■2.平成13年度決算報告書(pdfファイル)
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■3.平成13年度監事監査報告−監事意見−
監事 米田英一
同 益田隆司
平成14年4月22日午後3時〜午後6時20分に学会会議室において監査を実施いたしましたので,その結果をご報告します。本報告書は,平成13年度決算に対する監査,平成12年度の監事監査報告書フォロー事項の進捗状況評価と補足意見,および今後の情報処理学会の在り方に関する提言から構成されています。
1.平成13年度決算について
一般会計(公益事業と収益事業),特別会計(坂井記念賞,山下記念賞,記念事業,電子化事業),および規格会計の監査を行った。各々収支決算に問題は認められなかった。
2.平成12年度の監事監査報告書フォロー事項の進捗状況評価と補足意見
(1) 財務委員会の設置
財務担当理事の尽力のおかげで学会の経理の状況が非常によく見えるようになったことは大いに評価したい。一方,経理状況が非常によく見えるようになるに伴って,学会の財政状態が決して予断を許さないどころか,下手をすると非常に危険な状況に追い込まれる可能性さえあり得ることが鮮明になってきた。平成13年度の一般会計決算によれば,前期からの繰越金63,833千円,当期収支差額△21,619千円,次期繰越金42,214千円となっているが,これは一般会計で自由に使える資金が4,200万円しかないということを意味する。更に,文部科学省から「基本財産を2,000万円レベルにせよ」という指示があった場合には,次期繰越金が2,000万円のレベルになり,平成15年度の会費収入が入り始める直前の年度末には資金繰りに困り,積立金および基金の一部を取り崩して一般会計に組み入れるようになることも視野に入れておく必要があろう。
(2) 会誌の広告収入
広告代理店制を採用して,それなりの成果はあったと思うが,同じ日経BP社の雑誌である日経エレクトロニクスと日経コンピュータとを比較するとき,その広告スペースに圧倒的な差のあることを考えると,会誌の場合も過度の期待は禁物であろう。
(3) 論文誌別刷代
論文誌担当理事を中心に活発な議論が行われてきたことは評価したい。 ここでは2点だけ指摘しておきたい。一つはトランザクションは思い切って英文論文のみを認めることにしてはどうかということである。もちろん,日本語や日本文化と情報技術との関わりを研究する研究会は別扱いとする。もう一つは別刷代が7ページ目から急に高くなる問題であるが,この問題は情報処理学会の論文誌の在り方に関わる。会誌4月号で後藤滋樹氏が紹介しておられるTuringの論文を見ても明らかなように,科学の歴史において『世の中を変える』ような論文の大部分は情報処理学会の基準から見れば長文の論文である。リーマンの僅か8ページからなる『リーマン予想論文』は稀有な例外である。情報処理学会の論文誌は,情報技術という学問分野を変革するような大論文を期待するのかどうか。期待しないのであれば現行の別刷代の体系で何ら問題はないはずである。期待するのであれば,別刷代は現行通りとした上で,世界を驚倒させたような論文には論文賞(特別賞?)の副賞として別刷代の数倍〜数十倍の金額を弾めばよい。
(4) 会員名簿の頒布
昨年度の監事監査報告の指摘に尽きていると思うので,特に付け加えるべき問題はな いと思うが,ひとつ気になるのは情報処理学会のような学会の会員名簿を紙の形で保有することについて誇りを感ずる会員がどの程度いるかということである。なお,本問題に限らないが,全会員の声を電子メールで確認するような仕組みが必要ではないか。
(5) 研究会論文誌(トランザクション)の問題
論文誌別刷代の項でも触れたように,トランザクションは思い切って英文論文のみを 認めるという「乱暴な」案についても検討してほしい。なお,情報技術と無縁な学会を含む5学会*による英文誌発行には監事二人は賛成できないものを感ずる。(*:電気学会,電子情報通信学会,照明学会,映像情報メディア学会,および情報処理学会)
(6) アクレディテーション
アクレディテーション委員会の一部の委員の献身的な努力のお蔭で,(各大学の情報関連学科の先生方に対する啓発をも兼ねた)審査員の養成のための教育を2回も行うことができた。また,平成12年度に引き続いて,平成13年度も2つの大学についてJABEEの認定審査の試行を行った。しかし,情報処理以外の一部分野では平成13年度に3つの大学が夫々一つの教育プログラムについてJABEEの認定本審査を受けて合格しているのことを考えると,情報処理分野もボンヤリはしていられない。平成14年度からは本審査を受ける教育プログラムが出て来る必要がある。審査員の養成も焦眉の急を要する。このような活動が本格的になったときに最も重要な問題は,事務局側に恒常的な対応組織(JABEE対応センター?)が準備できるかということである。財政難の現在,これは非常な難問であるが,どこかで解決せねばならない問題である。
(7) 管理費の増加
