子、高田智知、山田太造]

1.定例の研究会活動報告

   第90-93回の研究発表会を開催し、計32件の発表があった。

  • 第90回 5月21日・同志社大学 発表件数:10件
    学生セッションを開催した。学生による8件の発表の中から、運営委員の選考による奨励賞を1名に授与した。
  • 第91回 7月30日・大阪電気通信大学 発表件数:8件
  • 第92回 10月8日・国立国語研究所 発表件数:6件
    企画セッション「言語の研究とコーパスの開発」が実施され、3件の発表があった。
  • 第92回 1月27~29日・奄美博物館 発表件数:8件
    奄美市教育委員会、奄美郷土研究会との共催で開催された。また、企画セッション「歴史文化遺産とその情報資源化」が実施され、奄美地方の文化遺産について活発な議論が行われた。この企画は現地でも注目され、地元の地方紙2紙にその様子が掲載された。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

   人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2011)を開催した。
   日程:12月10~11日
   場所:龍谷大学 大宮キャンパス
   共催:龍谷ミュージアム、龍谷大学古典籍デジタルアーカイブセンター、
            花園大学国際禅学研究所,花園大学文化遺産学科
   実行委員長:岡田至弘(龍谷大学)
   プログラム委員長:鈴木卓治(国立歴史民俗博物館)

「「デジタル・アーカイブ」再考 —いま改めて問う記録・保存・活用の技術—」をテーマとし、171名の参加があった。一般講演は口頭発表が49件、ポスター発表・デモ発表が10件である。このほかに、龍谷ミュージアム館長の宮治 昭先生による基調講演「シルクロードの仏教美術 —バーミヤーンとキジル—」、龍谷大学と花園大学による共同セッション「仏教資料のデジタル化と公開・活用をめぐって」、特別セッション「大規模災害に際し人文科学とコンピュータ研究がなしうること」が開催された。また、今年度より本シンポジウムで発表された論文の電子化を行い、情報学広場より公開している

3.総括

   定例の研究会およびシンポジウムとも発表数は前年を上回る一方で、研究会の登録者数は依然減少している。冊子体の配布が無くなったことにより、「手に取れる」メリットが失われたことが要因の1つとして考えられ、これに代わる登録のメリットを実感できる新たな会員サービスの提供が急務である。これに対し、学生セッションおよび奨励賞の実施、過去の研究会の全論文へのリンク、過去のシンポジウム論文の電子化などの取り組みを始めたところである。

4.その他

   情報技術を中心に様々な分野が交錯する本研究会の特徴を活かした活動や第93回研究会のような地域連携による社会貢献など、研究会の在り方についても今後検討が必要になると思われる。研究者間、学問分野間、そして学と民の接点として、個別の分野に特化した学会では果たせない役割を本研究会として模索してゆきたい。

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◆音楽情報科学(MUS)研究会

[主査:平井重行、幹事: 北原鉄朗、寺田 努、浜中雅俊、帆足啓一郎、三輪眞弘]

1.定例の研究会活動報告
   震災で年度前半の準備に遅れが出たが、第90~94回の計5回を予定通り開催した。このうち、第91回では「機械学習」特別セッションを設けた。「ノンパラメトリックベイス」と「非負値行列因子分解」についてチュートリアルも行い、音楽情報科学分野での関連性・重要性について情報共有を行った。第93回でインターカレッジコンピュータ音楽コンサートと例年通り共催した。そして作曲家三輪眞弘氏に、氏が考える「科学と音楽の関係」について特別講演をお願いした。第94回はSIGSLPと共催し、「歌声情報処理」特別セッションを企画したところ関連テーマだけで15件あり、2日間の発表の約半数近くを占めた。この内容はUstream/ニコニコ生放送で中継したところ、ニコニコ生放送でののべ視聴者数は、1日目3600人以上、2日目4100人にも上り、研究会登録員の10倍もの人数がこのセッションに注目・興味を持っていることが確認できた。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

