大蒔 和仁 君

フェロー

大蒔 和仁 君(正会員)

[対象業績]「代数的仕様記述の研究とその応用に対する貢献」

  1974年3月岩手大学工学部電子工学科卒業,1976年3月東北大学大学院工学研究科修士課程修了,1979年3月東北大学大学院博士課程修了,工学博士.1979年4月工業技術院電子技術総合研究所入所.同所ソフトウェア部言語処理研究室研究員,情報ベース研究室室長,企画室長,情報アーキテクチャ部長などを経て,2001年月,独立行政法人産業技術総合研究所情報処理研究部門長,2004年研究コーディネータ(情報通信・エレクトロニクス担当),現在に至る.この間,1984年12月~1985年11月スイス連邦工科大学助手.

[業績推薦理由]

 大蒔和仁君はソフトウェア工学,特に,代数的仕様記述の研究分野において,具体的な応用と結びつけて,多大の成果を上げてきた.特にプロセス代数を通信プロトコルの記述に応用することを指向し,企業の研究者とともにOSIの通信プロトコルのひとつであるCCR(Commitment Concurrency and Recovery)をプロセス代数に基づく仕様記述言語LOTOSにより記述し,Project Editorとして,これを技術文書ISO/IECTR 11589およびISO/IEC TR 11590にとりまとめた.ともすれば実用性の是非について問われる形式的記述言語の研究と応用における大きい業績として評価される.さらに,本会理事, 情報規格調査会副会長およびSC2専門委員会委員長などを歴任し,わが国の情報技術の進展,標準化推進に貢献している.