第43回通常総会
平成13年5月18日(金)午後4時から2時間にわたり,ホテルJALシティ田町・東京(東京都港区芝浦)において,第43回通常総会を開催した.出席したした代表会員および役員は143名であった(うち委任状による出席者は55名,定款第33条による総会成立定数80名).
定款第30条に基づき長尾会長を議長として,下記の議案を審議し,承認した.
総会終了日,尾関雅則元会長の乾杯の音頭により懇親会を開き,多数の元役員はじめ先輩を囲み,会員一同の親交を深めた.
■1.平成12年度事業報告書
1.概 況
2.会 員
3.第42回通常総会
4.会議の開催
5.創立40周年記念事業
6.政府IT戦略への提言
7.著作権規程の改善検討
8.表彰等
9.機関誌編集活動
10.事業活動
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11.出版・電子化
12.調査研究活動
13.教育活動
14.国際活動
15.規格調査活動
16.日本学術会議・各省庁関係
17.日本工学会・他学会・団体関係
18.支部活動
19.会員増強活動
20.事務局
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1.概 況
平成12年度は本学会が創立40周年を迎えた年であり,21世紀に向けた学会の一層の活性化を目指して積極的な施策を行った。学会全体にわたるトピックスとして次の4点を挙げることができる。
(1) 平成12年5月には,昨年度の定款改訂に基づき代表会員制度による初めての総会を実施した。
(2) 創立40周年を記念する事業については,記念式典および記念全国大会・展示会等の行事開催をはじめ,機関誌の特集号企画,記念出版,過去40年間の機関誌のCD-ROM化等を実施し,40年間の諸活動の集大成を行うと同時に,21世紀へ向けた更なる飛躍に繋げるべく諸事業を展開した。特に記念全国大会と併せて開催した記念展示会「情報技術のエポック展」には,各方面の協力を得て我が国のコンピュータの黎明期からの貴重な歴史的資産50点余を出展し,情報技術分野の専門家のみならず一般の方々からも多くの来場を得ることができた(来場者2,330名)。
(3) 平成12年9月には,政府「IT戦略会議(議長:出井伸之)」に対して情報関連5学会と共に提言を行い,情報技術分野に責任を持つ専門家集団として我が国の情報技術の発展に貢献する決意を表明した。更に平成13年1月には,「政府高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」に対して,電子情報通信学会および電気学会と共により具体的な提言を行った。これらの政府IT戦略に対して提出された提言は,今後の学会諸活動を新しい飛躍に繋げていく可能性に富んだものである。
(4) 平成13年3月には,電子情報通信学会 情報・システムソサイエティと本学会の包括的な協力関係を推進する旨の「覚書」を締結した。2002年秋に電子情報通信学会
情報・システムソサイエティ大会と,本学会の全国大会に代える新しい合同大会を創設するためにWGを設置して検討を行った。
さて,会員数は,正会員の新入会者が731名で計画(1,000名)を大きく下回り,学生会員からの変更が655名で計画(600名)を上回ったが,年度末で24,110名となり計画を667名下回った。また,学生会員は新入会者974名で計画(800名)を大幅に上回り,年度末は1,848名と計画を135名上回った。準会員等を加えた年度末の総会員数は,昨年度末比461名減の26,034名となった。
会員増強については,会員増強委員会を中心に,昨年度より企業所属会員獲得のための産業フォーラムの実施,小中高校の職員等を対象とした準会員制度の発足,および電子購読制度の導入等,新規会員獲得のための諸施策を実施している。また,40周年記念事業の一環として入会金免除,学生会費割引を実施して会員獲得に努めた。
会誌については,編集体制の更なる強化を図り,記事のタイムリー性,読者(モニター)による評価の反映,および健全な批判精神を取りこんだ記事の増加等により一層魅力的な内容となった。特に平成12年5月号を40周年記念特集号として発行し,その内容を単行本「IT革命最前線」として発行して好評を得ている。また,記念事業の一環として1990年代の会誌掲載記事から優秀な記事を会誌Best
Paper of '90s賞として選定し表彰した。
論文誌では,投稿数が減少したものの,査読方法の改善,キーワード表の見直し等を含めて論文誌の将来の在り方について議論を重ねた。研究会の論文誌との役割分担については,研究会とともに検討を重ね,「ジャーナル」と「トランザクション(研究会論文誌)」という方向性を示し,更に双方の連携についての検討を引き続き行っている。また,40周年記念事業の一環として記念論文を選定し表彰した。
