2003年度研究会活動報告

2003年度研究会・研究グループ活動報告


<コンピュータサイエンス領域>
DBS SE ARC OS SLDM HPC PRO AL MPS

<情報環境領域>
DPS HI CG IS FI AVM GN DSM DD MBL CSEC ITS QAI EVA UBI BCCgr

<フロンティア領域>
NL ICS CVIM CE CH MUS SLP EIP GI



コンピュータサイエンス領域


◆データベースシステム(DBS)研究会

[主査:石川 博、幹事:市川哲彦、佐藤 聡、土田正士、原 隆浩]

1.定例の研究会活動報告
第130~132回の研究発表会を開催した。
特集テーマとしては、情報のマイニング、組織化、可視化などを取り上げた。 特に7月に開催した第131回研究会は発表件数93件、参加者数も135名に上る会議となり盛況を博した。 また、1月に開催した第132回研究会ではデータベース分野と他分野の融合を目的として、「ブロードバンド時代のデータベースと放送コンピューティング」をテーマとして情報処理学会放送コンピューティング研究グループとの共催研究会を開催した。
主な研究発表は、マルチメディアDB、放送型DB、XML・半構造DB、Webコンテンツ検索・管理、Webマイニング、データマイニング、モバイルDB、P2P・並列処理、情報可視化、DB高度応用などである。
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

・データベースとWeb情報システムに関するシンポジウム(DBWeb2003)
このシンポジウムは、ACM SIGMOD日本支部、電子情報通信学会データ工学研究専門委員会、日本データベース学会、文部科学省科学研究費補助金・特定領域研究「ITの深化の基盤を拓く情報学研究」A05班、情報処理相互運用技術協会、国立天文台にも協賛を頂いており、我が国におけるデータベース研究領域の最大規模のシンポジウムとして、11月26日、27日の2日間、「情報融合」を特集テーマとして開催した。平成15年度は、お台場の日本科学未来館で開催した。
Webデータへの知識処理の適用、テキストマイニング、XML、メタデータの構成と利用、情報の共有と協調利用、検索の高速化、並列・分散処理、バイオインフォマティクスへの応用という一般セッションに加えて、本シンポジウムでは、データベース高度応用分野の専門家と連携した特別セッションを設けた。そのテーマとしては、セマンティックWeb、グリッド、ユビキタス、モバイルコンピューティング、ストリーム、自律コンピューティング、ディペンダビリティ、セキュリティを取り上げた。本シンポジウムでは、 これらの多種多様なトピックとデータベース技術との関わりについて、 招待講演と研究発表の形態で議論する場を提供した。
一般研究発表論文としては、34件が採択された。最終的な参加者数は150名であった。
また、本シンポジウムでは情報処理学会論文誌「データベース(IPSJ -TOD)」第22号(来年度発行予定)との同時投稿による連係を行った。同時投稿件数は31件であった。


3.情報処理学会論文誌:データベースの報告

 平成10年度にFI研と合同で創刊した研究会論文誌「データベース(IPSJ-TOD)」の第18号、第19号、第20号、第21号の発行を終えた。また、第18号では 12 件、第19号では 12 件、第20号では 4 件、第21号では6件が採録された。来年度発行予定の第22号は、データベースシステム研究会が主催しているシンポジウムとの同時投稿による連係を行い、同時投稿件数は31件あった。第20号より電子情報通信学会データ工学研究専門委員会が共同編集に加わった。

4.総括

 インターネットの普及はわれわれを取り囲む情報化社会を一変させた。モバイル情報機器や無線LANなどのネットワーク関連機器やインフラストラクチャが普及するとともに、WWWに代表されるように多種多様なコンテンツが、刻々とわれわれに提供され、まわりに蓄積されつつある。このような状況下では、異種・大量のコンテンツをどう共有し、検索・利用するかを追及してきたデータベース技術が益々その重要性を増してきている。さらにデータベース技術はこれまでは、考えられなかったような新たな応用分野に適用されつつある。このような背景のもとデータベースシステムの重要性が一層大きくなるとともに、インターネットが普及し、コンテンツがあふれる時代の新しい情報共有のための中枢機構としての新しいデータベースシステム像が求められている。
データベースシステムは、広い範囲でのメディアデータの共有・利用を実現するための中心的なシステムとして位置づけられ、それとともにさまざまな情報・コンテンツの融合に関する研究開発や、関連する情報技術・応用技術との融合に関する研究開発が、今後さらに重要な課題になっていくと考えられる。
データベースシステム研究会は、メディアデータおよびネットワークが形成する新しい情報環境を視野に入れながら、さらに、平成15年度にDBWeb2003での情報処理相互運用技術協会、1月研究会での放送コンピューティング研究グループと連係したように、他分野との連携を積極的に行うことによって、データベースシステム分野の発展拡大に貢献することを目指していく。

5.その他

 データベースシステム研究会は、永続的な情報の共有・検索・利用のための諸技術に焦点をあてた研究会であり、広範なデータ処理技術と応用分野をカバーし、今後データベースや情報検索に対する需要の高まりと共に、益々その守備範囲が拡大していくものと予想される。
そこで、本研究会は、他学会の関連組織(電子情報通信学会データ工学研究専門委員会、ACM SIGMOD 日本支部、日本データベース学会)と一層の連携を強化し、データベース関連の研究者、技術者のコミュニティの更なる発展を目指ざす。

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◆ソフトウェア(SE)工学研究会

[主査:青山幹雄、幹事:田村直樹、中島 震、中谷多哉子]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
3.ワ-キンググループ活動
4.総括
5.その他

 

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◆計算機アーキテクチャ(ARC)研究会

[主査:笠原博徳、幹事:安里 彰、工藤知宏、西 直樹、森眞一郎]

1.定例の研究会活動報告

 平成15年度は、第145~149回の5回の研究発表会を開催し、ほぼ計画(計画値:92件)通りの95件の発表が行われた。以下各研究発表会の概要を報告する。

  • 第145回は 2003年5月8日に慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎にて、一般テーマで開催し、リコンフィギュアラブルシステム、プロセッサアーキテクチャ、コンパイラ、マルチスレッド技術に関して、12件の発表が行われた。また、研究会後、当日会場を用意して戴いた運営委員かつ2004年度よりのARC主査天野英晴先生に、天野研、山崎研の見学会を御設定戴いた。
  • 第146回は、2003年 8月4~6日に松江テルサで並列/分散/協調処理に関する『松江』サマー・ワークショップSWoPP2003 (CPSY、 DC、 OS、 HPC、 PRO、 EVA と同時・連続開催)を開催し、プロセッサ、シミュレーション技術、専用プロセッサと時刻管理、並列処理応用と実装技術、コンパイラ、低消費電力化、予測と投機、メモリシステム、ハイパフォーマンスコンピューティングに関し計27件の発表が行われた。
  • 第147回は、2003年 11月28日に北九州国際会議場にてARC、VLD、ICD、DC、RECONF、 SLDMの6研究会同時・連続開催デザインガイア2003-VLSI設計の新しい大地を考える研究会-として開催し、2件の招待講演、1件のパネル討論と共に、チップマルチプロセッサ、SMPシステム、低電力アーキテクチャに関する11件の研究発表、計14件の発表が行われた。
  • 第148回は、2004年 2月2日に、SHINING 2004というニックネームで"アーキテクチャとコンパイラの協調および一般"をテーマとして、現運営委員・前ARC主査の中島浩先生のアレンジにより豊橋技科大にて開催し、コンパイラ技術、プロセッサアーキテクチャに関し7件の発表が行われた。
  • 第149回は、HPCと共同で2004年 3月1~3日に、第11回「ハイパフォーマンスコンピューティングとアーキテクチャの評価」に関する北海道ワークショップ(HOKKE-2004)とし、運営委員 棟朝雅晴先生にアレンジ戴き北海道大学学術交流会館にて開催された。HOKKE-2004ではネットワークとプロセッサ、グリッド基盤システム、MPI性能評価、クラスタシステム、専用システム、スケジューリング、高速化手法、ストレージシステムと入出力、数値応用、グリッド応用、数値アルゴリズムに関する35件の発表が行われた。
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 ・2003年度先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2003
ARCが主催研究会の一つとなっている第1回のSACSIS2003 (Symposium on Advanced Computing Systems and Infrastructures、主催: ARC、OS、HPC、PRO、AL、CPSY、DE)が、2003年5月28日~30日の3日間、学術総合センター会議場にて中島浩実行委員長、横川三津夫プログラム委員長の下、開催された。SACSISでは、2002年度まで14回開催された並列処理シンポジウム(JSPP)をベースに、先進的計算システム、先進的計算システムを支える基盤技術、実用的基盤システム等をテーマに、オリジナリティ溢れる論文、実装・開発事例等も含め有用性の高い論文、実用性を重視した基盤に関する論文が募集された。論文募集にあたっては、通常論文のLong(Long: Short: 8頁以内)に加え、萌芽的研究段階にある論文の採録を考慮したShort(4頁以内)論文のカテゴリを設ける共に、long論文のACS論文誌への同時投稿も可能とされた。その結果、78件(Long: 69件、 Short: 9件)の応募があり、最終的に43件(Long: 38件、 Short: 5件)の論文が採録されると共に、採択論文の中から3件の優秀学生論文が選ばれた。また、これらに加えWork-in-progress的発表のためのPoster論文(2頁以内)も募集され29件が採録された。また、シンポジウムは、上記の採録論文の発表と共に、分子コンピューティングに関する基調講演、"The Next 700 Billion Smart Physical Objects"と題する特別講演、2件のチュートリアル等が企画され、279名と非常に多くの参加者を集め成功裏に開催された。