   平成23年度は実施なし。

3.総括

   研究会メンバーに大学研究者が多い中、授業実施厳格化の話などが発表件数および参加者数の減少に影響を及ぼしているように思われるほか、議論の白熱化が起こりにくいという弊害も起こしている様子も窺える。これらは懸案事項があるものの、機械学習チュートリアルやインターネット動画中継などを通して、今後の分野の進展や世間の注目度に関する大きな収穫はあった。
   また、2011年度は「音楽情報科学研究分野の発展のため」と多額の寄付があった。それでインターネット動画中継のための機材を購入し、運営委員による動画中継を試みた。学会そのものの社会での役割や存在感が変化する中で、研究会としては特に応用研究分野に関して研究発表のあり方や研究者の向く方向が変わる必要があると考えている。会員だけに閉じない動画中継は、その変化を含めた情報発信と研究会では位置付けている。今回のような注目度が高い特別セッションでなくとも個別研究テーマによって興味を持つ人が様々にいるであろうことを考慮し、可能な限り発表の中継&アーカイブをすべきとも考えている。

4.その他
   2012年度は研究発表会を例年より減らして4回にするが、これには2つの意図がある。2013年度が研究会設立20年目で、かつ第100回研究発表会を迎えるため、参加者が増える夏期の回を記念イベントとするための回数調整の意図が1つ。もう1つが、参加者数を減らさずに議論の活性化を狙うという意図である。4回のうち、音響学会MA研とSIGECとの共催がそれぞれ1回ずつ、ICWGによる共催コンサートを1回行う。また、各研究発表会においては、発表者の承諾のもとで動画中継を可能な限り実施し、研究分野とそのアクティビティを広く世間に知ってもらうよう進めるつもりでいる。さらに、他学会で発案された「ポジションペーパー名札」を当研究会でも導入し、参加者間の交流促進も進める。
   一方で、2013年度の20周年記念の様々なイベントを企画・準備する必要があるため、記念イベント実行委員会を立ち上げる予定である。

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◆音声言語情報処理(SLP)研究会

[主査:河原達也、幹事:岩野公司、伊藤彰則、三木清一]

1.定例の研究会活動報告

   第86回~第90回の研究発表会を開催し、3件の招待講演を含めて合計107件の発表が行われた。

  • 第86回 (5月 東大;発表16件,参加者85名): SIG-NLと共催のため、言語処理に関連した発表が中心となった。大半を学生セッションとし、参加者の投票に基づいて研究会最後に2件の発表に対して学生奨励賞の表彰を行った。また、辻井潤一先生の招待講演も行った。
  • 第87回 (7月 札幌・定山渓温泉;発表17件,参加者57名): 2泊3日の日程で、信学会SPと同時並列開催とした。「ドクター・若手研究者による研究室紹介」、及び「音声言語処理の今後のチャレンジ」というパネル討論を行った。
  • 第88回 (10月 オリンピック記念青少年総合センター;発表9件,参加者67名):音声技術の実用化に重点をおいた「音声言語情報処理技術デベロッパーズフォーラム」として、Bart Baeyens氏(Nuance)によるFord Syncシステムの紹介をはじめ、企業関係者による講演・報告を中心に実施した。
  • 第89回 (12月 芝浦工大;発表33件,参加者75名):信学会SPおよびNLCと連立開催で、「音声言語シンポジウム」として開催した。Gary Geunbae Lee氏(韓国・POSTECH)及び徳田恵一氏(名工大)による音声対話システムの新たな展開に関する招待講演が行われた。信学会側の参加者との合計は149名であった。
  • 第90回 (2月 ウェルシーズン浜名湖;発表32件,参加者75名): SIG-MUSとの共催で実施した。5件の依頼講演を中心に、「歌声情報処理最前線!!」というスペシャルセッションを企画した。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 平成23年度は実施なし。

3.総括

   従前は毎回テーマを決めて、レビューやパネル討論を行ってきたが、最近はホットトピックに関する招待講演を中心に企画している。音声対話エージェントや歌声合成システムの実用化が進展する中で、関連した企画を実施した。
   関連学会・研究会との連携を引き続き重視した結果、多数の参加者があり、盛況となった。

4.その他

 音声ドキュメント処理ワーキンググループの活動も引き続き行われた。

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◆電子化知的財産・社会基盤(EIP)研究会

[主査:山下博之、幹事: 一戸信哉、金子 格、小向太郎、橋本誠志]

1.定例の研究会活動報告

   第52-55回の研究発表会を開催した.