本学会の出版物全般に関わる問題として,電子化に対応するため昨年度に改訂された著作権規程について,公衆送信および著作権の帰属の問題を中心に,諸活動に支障の無いような改善への検討を行った。
事業活動では,第61回全国大会の講演数は800件未満に止まったものの,創立40周年記念全国大会として位置づけられた第62回全国大会では,講演数は1,060件に達し,記念展示会を含め,記念招待講演,特別トラック,JGNセッションなど魅力ある内容が企画され,参加者は2,485名で平成9年下期の第55回大会以来7大会ぶりに2,000を超える参加者となった。連続セミナーは実務者を中心に前年を35名上回る多くの聴講者を集め(参加者数210名),技術の普及のみならず学会の収支改善に大きく貢献した。
研究会活動では,研究会数が31研究会となり登録者数が増加(10,845名で前年度比324名増)し,研究発表会も活発であった。またトランザクション(研究会論文誌)は新たに2誌増え,計5誌で12冊編集発行された。また研究会主催のシンポジウム(講習会等を含む)を20回開催し多数の参加者を集めた。
教育分野では,日本技術者教育認定機構(JABEE)の活動に参画し,制度の検討と2校に対する試行を行った。また教育功労者に対して,優秀教育賞,優秀教材賞を制定し表彰した。
国際活動では,IEEE-CSとの共催で国際会議SAINTの初回開催を平成13年1月に米国サンディエゴ市で行う等,IFIPや米国のACM,IEEE-CS,韓国KISS,インドCSIなど情報関係学会との連携強化を行った。
規格活動では,リエンジニアリングの終了後もJTC1の活動を活性化するための仕組み作り,教育や空間情報処理などの新分野への取組み,およびJTC1の活動を対外的に宣伝してJTC1標準のVisibilityを向上させる強化策の検討などを推進して,使ってもらえる標準開発に継続的に取組んでいる。
2.会 員
平成13年3月31日(平成12年度末)現在の会員状況は,次の通りである。 (人)
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11年度末
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入 会
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退 会
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除名
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12年度末
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名誉会員 |
33
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正→名 3
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1
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0
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35
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正会員 |
24,777
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806
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24,110
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学生会員 |
1,663
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974
|
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13
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1,848
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準会員 |
22
|
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1
|
0
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41
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会員合計 |
26,495