3.総括

 平成15年度も例年同様5回の研究会を開催し、上述のような内容に関する95件の質の高い論文と多くの参加者を得、熱気のこもった興味深い議論を展開することができた。15年度の発表論文の傾向としてはリコンフィギャラブル、チップマルチプロセッサ、低消費電力化、コンパイラ、メモリアクセス最適化技術等の発表が多かったことが挙げられる。また、並列分散処理を含めたコンピューティングシステムの新しい展開を目指し、JSPPからSACSISへの発展的移行が成功裡に行われたことも特筆すべき事項として挙げられる。 

4.その他

平成15年度は、JSPPからSACSISへの発展になると共に、従来ARCとHPCが編集/財務責任研究会となっていたHPS(ハイパフォーマンスコンピューティングシステム)論文誌に、平成14年度後半よりOSが参加されるのを機に、ACS(コンピューティングシステム:通称ACS)論文誌へと発展した(HPS7号をACS1号として発行)ACS論文誌の定着の年となり、年4回発行のペースで順調に発行が進められている。平成16年度初回の研究発表会は150回目の開催となるため、記念イベントを企画している。 

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◆システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)研究会

[主査:石川 裕、幹事:木下俊之、河野健二、西尾信彦]

1.定例の研究会活動報告

 

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

3.総括

 

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◆システムLSI設計技術(SLDM)研究会

[主査:寺井秀一、幹事:稲森 稔、木村晋二、築添 明]
1.定例の研究会活動報告

 以下に示す第110~114回の研究発表会を開催した。

  • 第110回:発表件数:10件、5月15・16日、テーマ:システムレベル設計および一般、公立はこだて未来大学、電子情報通信学会(VLSI設計技術研究会(VLD))と共催
  • 第111回:発表件数:31件、10月23・24日、テーマ:システムLSIの応用とその要素技術、専用プロセッサ、プロセッサ、DSP、画像処理技術および一般、山形大学、電子情報通信学会(ディジタル信号処理研究会(DSP)、集積回路研究会(ICD)、画像工学研究会(IE))と共催
  • 第112回(デザインガイア2003):発表件数:47件、11月27・28日、テーマ:システム設計とCAD技術および一般、北九州国際会議場、電子情報通信学会(VLSI設計技術研究会(VLD)、集積回路研究会(ICD)、ディペンダブルコンピューティング研究会(DC))、情報処理学会(計算機アーキテクチャ研究会(ARC))と共催
  • 第113回:発表件数:22件、1月22・23日、テーマ:FPGAとその応用および一般、慶応大学日吉キャンパス、電子情報通信学会(VLSI設計技術研究会(VLD)、コンピュータシステム研究会(CPSY))共催
  • 第114回:発表件数:16件、3月18・19日、テーマ:実時間処理、組込システムおよび一般、産業技術総合研究所、実時間処理に関するワークショップ:RTP2004、電子情報通信学会(コンピュータシステム研究会(CPSY))共催
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 以下に示すシンポジウムを開催した。

  • DAシンポジウム2003:発表件数:52件、7月22~24日、浜名湖遠鉄ホテルエンパイア、SWEST5(組込みシステム技術に関するサマーワークショップ)と同時開催
3.その他の活動

 編集委員会を組織してジャーナル特集号「システムLSIの設計技術と設計自動化」の論文募集、編集を行った。運営委員会を年度内に4回開催し、以上の活動や全体の方針を審議決定した。

 

4.総括

 本研究会は、システムLSIを中心とする電子装置の設計技術、設計自動化技術の研究分野をスコープとして活動している。
平成11年度に実施された「設計自動化研究会」からの改称と、それに伴うスコープの拡大により、活動の活性化が進んでいる。特に、研究会単独主催の「DAシンポジウム」では、組み込みシステム技術に関するサマーワークショップと同時開催することにより、相互に技術交流を図っている。今年度の参加者は、141名である。

5.その他

 本研究会は、今後共、常に時代の要請に的確に応えながら、将来の電子機器の設計およびEDA技術の先端研究開発の交流の場として、皆様のお役に立てるよう一同頑張って参りたいと存じます。今後共ご支援の程お願い申し上げます。活動予定については、下記をご参照ください。
http://www.sig-sldm.org/

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◆ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)研究会

[主査:関口智嗣、幹事:安崎篤郎、高橋大介、横川三津夫]

1.定例の研究会活動報告
  • 第94回 6月13日 東京工業大学すずかけ台キャンパス (横浜市)
  • 第95回 8月4日~6日 松江テルサ (松江市朝日町478-18) [SWoPP2003]
  • 第96回 10月16日 日本原子力研究所 計算科学技術推進センター
    (東京都台東区東上野6-9-3 住友上野ビル8号館7階)
  • 第97回 平成16年3月1~3日 北海道大学学術交流会館小講堂 [HOKKE2004]
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
  • SACSIS2003 5月28日~30日 学術総合センター会議場(東京都千代田区)
  • HPCS2004 1月15日~16日 日本科学未来館 (東京都江東区)
3.総括

 

4.その他

 

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◆プログラミング(PRO)研究会

[主査:村上昌己、幹事:小野寺民也、八杉昌宏、渡部卓雄]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
3.総括
4.その他

 

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◆アルゴリズム(AL)研究会

[主査:徳山 豪、幹事:宇野毅明、藤田 聡、古賀久志]

1.定例の研究会活動報告

 第90~94回の研究発表会を開催し、発表総数は68件であった。発表内容は、グラフ・ネットワークに関するアルゴリズム、計算幾何学、近似アルゴリズム、量子計算、並列・分散アルゴリズム、計算複雑度理論と多岐に渡っている。本研究会では、毎回の研究会における招待講演を平成12年度より継続的に企画・実施しているが、この招待講演が、幅広いアルゴリズム研究における各分野の最先端の動向を研究会参加者が知るよい機会となっている。この企画は来年度も継続し、さらに充実させる予定である。他研究会との連携としては、数理モデル化と問題解決研究会と1回、電子情報通信学会コンピュテーション研究会と1回、同回路とシステム研究会・ コンカレントシステム研究会と1回の連続開催をそれぞれ行い、これら研究会との間の研究交流も行った。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 日韓アルゴリズムと計算理論ワークショップ(WAAC03)を仙台市情報産業プラザにおいて平成十五年7月3日、4日に開催した。ソウル大学K.S.Park教授による招待講演の他、一般発表件数は27件、そのうち海外(韓国、オーストラリア、ニュージーランド)より7件の発表があった。登録参加者数は52名であった。論文、発表は全て英語であり、一般講演の質も国際標準以上であった。プロシーディングスは288ページであり、Proceedings of the 7th Japan-Korea Workshop on Algorithms and Computation というタイトルで出版された。

3.総括

 情報科学・情報工学の土台であるアルゴリズムを研究する研究会として、新規挑戦分野を開拓していくことが重要であり、そのためにも平成12年度より企画している招待講演が非常に役にたっている。第一線のお忙しい先生方に、毎回1時間にわかってよくまとまった講演を頂いており、研究会参加者の増大にもつながっている。具体的には、昨年度実施した有村氏のデータマイニングの招待講演などから動機を受けた研究が多数本年度に発表され、成果として目覚しい。

4.その他

 情報処理の土台となるCS領域の研究会として、継続して基礎分野の充実を図るとともに、新規重要分野の開拓が行われつつある。たとえば、量子計算がその際たるものである。そのためにも、招待講演をさらに発展させた新規分野のチュートリアル開催など研究普及面でのさらなる企画も望まれる段階といえる。また、会員の増加、及び交流の活性化のため、特にコンピュテーション研究会との連動をより密にするよう協議を行い、来年度から実施する事とした。

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◆数理モデル化と問題解決(MPS)研究会


[主査:城 和貴、幹事:秋山 泰、鈴木泰博、中條拓伯、三木光範]


1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

3.総括

4.その他

 

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情報環境領域


◆マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会

[主査:東野輝夫、幹事:勝本道哲、木原民雄、串田高幸、佐藤文明]

1.定例の研究会活動報告

定例の研究会は、以下の通り5回実施した。
第113回DPS研究会/2003年6月19日~20日/三菱電機情報総研(鎌倉市)
第114回DPS研究会/2003年8月28日~29日/東北大学(仙台市)
第115回DPS研究会/2003年11月13日~14日/NTT西日本開発センタ(大阪市)
第116回DPS研究会/2004年1月29日~30日/鳥取環境大学(鳥取市)
第117回DPS研究会/2004年3月4日~5日/東海大学(平塚市)