総務科目の支出のうちの「管理」についていうなら,平成13年度の実績額は予算額の約4%の節約が図られており,平成12年度に比べても,システム関連費用についてしかるべき補正を行った後の実績値で8%弱の削減になっている。一方,一般会計の規模が年間約6億円の情報処理学会にとって,電子化特別会計の2.5億円という金額は途方もなく大きな金額である。これの活用あるいは無駄遣いが今後数年における情報処理学会の死命を制するといっても過言ではない。開発の進捗状況や費用対効果のフォローなど行うための専任のCIOがほしいところであるが,これまた財政難の現在,これは非常な難問である。
(8) 規格事業の可視化
一般会員の興味をもって読めるような紹介記事の書ける筆者を選んでお願いしている 段階だそうなので,期待することにしたい。なお,予算面でも人的面でも情報処理学会本体とは完全に別の活動を行っている規格調査会の在り方についても議論を行っておくことが必要であろう。
(9) 著作権規程の改正
発田前副会長のご尽力のお蔭で改訂案がまとまった後は,著作権委員会も定常的な活 動期に入っているものと考える。なお,著作権規程改訂に当っては非会員の大谷和子さん(日本総合研究所法務部長)に一方ならぬお世話を賜った。こういう御援助に対して情報処理学会として何らかの形でお礼の意を表すべきであろう。
(10) 事務局体制
「外部の資格取得に関する取り扱い規程」を作成して資格取得の奨励を行っていること,学会の業務に役立つ資格を取得したとき祝い金の形で受験料を支給することなど,職員の自己研鑽奨励は緒につきつつあるように思う。女性職員の活用についても,この点について遅れている一部大企業に範を示せる状況にあるものと考える。なお,社団法人の役員がその法人の職員に対してボランティア精神を求めるのは筋違いである。求めるべきはあくまでプロフェッショナルとしての意識の高揚と能力・技術の涵養である。
(11) 中期目標の設定とフォロー
村岡副会長を委員長とする「学会運営検討委員会」で精力的に議論と検討が行われた結果,選挙制度の改定,理事定数および役員担当業務等の見直し,それに伴う定款改正のための文部科学省との折衝,総務関係の委員会の整理,プライバシーポリシーの制定などについては着実な進展があった。村岡副会長の主導になる,企業人を主たる対象とする業績賞の創設も非常に時宜を得た改革であったといえる。一方,情報処理学会の存立の基盤に関わる「学会財務と学会存続の危機感」の問題;情報処理学会の存在の目的とその目的を達成するための活動方針に関わる「研究活動の一層の自由化」,「関連学会との緩やかな協業」,「ジャーナルとトランザクションの在り方」,「プロフェッショナル集団としての存在価値に通じる新しい活動」,「英文誌の発行/国際的情報発信の充実」,「全国大会の在り方」,「電子化の費用対効果の問題」などの諸問題;これらについては,いずれも更に徹底的に議論して,早急に方向付けを行ってほしい。これらの基本的な問題に関連して,3月の全国大会のパネル討論「情報処理学会の終焉」は画期的な試みであったといえる。このパネルは都心の広いホールで1000人オーダーの聴衆を集めて行う価値があるといえる。「その内容は情報処理学会のウェッブサイトを見てほしい」などといわずに,会誌でも紹介してはどうか。その場合に重要なことは若い人達を意気沮喪させないような編集上の配慮を行うことである。
3.今後の情報処理学会の在り方に関する問題提起
情報処理学会の監事を辞するに当って,二三厳しいことを言っておきたい。
(1) みずほ銀行のシステム障害の件
今回のみずほ銀行のシステム障害は,情報関連技術で禄を食んでいる専門家の集団で ある情報処理学会にとっては他人事ではない。ところが,その情報処理学会の会長に対して,メディアからの公式のインタビュ申し入れがあったという話は聞いていない。これは情報処理学会という団体は世間一般から見れば,存在していないも同然の組織であるということを意味している。非常に情けない話である。情報処理学会には,「ソフトウェア工学研究会」,「ソフトウェアエンジニアリング(SE)委員会」と「情報システム(IS)委員会」がある。後二者はアクレディテーション委員会の下部機構の教育関連の組織である。情報処理学会はシステム開発に無縁ではないのである。我々は今回のみずほ銀行のトラブルに際して社会から完全に無視されたことに鑑み,もう一度,SEとは何か,ISとは何かということについて深く思いを致す必要がある。SEやISの分野は,計算機科学等の「科学分野」とは異なって,論文の数を誇ったり論文の引用回数の多さを自慢したりしても,社会にとって何らかの有意味な貢献をしていない限り,社会から見ればナンセンスの一語に尽きるといってよい。論文を書くことが無意味だと言っているのではない。実践が伴わないのでは駄目だと言っているのである。
(2) 教育の問題
2000年6月に私が監事としてはじめて理事会に出席したときに驚いたことは,大学関係の理事のうちのかなりの方の教育に対する関心の薄さであった。情報処理学会の定款に教育の二文字がないことも原因だったのかもしれない。村岡副会長主導による理事定数見直しが始まるまで,定款のこの欠陥に気付かなかった先任監事の責任も免れないが,より本質的には「太初に研究ありき」という姿勢が知らず知らずのうちに教育に対する熱意の低下につながったのではないか。しかし,ノーベル物理学賞受賞者のファインマンは,教育は研究にとって邪魔になるどころか,研究の質を高めるため有益な刺激を与えてくれると言っている。私は研究者でもなければ教育者でもないが,超一流の物理学者の言を信じたい。ついでに研究のレベルについて言及するならば,上記理事会で私が発言したように,アインシュタインのレベルはともかくとして,関係データモデルのコッドのレベルは目標にしてほしい。言い換るなら,ある分野において世界を変えるような研究を行ってほしいということである。なお,次回の定款改訂に当っては,ぜひとも教育の二文字が定款に含まれるようにしてほしい。