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2,383
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2,025
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819
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26,034
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賛助会員
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*入会には復会,再入会を含み,退会には死亡退会を含む。
3.第42回通常総会
平成12年5月19日(金)午後4時から2時間余にわたりホテルJALシティ田町東京(東京都港区芝浦)において第42回通常総会を開催した。代表会員制度導入後の初めての総会であり,出席した代表会員および役員は129名であった(うち委任状による出席 49名,定款第33条による総会成立定数 78名)。定款第30条にもとづき長尾会長を議長として,下記の議案を審議し異議なく承認した。
- 第1号議案 平成11年度事業報告について
- 第2号議案 平成11年度決算報告について
- 第3号議案 平成12年度事業計画について
- 第4号議案 平成12年度予算について
- 第5号議案 会費滞納会員の取扱について
- 第6号議案 名誉会員について
- 第7号議案 平成12年度役員改選について
上記第6号議案の名誉会員には,竹下 亨,渡部 和,高橋延匡の3名が推挙され,引続き平成11年度功績賞が中田育男,戸田 巖,池田克夫,山田尚勇の4名に贈呈された。また平成11年度論文賞が宮崎真悟(東芝)ほか24名(論文8編)に,Best
Author賞が水野忠則(静岡大)ほか7名(記事6編)に,新設のBest Editor賞が塚本享治(東京工科大)に,坂井記念特別賞が櫻井幸一(九大)ほか2名にそれぞれ授与された。
総会終了後,和田 弘 元副会長の乾杯の音頭により懇親会を開き,元会長・副会長ほか多数の元役員,先輩を囲み会員一同の親交を深めた。
4.会議の開催
4.1 理事会
平成12年4月開催の第452回理事会以降,平成13年3月までに11回開催した。同年度内の役員は次の通りである(○:平成12年5月新任)。
- 会 長 長尾 真
- 副 会 長 発田 弘,○村岡洋一
- 常務理事 旭 寛治,石井光雄,小花貞夫,上林憲行,工藤育男,調 重俊
- 理 事 滝沢 誠,安浦寛人,○石田喬也,○田中克己,○田中 譲,○寺岡文男,寺中勝美,○徳田英幸,○福井一夫,○松山隆司,○和歌森文男
- 監 事 菊野 亨,○米田英一
4.2 支部長会議
平成12年7月26日(水)および平成13年1月24日(水)に開催し,各支部の活動報告,本部,支部間の意見交換を行った。
4.3 NGI特別委員会
NGI特別委員会(委員長 村岡洋一)はNGI分野の世の中の動きが速いことから,当面の検討課題を教育への応用に絞ることとし,NGI教育小委員会(委員長 相磯秀夫)を発足させた。
小委員会は6回の委員会を開催し,第62回全国大会において,NGIセッション「インターネットは教育をどうかえるか」を企画・開催し,多くの参加者を得た。これに先立ち,web上でのインターネットフォーラムも開設して一般からの意見を募った。これらの成果を提言にまとめることを引き続き検討する。
4.5 フェロー制度委員会
昨年度に創設されたフェロー制度についてのより良い改善と定着のために,年度中1回の会議を開き制度の改善を検討した。
5.創立40周年記念事業 (※詳細は創立40周年記念事業参照)
創立40周年記念事業は,第445回理事会(平成11年9月)において事業計画および実行委員会の承認を得,記念事業実行委員会(委員長 長尾 真,年度内に2回開催)のもとに各事業の推進委員会を設置して各種事業を実施した。
5.1 会誌記念特集号
会誌第41巻5号を「40周年記念特集号」とし,「情報処理技術−過去10年そして今後の10年−」などの記事を掲載した。
5.2 記念祝典
平成12年10月20日(金)に虎ノ門パストラルにおいて,関連省庁,関連学協会ならびに関連業界をはじめ学会歴代役員ほか多数関係者の出席を得て,記念式典,記念講演,祝賀会を開催した。式典出席者320名,講演会出席者357名,祝賀会出席者396名。
5.3 記念論文
応募論文35編の中から6編を選定し,10月の記念祝典において表彰した。また,受賞論文を論文誌第42巻3号「記念論文特集号」に掲載した。
5.4 会誌Best Paper of '90s賞
1990年代に会誌「情報処理」に掲載された解説論文1,522編を対象に,会員から推薦を得たものの中から現在の情報処理技術に影響を与えている優秀な解説論文6編を選定し,10月の記念祝典において表彰した。