第113回では、招待講演に東京電機大学の小泉寿男先生をお招きして、Webサービスを活用したビジネス系情報システムの構築技術についての講演をお願いした。第114回は、EIP研究会との合同開催とし、コンテンツ関係の新しい話題について研究者相互の意見交換が行われた。第115回では、NTT西日本研究開発センタの森原一郎所長からブロードバンドアクセスネットワークの今後の展開についての講演が行われ、活発な質疑応答が行われた。第117回は、CSECとの合同開催とし、招待講演として(株)アークン社長の渡部章様から、「組織内部からの情報漏洩の脅威と対策」という興味深い講演を頂いた。また、日本IBM基礎研究所の丸山宏様から「XML、 SOAP、UDDIによるB2B/eマーケットプレースの標準化と将来展望」について講演が行われた。平成15年度の研究発表件数は、招待講演も含めて114件であった。  

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

*マルチメディア、分散、協調とモーバイルシンポジウム(DICOMO2003)
平成15年6月4~6日、於北海道ニュー阿寒ホテルシャングリラ(北海道阿寒郡阿寒町)発表件数:209件(招待講演2件を含む)。参加者316人。
本シンポジウムは、DPS、GW、DSM、MBL、CSEC、ITS、QAI、UBIの8つの研究会の主催、及び放送コンピューティング研究グループの協賛による非常に大規模なシンポジウムとなった。招待講演は、慶応大学の徳田教授によるユビキタスコンピューティングに関する講演と、カリフォルニア大学の須田教授による適応的なネットワークサービスに関する講演が行われ、どちらもホットな興味深い講演であった。今回のデモセッションは24件の展示が行われ、非常に多くの見学者が夜遅くまで熱心に展示の説明を聞いていた。
本シンポジウムにおけるDPS関連発表は、ほぼ4分の1から3分の1程度を占めており、多くのDPS関連の研究者がこのシンポジウムに参加し、交流を深めていることが伺える。

* マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
今回で11回目となった本ワークショップは阿蘇で開催された。51件の論文発表と、1件の特別セッションを合宿形式で行い、79名の参加者のもと真摯な議論が行われた。投稿されたすべての論文は、プログラム委員によって並列査読された。発表は既存の研究分野にとらわれずに、分野を融合した先駆的試みを持つ論文も多く見られ、査読コメントに基づいて改良された論文をベースとした討論は、発表の場として発表者及び参加者の双方にとって有意義であった。
表彰としては、プログラム委員会の審査によりBest Paper Award 2件、Young Researcher Award 3件がおくられた。また、参加者の投票により、Best Presentation Award 3件、Best Conversant Award 2件がおくられた。これらの賞により、優秀な研究成果及び研究者を評価奨励し、活発なワークショップとすることができた。
招待講演としてNTT西日本研究開発センタ所長 寺中勝美氏にご講演を頂き、最新のブロードバンドネットワーク技術の見識を深めることができた点、また、恒例となった合宿形式によるワークショップの実施により、終了時間を意識することのない論文発表に対する深い議論の促進と参加者間の懇親を深めたという点でも、今後の本研究領域の発展に寄与するものと考えられる。

*論文誌「ブロードバンドネットワークサービス」特集
本特集は、ブロードバンドネットワークサービスに関わる領域において、通信品質やプロトコルなどの基礎研究からアプリケーションや実用化を含む研究全般について、最新の研究や開発事例に関する論文を一括して掲載することを目的として企画された。ゲストエディタとして本分野の指導的な研究者である寺中勝美氏(NTTレゾナント)を迎えて編集委員会を組織した。通常の新規独創的な研究論文に加えて、サービスを実現するためにシステムの実装やその評価から得られた有効性や問題点を明らかにし、その有用性を示した論文を積極的に評価する方針とした。41件の論文投稿に対し、編集委員による査読評価の結果、22件を採録とした。最終58%という採択率は、当初の目標としていた60%には若干至らなかったが、採録された論文は、理論、プロトコル、システム構築の方法論、システム評価論文を含め、ブロードバンドネットワークサービスに関する十分な品質の論文を掲載することができたと考えられる。

3.総括

 本研究会では、5回の定例研究会、シンポジウム、ワークショップを通して、研究者相互の交流と研究に対する活発な意見交換の場を提供することができた。特集論文については、非常に多くの方にご協力いただき、遅延のない査読プロセスを進めることができた。ここに改めて、ご協力頂いた皆様に感謝する。今後も、DPS関連研究者の更なる研究の活性化、また国際化への支援を進めていく予定である。皆様の積極的参加とご協力をお願いしたい。

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◆ヒューマンインタフェース(HI)研究会

[主査:増井俊之、幹事:大野健彦、小池英樹、中小路久美代]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
3.総括
4.その他

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◆グラフィクスとCAD(CG)研究会

[主査:斎藤隆文、幹事:岡田 稔、金田和文、山口 泰]

1.定例の研究会活動報告

本年度は4回(第111~114回)の研究発表会を開催した。
●第111回
平成15年5月12日(月)、臨海副都心センター(東京都江東区)
テーマ:CG一般、発表 6件
●第112回(夏の集中研究集会)
平成15年8月18日(月)~19日(火)、大観荘(宮城県松島町)
テーマ:モデリング再考 および CG一般、発表25件
●第113回
平成15年11月25日(火)、日本SGI(東京都渋谷区)
テーマ:ハードウエアによるCG処理 および CG一般、発表13件
●第114回
平成16年 2月12日(木)、学会会議室(東京都港区)
テーマ:実写/計測を利用したCG および CG一般、発表 9件

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

グラフィクスとCADシンポジウムを、6月19~20日に画像電子学会Visual Computing研究委員会と合同で、北九州国際会議場にて開催した。
本シンポジウムは、研究発表と討論を重視するシンポジウムとして高い評価を得ており、本年は過去最高の55件の投稿があった。
時間の制約から、口頭発表とポスター発表合わせて37件を採録した。
一般講演とは別に、日本からSIGRGAPH'03に採択された研究の概要を報告していただく招待講演を2件行った。

3.総括

当研究会では、シンポジウムを合同開催するようになって以来、シンポジウムが著しく活性化され、年間の活動の中心となっている。
それと共に、研究会への投稿件数も増加傾向にある.このほか、研究会登録会員へのサービスとして、以下を実施している。

●「グラフィクスとCAD研究会優秀研究発表賞(GCAD賞)」の授与
毎回の研究会ならびにシンポジウムの一般発表の中から、研究内容と発表の双方の点で優れた論文の発表者を選定し、研究会として表彰する。
山下記念研究賞は、GCAD賞受賞者の中から選ぶ。今年度は、平成14年度発表分から11件を選定し、第113回研究会において表彰式を行った。また、平成13, 14年度のGCAD賞計23件の中から、山下記念研究賞2件を選定、表彰した。

●シンポジウム予稿集の研究会登録会員への配布
平成14年度から、合同シンポジウム予稿集を研究会登録会員に送付している。

     

4.その他

以下の点について、研究会として検討している。
研究会の名称変更
トランザクションの発行
シンポジウム投稿件数の単調増加への対処
若手研究者育成に対する支援

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◆情報システムと社会環境(IS)研究会

[主査:神沼靖子、幹事:阿部昭博、椎名洋充、清水則之]

1.定例の研究会活動報告

 第84~87回の研究発表会を開催し, 34件の発表があった。第84回(6月19日、学会会議室、発表7件)は、市民の視点に立脚した環境保全・福祉・医療・教育分野の情報システムに関する研究発表が行われた. 第85回(9月27日、新潟国際情報大学、発表7件)は、「地域と情報」を特集テーマとして、地域情報化における産官学の役割について理解を深めた。第86回(11月22日、学会会議室、発表6件)は、インターネットを基盤とした情報サービス運用上の諸問題を中心とした研究発表が行われた。第87回(3月23日、専修大学、発表14件)の「若手の会」は、学部生・院生を中心に萌芽的な研究テーマについて議論が行なわれた。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 経営情報学会との共催で、 ソフトシステム方法論(SSM)で著名なランカスター大学教授Peter Checkland氏の来日記念シンポジウム「新しい<新しいシステムアプローチ>:SSMと知識創造」を11月8日、東京工業大学にて開催した。約140名の参加を得て、Checkland氏の30年に渡るSSM適用に関する講演、SSMと知識創造経営、情報システムデザインとの接点についての活発な討論が行われた。

3.総括

 当研究会では、情報システムに対して問題意識を持っている利用者、設計者、開発者などの多様な視点から情報システムの諸問題を議論してゆくことを目的として、活動を行なっている。平成15年度も平成14年度と同様に情報システムの方法論の提案や、具体事例の分析・考察を中心として、上記の通り定例の研究会活動を実施した。また、情報システム研究活性化の新たな取り組みとして、研究会登録会員による分科会活動「情報システム部門のためのモデリング研究」をスタートさせた。

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◆情報学基礎(FI)研究会

[主査:仲尾由雄、幹事:岩山 真、浦本直彦、大山敬三、原田隆史]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
3.総括
4.その他

 

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◆オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)研究会

[主査:渡辺 裕、幹事:高村誠之、内藤 整、永吉 功]

1.定例の研究会活動報告

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 

3.総括

 

4.その他

 

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◆グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会

[主査:星  徹、幹事:関 良明、垂水浩幸、野村恭彦]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
3.総括

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◆分散システム/インターネット運用技術(DSM)研究会

[主査:松浦 敏雄、幹事:樋地正浩、宮地利雄、渡辺健次]