(3) 社会に対する長期的な責任:情報技術の光と影を真剣に考えるべし
ヴァーチャルリアリティ(VR)の研究が盛んである。それ自体はよしとしよう。しかし,VRの氾濫が子供たちや中学生・高校生の自然に対する畏敬の念を失わせていることはないか。コミュニケーションについても同じことが言える。同根の言葉である,commune
あるいはcommunionを考えるならば,携帯電話の跋扈は人類の退歩の象徴とはいえないか。ワープロでさえ脳に対する活性化という観点からするなら手書きにはるかに劣るという(中井久夫「清陰星雨」p.54)。我々情報通信関係者は情報通信技術の進歩を単純に謳歌するのではなく,一般市民が生身の人間として絶えず自然と接触することを促進するような形で情報通信技術の開発に努めなければならない。次回,倫理綱領を改訂する際には,こういう観点についてもぜひ取り入れることにしたい。
以上
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■4.平成14年度事業計画書
目 次
1.概 況
2.会 員
3.会議の開催
4.表彰等
5.機関誌編集活動
6.事業活動
7.出版活動
8.調査研究活動
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9.教育活動
10.国際活動
11.規格調査活動
12.関連学協会との連絡・協力
13.支部活動
14.電子化・情報発信
15.広告増収,会員増強,会員特典,情報公開
16.事務局業務の改善
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1.概 況
昨年度はITビジネスが追い風から一転逆風に変わる年となり,本会の運営も厳しい環境に置かれてきた。しかし,役員選挙制度の改訂,財務委員会による学会財政の分析,および学会運営検討委員会による中長期的な運営課題の検討など活発な活動を展開し,本会の将来の発展に向けた変革のポイントを明確にすることができ,新世紀のスタートに相応しい年とすることができた。平成14年度はこれらの成果に基づいて,必要な変革を順次積極的に実現に結びつけていく年とする。
本年度の具体的な活動の重点として次の5点を取り上げる。:(1) 会員メリットの拡大,(2) 研究活動の活発な展開,(3)
IT人材育成への貢献,(4) グローバル化の推進,(5) 学会運営の効率化。これらの各項について主要な施策を以下に述べる。
会員数の減少は依然として続いており,この事態を打開するため,特に企業所属の会員に対して,少なくとも会費に見合うと認識してもらえるサービスを提供していく。具体的には,産業フォーラムの継続実施,電子情報通信学会の情報・システムソサイエティと共同で新たに興す情報科学技術フォーラム(FIT)の第1回開催と春の全国大会への新企画の導入,オンデマンド出版による非会員への会誌記事の提供,技術者の継続教育への着手,業績賞による産業への貢献の表彰などを実施していく。
次に,研究会は昨年度と同様に32研究会,3研究グループの体制で進めるが,新規分野の開拓,新規トランザクションの企画,FITをはじめとする関連諸活動との連携などを積極的に行っていく。また,研究成果の出版媒体であるジャーナルとトランザクションのあり方を明確に会員に示すことにより,研究成果の発信を活発にする体制を築く。
IT人材育成面では,教育を専門に担当する理事を新たに設けるための定款改訂等の準備を進める。大学の教育に対する貢献としては,これまでの試行を経て今年度からアクレディテーションの本格実施を開始する。また,技術者教育の面では技術士の試験の企画に参画し,更に,技術者の資格と生涯教育事業への参画検討をスタートする。
国際関係では,SAINT開催を通じてIEEE Computer Societyとの協力関係を強化し,また,エンターテインメントコンピューティング国際ワークショップを主催し,IFIP内にエンターテインメントコンピューティング活動を興すことにリーダーシップを発揮していく。更に,本会の活動情報を国際的に発信していくため,Webページの英文化を積極的に推進し,英文による研究成果の刊行およびサイテーションインデックス制度への参画を進める。
最後ではあるが本会の存続に係わる最大の課題である運営面の改善に対しては,本会の活動全般と事務局の運営の両面から積極的に推進する。前者についてはFITをきっかけとして進めている電子情報通信学会情報・システムソサイエティとの連携の拡大に加えて,情報分野の他の学会との連携の道を検討する。規格の分野では,前年度に発足させた学会試行標準の作成を推進し,本会の標準化への貢献を強力にアピールしていく。内部の運営では事業ごとに財務的な責任を明確にして,各事業の裁量性を拡大すると同時に安定な財務基盤の構築を図る。事務局の運営では,電子化特別会計からの資金を使って学会マネジメントシステムの刷新を行い,事務局のスリム化とサービスの向上を実現する。