5.5 記念出版
- (1) 「爆発するインターネット−過去・現在・未来を読む−」 安田 浩+情報処理学会 編(オーム社) 平成12年10月20日(記念祝典当日)に3,000部発行し,記念祝典出席者に記念品として贈呈したほか,会員に販売した。
- (2) 「IT革命最前線」 江原 暉将・石田晴久 編(情報処理学会) 「40周年記念特集号」をもとに編集し,平成12年10月20日(記念祝典当日)に1,000部発行した。
5.6 記念CD-ROM
会誌・論文誌の創刊号〜40号の全記事・論文を収録したCD-ROMを平成12年10月20日(記念祝典当日)に発行し,作成した1,400セットを完売した。
5.7 記念展示会
創立40周年記念(第62回)全国大会に併せ,平成13年3月13日(火)〜15日(木)に慶應義塾大学(矢上キャンパス)において開催され,各方面の協力を得て,我が国の情報技術のエポックを作った貴重な歴史的資産50点余を出展し,情報技術分野の専門家のみならず一般の方々からも多くの来場を得ることができた(来場者2,330名)。
なお,一般公開に先立ち前日の12日(月)午後に,関連省庁,関連学協会,関連業界ならびに出典企業等関係者の出席を得て特別公開が行われた。
5.8 記念全国大会
第62回全国大会を創立40周年記念全国大会と位置づけ,平成13年3月13日(火)〜15日(木)に慶應義塾大学(矢上キャンパス)において開催した。「ITの世紀へ:社会が変わる,生活が変わる」をスローガンに,多数の特別企画が催された。発表論文1,060件,参加者2,485名。
5.9 創設事業,キャンペーン等
40周年を記念して,IEEE-CSと共催の国際会議SAINT(Symposium on Applications and the
Internet)および教育賞(2件)を創設した。また,40周年特別キャンペーンとして新入会者の入会金免除のほか,学生会員の会費割引を実施した。
6.政府IT戦略への提言
6.1 「IT戦略会議」への提言
平成12年9月7日に政府「IT戦略会議(議長:出井伸之)」に対し,ITに関する専門家集団であるという自覚のもとに,本学会の主導のもと他の情報関連5学会と共同*で,日本のITの健全な発展のためには情報処理教育と研究開発に十分な配慮をすること,そのために関連学会は種々の面で協力を惜しまないことを提言した。 *:電子情報通信学会,日本ソフトウェア科学会,言語処理学会,人工知能学会,日本認知科学会
6.2 「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」への提言
電子情報通信学会の呼びかけのもとで,平成13年1月29日に政府「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」に対し,より具体的な提言を直接関係を持つ3学会*で行った。
*:電子情報通信学会,電気学会,情報処理学会
7.著作権規程の改善検討(※詳細は著作権規程に関する検討経緯参照)
電子化への対応のため昨年度に改訂された著作権規程について,学会諸活動に支障のないよう学会の著作権のあり方の原点に戻った改善検討を行うべく平成12年6月著作権委員会を設立し,平成13年3月まで計7回の委員会を開き,学会が著作権を有することの必要性,研究報告の著作権の取り扱いおよび著者個人の公衆送信の時期を中心に検討した。
なお,研究報告や全国大会発表論文など研究途中の論文の著作権の取り扱いについて学会間で著作権関連の紛争が起きたりすることのないよう関連5学会で協定を結ぶ話し合いを開始した。
著作権委員会の委員は次の通りである。
- 委 員 長 発田 弘
- 副委員長 工藤育男
- 幹 事 寺岡文男
- 委 員 江原暉将 ほか7名
8.表彰等
8.1 功績賞
功績賞委員会(委員長 発田副会長)において,平成12年度功績賞を次の3名に贈呈することとした(会員番号順)。
稲垣康善(名大),堀越 彌(日立情報システムズ),松下 温(慶大)
8.2 フェロー
フェロー選定委員会(委員長 牛島和夫)において,平成12年度のフェローを次の通り選定し,第62回全国大会において認証状を授与した(氏名五十音順)。
茨木俊秀(京大),植村俊亮(奈良先端大),大岩 元(慶大),木村 泉(中京大),柴田義孝(岩手県立大),鈴木健二(アドバンスト・コミュニケーションズ),戸田 巖(富士通研),牧之内顕文(九大),増永良文(お茶の水大),山田尚勇(中京大)
8.3 論文賞
論文賞委員会(委員長 村岡副会長)において,平成12年度論文賞として下記論文8編(21名)を選定した。
- 2部グラフ描画問題に対する近似アルゴリズム(Vol.40,No.10) 山口敦子(生物分子研),杉本晃宏(京大)
- 位置指向の情報の収集,構造化および検索手法(Vol.41,No.7) 横路誠司,高橋克巳(NTT),三浦信幸,島 健一(NTTドコモ)