1.定例の研究会活動報告

 第29-32回の研究発表会を開催した。

  • 第29回 4/25(金) 広島市立大学
  • 第30回 9/26(金) 福井大学
  • 第31回 11/26(水) 北九州学術研究都市 産学連携センター
  • 第32回 3/29(月) 千葉大学

 4回の研究会で合計 54 件の発表があり、各回の参加者はいずれも50名を越えている。研究会では、教育用計算機システムの管理運用、広帯域ネットワークの性能や管理、ネットワークのセキュリティ関連、経路制御、無線LANなどの幅広いテーマについて、多くの発表がなされ、活発な討議がなされた。特に、利用者認証、マルチメディア通信、モバイル通信等に関する発表が多く見られ、最近では、p2pのネットワーク管理、SPAM対策関連の発表も見られるようになってきた。
いずれの会場でも、ネットワークのリーチャビリティが確保されているなど、快適な環境下で研究会が開催できた。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 分散システム/インターネット運用技術シンポジウム2004
日程:平成16年 1月22日(木)~ 1月23日(金)
会場:麗澤大学 (廣池学園廣池千九郎記念講堂)
参加人数:64名
プログラム委員長:中山雅哉 東京大学情報基盤センター
実行委員会委員長:牧野 晋 麗澤大学国際経済学部

 今回のシンポジウムは「オープンソース時代の実用的な管理/運用にむけて」を全体テーマとし、招待講演2件、一般講演15件、パネルディスカッション1件で構成した。
招待講演は、宮城直樹氏(警察庁)による「ハイテク犯罪の現状と対策」、および、宮原徹氏((株)ビギネット)による「オープンソースの可能性~現状と課題~」の2件をお願いした。
一般講演は「LAN/WANの管理・運用技術」「オープンソースによる分散処理システム構築・運用技術」等を投稿分野として論文公募を行った。認証方式、無線LANの運用管理、セキュリティ管理とログ解析、メールのスパム対策、センター運用へのオープンソースの適用などに関して、2日間を通じて活発な議論が行われた。
パネルディスカッションでは「オープンシステム活用への提言」のテーマで、坂下秀氏(アクタスソフトウェア)をコーディネータとし、4名のパネリストによる小講演、及び、ディスカッションが行われた。会場からも活発な発言があり、貴重な意見交換がなされた。
また、併設プログラムとして企業展示を実施した。10社からの申し込みがあったが、製品の実演・デモを交えた展示は非常に好評であった。

3.総括

 上記の研究会、シンポジウムに加えて、6/04~6/06に北海道阿寒湖で開催されたDICOMOシンポジウムを共催した。このシンポジウムでも14件の本
研究会に関連したテーマの研究発表が行われた。
また、前年度に引き続いて、本研究会が中心となり、『ユビキタス時代のインターネット/分散システムの構築・運用技術』をテーマとする論文誌特集号を企画し、論文募集を行った。20件の投稿があり、最終的に9件を採録とし、Vol.45、 No.1として発刊した。本研究会が扱う分野の研究を更に活性化するために、来年度も引続き論文誌特集号の発刊を計画している。
研究会活動・シンポジウム等を円滑かつ活発に進めるため年 5回の運営委員会を開催した。

4.その他

 通常の研究会の参加者は常に50名を上回り安定した参加者を得ている。しかし、シンポジウムの参加者数はやや低調であった。参加者数が少なかっ
た理由については、時期の問題が考えられるので、次回のシンポジウムは開催時期をやや早め、12月に開催予定としている。

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◆デジタル・ドキュメント(DD)研究会

[主査:大野邦夫、幹事:市山俊治、今村 誠、根岸寛明]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
3.総括
4.その他

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◆モバイルコンピューティングとワイヤレス通信(MBL)研究会

[主査:高橋 修、幹事:井手口哲夫、井戸上彰、太田 賢、塚本昌彦]

1.定例の研究会活動報告

第25~28回の研究発表会を開催した。
第25回研究会 7月4日 情報処理学会会議室
第26回研究会 9月25、26日 広島市立大学
第27回研究会 11月13、14日 秋田大学
共催:ITS研究会、BCC研究グループ
第28回研究会 3月4、5日 芝浦工業大学芝浦キャンパス

 15年度研究発表会の発表件数は73件と前年度からも着実に伸びており、モバイルコンピューティング研究の広がりと注目を示している。
発表内容は無線システムのリンク層からアプリケーションまでのモバイルネットワークのアーキテクチャ/プロトコルに関するものから、センサや端末技 術、セキュリティなどの要素技術、ウェアラブルコンピューティングや位置情報、コンテンツ配信などの各種アプリケーションなど多岐にわたっている。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

■国際会議 International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU2004)
2004年1月8、9日 NTTドコモR&Dセンター(神奈川県横須賀市)
主催:MBL研究会、BCC研究グループ
協賛:ITS研究会、UBI研究会

 13カ国、52件の論文投稿があり、海外からの参加者12名を含む56名の参加者を集めた。
会議当日は2パラレルセッション、研究発表1件あたり30分での発表が行われ、活発なディスカッションが行われた。本会議発表論文から選抜した論文による論文誌特集号の企画も行った。

■ マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2003)シンポジウム
2003年 6月4~6日 ニュー阿寒ホテルシャングリラ(北海道阿寒郡阿寒町)
共催:DPS, GN,DSM,CSEC,ITS, QAI,UBIの各研究会
協賛:BCC研究グループ  

 346名の参加者が集まり、1997年の開催から最大規模のシンポジウムとなり、大盛況であった。2名の招待講演と207件の研究発表が6パラレルセッションにて行なわれ、それぞれの分野の研究者の間で活発な議論が行なわれた。デモセッションでの23件のデモも盛況であった。

3.総括

 本研究会が発足して7年が経過したが、MBL運営委員会の活動の元、15年度は、4回の定例研究会、国際会議、シンポジウムを通して、大学と産業界の研究者相互の交流と研究発表の場を提供することができた。今後とも、より高度なモバイルコンピューティング環境、ユビキタス通信環境の実現を目指した活発な討論の場として、研究会をより発展・充実させるようにしたい。

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◆コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会

[主査:岡本栄司、幹事:菊池浩明、寺田真敏、村山優子]

1.定例の研究会活動報告

 H15度は、第21回~第24回の研究発表会を開催し、発表件数合計108件にのぼった。このうち、第22回の研究発表会では、セキュリティ分野での学会間の交流を目的とした合同研究発表会を「電子情報通信学会情報セキュリティ研究会(ISEC)」と共に、また、第24回の研究発表会では、研究会間の交流を目的とした合同研究発表会を「マルチメディア通信と分散処理研究会」と共に開催した。いずれの合同研究発表会も、セキュリティの研究視野を広げる上でも有意義であった。平成15年度の発表内容も、電子社会、電子透かし、ネットワークセキュリティ、暗号、セキュリティ評価など多岐に渡っている。Blaster ワームの流布にも起因すると思われるが、相対的に、「侵入検知」「インシデント回避」を研究テーマとする発表が多く見られた。

また、第24回の研究発表会においては、2件の招待講演を実施した。

  • 「組織内部からの情報漏洩の脅威と対策」   渡部 章 (アークン)
  • 「Webサービスとセキュリティの実践」     丸山 宏 (日本アイビーエム)
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
  • コンピュータセキュリティシンポジウム2003 (CSS2003)
    CSS初の3~4パラレルセッションで、北九州市の北九州国際会議場で10月29日~31日にかけ開催した。九州地区で開催したこともあり、韓国からの多数の投稿ならびに参加にも支えられ、参加者総数272名、最終投稿数は特別講演を含み113件、セッション数も特別講演を含み34となり、盛況なシンポジウムとなった。CSS2003の特徴としては研究対象のひろがりと細分化から新しくSecureOS、 RFID、 IDS などのセッションが生まれたことが挙げられる。これらの新たなセッションは研究のシーズからではなく現場の声からの研究ニーズとして生まれたものである。

    CSS2003においては、2件の招待講演を実施した。
    ・ISO15408及びCC認証の現状と動向について         植村 泰佳(電子商取引安全技術研究組合)
    ・韓国におけるセキュリティ研究の現状と動向について    Choonsik Park(National Security Research Institute)
  • マルチメディア、分散、協調とモバイル (DICOMO2003) シンポジウム
    6月4日~6日にかけ、北海道 ニュー阿寒ホテルシャングリラにおいて開催した。DICOMOは、情報処理学会のCSEC研究会を含む多数の研究会が協賛しているシンポジウムであり、ネットワークからセキュリティまで幅広い研究分野をカバーしている。このため、セキュリティについての発表テーマも、セキュリティ管理、セキュアシステムとその実現手段、認証ならびにプライバシ保護と多岐に渡っている。一般講演207件、参加者も300名を超える盛大なシンポジウムとなった。
  • 論文誌「新たな脅威に立ち向かうコンピュータセキュリティ技術」特集
    本特集では、電子空間の進歩と共に出現する新しい脅威を抑え込み、安全な電子空間を創造していくための基礎となる理論、方法論ならびに、実際の応用システムに関する研究論文を一括掲載することを目的として企画し、査読の結果、34件を採録した。
  • 論文誌 「プライバシを保護するコンピュータセキュリティ技術」特集
    本特集号は、2004年8月の発行を予定しており、現在、特集号編集委員会により編集作業を進めている。本特集号においても方法論だけではなく、実システムの評価論文も数多く採録することにより、コンピュータセキュリティ技術の新たな側面を読者に伝えていきたいと考えている。
3.総 括

