2017年07月03日版

「情報処理学会〜変わるなら今でしょ〜」

中川 八穂子(総務担当理事)

 私の総務担当理事としてのスタートは、2016年6月3日の定時総会の直前の理事会でした。総会では私が入社したころの先輩に30年振りにお会いすることができ、こういう場は貴重なのだと実感しました。それから早1年が過ぎ、理事にならなければ分からなかった学会運営側の活動実態や課題、魅力が見えてきました。

 総務担当理事の役割は「学会運営に関する全般」ですが、学会運営実態については、事務局にいらっしゃる事務局長や職員の方々のご教示なくしては理解できません。実態把握なくして改善ありえず、今後もコミュニケーションよく連携していきます。

 運営側の抱える最も大きな課題は、学会誌購読中心の産業界の会員の皆様に対し、学会価値をうまく示せていないということです。日経コンピュータ(2006.1.23号)の「IT関連学会の憂鬱〜遠ざかる産業界との“距離”」という特集記事から約10年がたち、本学会でも各種セミナー/ITフォーラム/ディジタルプラクティス/CITP認定等のITエンジニア向け活動を展開していますが、残念ながら企業所属の正会員は減少の一途です。現在ではITベンダ主催のユーザ参加型勉強会や、米国有名大学のオンライン講義等さまざまなイベント/コンテンツもあり、本学会の体質を根本的に見直す時期にきているといわざるを得ません。難しい問題ですが、16年度も中長期戦略として時間をかけて議論をしてきました。

 また、産業界で本学会に興味を持つ方に対する課題として、相談したいことがあるが本学会のどこに期待する専門家がいらっしゃるのかがよく分からないといことがあげられます。たとえば、本学会には40の研究会がありますが「ビッグデータ処理はどの研究会に聞けばよいですか?」という質問に対し、一言で答えるのは難しい状況です。一つの解決策として河口元新世代担当理事のリーダシップで研究マッチングサービスの試行*1が行われました。今後本格サービス化を視野に検討してまいります。

 以上の状況から、理事は大変と思われるかもしれませんが、多くの魅力もあります。第一に理事として出席する各種委員会は新たな人脈を築き、新しい活動を生み出せること場でもあります。例としてInfo-Workplace委員会*2をあげます。この委員会は「女性会員を増やす」「女性会員のネットワークを構築する」をミッションとしていますが、男女にかかわらず働き方を改革するためのヒントとなるテーマのイベント*3を企画したりしています。

 第二に各種委員会では、ほかでは滅多に聞けない話を聞くことができ、見聞が広がるということがあります。たとえば「電気・情報関連学会連絡協議会」*4という他学会と話す場があるのですが、この1月の協議会で照明学会100周年記念行事の天皇皇后両陛下のご臨席の舞台裏等をお聞きしたことなどです。ほかにもありますが、内緒の話が多くここでは書けません。

 一方、昨年1年間の学会外の変化として、就任挨拶*5でも西尾新会長が述べられているように、2016年度から実施の第5期科学技術基本計画で「未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出の取組」としてあげられている「超スマート社会」の実現等、情報処理技術に対する社会からの要請の高まり*6があります。また、この4月に発表された「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」*7によると、男子中高生が「将来なりたい職業」の第1位が「ITエンジニア・プログラマー」だそうです。誠に喜ばしいことです。

 しかし、これらの期待に応えていくには、本学会の体質そのものを変えなくてはならない時期にきているということが、長期戦略担当理事からの提言をもとに議論されています。 具体的にどう変革するのか?は、東野副会長が委員長の企画政策委員会にて主にビジョンをまとめ、理事会や支部長会を通じて策定していく計画です。 皆様からも忌憚のないご意見をいただきたくよろしくお願い申し上げます。


 *1 http://www.ipsj.or.jp/member/reserchmatch.html
 *2 https://www.ipsj.or.jp/annai/committee/
 *3 http://www.gakkai-web.net/gakkai/fit/program_web/event_B-3.html
 *4 http://www.lcieice.org/
   関連五学会の総務担当理事および専務理事もしくは事務局長が学会運営する会

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