- Suffix arrayの効率的な構築法(Vol.41,No.SIG1) 伊東秀夫(リコー)
- GigaE PM;Gigabit Ethernetを用いた高速通信機構の設計と評価(Vol.41,No.5) 住元真司,堀 敦史,手塚宏史,原田 浩,高橋俊行,石川 裕(RWCP)
- テレビ会議における映像表現の利用とその影響(Vol.40,No.10) 井上智雄(情報学研),岡田謙一,松下 温(慶大)
- 移動指向ネットワークアーキテクチャの設計と実装(Vol.41,No.7) 舌間一宏,寺岡文男(ソニー)
- 匿名のままの権利行使を可能とした認証方式(Vol.41,No.8) 佐藤直之,鈴木英明(NTT)
- ウェアラブル・コンピュータ向けリアルタイムPersonal Positioning System (Vol.41,No.9)
青木 恒(東芝)
8.4 Best Author賞
会誌編集委員会(委員長 石田編集長)が選定委員会となり,平成12年度 Best Author賞として下記5編(11名)を選定した。
- デジタルペット〜心を持った機械達〜(Vol.41,No. 2) 牛田博英,平山裕司,中嶋 宏(オムロン)
- ビジネス特許で世界が変わる(Vol.41,No.6) 高倉成男(京大)
- Javaセキュリティ・ホールにみる企業責任(Vol.41,No.8) 高木浩光(電総研),米田英一,棟上昭男(東京工科大),小林正彦(情報処理振興事業協会)
- PalmOS その魅力を探る(Vol.41,No.9) 田中秀樹(NTTデータポケット),山田達司(NTTデータ)
- 形態素解析システム「茶筌」(Vol.41,No.11) 松本裕治(奈良先端大)
8.5 Best Editor賞
会誌編集委員会(委員長 石田編集長)が選定委員会となり,平成12年度 Best Editor賞として下記1名を選定した。
- 受賞者:三橋昭和 対象記事:コラム「乱世のアクセス・ネットワーク」(Vol.41, Nos.4 - 12)
8.6 坂井記念特別賞
坂井記念特別賞選定委員会(委員長 村岡副会長)において,平成12年度坂井記念特別賞を下記の4名に贈呈することとした(「 」内:対象の研究開発)。
- 若林一敏(NEC) 対象:「VLSIの上流自動設計検証システムの研究・開発」
- 鎌田富久(ACCESS) 対象:「携帯電話インターネットの研究開発および国際標準化」
- 高田広章(豊橋技科大) 対象:「ITRON仕様に関する研究・開発と標準化」
- 河原達也(京大) 対象:「高精度かつ汎用的な音声認識ソフトウェアの開発」
8.7 山下記念研究賞
各領域委員会が選定委員会となり,平成12年度山下記念研究賞として下記14編(14名)を選定し,12年10月の全国大会において表彰した。
(1) コンピュータサイエンス領域
- MindReader:例にもとづくデータベース問合せ手法 [98-DBS-115(1998.7.9)] (データベースシステム研究会)
石川佳治(筑波大)
- 印象検索に基づく対話型空間生成 [DBS-119(1999.7.21)] (データベースシステム研究会) 宇杉大介(大和ハウス)
- 細粒度保護ドメインのための多重保護ページテーブルの提案と実装 [99-OS-81(1999.5.6)] (システムソフトウェアとオペレーティング・システム研究会)
河野健二(電通大)
- プラスチック・ハード・マクロ技術による低消費電力算術演算器 [DAシンポジウム'99(1999.7.16)](システムLSI設計技術研究会)
瀧 和男(神戸大)
- BDDの規模によらず一定の実記憶の範囲内で動作するストリーム形式BDD処理アルゴリズム [99-SLDM-93(1999.7.27)](システムLSI設計技術研究会)
湊 真一(NTT)
- 高速球面調和関数変換法 [98-HPC-73(1998.10.9)] (ハイパフォーマンスコンピューティング研究会) 須田礼仁(名大)
- A New Family of 3/4-Approximation Algorithms and Improved Approximation
Aalgorithms for MAX SAT [99-AL-70(1999.11.8)](アルゴリズム研究会) 浅野孝夫(中央大)
(2) 情報環境領域
- 手書きスケッチによるモデリングシステムTeddy [インタラクション'99(1999. 3. 5)] (ヒューマンインタフェース研究会)
五十嵐健夫(東大)
- 産業連関表の三角化手法による情報産業の相互連関分析について [99-IS-72(1999. 9.27)](情報システムと社会環境研究会)
鷲崎早雄(鷲崎経済工学研)
- 大規模テストコレクション構築のためのプーリ ングについて:NTCIR-1の予備テストの分析 [99-FI-54(1999.
