2015年06月01日版

「情報処理学会の新しい会員・資格制度

松尾 昭彦(総務担当理事)

 学会理事を務めさせていただいてから1年が経とうとしています。ずっと前に会誌編集のお手伝いをさせていただいた程度で学会の近況がさっぱり分かっていなかった私は、理事会での活発な議論についていけずに冷や汗をかくばかりでしたが、「何でも屋」である総務担当としてさまざまな委員会に顔を出しているうちにいろいろと勉強させていただくことができました。また、よりよい会員サービスの実現に向けた新しい会員・資格制度の立ち上げにも関わることができましたので、この1年を振り返りながら、これらの制度をご紹介しようと思います。

 理事になっての最初の仕事は、14年度から始まったシニア会員の申請受付のお手伝いでした。シニア会員制度とは、長期に渡って情報処理分野や学会の発展に寄与してくださった正会員の方に称号と記念品をお贈りするもので、これまであまり注目されることがなかった、ITの普及や教育等に地道に努力されてきた方々に敬意を表し、これからも貢献を続けていただきたいという想いを込めた施策です。当初は推薦できる資格を持った人が少なく、申請したいが推薦者がいないという相談が多かったのですが、私を含め現役員が推薦者を引き受けるだけでなく、途中からは支部長や研究会主査の経験者など推薦できる方を増やすという根本的な改善を行って、261名もの方を登録させていただきました。自己申告では申請しづらいのではないかという意見もあり、15年度は推薦者による申請も受け付けるようにしています(本人の了解も必要です)。すでに受付は始まっておりますので、ぜひ申請をお考えになっていただければと思います。

 次に検討に参加して印象に残ったのはジュニア会員制度でした。これは、以前から試行として導入していた学生無料トライアル制度を本格的に展開しようというもので、若い世代の学生の方々に学会のコンテンツに触れてもらえる機会を増やし、ITへの関心を高めてもらうことを目指した施策です。当初は大学1年生から3年生までの会費を無料にしようという案でしたが、議論を重ねるうちに話が大きくなり、対象を小学生にまで広げてしまおうということになりました。最初はそこまで必要かなと思ったのですが、自分が小中学生の頃を思い返すと、好きな分野であれば背伸びしてでも一般向けの本を読んでみたかったような覚えがあります。学会のコンテンツは少しハードルが高いかも知れませんが、伸び盛りの時期なら何でも吸収できるのではないでしょうか?  今後会誌では学生の方々に親しみやすい記事を増やして行きますし、なにはともあれ無料ですので、ぜひお近くの学生の皆様にお声掛けをお願いします。すでに入会いただいている小中学生の方々も多数いらっしゃいます。

 それから、認定情報技術者(CITP:Certified IT Professional)制度の検討にも参加させていただきました。これは実務で開発に携わっている方に向けた施策で、高度の専門知識と豊富な業務経験を有する技術者に資格を付与して能力を可視化するとともに、技術者同士のプロフェッショナルコミュニティを構築することを目指そうというものです。14年度は個人認証の本格運用が開始され、また企業の社内資格制度を認定する試行も始まりました。委員会では認定プロセスや法律面での課題などの仔細な検討が多く、あまりお役には立てなかったものの、認定作業にオブザーバーとして参加し、公正かつ厳しい審査の一端を垣間見ることができました。この春に52名の認定情報技術者が誕生いたしましたが、今後は個人認証に加えて企業認定も本格運用が開始されますので、より多くの方々が資格を手にして、コミュニティが活発になっていくことを期待しています。

 この2年、喜連川会長の「Move Forward」の掛け声のもと、ここでご紹介したもの以外にも多くの新しい施策が実行され、会員数の増加という形で成果が見え始めました。今年は会長交代の年となりますが、これまで進めてきた改革を継続しながら、より魅力ある学会を目指して中長期的視野でもさらなる活性化を実現して行きたいと考えていますので、どうかご期待ください。

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