2013年12月02日版

「日本工学会と第5回世界工学会議:WECC2015」

位野木 万里(教育担当理事)


 日本初の学会はどの学会か皆様はご存知でしょうか? 答えは「日本工学会」(明治12年創設)で、我が情報処理学会は日本工学会の会員です。私は情報処理学会の理事の職務の一つとして日本工学会の理事(広報担当)も担当しています。ここでは、日本工学会と当学会が注力する事業、第5回世界工学会議:World Engineering Conference and Conventionsについてご紹介いたします。

 日本工学会は、明治12年11月に工部大学校(現東京大学工学部)の第1期卒業生によって結成された日本初の学会「工学会」としてスタートし、その後社団法人日本工学会を経て平成24年4月に現在の公益社団法人日本工学会となりました。現在では、当学会は工学各専門分野の98学協会を会員とする連合体として、国内外の工学全体に関する活動や交流事業を行っています。

 日本工学会が現在最も注力している事業は、2015年11月29日から12月2日に開催される第5回世界工学会議:WECC2015です。これは2年先の行事ではありますが、海外各国あわせて2000名の参加を見込む大きなイベントになる見込みで、産学官の関係機関の支援を得ながら具体化を図っている最中です。

 世界工学会議:WECCは、日本学術会議が正会員として、また日本工学会が準会員として加盟しているWFEO:World Federation of Engineering Organization(世界工学連盟)が4年ごと各国持ち回りで開催している会議であり、いわば、工学分野のオリンピックです。WECCの第1回目は2000年にドイツ(ハノーバ)、第2回目は2004年中国(上海)、第3回目は2008年にブラジル(ブラジリア)、第4回目はスイス(ジュネーブ)で開催されました。そして次回の第5回目は日本(京都)で開催することになりました。

 ところで、日本工学会が国際会議を開催するのは今回が初めてではなく2回目とのことなのです。1929年(昭和4年)に日本工学会は「万国工業会議」を開催し、世界42か国からの総数4500名もの参加を得て大成功を収めたとのことです。そして、この会議は関東大震災からの復興と日本の工業発展を世界へ発信する大きな成果になったとのことです。今のWFEOは、世界大戦後の1968年(昭和43年)にUNESCO支援のもとに創設されたという新しい組織ですので、「万国工業会議」について、WFEOでは認識されていない状況のようです。よって、WECC2015ではWFEO参加国に対して、世界工学会議の源流を改めて示すとともに、東日本震災からの復興、日本の科学技術イノベーションと産業力を世界に発信する好機であると期待されています。

 WECC2015では、統一テーマとして「Engineering: Innovation and Society」を掲げ、社会におけるエンジニアリングの役割と使命を様々な視点から提示し、議論し、次世代に向けて進化させようとしています。欧米・アジア・南米・アフリカに渡る国際性を持ち、建築、土木、機械、電気、化学などあらゆる工学分野を基礎から応用まで縦横にカバーし、産学官様々な組織の連携によって調和させたプログラムを考案中です。さらには、今回の開催場所は京都ということで、伝統文化・工芸と最先端テクノロジー先進性の双方を発信するための京都プログラムも開催します。その他、技術展示会、エンジニアリングカフェ、若手向けコンテストなどのイベントも多数企画しています。情報処理学会からも主要プログラムにて協力する予定で進めております。開催は2年後ですが、年明けよりプログラムやイベントを順次周知してまいります。温暖化の影響のためか11月末の京都は紅葉が大変美しいそうです。紅葉狩りも兼ねてWECC2015に参加する計画をしていただくのももちろんですが、プログラムやイベントへの企画やご協力なども随時受け付けています。日本の伝統文化の中心地で工学の歴史を思いながら、技術の進化とその先に何を見出すべきかご一緒に考えてみませんか? ご協力を是非よろしくお願いいたします。

WFEO(世界工学連盟)http://www.wfeo.net/
日本工学会http://www.jfes.or.jp/index.html
WECC2015http://www.congre.co.jp/wecc2015/index.html

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