5.17)](情報学基礎研究会) 栗山和子(情報学研)
- 文書を構成する型についての一考察 [2000-DD-22(2000. 3.17)](デジタル・ドキュメント研究会) 大野邦夫(INSエンジニアリング)
- 岡本-田中鍵共有方式のなりすましに関する安全性 [99-CSEC-6(1999. 7. 9)](コンピュータセキュリティ研究会)
岡本 健(北陸先端大)
- 暗号ブレイク対応電子署名アリバイ実現機構(その2)−詳細方式− [2000-CSEC-8(2000. 3.21)](コンピュータセキュリティ研究会)
洲崎誠一(日立)
(3) フロンティア領域
- 日本語ディクテーション基本ソフトウエア(97年度版)の性能評価 [98-SLP-21(1998. 5.29)](音声言語情報処理研究会)
鹿野清宏(奈良先端大)
8.8 大会優秀賞・大会奨励賞
第60回全国大会(平成12年前期)優秀賞・奨励賞選定委員会(委員長 高橋延匡)および第61回全国大会(平成12年後期)優秀賞・奨励賞選定委員会(委員長 宮原秀夫)において選定された登壇発表者は次の通りで,それぞれ第61回および第62回全国大会において表彰された。
(1) 第60回全国大会(平成12年 3月,拓殖大学八王子キャンパス)
・大会優秀賞 8名
紅山史子(日立),澤田伸一(農工大),福田民生(東芝情報システム),鈴木 健(慶大),渡辺博芳(帝京大),宮本 勝(NTT),杉村淳子(早大高等学院),角谷和俊(神戸大)
・大会奨励賞 9名
児島 彰(広島市大),岩村卓成(電通大),白井 亮(東大),小林健一(日本工大),濱崎雅弘(同志社大),杉田 寛(拓大),沢井
宏 (理科大),茂呂麻衣子(慶大),甲斐 賢(日立電子サービス)
(2) 第61回全国大会(平成12年10月,愛媛大学城北キャンパス)
・大会優秀賞 8名
横山和俊(NTTデータ),藤井治彦(NTT情報流通プラットフォーム研),堀内浩規(KDD研),白銀純子(早大),赤堀正剛(慶大),中川
格(NTTドコモ),岡田英彦(NEC),千葉竜一(拓大)
・大会奨励賞 8名
芳賀俊之(東大),石原 進(静岡大),酒井隆道(NTT未来ねっと研),野中 誠(早大),太田英憲(三菱電機),南田 元(創価大),杉崎正之(NTTサイバーソリューシュン研),Eric
Y. Chen(NTT情報流通プラットフォーム研)
8.9 優秀教育賞
公募により推薦された受賞候補者の中から,教育賞委員会(委員長 大岩 元)において下記のとおり平成12年度優秀教育賞4名を選定し,平成13年3月の第62回全国大会において表彰した。
山本富士男(神奈川工科大),岡田 稔(中部大),片山滋友(日本工大),桑原裕史(鈴鹿工業高専)
8.10 優秀教材賞
公募により推薦された受賞候補者の中から,教育賞委員会(委員長 大岩 元)において下記のとおり平成12年度優秀教材賞1名を選定し,平成13年3月の第62回全国大会において表彰した。
大木幹雄(日本工大)
9.機関誌編集活動
9.1 会誌「情報処理」(月刊)
平成12年4月以降,毎月1回編集委員会を開催し,会誌「情報処理」第41巻4号から第42巻3号まで計12号(本文1,444ページ,会告452ページ,広告160ページ,平均発行部数25,832部)を編集発行した。
本年度は引き続き石田編集長のもと,記事の構成およびレイアウトを工夫し,役立つ会誌,読みやすい会誌の編集を心がけた。また,本年度は定例の編集委員会とは別に,トップダウンの企画を中心に検討する企画会議を隔月に開催し,長期的視野にたった会誌編集を試みた。最先端の動きを紹介する「情報処理最前線」,平易な解説で好評の「道しるべ」,斬新な切り口が好評の「インタラクティブ・エッセイ」を引き続き掲載したほか,SEのための「コラム」やインターネットに関する最新の話題を提供する「コラム」の連載を開始した。
特集号のテーマは次の通りである。
巻・号 特集テーマ [編集幹事]
- 41. 4 ビジュアルな情報検索 [鈴木雅実・武田浩一]
- 41. 5 40周年記念特集号 [江原暉将]
- 41. 6 高齢者や障害者を支える情報技術−社会の側に眼を向けて− [堀内靖雄・市川 熹]
- 41. 7 ここまできた自然言語処理−例文の収集とその利用− [冨浦洋一・渡辺日出雄]