以上の諸活動を通じて,本会の目的が持続的に達成できる体制を実現していく。
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2. 会 員
会員数を次の通り予定する。
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13年度末
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入 会
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退 会
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14年度末
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名誉会員 |
36
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3
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0
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39
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正会員 |
23,223
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|
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22,673
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学生会員 |
1,903
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1,000
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2,133
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準会員 |
44
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10
|
0
|
54
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会員合計 |
25,206
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2,463
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2,770
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24,899
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賛助会員
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- 正会員には終身会員129名(本年度の該当者は24名)を含む。
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3. 会議の開催
以下の会議を行う。
3.1 第44回通常総会
平成14年5月20日(月)にホテルJALシティ田町東京(東京都港区)で開催する。
3.2 理事会
年度間に11回開催し,諸規程の改訂,理事分担業務,その他重要事項を審議する。
3.3 支部長会議
各支部活動の現況報告のほか,本支部間の連絡,要望等について審議,検討する。
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4. 表彰等
- 4.1 功績賞
- 4.2 論文賞
- 4.3 Best Author賞
- 4.4 Best Editor賞
- 4.5 坂井記念特別賞
- 4.6 山下記念研究賞
- 4.7 大会優秀賞,大会奨励賞
- 4.8 優秀教育賞,優秀教材賞
- 4.9 業績賞
このほか,名誉会員の選定,フェローの認証,感謝状の贈呈等を行う。
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5.機関誌編集活動
5.1 会誌「情報処理」(月刊)
(1) コンテンツ
会誌のオンデマンド・(印刷)出版を含めた電子化のアウトソーシングが理事会で承認され,非会員の情報処理関連技術者にも気軽に記事を読める手段を提供することができるようになった。これにより,コンピュータサイエンス系のマガジンとして「情報処理」の役割は益々重要になると思われる。
現在のマガジン路線を維持しつつも,いろいろなテーマを取上げて基礎から最新動向までを解説するような連載物記事を企画し,コンピュータサイエンス専門誌という特色も併せ持たせていきたい。
会員から好評を博している会誌を会員だけでなく非会員にも親しまれ,役立つものとし,もって,会員増強の一助になることを目指す。
昨年度は,以下の企画を新たに始めた。今年度もこの姿勢を保ちつつ,これらの企画を一層充実するための施策を図る。