 研究発表会4回のうち2回を合同研究会形式とし、また、DICOMO2003シンポジウムにも協賛するなど、研究会発足6年目も、学会ならびに研究会間の交流に力を入れ、セキュリティ技術研究の広がりと深みを増すための場の提供に注力した。今後共、時代のニーズに答えるべく、各方面の研究者の意見交流の場の提供、研究の活性化に努めていく予定である。

4.その他
平成16年度は、研究発表会4回(うち地方開催2回)、10月末に札幌(北海道大学)でのシンポジウムCSS2004を開催する予定である。研究発表会では、H15年度に引き続き、第26回「電子情報通信学会ISEC」との合同開催、第28回「マルチメディア通信と分散処理研究会」との合同開催を計画している。また、2005年8月特集号『多様なソーシャル・リスポンシビリティを担うコンピュータセキュリティ技術』発行をめざした特集号編集委員会の立ち上げ、「マルチメディア、分散、協調とモバイル (DICOMO2003) シンポジウム」なども計画している。さらに、2005年に第20回IFIP情報セキュリティ国際会議 (SEC2005: 20th IFIP International Information Security Conference) を開催すべく準備を進めている。今後共、会員の方々には積極的な発表、論文投稿と参加をお願いしたい。

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◆高度交通システム(ITS)研究会

[主査:松下 温、幹事:小花貞夫、小西達裕、関  馨、屋代智之]

1.定例の研究会活動報告
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
3.総括
4.その他

 

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◆高品質インターネット(QAI)研究会

[主査:砂原秀樹、幹事:一井信吾、山崎克之、藤川和利]

1.定例の研究会活動報告

 平成15年度は第7-10回の研究発表会を開催した。本研究会では、電子情報通信学会インターネットアーキテクチャ研究会(IA)およびインターネット時限研究会(IRC)と合同でこれらの研究会の開催を行っている。第7回(5月21日、亀岡・湯の花温泉、発表13件)では、ネットワークプロセッサを特集テーマとして、サーベイ発表や企業での開発事例の発表があり、現状の課題と今後の展望について理解を深めた。第8回(7月7日、大阪大学、発表10件)では、電子情報通信学会光スイッチング研究会およびフォトニックネットワークをベースとするインターネット技術研究会と共催し、光ネットワーク構成技術に関する研究発表も行われた。第9回(10月8日、東京大学、発表12件)および第10回(1月28日、東京・東京ファッションタウン、11件)では、インターネット技術に関する広範囲にわたる研究発表があった。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告
平成15年度は、マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2003)シンポジウム(6月4日-6日、北海道・阿寒湖)を情報処理学会マルチメディア通信と分散処理研究会、グループウェアとネットワークサービス研究会、分散システム/インターネット運用技術研究会、モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会、コンピュータセキュリティ研究会、高度交通システム研究会、ユビキタスコンピューティングシステム研究会と共催した。また、情報処理学会とIEEE Computer Society共催の国際会議 International Symposium on Applications and the Internet(SAINT)の日本側の実質的な運営を担当しており、今年度は1月26日-30日の間、東京でSAINT2004を開催した。
3.総括

 インターネットの広帯域化、無線ネットワークの普及に伴い、P2Pアプリケーションの性能評価、アドホックネットワークにおける経路制御や通信品質制御手法の評価、災害時におけるインターネット利用技術の確立、新たなトラフィック計測技術の確立、不正トラフィックの検出技術の確立など、必要性の高い基礎技術や応用アプリケーションについて広く議論を行った。

4.その他

 今後もIA等の関連研究会との協力関係を維持し、インターネットの基礎技術から応用技術まで広範囲の研究者の交流を目指して、活動を継続していく予定である。

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◆システム評価(EVA)研究会

[主査:福田 晃、 幹事:河野知行、 清水尚彦、 中西恒夫]

1.定例の研究会活動報告

 第6回の研究発表会(平成15年5月30日、東京、発表件数:7件)を開催し、マルチメディアネットワーク、性能測定技法に関する発表があった。第7回の研究発表会(平成15年8月6日、松江、発表件数:5件)をSWoPPの一貫として開催し、ゲノム関係のグリッドコンピューティングなどの発表があった。第8回の研究発表会(平成16年3月18日~19日、九州大学、発表件数:15件)を開催した。ハードウェアアーキテクチャの性能評価の発表が多くあった。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 平成15年度は実施なし。

3.総括

 システム評価研究会は、性能評価だけにとどまらず、幅広い多様な観点からの評価を目的としているが、性能の観点からの発表論文が多かった。今後、幅広い観点からの議論の場を提供したい。

4.その他

 登録会員数が少ないので、今後会員獲得に努め、より活性化していきたい。

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◆ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会

[主査:徳田英幸、幹事:中島秀之、車谷浩一、戸辺義人、斉藤健]

1.定例の研究会活動報告

 平成15年度は,第1~3回の研究発表会を開催し、合計69件(内招待講演2件、デモ7件)の発表がなされた。

 第1回研究会は、平成15年4月25日に産業技術総合研究所臨海副都心センターにて開催した。一般講演12件の他に、University of Karlsruhe のAlbert Krohn氏による招待講演(TecO Labs)が行われた。ユビキタス環境を実現するアーキテクチャ、コンテンツ配信、センシングベースによる身体のモデル化等に代表されるユビキタスサービス、位置情報システムに関する発表を中心に、活発な議論を行うことができた。
第2回研究発表会は平成15年11月18~19日に、京都リサーチパークにて開催した。合計35件の講演、及び7件のデモがあり、非常に盛況であった。後述するUCS(International Symposium on Ubiquitous Computing System) 2003、および知的で動的なインターネットワーキング公開シンポジウム(IDIN)と同一会場での開催とした。アーキテクチャ、社会システム、位置情報/動線解析、サービス指向コンピューティング、ネットワーク・通信、ユーザインタラクション、ミドルウエアの各講演セッション、及びデモセッションを設け、各分野の講演、及びデモが行われた。
第3回研究発表会は平成16年1月20日に、東京電機大学にて開催した。一般講演13件の他に、東京大学の板生教授による招待講演(ウエアラブルの近未来)が行われた。位置情報、コンテキスト依存サービス、センサネットワーク、RFタグ、ユビキタス認証等の多岐にわたる発表がなされた。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 UCS(International Symposium on Ubiquitous Computing System) 2003が平成15年11月17日に京都リサーチパークにて開催した。キーノート講演1件、招待講演4件、パネルディスカッションという構成で、国内外から5名の講演者を招いて開催した。Smart-Its、デジタルシティ等のユビキタスコンピューティングに関する先進的なプロジェクトや、ユビキタスコンピューティングのプログラミング環境等の検討が紹介、議論された。同日夜には懇親会も開催し、一層の交流を図ることができた。
また、平成15年6月4日(水) ~ 6日(金) に北海道・ニュー阿寒ホテルシャングリラにて、共催の形でDICOMO2003(マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム)を開催した。

3.総括

 本年が研究会設立1年目の活動であった。上記のように、計3回の研究会、1回の単独主催シンポジウムをはじめとした活動を行った。発表60件、デモ7件、招待講演7件、パネルディスカッション1件の開催を行い、活発な議論を行うことができた。発表内容も、位置情報や実空間情報(センサ情報等)との連携、新しいソフトウエアプラットホームやWebサービス、情報家電システム、コンテンツ、都市空間等の分野にわたり、ユビキタス(遍在)コンピューティングシステムの幅の広さを証明するものであった。また、国際シンポジウムの開催も行い、世界各地のユビキタスコンピューティングシステムの研究アクティビティの紹介を行った。これらの活動を通して、各分野の研究者の議論・交流の場を提供できたと考える。

4.その他

 本年は4月に映像情報メディア学会コンシューマエレクトロニクス研究会との共催の研究会、6月に電子情報通信学会URON研究会との共催の研究会、11月にUCS2004シンポジウムと同時開催の形での研究会、3月にモバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会との共催の研究会の開催を予定している。学会、研究会をまたがった連携を今年度も追及していきたいと考えている。

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◇放送コンピューティング(BCC)研究グループ

[主査:水野忠則、幹事:岡田謙一、菅 隆志、楠見雄規]

1.定例の研究会活動報告

 第5~7回の研究発表会を開催した。第5回は単独、第6回はITS、MBL研究会との共同開催、第7回はDBS研究会との共同開催という形で実施した。発表内容は、放送型情報サービス、データ放送、通信放送融合方式をはじめとした放送コンピューティングに関する各種要素技術や放送コンピューティングを応用した各種アプリケーションなど多岐にわたっている。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

○マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2003)シンポジウム
(2003/6/4-6 阿寒湖温泉 ニュー阿寒ホテルシャングリラ)
研究グループとして上記シンポジウムに協賛した。このうち2セッション(CDN、インターネット放送)の運営を担当し、合計で8件の発表があった。