- 41. 7 西暦2000年問題を振り返って [青山幹雄]
- 41. 8 情報検索システムの力くらべ−テストコレクションによる評価− [相原健郎・神門典子]
- 41. 9 光インタコネクション技術 [工藤知宏・黒川隆志]
- 41.10 聖徳太子をつくる技術 [柏野邦夫]
- 41.10 3Dディジタルコンテンツのためのモデリング技術 [宮田一乘・鈴木宏正]
- 41.11 使いやすくなった自然言語処理のフリーソフト−知っておきたいツールの中身− [李 航・久光 徹・那須川哲哉]
- 41.12 IP通信によるディジタルメディアの将来 [中川晋一・勝本道哲]
- 42. 1 情報論的学習理論とその応用 [李 航・小柴健史]
- 42. 2 VoIP [寺田松昭・寺岡文男]
- 42. 3 ネットワークバーチャルリアリティ [清川 清・廣瀬通孝]
- 42. 3 ケータイの科学 [木幡 稔]
本年度は学会創立40周年であることから,5月号を記念特集号として編集発行した。更に,これを単行本としてまとめ直し「IT革命最前線」として発売した。
また,6月号からは本誌を輪転機印刷に切り替え,コスト削減分をカラー頁の増加に費やし,より一層の読みやすさを心がけた。
会誌編集委員は次の通りである。
- 編集長 石田晴久
- 理 事 上林憲行,寺岡文男 ほか委員5名
- 専門委員会 基礎・理論分野 主査:阿久津達也 ほか18名
- ソフトウェア分野 主査:森本康彦 ほか17名
- ハードウェア分野 主査:末吉敏則 ほか13名
- アプリケーション分野 主査:宮田一乘 ほか17名
- 実務分野 主査:青沼 充 ほか13名
- 書評・ニュース分野 主査:梅木秀雄 ほか17名
- コミュニケーション分野 主査:中川晋一 ほか13名
9.2 ジャーナル「情報処理学会論文誌」(月刊)
平成12年4月以降,毎月1回定例の編集委員会を開催し,「情報処理学会論文誌」第41巻4号から第42巻3号まで計12号(論文304編,テクニカルノート12編,本文3,211ページ,平均発行部数5,819部)を編集発行した。
(1) 編集組織の改編:編集組織の改編を行った。
(2) キーワード表の改訂:キーワード表の改訂を検討した。平成13年度からの実施を目指している。
(3) 推薦論文制度の改訂:推薦論文の推薦母体を拡大した。
(4) ゲストエディタ制度による特集の整備:ゲストエディタ制度による特集の企画提案から審査終了までのプロセスを整備し,明文化した。
(5) 研究会との協力体制の強化:研究会と連携し,ジャーナル,トランザクションの進むべき方向性を検討した。また,調査研究運営委員会と議事録の交換を行うなど協力体制の強化に努めた。
(6) 論文誌の電子化および査読支援システム開発の検討:ジャーナルを電子化し,Web上に掲載した。また,査読支援システムの開発を検討した。
(7) 創立40周年記念論文の選定:創立40周年記念論文の公募を行い,受賞論文を選定し表彰のうえジャーナルに掲載した。
特集号のテーマは次の通りである。
巻・号 特集テーマ [編集幹事]
- 41. 4 電子システムの設計技術と設計自動化 [今井正治]
- 41. 5 人とコンピュータの新しい相互作用系 [上林憲行]
- 41. 5 並列処理 [中島 浩]
- 41. 6 システムソフトウェアの新しい潮流 [高橋延匡]
- 41. 8 情報セキュリティの理論と応用 [土居範久]
- 41. 9 モバイルコンピューティング [水野忠則]
- 41.10 知識と情報の共有 [応用グループ]
- 41.11 電子化知的財産・社会基盤 [苗村憲司]
- 41.12 インターネット応用システムの構築と運用管理 [箱崎勝也]
- 42. 2 マルチメディアネットワークシステム [小泉寿男]
- 42. 3 創立40周年記念論文 [富田眞治]
論文誌編集委員は次の通りである。
- 委 員 長 安浦寛人
- 副委員長 田中克己
- 委 員 基礎グループ 主査:横森 貴 ほか19名
- ソフトウェアグループ 主査:多田好克 ほか25名
- ハードウェアグループ 主査:妹尾義樹 ほか23名
- 応用グループ 主査:岡田謙一 ほか40名
9.3トランザクション(研究会論文誌)
研究会編集のトランザクションを年度内に次の通り発行した。