  • 第52回:2011年5月19日(木):東京理科大学神楽坂キャンパス(東京都新宿区)
    発表件数12件(内招待講演1件)
    電子情報通信学会 技術と社会・倫理研究会(SITE)と連催
  • 第53回:2011年9月15日(木)~16日(金): 和歌山商工会議所(和歌山市)
    発表件数19件(内招待講演1件)
    DPS研究会,GN研究会と合同
  • 第54回:2011年11月11日(金):新潟大学駅南キャンパス(新潟市)
    発表件数6件(内招待講演1件)
  • 第55回:2012年2月10日(金): 追手門学院大阪城スクエア(大阪市)
    発表件数11件(内招待講演1件,ポスターセッション2件)

   昨年度に引き続き,関連分野との連携を深めるため,4回の研究会のうち2回を連催(第52回)または合同(第53回)の開催とし,活発な議論を行った.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

    FIT2011(2011年9月9日(金),函館大学)において,シンポジウム「クラウド時代の知的社会基盤のサステナビリティを考える」を開催した.4件の講演と,講演者をパネラとするパネル討論を行った.ホットなテーマであり,多数の参加者を得て,盛況であった.特に,25分間のパネル討論では,会場からの質問が相次ぎ,それだけで時間を使い切ってしまった.また,後日,講演資料をEIP 研究会ホームページ上で公開した.

3.総括

   今年度も共催の研究会も含めて,著作権やメディアの変容,社会基盤など,その時点でのホットな話題やテーマに関連するスピーカに依頼して招待講演を行った.
   運営委員会については,本年度も各回の研究発表会の企画や次年度の計画等についてメールベースで意見交換を行って方針を立て,各研究発表会当日に開催した会合で確認した.来年度は幹事・運営委員の約半数が交代することから,コミュニケーションの円滑化を図りつつ,一層効率的な運営に努めたい.

4.その他

   今年度より,若手の発表・参加奨励の一環として,参加費区分を見直し,情報処理学会「非会員学生」の参加費区分(当日参加費一律1000円)を導入し,学生の発表・参加をしやすくした.ただ,目を見張るほどの効果は見られなかったため,来年度は,広報面でも工夫したい.
   今後,関連他分野から多くの研究者や学生の参加を募り,また,従来共催してきた研究会以外の関連との共催等も検討し,さらなる研究会活動の活性化を目指していく予定である.詳しくは http://www.eip.or.jp/ をご覧頂きたい.
なお,経費節減のため,来年度からは運営委員会には弁当持参で参加することとした.

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◆ゲーム情報学(GI)研究会

[主査:田中哲朗、幹事:橋本  剛,ライエルグリンベルゲン,村松正和,鶴岡慶雅]

1.定例の研究会活動報告

   第26回研究会を2011年7月1日(金)に松江オープンソースラボにて開催した.発表件数は12件で,将棋,チェス,囲碁,Connect Fourなどのボードゲーム,n-queensなどのパズルを題材とし,発表内容は多岐にわたった.

   第27回の研究会は2012年3月1日(土)に東京農工大学にて開催した.発表件数は11 件(発表者病欠で1件キャンセル)で,将棋,オセロ,アリマア等の完全情報ゲーム以外にも大貧民,コントラクトブリッジ等の不完全情報ゲームの発表や,携帯ゲーム機の計算機によるプレイ,ロボカップのオンラインプランニング等の広い分野の発表がおこなわれ,多数の参加者があり盛会となった.

2.シンポジウム・国際会議等の報告

   本研究会主催の第16回ゲームプログラミングワークショップ(GPW2011)を2011年11月4日(金)-6日(日)の3日間の日程で箱根セミナーハウスにて開催した.81名の参加者,24件の一般発表(口頭発表15件,ポスター発表9件)が集まり盛況であった.このワークショップは1994年からほぼ毎年開催されているゲームプログラミング全般に関する我が国最大の学術研究集会である.当該分野の研究者らが合宿形式で一同に会し,時間に拘束されずじっくり討論できる貴重な機会となっている.

   このワークショップでは一般発表以外に毎回招待講演を企画している.今回はJeopardy! というテレビのクイズ番組で,人間のクイズ王を破って話題になったIBMの Watson の開発者の一人の J. William Murdock氏による講演で,世界の人工知能学者から注目を集めたプロジェクトだけあって,質問も盛り上がった.また,特別イベントとして,古作登氏 & 篠田正人氏 vs あから1/100のリ
ターンマッチが行われた.

   最先端で活躍する研究者と身近に討論出来る機会もあり非常に有意義なワークショップとなった.