○First International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU 2004)
(2004/1/8-9 NTTドコモ R&Dセンター)
研究グループとしてMBL研究会と上記小規模国際会議を共催した。このうち1セッション(Broadcast Communications)の運営を担当し、合計で3件の発表があった。

3.総括

本研究グループの関連するFTTHなどのブロードバンドネットワークやモバイルネットワーク上での放送サービスや地上波デジタル放送サービスの急速な実用化が予想されており、本研究グループに関連するテーマは大きく広がっていくことが予想されている。また、平成16年度は、平成15年度に継続して研究会を行うとともに、関連研究会とのシンポジウムの協賛や小規模国際会議の共催を予定している。

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フロンティア領域


◆自然言語処理(NL)研究会

[主査:島津 明、幹事:奥村 学、内元清貴、白井清昭]

1.定例の研究会活動報告

 第155~160回の研究発表会を開催した。5月の研究会はSLP研究会と合同で東京工業大学において開催し、一般発表に加え音声対話に関する言語処理の特別セッションを開いた。このテーマに関する7件の発表があり、有意義な議論が展開された。9月にはFI研との合同研究会を国立国語研究所にて開催し、基盤・要素技術、オントロジ・抽出、コーパス分析・構築などの研究発表が行われた。11月には、電子情報通信学会のNLC研究会と合同で通信総合研究所のけいはんな情報通信融合研究センターにおいて開催し、25件という多数の研究発表があった。他の3回の研究会は単独で開催し、解析、生成、言い換え、辞書、コーパス、抽出、言語獲得、分類などの言語処理の基礎技術からテキスト検索、要約、質問応答、機械翻訳などの応用まで幅広く発表が行われ、活発な討論があった。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 平成15年度は実施なし。

3.総括

 平成15年度も6回の研究会を開催した。発表申込、参加申込とも順調で、116件の発表と390名の参加者があった。開催の半数を他学会(電子情報通信学会NLC研究会)および他研究会(SLP、FI)と協賛する方式、および、隔月で関東方面とその他の地域を交代で開催地とする方式も定着し、自然言語処理に関する代表的な研究発表の場として機能している。

4.その他

 今後も、年6回の関東およびその他地域での開催、他研究会との合同開催を進める予定である。

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◆知能と複雑系(ICS)研究会

[主査:沼尾正行、幹事:小野 哲雄、河野 浩之、栗原 聡、川村 秀憲]

1.定例の研究会活動報告

 第133-135回の研究発表会を開催した。人工知能学会知識ベースシステム研 究会、電子情報通信学会人工知能と知識処理研究会、JAWS(合同エージェント ワークショップ&シンポジウム)2003との共催により、先端的な研究領域をテー マとした研究会をオーガナイズした。  

  • 第133回は「アクティブマイニングおよび一般」というタイトルで、知識ベー スシステムおよび人工知能と知識処理研究会との共催で、韓国の済州大学で9 月14日~16日の三日間に渡って開催し、33件の発表があった。論文および発表 は英語とし、韓国およびタイの参加者と招待講演者を交え、60名程度が出席し て、活発な議論が行われた。  
  • 第134回は、JAWS2003の1セッションとして、知識ベースシステム研究会との 共催で、10月8日に淡路夢舞台国際会議場で行われた。特集テーマは「ヒュー マンエージェントインタラクション (HAI)」であり、10件の発表が行われた。 各発表は、人と人工物 (エージェント、ロボットなど) のインタラクションや、 両者の間のインタフェースに関する質の高いものであった。  
  • 第135回は北海道のニセコ町にある「ニセコいこいの村」にて行った。発表 者は35件、参加者は総勢40名強であった。研究会テーマは、「社会システムに おける知能」であり、単に社会システムの分析への人工知能技術の応用にとど まらず、広く社会システムの中へ人工知能技術がどう介入していくべきかにつ いて発表・議論が行われた。
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 平成15年度は実施なし

3.総括

 全ての回で特集を組んだ結果、発表者および参加者は予想以上に多く、極めて活発な討論がなされた。韓国での開催は昨年に続く二回目であり、研究会と国際会議の垣根を取り払う試みとして好評で、平成16年度はベトナムで開催す ることになった。

4.その他

 次年度は、4回の研究会開催を予定している。昨年度同様、JAWS-2004での HAI 特別セッションを始め、ネットワークで創発される知能に注目した研究会 も開催し、より先進的な分野を開拓していく予定である。具体的な開催時期と テーマは、以下の通りである。
・ 第136回 平成16年 8月 「ネットワークが創発する知能」軽井沢
・ 第137回 平成16年10月 「HAI」軽井沢
・ 第138回 平成16年12月 「アクティブマイニング」 ハノイ
・ 第139回 平成17年 3月 「社会システム」 北海道

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◆コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)研究会

[主査:横矢直和、幹事:村上和人、八木康史、山澤一誠、和田俊和]

1.定例の研究会活動報告

 第138~143回の研究会を開催した。本年度は、以下のテーマ別オーガナイズドセッションを企画し、毎回100名前後の聴講者があり、熱心な討論が行われた。

  • 第7回(2003年7月):顔-モデリングと認識・合成-
  • 第8回(2003年11月):街を観る(1)-街の監視と状況理解・診断-
  • 第9回(2004年1月):街を観る(2)-街のモデル化と視覚化-

また、若手研究者の育成を目的に一昨年度に開始した企画として、前年度学部を卒業し修士課程に進学した学生を対象とした特別セッション「卒論セッション」を2003年5月にその第3回目を開催した。この特別セッションは、学部課程で研究してきた内容(卒業論文の内容)をポスター形式で発表するものであり、本年度の発表数は23件であった。そして、優秀な発表に対して、研究会より最優秀賞ならびに優秀賞を授与した。以下は、第3回卒論セッションの受賞者である。

  • 最優秀賞 (1名)
    【138-11】題名:疎な全周囲画像列からの密な3次元形状モデルの生成
    著者:○保田和隆、右田剛史、青山正人、椋木雅之、浅田尚紀(広島市立大)
  • 優秀賞 (2名)
    【138-3】 題名:複数平面上の視体積交差判定に基づく浸入検知システム
    著者:○川端 聡、日浦慎作、井口征士(阪大)
    【138-6】 題名:未校正多視点画像からの多面体表面モデルの直接復元法
    著者:○山口義隆、斎藤英雄(慶大)
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 平成15年度は実施なし。

3.情報処理学会論文誌:コンピュータビジョンとイメージメディアの報告

 本年度は、第6~8号を発行した。いずれも、平成14年度に実施した研究会テーマ別オーガナイズドセッションおよび第6回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2002)と連携した特集号である。特に、第6号では、MIRU2002において選定された優秀論文を対象とした推薦論文のみからなる特集号を組んでいる。また、第8号では、研究会における優秀発表を選出した研究会推薦論文を合わせて掲載した。

  • 第6号 「特集:MIRU2002優秀論文」(2003年4月発行)
  • 第7号 「特集:画像の認識と理解」(2003年7月発行)
  • 第8号 「特集:ロボットビジョン」+「研究会推薦論文」(2003年12月発行)
4.総括

 本年度は、研究会、MIRU、研究会論文誌の連携が研究会論文誌におけるMIRU2002優秀論文特集号という具体的な形として結実した。また、若手研究者の育成を目的とした研究会における卒論セッションと研究会論文誌における研究会推薦論文制度が軌道に乗ってきた。

5.その他

 次年度は、我が国を代表する画像関係の研究集会となった第7回画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2004)を2004年7月に電子情報通信学会パターン認識・メディア理解(PRMU)研究専門委員会と共催するため、5回の研究会開催を予定している。2004年5月の第144回研究会では、若手研究者の育成を目的として、恒例の卒論セッションに加えて、前年度の博士学位取得者を対象とした新たな試みとして特別セッション「D論セッション」を企画している。さらに、関連する他学会研究会との連携を強化するために、2004年9月にはFIT2004と連動して、共通テーマによるPRMU研究会との研究会レベルでの共催を予定している。次年度のオーガナイズドセッションで予定しているテーマは以下の通りである。

  • 第10回(2004年9月):コンピュータビジョンのためのパターン認識・学習理論の新展開
  • 第11回(2005年1月):高度センシングに基づくコンピュータビジョン
  • 第12回(2005年3月):人を見る、視る、観る、看る、診るコンピュータビジョン

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◆コンピュータと教育(CE)研究会

[主査:川合 慧、幹事:角田博保、佐野 洋、辰己丈夫、西田知博]

1.定例の研究会活動報告

 第69~73回の研究発表会を開催した。第69回から順に、大阪学院大学、電気通信大学、長野大学、東京農工大学、学会会議室での開催であり、全体で50件の発表があった。前年と比べて、とくに12月と2月の発表件数が増加している。後述の夏の情報教育シンポジウムにおいても、招待講演を除いて35件の質の高い研究発表があり、研究発表活動が年を追って活発化して来ていると言える。

 昨年度とくに顕著になってきた傾向としては、実際的なeラーニングを目指す研究、教育・学習支援システムや教材コンテンツの研究、教育現場の環境を高度化する研究、HCI(Human-Computer Interaction)とも関連して、教材やシステムに意味論的な視点を持ち込む研究、などが盛んになってきたことである。また、新学習指導要領の中の高等学校「情報」に関しては、概念的な議論から実際の教育実践内容と方法とに関心の重点が移ってきており、実際的な分析研究も見られるようになってきた。さらにこれらを意識しながら大学教育を考える傾向も強まっており、2006年度への対応の必要性が強く認識されるようになってきているといえるであろう。