- 企画から出版までの期間を短縮し,よりタイムリーな記事を提供する。 (現在は平均5.2カ月);モニタ制度と連動したタイムリーな単発記事の増強。
- 評価/モニタによる客観的フィードバックを一層活用する。
- 地方支部,教育(高校など),海外リエゾンなどのコーナーを設ける。
(2) 会誌の電子化とオンデマンド・印刷出版のアウトソーシング
2000年4月から会誌の電子化サービスが始まり,効率的な検索やハイパーリンク機能などが利用可能になった。今年度は,コンテンツワークスの運営するbookparkで,電子化会誌のHPの運営・管理と,会員・非会員からのオンデマンド出版注文を受け付けるサービスを行う。更に,会誌廻りの電子化による合理化を検討し,会誌全体の印刷コストの削減を実現する。
また,会誌を一般の書店でも販売できるチャネルの構築を目指したい。
(3) モニタ制度の活用を図る体制を強化する
昨年度から始まったモニタ制度を更に有効活用するための体制作りを図る。 具体的には,評価/モニタによるフィードバックを下記のように分類整理し,対応を具体的に検討,必要なものは理事会を通じて,他の委員会にお願いする。
5.2 論文誌「情報処理学会論文誌(ジャーナル)」(月刊)
(1) ジャーナルの在り方および情報発信の在り方の検討(電子化含む):ジャーナルの内容・形態・配布方式など,今後の在り方を検討する。
(2) トランザクションとの連携と両論文誌の発行体制の強化:論文種別の整理(サーベイ論文の扱いなど),トランザクションの編集体制の改善,両論文誌の役割分担の明確化などを検討する。
(3) 査読期間の短縮(電子投稿・査読方式の検討を含む):査読期間短縮の効果が現れてきたので,更にこれを推進するため,査読方法の改善,電子化,査読委員の見直し等を行う。
(4) ジャーナル編集委員会独自の企画の役割の明確化:特に特集の検討および見直しを行う。
(5) 論文査読管理システムの仕様検討を行う。
5.3 著作権
著作権について,共催問題,他学会論文投稿等の法的解決に向け,関連学会との協定に向けた話し合いを進める。
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6. 事業活動
6.1 第1回情報科学技術フォーラム(FIT)
会期:平成14年9月25日(水)〜28日(土),会場:東京工業大学大岡山キャンパス
6.2 第65回全国大会
会期:平成15年3月25日(火)〜27日(木),会場:東京工科大学八王子キャンパス
6.3 連続セミナー2002
テーマ:高度情報化社会を支える基盤技術,会場:工学院大学
- 第1回 平成14年 7月開催予定 光ネットワーク技術
- 第2回 平成14年 9月開催予定 モバイルネットワーク技術
- 第3回 平成14年 10月開催予定 ネットワークプロトコル技術
- 第4回 平成14年 11月開催予定 コンピュータ技術
- 第5回 平成15年 1月開催予定 セキュリティ技術
- 第6回 平成15年 2月開催予定 コンテンツ技術
6.4 産業フォーラム
平成13年度に引き続き,年度間6回程度の開催の予定。テーマ等はなるべく早く決定し,早めに広報を行う。以下のテーマで開催を予定している。
- (1) ITS
- (2) 次世代インターネット
- (3) E-コマース
- (4) 情報家電
- (5) Webコンピューティング
6.5 教育フォーラム
新たに教育関係者を対象とした教育フォーラムの開催を情報処理教育委員会で検討する。
6.6 プログラミング・シンポジウム
- (1) 第44回プログラミング・シンポジウム(平成15年1月8日(水)〜10(金),箱根ホテル小涌園)
- (2) 夏のプログラミング・シンポジウム:(テーマは未定) (平成14年9月18日(水)〜20日(金),下呂温泉白樺ホテルで開催予定)
- (3) 情報科学若手の会(平成14年8月末頃開催予定,会場未定)
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7. 出版活動
- (1) 教科書シリーズの継続発行:年3〜5冊のペースで発行する。
- (2) 英文図書"Advanced Information Technology Series"の継続発行:年4冊のペースで発行する。販売促進も行う。
- (3) 情報フロンティアシリーズの継続発行
- (4) 単行本の発行:会誌編集委員会と連携し,会誌掲載記事から優秀な記事を再編集し,単行本として発行する。
- (5) 歴史特別委員会
- 1. 歴史的資料の収集・整理・保管の支持
- 2. 我が国の情報処理関連のパイオニアを主とする“Who’s Who”の編纂
- 3. 会誌「歴史特集号」の掲載
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8. 調査研究活動
8.1 研究会,調査委員会,研究グループの活動計画
次の5点を重点事項として取り組む。
- (1) 新規分野の開拓
- (2) 調査研究関連委員会の構成と役割の検討
- (3) 領域制の見直し
- (4) 関連諸活動との連携と協調(FIT,全国大会,国際等)の強化
- (5) トランザクション(研究会論文誌),研究報告のWeb化(電子化委員会との連携)推進