3.総括

   本研究会は発足後13年が経過し,関係者の発表の機会を与えるものとして十分に定着してきた.発表の内容を見ると,将棋や囲碁などの伝統的なゲームを題材にしたものだけでなく,ぷよぷよやアリマアなど,新しいゲームやパズルなど新たな拡がりがある.これらの研究テーマは,これからの情報処理技術にとって重要な貢献を果たすと考えられ,さらなる発展が期待される.

4.その他

   平成24年度も7月と3月に研究会,11月にゲームプログラミングワークショップの開催を予定している.「人間 vs. コンピュータ将棋」の次のイベントへの期待も高まりつつあり,その関係でも平成24年度中の盛り上がりが期待される.

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◆エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会

[主査:加藤博一、幹事:井村誠孝、坂本大介]

1.定例の研究会活動報告

   第20-23回の研究発表会を開催した.

  • 第20回: 2011年 5月13日~14日、於 筑波大学 (発表 21件) 
    電子情報通信学会MVE研究会との連催、日本VR学会SIG-A+Eとの共催で実施された。筑波大学が行っている宇宙芸術に関する招待講演を実施した。本研究会では、エンタテインメントのためのメディアとリアリティに関する議論がなされた。また、東日本大震災の影響で中止となった第19回研究会の振替え発表についても行われた。
  • 第21回: 2011年 8月30日、於 北海道大学(発表 10件)
    日本VR学会SIG-A+Eが協賛するかたちで実施され、アートやコミュニケーションのためのエンタテインメントシステムに関する発表と議論がなされた。
  • 第22回: 2011年12月17日~18日、於 健康文化村 カルチャーリゾート フェストーネ (発表 6件)
    「エンタテインメントを超えて」と題し、エンタテインメントの今後を議論するメタ研究会として実施された本研究会では、エンタテインメントシステムの展示手法や、ユーザ分析手法およびユーザ支援手法についての発表と議論がなされた。さらにエンタテインメントコンピューティング分野の今後に深くかかわる議論がなされた。
  • 第23回: 2012年3月26日~27日、於 ポートアイランド 臨床研究情報センター(TRI)(発表 22件)
    日本VR学会SIG-A+Eが協賛するかたちで実施され、多くの玩具を開発・販売しているバンダイにおける最新のエンタテインメントコミュニケーションシステムに関する招待講演を実施した。本研究会では、エンタテインメントシステムの研究開発だけではなく、その分析手法に関する研究についても発表および議論がなされた。
2.シンポジウム・国際会議等の報告
2.1 エンタテインメントコンピューティング 2011(主催)
2011年 10月7日~9日、於 日本科学未来館(発表 63件、デモ 60件)
昨年共催した本シンポジウムを今年は主催という形で開催した。本シンポジウムでは、土曜日と日曜日の開催を含め、デモ発表期間をこの2日間で実施することと、科学館において開催することにより、非研究者である一般へのデモ発表の公開を行った。これにより、いわゆる研究発表会では得難い一般来訪者による反応や意見を得ることができた。

2.2 インタラクション2012 (共催)
2012年 3月 15日~ 17日、於 日本科学未来館(発表18件、デモ154件)
インタラクション技術はECと密接な関係にある研究分野であり、本年度も共催という形式で協力することとなった。本シンポジウムにおいても、休日における一般公開の日程が確保されるなど、積極的な情報発信を目指したシンポジウム運営を行った。さらに、口頭発表をインターネット放送にて生中継することにより、積極的に社会へ発信する取り組みを行った。
3.総括

 ECは情報科学の多くの分野と関係が深い研究領域である。そこで、関連する諸研究会との連携を深めることで幅広くECとそれに関する研究発表の場 を提供することを目指す一方で、メタ研究会に代表されるEC研究そのものの深化を図ることを、初年度来継続して実践してきている。

   本年度は特に、活動の活性化に向けて(1)シンポジウムへの積極的貢献= EC2011の主催・インタラクション2012への共催、(2)Webページの刷新と情報発信の活性化(ニューズレターの発行、およびtwitterやYouTubeを用いた情報発信)が実施・検討されてきた。これらの活動による分野の活性化に伴い、定期研究会の発表件数が増加してきている。さらに、シンポジウムの一部を一般公開し非研究者との実機デモを交えた交流や、講演発表のリアルタイム中継など、社会に開かれた研究会としての取り組みについても実施している。