2.シンポジウムの報告

 平成15年8月22日~24日に「情報教育シンポジウム SSS2003」を静岡県浜名湖 畔のスズキ荘観月園で開催した。これは、当研究会が主催するシンポジウムと しては5回目となるが、副題である「情報教育を育てる・情報教育で育てる」 が示すとおり、変革期にある情報教育について、“情報教育”に関わる三つの 軸 — 学校教育サイド、研究者サイド、教具教材開発サイド—が、立場の差異 を認識しつつもその境界を乗り越えて語りあうという趣旨で開いたものであり、 SSS99以来、熱気のこもった合宿型研究発表会となっている。今回も、査読制 の基で、240ページに上る論文予稿集を初日に配布し、二泊三日にわたって深 更まで議論するという厳しいものであったが、114名に上る参加者があり成功 した。全体セッションが9、分科会セッションが2、そして、いまではすっかり 名物となったナイトセッション2とレイトナイトセッションが、ビールサーバ の活躍のもとで開かれた。内容的にも優れた論文が多く見られ、併設した企業 展示ともあいまって、充実したシンポジウムとなった。 

3.総括

 平成15年度は、前年度から始まった「初等中等教育における情報教育」への 対応から、より高度な「大学などにおける情報教育」へと力点が移る動向を引 き継いだ年である。発表された研究会論文は、実用性や先見性の点で従来とは 違った特徴と充実が見られるようになり、これからの発展が期待される。 研究会の登録会員数に比べて発表件数が多いとは言えない状況については、 研究会の開催数の増加と開催地の選定への配慮をおこなったが、一層の改善が 求められていると認識している。ただし、単に件数を増加させるだけではなく、 近年の教育観の変化と、情報社会に対する洞察を根底において、独創的な研究 活動の支援を発展充実させることを目標にしている。以前から検討を重ねてい た論文化推進委員会の活動によって、研究会発の研究論文を数多く世に出す活 動も継続して行なっている。

4.その他

平成12年度から始まった研究運営委員制度について、前主査の基本方針、す なわち単なる情報収集から主体的参加者への転換が次第に浸透・定着してきた。 具体的には、運営委員の研究会運営への積極的な参加、たとえば運営委員会へ の出席、研究会発表の推進、シンポジウム他の活動への積極的な寄与、などの 機運が高まり、研究会の主体性が確立してきた。その結果、たとえば発表会の 司会に若手で意欲的な研究者を当てることが出来るようになり、討論の内容も 深まってきた。

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◆人文科学とコンピュータ(CH)研究会

[主査:桶谷猪久夫、幹事:安達文夫、村上晴美、吉岡亮衛]

1.定例の研究会活動報告

 第58-61回の研究発表会を開催した。

  • 第58回:上野市労働会館(三重県上野市)、発表件数11件、参加者37名
  • 第59回:電気通信大学(調布市)、発表件数8件、参加者37名
  • 第60回:大谷大学(京都市)、発表件数9件、参加者41名
  • 第61回:山口大学(山口市)、発表件数8件、参加者31名 総発表件数:36件、参加者総数:146名  
発表は人文科学の諸分野を対象としたデータベース、その情報共有、日本舞踊における動作の感性情報処理、色彩情報の分析、文字認識システムなど多様な研究に関する発表であった。特記すべきは、現実の人文系コンテンツを実際に扱った話題が数多く見られるようになって来た。
2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 12月17日(水)、18日(木)の2日間、『デジタルアーカイブ -情報資源の活用と共有の深化をめざして-』をテーマに、国立歴史民俗博物館にて第5回人文科学とコンピュータ(じんもんこん2003)シンポジウムを開催した。投稿論文は33件(前年度比4件減)であったが、3件が今回のテーマとずれるものがあり、不採択とした。最終的に30件の一般講演となった。論文内容については、これまでと同様に細かな制約を設けず、事例や経験の発表も可としたが、引き続きこの分野の関心の高さを示す結果となった。シンポジウムは、これらの一般講演だけでなく、国立歴史民俗博物館・館長の宮地正人教授による基調講演(デジタルーカイブによせる夢)と北海道立文書館・主任文書専門員の青山英幸氏による招待講演(コンピュータ社会におけるアーカイブズ -Metadata means better data- )を設定した。一般講演は2つのパラレルセッションで実施したが、発表件数が多く、また2つの会場が離れていることによる物理的な問題や討論時間不足もありやや十分な議論が行えなかった。今後の引き続きの課題である。また、テーマ設定の重要性についても、主催者側全員の共通の認識となった。

3.総括

 平成15年度は、定例の4回の研究会と1つのシンポジウムを開催した。登録者数は約300名で毎年微増傾向にあると思われる。本研究会は設立以来、地方開催を旨としているが毎回登録者の一割前後が研究会に参加し、熱心な討論が行われてきた。本年度から、地方開催のみでは、常時参加が難しいとの意見もあり、2回は地方開催、2回は関西地方と関東地方での開催に変更した。このような境界領域の研究会としては他に同様の学会もなく、一定の寄与をなしていると考えている。
また、発表内容からは人文科学の研究現場で使われているコンテンツにもとづく確実な成果が報告されるようになって来ている。これは本研究会のひとつの目標としてきた人文科学者と情報関連科学者とのコラボレーションによるものである。しかし、データベース構築などが人文科学分野の研究に新たな視点を与え、新しい研究課題・方法を生み出す契機となり、コンピュータ応用技術やインターネット利用技術を新たな段階へ進展させる意義を持ったのかを検討する時期でもある。

4.その他

 本研究会は人文科学と情報処理技術応用の境界領域の研究会として、他に同じような学会もなく一定の成果を挙げて来たと自負している。一方、研究分野として人文科学と情報諸分野との学際領域として成立するか否かを問いつつ、一層の人文科学者と情報関連科学者とのコラボレーションによる研究の発展を目指したい。平成16年度のシンポジウムは、12月 10・11日(予定)に立命館大学において、新テーマで開催する準備を進めている。

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◆音楽情報科学(MUS)研究会

[主査: 片寄晴弘、幹事: 西本一志、平賀瑠美、 莱 孝之、 堀内靖雄]

1..定例の研究会活動報告

 第50~54回の研究発表会を開催した。平成15年度は本研究会が活動を開始して から10周年となる。その記念行事として、パネルディスカッション、特別講 演、招待講演、シグムスコンサート等の企画・運営を行った。また、論文誌に て、音楽情報科学特集号を組み、2004年3月号として発刊した。 年間発表件数(研究報告目次掲載分)は74件であり、例年と比べても活発な研 究会運営となった。各研究発表会の内訳は以下の通り。

  • 第50回(5月16日:情報処理学会会議室)  発表8件と特別講演とパネルデ ィスカッション。
  • 第51回(8月4・5日 :東京大学) 発表15件とパネルディスカッション。
  • 第52回(11月7・8日:北陸先端大学) ヒューマンインタフェース研究会 と共催。発表20件と招待講演。
  • 第53回(12月20・21日:静岡文化芸術大学) インターカレッジ・コンピ ュータ音楽コンサートと共催。発表13件。コンサート19作品、展示若干。
  • 第54回(3月4・5日:神奈川県民ホール)シグムスコンピュータ音楽シン ポジウム2004(SCMS2004)と共催。発表15件、コンサート12作品、展示若干。

 研究会参加者人数は昨年度の平均を大きく上回り、59人であった。本年度 は、計5回のうち、4回が二日プログラムであったこと、コンサートやSIGHIと の共催を実施したことなどが、その理由としてあげられる。例年同様、自動作 曲・編曲、作曲支援、音楽分析、自動伴奏、自動演奏、演奏モデル、音色合 成、物理モデル、自動採譜、音楽検索、音楽情報処理システム、メディア情報 処理システム、音楽認知・理解、等、音楽情報科学全般にわたり幅広い発表が あった。

2.シンポジウム・小規模国際会議等の報告

 第54回のシグムスコンピュータ音楽シンポジウム2004および、その連携イベン トとしてのチュートリアルを実施した。

3.総括

 本年度は本研究会10周年を記念し、パネルディスカッションや招待講演の企画と実施、「夏のシンポジウム(8月に開催される二日プログラムの通称)」に おけるプレゼンテーション賞の開設、さらには、論文誌特集号「音楽情報科学」の発刊など、積極的な運営を実施してきた。これらの取り組みについて は、研究会会員からの評価も高く、その結果は会員数の増加という形で現れた。本年度は11年目を迎えるが、引き続き、発展的な研究会運営を行っていきたい。

4.その他

 本年度の「夏のシンポジウム」にて、学生の無料聴講に関する試行を行ったところ、出席者の増加、研究会登録・本学会への入会者の増加など、目に見える成果が確認された。現在の研究会登録の制度改革におけるケーススタディとして貢献できたと考えている。論文誌特集号「音楽情報科学」については、今回で2回目の企画となる。前回および今回とも、当初計画以上の数の論文が投稿された。研究領域の活性化等の観点から、時代の要請に応えることができたと考えている。この分野は、発展途上であり、その中心的研究テーマは、今なお、流動的である。今後しばらくは時宜にかなった論文特集号を出していきたい。また、この分野の特質として、音響や映像を評価の対象の一部とし、さらに、それらを付録CD-ROM、DVD-ROM等で配付する方向を検討していきたい。