8.2 領域委員会(3)
3つの領域に対応して本年度も以下の領域委員会を設け,研究会活動の活発化を図る。
- (1) コンピュータサイエンス領域委員会
- (2) 情報環境領域委員会
- (3) フロンティア領域委員会
8.3 研究会(32),研究グループ(3)
以下の研究会,研究グループにより研究会活動を推進する。
[コンピュータサイエンス領域]
- 研究会(9)(研究会名の括弧内は英略称):データベースシステム(DBS),ソフトウェア工学(SE),計算機アーキテクチャ(ARC),システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS),システムLSI設計技術(SLDM),ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC),プログラミング(PRO),アルゴリズム(AL),数理モデル化と問題解決(MPS)
[情報環境領域]
- 研究会(14):マルチメディア通信と分散処理(DPS),ヒューマンインタフェース(HI),グラフィクスとCAD(CG),情報システムと社会環境(IS),情報学基礎(FI),オーディオビジュアル複合情報処理(AVM),グループウェアとネットワークサービス(GN),分散システム/インターネット運用技術(DSM),デジタル・ドキュメント(DD),モバイルコンピューティングとワイヤレス通信(MBL),コンピュータセキュリティ(CSEC),高度交通システム(ITS),高品質インターネット(QAI),システム評価(EVA)
- 研究グループ(3):知的都市基盤(ICII),情報家電コンピューティング(IAC),放送コンピューティング(BCC)
[フロンティア領域]
- 研究会(9):自然言語処理(NL),知能と複雑系(ICS),コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM),コンピュータと教育(CE),人文科学とコンピュータ(CH),音楽情報科学(MUS),音声言語情報処理(SLP),電子化知的財産・社会基盤(EIP),ゲーム情報学(GI)
8.4 トランザクション(研究会論文誌)の発行と計画
発行の安定性と永続性,ジャーナルとの協調,発行部数拡大を目標に5誌の発行を計画し,このほか新規発行計画を促進する。
- トランザクションの編集・発行計画
- プログラミング 年間発行回数:3
- 数理モデル化と応用 年間発行回数:2
- データベース 年間発行回数:4
- ハイパフォーマンスコンピューティングシステム 年間発行回数:2
- コンピュータビジョンとイメージメディア 年間発行回数:2
8.5 シンポジウム・講習会等(25件)(pdfファイル)
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9. 情報処理教育委員会
(1) アクレディテーション
日本技術者教育認定機構(JABEE)の活動に参画し,本審査を開始する。 コンピュータサイエンス(CS),ソフトウェア工学(SE),情報システム(IS)分野について,認定基準の作成・整備を続ける。
(2) カリキュラム
コンピュータサイエンス(CS)の中核部分をコンピュータ工学(CE),ソフトウェア工学(SE)と情報システム(IS)との関連で明らかにする。
初等・中等教育における情報教育とともに,これに接続する大学における一般情報教育についても引き続き文部科学省に提言を行っていく。
(3) 技術者の生涯教育および資格の検討を,技術士制度に関連して行う。
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10. 国際活動
IFIPや米国のACM,IEEE-CS,韓国KISSを始め,アジアの関係学会との連携を深める。
10.1 海外学会との連携・協力による会員サービスの向上
IFIPや米国のACM,IEEE-CS,韓国KISSを始め,アジアの関係学会との連携を深める。
10.2 IFIP活動への参加と活用
(1) International Workshop on Entertainment Computing(IWEC)の開催:平成14年5月14日(火)〜17日(金) シャープ幕張ホール
(2) WCC2002 / GA2002への参加:WCC2002:平成14年8月25日〜30日 カナダ モントリオール
- Keynote Speaker:NTTドコモ社長立川氏の講演を予定
- Entertainment Computingのパネルを開催予定
- GA2002:平成14年9月1日〜4日 カナダ モントリオール
- 前述のEntertainment ComputingをIFIPのTCとして新設することを提案する。
(3) IFIP活動の会員への広報と産業界との連携推進
- 会誌にIFIP活動の解説記事を掲載する。
- 電子情報技術産業協会(JEITA)(旧電子協JEIDA)を通じて産業界との連携を図る。
(4) IFIP TC / WGへの委員の積極的な参加
- IFIP TC / WGへの委員の参加を推進するため,本会の交流援助金を活用して支援する。
(5) 本会の国際化におけるIFIPの位置付けの検討
10.3 IEEE-CSとの協力関係の強化