4.その他
   来年度は研究会4回(うち1回はメタ研究会)の開催を計画している。加えて、エンタテインメントコンピューティング2012シンポジウムの主催団体として、本学会と協力して運営することを計画している。また、昨年度同様にインタラクション2013を共催する。
   また、twitterやYouTubeなどのメディアを利用した積極的な情報配信についても推進していく予定である。

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◆バイオ情報学(BIO)研究会

[主査:渋谷哲朗、幹事:関嶋政和、大羽成征、吉本潤一郎]

1.定例の研究会活動報告

   平成23年度は以下の通り、第25-28回の研究発表会を開催した。

  • 第25回研究会
    第25回研究会は琉球大学において電子情報通信学会ニューロコンピューティング(NC)研究会との共催として開催され、41件の発表があった。招待講演として北野宏明博士の講演があるなど、大変盛況であった。
  • 第26回研究会
    第26回研究会は神戸大学で開かれ、8件の発表があった。学生奨励賞の授賞式が行われた。
  • 第27回研究会
    第27回研究会はMPS研究会との共催で電気通信大学において開催され、30件の発表が行われ、学生奨励賞の授賞式が行われた。
  • 第28回研究会
    第28回研究会は東北大学において開催され、20件の発表が行われた。
2.シンポジウム・国際会議等の報告

   日本バイオインフォマティクス学会の主催するバイオインフォマティクス技術者認定試験およびHPCS2012への協賛を行った。

3.総括

   平成23年度は、沖縄、神戸、東京、仙台で研究会を開催し、毎回開催地に近い研究機関の担当運営委員によって良好な運営が行われている。発表件数も、17年度38件、18年度51件、19年度45件、20年度47件、21年度43件、22年度43件、とこれまで40件前後であったが、今年度は他研究会との共催等の効果により、84件とほぼ倍増するなど、幅広いテーマに関する発表と、活発な議論が行われている。また、英文トランザクションIPSJ Transactions on Bioinformaticsも引き続き活動している。研究会独自に設けているSIGBIO論文賞とSIGBIO学生奨励賞のうち、SIGBIO学生奨励賞の審査を今年度も実施した。2件の学生奨励賞を選定し、第29回研究会以降の研究会にて表彰を行う予定である。

4.その他

   平成24年度は、今年度発表件数が増えたことから、5回の研究会を開催する予定である。第29回は琉球大学、第30回は産業技術総合研究所、第31回は船堀ホール(生命医薬情報学連合大会と同時開催)、第32回は京都大学、第33回は神戸大学での開催を予定あるいは検討している。

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◆教育学習支援情報システム(CLE)研究会

[主査:竹村治雄、幹事:井上 仁、上田真由美、伊達 進、渡辺博芳]

1.定例の研究会活動報告

 

2.シンポジウム・国際会議等の報告

 

3.総括

 

4.その他

 

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◇ネットワーク生態学(NE)研究グループ

[主査:林 幸雄、幹事:小島一浩、風間一洋、金光 淳]

1.定例の研究会活動報告
  •  会合名:第8回ネットワーク生態学シンポジウム
     日時:2011年03月15-16日
     場所:慶応湘南藤沢キャンパス(SFC)
     http://www.jaist.ac.jp/~yhayashi/10th_webology/index.html

    参加者は、招待講演者2名、一般41名、学生32名の計73名(一般と学生を合わせた新規参加者は30名程度)で約3万円の黒字となった。

    下記の特別セッションに加えて、一般講演13件とポスター発表26件が行われた。

    特別セッション
        * 招待講演1: 司会:井庭 崇(慶応大)
         松川昌平 氏 (000studio/ゼロスタジオ)
         タイトル:建築に潜む共通のネットワーク構造
        * 招待講演2: 司会:林幸雄(北陸先端科学技術大学院大学)
         会田 雅樹 氏 (首都大学東京)
         タイトル:異なる通信サービスのデータを相補的に利用した社会ネットワークの構造分析
2.シンポジウム・国際会議等の報告

 上記の報告通り。

3.総括

   今回は卒業式等と重なり運営委員の参加が少なかったものの、例年同様に50-100規模の人数で、一般講演とポスターの発表件数も安定している。参加者の割合においても常連と新規で半分づつ程度で新陳代謝が良い。財政的にも特に問題はなく、前年度からの繰り越し金も上乗せされる。
   次回は、2012年12月上旬or中旬頃に第9回ネットワーク生態学シンポジウムを沖縄国際大学で開催する予定である。

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