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◆音声言語情報処理(SLP)研究会

[主査:小林哲則、幹事:伊藤克亘、中村 哲、畑崎香一郎]

1.定例の研究会活動報告
第46~50回の研究会を開催し、合計91件の一般講演、17件の招待講演(プロジェクト紹介を含む)が行われた。
  • 第46回:一部を自然言語処理研究会(NL)と合同で開催した。「自動車内音声対話」をテーマとし、12件の一般講演(一部一般テーマ)が行われた。
  • 第47回:柴田正啓氏(NHK技研)による、「メタデータの標準化とその応用」と題した招待講演と、中川聖一氏(豊橋技科大)、 河原達也氏 (京大)による「音声応用分野の今後の研究課題--セマンティックデジタルアーカイブのための音声・映像・言語の統合的処理--」と題した特別講演行われたほか、17件の一般講演が行われた。
  • 第48回:ディクテーションシステム、対話システムなどを中心に、6件の一般講演があった。
  • 第49回:第5回目となる「音声言語シンポジウム」の形式で開催された。(電子情報通信学会音声研究会・言語理解とコミュニケーション研究会、音声研究会と共催。)今井むつみ (慶大)氏による「子どもは新奇な名詞・動詞をどのようにアクションイベントに対応づけるのか」、酒井邦嘉氏 (東大)による「脳の文法処理と再帰的計算 --言語の脳科学をめざして--」の2件の招待講演と47件の一般講演があり、熱心な討論が行われた。また、本年度、大規模音声関連プロジェクトのプロジェクトリーダによるプロジェクトの総括や企画の紹介が行われた。
  • 第50回:10週年記念研究会。音声言語情報処理分野を支えてきた、竹林洋一氏( 静岡大)、畑岡信夫氏 (日立)、新田恒雄氏 (豊橋技科大)、中川 聖一氏 (豊橋技科大)、松本裕治氏 (奈良先端大)等代表的研究者を招き、ヒューマンインタフェース、インフラ、マルチモーダル対話技術、音声処理、言語処理などについて、発展の歴史、現状と将来についてご講演いただいた。また、これらの講演者をパネラとしてパネル討論を行った。その他、9件の一般講演が行われた。
2.シンポジウム・小規模国際会議の報告

 平成15年度は実施なし。

3.総括
本年度は、これまで本研究会の下で活動を続けてきた連続音声認識コンソーシアムの最終年度であった。コンソーシアムは、研究インフラとしてのデコーダの開発を行うとともに、その普及・教育活動を行ったもので、音声言語情報処理研究の裾野を広げ、関連分野の研究を活性化することに大きく貢献したものとして高く評価できる。
5年目を迎えた12月開催の「音声言語シンポジウム」は、一定の評価を得て、企画として定着してきた。本年度も、優れた招待講演とともに、一般講演の数も増え、益々充実してきた感がある。
4. その他

 昨年度に引き続き、雑音音声認識ワーキンググループが、国際コンテストに関する啓蒙活動や共同研究報告など、順調な活動を続けた。今後益々の成果が期待できる。

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◆電子化知的財産・社会基盤(EIP)研究会

[主査:安田 浩、幹事:河原正治、中野 潔、山下博之]

1.定例の研究会活動報告

 以下の通り、第20~23回までの4回の研究会を開催した。

  • 第20回:9月28日、29日 東北大学 片平キャンパスにおいて開催。マルチメディア通信と分散処理研究会と合同。総発表件数27件。
  • 第21回:11月29日、早稲田大学 西早稲田キャンパスにおいて開催。発表件数5件(招待講演、特別講演2件を含む)。
  • 第22回:1月15日、16日 情報処理学会 会議室(東京・芝浦)において開催。グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会と合同。総発表件数16件。
  • 第23回:3月8日、大阪市立大学 梅田サテライトにおいて開催。発表件数8件(招待講演1件含む。航空機欠航による欠席1件含む)。
2.シンポジウム・小規模国際会議の報告

 「電子政府に向けての社会基盤 シンポジウム」を開催した。6月21日(土)に、東京大学 先端科学技術研究センターで開催した。講演が11件で、約80人の参加があった。

3.総括

 平成15年度は、昨年度に引き続き、合計4回の研究発表・議論の場を提供し、また、シンポジウムを開催して、学術面、実務面の両面からの論点喚起に務めた。いくつかの研究会では、招待講演を設定して、タイムリーな話題を総合的に紹介することに心がけた。また、計2回の研究発表会を、他の研究会との合同開催とした。これにより、それらの研究会との境界領域のテーマでの発表が喚起された。
また、第23回は、相手が情報処理学会内の研究会ではないので、完全な合同開催というよりは協賛に近いものではあったが、関西CANフォーラムと手を携えながら開くことができた。この関係で、地域情報化やデジタルアーカイブといった論点にも目を向けることができた。
発表テーマとしては、平成14年度に引き続き、コンテンツ流通やeビジネス(業務プロセスにおけるデジタルネットワークの活用を含む)に関するものが多かった。一方、個人情報保護、デジタルアーカイブに関する技術的・法的課題に関する研究発表が増えてきており、新たな分野の取り込みへの意欲が感じられる。電子政府のシンポジウムの盛況も、特筆しておくべきであろう。平成16年度には、無線ICタグをめぐる法的課題など、新しい視点での研究発表が増加すると考えている。

4.その他

 本研究会の特徴として、情報通信技術の研究者だけではなく、法学者/弁護士、ジャーナリスト、行政関係者など、多方面からの参加者も交えて、オープンな討論が行われる点があげられる。平成16年度も同様に4回の研究発表会を開催し、活発な議論の場を提供していく予定である。また、平成16年度には、情報処理学会内の研究会との合同開催のほか、他の組織との共催にも力を入れていきたい。

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◆ゲーム情報学(GI)研究会

[主査:松原 仁、幹事:田中哲朗、伊藤毅志、中村貞吾、中津良平]

1.定例の研究会活動報告

 第10回の研究会は、コンピュータ囲碁フォーラム主催の「世界コンピュータ囲碁大会岐阜チャレンジ」の翌日(8月4日)に岐阜県大垣市のソフトピアジャパンで開催された。発表件数は10件であった。地方開催であったが、上記イベントと連続開催であったこともあり、多数の参加者があった。発表内容は、囲碁研究3件、将棋研究1件、他6件と多岐に渡った。第11回の研究会は、3月8、9日の2日に渡って、電気通信大学で開催した。この回では、人工知能学会人工知能基礎論研究会と日本バーチャルリアリティ学会エンターテイメント研究会と当研究会との3研究会共催という形で行われ、17件という多くの発表件数があった。発表の内容も伝統的な思考ゲームやTVゲームに関する発表や新しいエンターテイメント技術の発表などバリエーションに富んだ発表であった。参加者も非常に多く、盛況だった。

2.シンポジウム・小規模国際会議の報告

第8回ゲームプログラミングワークショップを11月7日から9日まで2泊3日の泊り込みで箱根の仙石原セミナーハウスで行なった。56名の参加者、27件の発表が集まり盛況であった。このワークショップは1994年にコンピュータ将棋協会の主催で始まって(国内でゲームの国際会議のないときは)毎年実施されている。本研究会の母体になった活動で、ゲーム研究の関係者にとっては、時間に拘束されずゆっくり情報交換ができる年に1度の貴重な機会として定着している。今年は、2件の招待講演(ゲームプログラマーと将棋プロ棋士)があり、会員にとって非常に有益なお話を伺う機会が得られた。また、夜にはコンピュータ将棋協会が主催するLAN機能を用いた通信対局実験を兼ねた「GPW杯のコンピュータ将棋大会」も開催された。

3.総括

研究会は発足後5年が経過し、関係者の発表の機会を与えるものとして定着してきた。発表の内容を見ると、将棋や囲碁などの伝統的なゲームを題材にしたものだけでなく、ロボカップサッカーや新しいゲーム(最中限など)、不完全情報ゲーム(じゃんけんなど)などを題材とした研究が増え、また、画像処理技術などのエンターテイメント関連の技術的な研究報告も多くなり、ますます広がりを見せている。これらの研究テーマは、これからの情報処理技術にとって重要な貢献を果たすと考えられるので、さらなる発展が期待される。

4.その他

3月に行われた情報処理学会全国大会では、2日目に「エンターテイメントコンピューティング」というタイトルで特別セッションが組まれた。中津良平氏による基調講演と個性的で先進的な新進気鋭の研究者によるパネル討論が行われた。パネル討論では、各研究者が行っている最新のエンターテイメント技術の紹介が行われ、多くの聴衆を集めた。情報処理学会としても力を入れているエンターテイメントコンピューティングの活動としては、(2003年度は行われなかったが)国内で二回目のワークショップとなる「エンターテイメントコンピューティング2004」が、2004年8月20日から22日まで、ゲーム情報学研究会主催で、はこだて未来大学で開催される予定である。この分野とも引き続き連携して活動を行っていく。

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