(1) IEEE-CS/本会共催の国際会議
- 「The 2003 Symposium on Applications and the Internet(SAINT2003)」の開催準備
- 対象分野:InternetのInfrastructureとApplications
- IEEE-CSと本会がfounder(毎年共催)で第3回目の開催となる。
- 開催日:2003年1月予定,開催地:アメリカ,予定参加者:200〜300人
- General Chairs : 日本 村井 純(慶 大),米国 Carl Chang(Auburn Univ.教授)
- Program Chairs: 日本 尾家祐二(九工大),米国 Sumi Helal(Univ. of Florida教授)(予定)
(2) 本会の会誌と「The Computer」論文の相互翻訳転載の促進
10.4 ACMとの協力関係の強化
本会の会誌とCACM論文の相互翻訳転載の促進
10.5 国際会議の主催・共催
(1) 第1回実証ソフトウェア工学国際シンポジウム(ISESE2002)(共催):2002年10月3日〜4日 奈良新公会堂
(2) 他
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11. 規格調査活動
11.1 国際活動への積極的貢献
- (1) 機会があればChairman, Convenor, Project Editorを積極的に引き受ける。
- (2) 幹事国業務を担当できる人的資源を拡充し幹事国業務担当能力の強化・安定化を図る。
11.2学会試行標準の定着化
昨年度発足した「学会試行標準制度」の具体的成果を積み上げるとともに,新たなプロジェクトを模索し,制度の定着化を図る。
11.3 ホームページの積極的活用
念願の課題であった委員会の運営に必須の情報であるプロジェクトの進捗状況や投票案件の情報を最新の状況で照会できるサービスを開始する。また広報目的ではなく経費削減目的でのホームページの活用を検討する。例えば,委員会の審議資料をホームページからダウンロードできるようにして資料送付の経費削減を図る。
11.4財政状況の改善・安定化
将来の財政危機を回避するため,本格的に財政改善・安定化の施策検討を行う。
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12. 関連学協会との連絡・協力
12.1 日本学術会議との連絡・協力
- 学術会議会員選出の協力,科研費審査委員選出に際しての関連学会のとりまとめなどの協力
- 関連研究連絡委員会との連絡会の開催および行事の共同開催
12.2 日本学術会議3研連役員と関連学会役員連絡会議
- 日本学術会議3研連役員と関連学会役員連絡会議の幹事学会への協力
12.3 文部科学省所管のサイエンスボランティア活動に参加
12.4 日本工学会ほか関連団体との連絡・協力
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13. 支部活動
- 支部総会,幹事会,評議員会,支部大会,電気関係学会連合大会等の開催
- 支部活動への支援体制の充実(支部総会への本部役員派遣,講演会講師の紹介,周年行事等への助成, 支部役員選挙の同時実施等)
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14. 電子化・情報発信
(1) 学会マネジメントシステムの構築:昨年度より引き続き,学会マネジメントシステムを新たに構築する。(電子化の基幹機能になるWebからの会員情報更新システムを含む。)
(2) 事務局ネットワークとサーバの整備
(3)全国大会発表原稿受付システム構築:全国大会電子投稿受付システムの仕様を策定し,構築する。
(4) 査読支援システム構築の計画策定: ジャーナル/トランザクションの電子投稿を含めた査読支援システムの構築を目指す計画を策定する。
(5) コンピュータ博物館の充実
(6) コンテンツDBのアウトソーシングの検討
(7) 電子図書館有料化の検討
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15. 広告増加,会員増強,会員特典,情報公開
15.1 広告の増加
- 広告総代理店のフォローによる広告増加の促進
- 役員所属企業に広告増加協力を要請
- 情報関連企業,出版社等広告依頼対象の拡大
15.2 会員増強
広報活動の強化(CEATECへの出展,メール広報等)により新入会員の獲得を図る。
- 企業の新入社員,大学学生の入会勧誘運動の推進
- 大学等の情報系学科の職員に対する入会勧誘
- コンテストの実施による入会促進
- 研究会,シンポジウム,連続セミナー,産業フォーラム等本会の各種行事での入会促進
- 支部奨励賞等の支援による新規学生会員の獲得
- 賛助会員の新規加入推進
- 購読員,会誌購読員,論文誌購読員の新規獲得,電子購読会員の増強
- 共催,協賛,展示会等各種行事での入会促進
15.3 会員サービス
- メールフォワードサービスの推進
- レンタカー,ホテル,書店等との協定拡大による会員優待の充実
15.4 情報公開
- 情報公開の実施
- WWWによる学会情報の開示,会員のアクセスの容易化
- メール配信サービスの充実
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16. 事務局業務の改善
16.1 システム関係
学会マネジメントシステムの稼働,イントラネットの拡大活用,設備・ソフトの増強,システム保守体制の確保。
16.2 職員関係
適切な人事ローテーションの実施,講習会への参加等による事務能力の向上,および勤務評価制度の定着化による職員の活性化を図る。
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■5.平成14年度収支予算書(pdfバージョン)
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■6.定款および一般規則の改訂について
定款および一般規則について,次ページ以降に示す通りの改訂を行う。ただし,文部科学省の認可を受けるに際し,改訂等の指示があった場合の処置は理事会に一任する。
今回の改訂の主な理由は次の5点である。
1.理事定数の増員
現在,理事の数は現行定款の上限の20名になっているが,教育に関する調査研究事業を拡大させるため理事を増員する。人数は,改訂定款第22条(現行定款第20条)にある通り,一つの担務について年度ごとにその半数を交代するため,最小の2名の増員を行う。
定款第5条に規定される本会の事業としてその第1項に「研究および調査」がある。この事業は情報処理技術そのものの研究や調査を対象としているが,近年では情報分野の人材育成の重要性を反映して,情報処理の教育方法に関する研究および調査も行っている。例えば,すでに日本技術者教育認定機構(JABEE)の活動に積極的に参加して,文部科学省の施策である大学教育のアクレディテーション制度確立に対して,学会としてのノウハウを提供することによりこれまでの研究成果を還元している。平成14年度からのアクレディテーション制度の本格的始動に合わせ,学会としてさらに教育の研究調査の体制を補強する必要があり,できるだけ早い機会に理事を増員することとした。具体的には,平成15年度役員改選から増員する。
なお,併せて,一般規則の理事の分掌事項等を見直した。 (改訂定款第14条および改訂一般規則参照)
2.役員の再任の明記
これまで再任についての規定が明記されていなかったため追加することとした。 (改訂定款第22参照)
3.代表会員に関する選出方法,責務,任期等の明記
代表会員は,正会員の代表として,役員とともに本会の民法上の社員となる重要な職務を担うことから,これまで内部の規定であったものを定款上に明記し,民法上の社員に関わる事項を,第4章にまとめた。
(改訂定款第15条,第16条,第24条〜第27条参照)
4.定款上の重要議決事項の議決基準の明記
代表会員および役員の解任,基本財産の処分,借入金に関する定め,定款の改訂,法人の解散および残余財産の処分に関する議決を得るために必要な理事会および総会の票数を,その重要性から,各々,理事および社員の現在数を基準にすることを明記することとした。(改訂定款第22条,第46条,第50条,第53条〜第55条参照)
5.その他,不足する事項の追加および表現の変更
●情報処理学会定款(現行および改訂案)(pdfファイル)
●情報処理学会一般規則 第3章および付則(現行および改訂案)(pdfファイル)
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■7.会費滞納会員の取扱いについて
定款第12条にもとづき,平成12年度からの会費滞納者661名を,本総会において除名する。
[付]定款第12条
会員が次の各号の一つに該当するときは,総会の議決を経て,会長がこれを除名することができる。
- (1) 会費を滞納したとき
- (2) この法人の会員としての義務に違反したとき
- (3) この法人の名誉を傷つけ,または本会の目的に反する行為のあったとき
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■8.名誉会員について
第471回理事会(平成14年1月24日開催)において,定款第6条第1項第2号,および名誉会員候補者推薦基準にもとづき,下記の3君を名誉会員に推薦することに決定した(会員番号順)。
長尾 真 中田 育男 石田 晴久
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■9.平成14年度役員改選について
平成14年3月に定款第20条にもとづき行われた平成14年度役員選挙の結果,下記11君が選出された。
- 副会長 安西祐一郎
- 理 事 石田 亨,上原三八,喜連川優,都倉信樹,中田登志之,丸山 宏,宮部博史,村上篤道,山本 彰
- 監 事 鈴木健二
※各役員紹介はこちら
[付]平成14年度留任役員
- 会 長 鶴保征城
- 副会長 林 弘
- 理 事 天野真家,荻野隆彦,加藤聰彦,辻井潤一,中島秀之,東野輝夫,真名垣昌夫,米田 茂
- 監 事 益田隆司
[付]退任役員
- 副会長 村岡洋一
- 理 事 石田喬也,田中克己,田中 譲,寺岡文男,寺中勝美,徳田英幸,福井一夫,松山 隆司,和歌森文男
- 監 事 米田英一
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