論文誌名 |
巻・号 |
発行年月 |
論文数 |
ページ数 |
発行
部数
|
編集委員長 |
プログラミング
(PRO 7)
(PRO 8)
(PRO 9)
(PRO10)
|
Vol.41, No.SIG 4
No.SIG 9
Vol.42, No.SIG 2
No.SIG 3
|
H12. 6
H12.11
H13. 2
H13. 3
|
8
8
8
6
|
92
114
102
80
|
500
500
500
500
|
柴山悦哉 |
データベース
(TOD 6)
(TOD 7)
(TOD 8)
(TOD 9)
|
Vol.41, No.SIG 3
No.SIG 6
Vol.42, No.SIG 1
No.SIG 4
|
H12. 5
H12.10
H13. 1
H13. 3
|
7
8
16
3
|
84
90
181
35
|
700
700
700
700
|
清木 康,
中谷多哉子
|
数理モデル化と応用
(TOM 3)
|
Vol.41, No.SIG 7
|
|
|
|
|
白石洋一 |
ハイパフォーマンスコンピューティングシステム
(HPS 1)
(HPS 2)
|
Vol.41, No.SIG 5
No.SIG 8
|
H12. 8
H12.11
|
11
11
|
124
118
|
1,000
850
|
小柳義夫 |
コンピュータビジョンとイメージメディア
(CVIM 1)
|
Vol.41, No.SIG10
|
|
|
|
|
池内克史 |
10.事業活動
10.1 全国大会
第61回(平成12年後期)全国大会(プログラム委員長 宮原秀夫)は愛媛大学で開催し,第62回(平成13年前期)全国大会(プログラム委員長 松下 温)は慶應義塾大学矢上キャンパスで開催した。
第61回大会は講演参加者数は伸び悩んだものの,プログラム委員会では魅力あるテーマによる公開パネル討論や公開シンポジウム,デモセッションなどを開催した。
第62回大会は学会創立40周年記念大会と位置づけて開催し,1,000件を越える講演参加者を集め,記念招待講演,特別トラック,JGNセッション,デモセッション等,盛り沢山のプログラムとなった。
大会の概要は次の通りである。
|
第61回(平成12年後期)
|
第62回(平成13年前期)
|
期 日 |
平成12年10月3日(火)〜5日(木) |
平成13年 3月13日(火)〜15日(木) |
会 場 |
愛媛大学城北キャンパス |
慶應義塾大学矢上キャンパス |
発表論文 |
767件 |
1,060件 |
参 加 者 |
1,256名,うち非会員190名 |
2,485名,うち非会員424名 |
大会スローガン |
21世紀への新たな夢を育てる |
ITの世紀へ:社会が変わる,生活が変わる |
招待/特別講演 |
・ダイオキシン・環境ホルモン問題から21世紀を考える 立川 涼(愛媛大名誉教授)
・NPO法人による地域情報化の取組み 相原玲二(広島大)
|
・Streaming Voice & Video Over the Internet with Transformation-Based
Error Concealment Dr. Benjamin. W. Wah(IEEE-CS会長)
|
パネル討論
特別トラック
|
・次のDeep Blueはいつできるか? 司会:松原 仁(はこだて未来大)
・インターネット初等中等教育 司会:神沼靖子(前橋工科大)
・コンピュータメディアと表現 司会:藤幡正樹(東京芸大)
|
特別トラック1:グループウェアとネットワークサービス
特別トラック2:コンピュータグラフィクスとビジュアルコンテンツ
特別トラック3:21世紀のセキュリティ
特別トラック4:IT革命を支えるソフトウェア開発技術
特別トラック5:情報家電とネットワーク
|
チュートリアル
特別セッション等
|
・新しい計算パラダイム 司会:富田悦次(電通大) |
・チュートリアル:ビジネスモデル特許を知る ・アクレディテーションセッション ・NGI教育セッション ・標準化セッション ・JGN分散遠隔セッション ・企業デモOS研究会デモ |
10.1.1 電子情報通信学会 情報・システムソサエティとの協力
平成13年3月21日(水)に,電子情報通信学会およびその情報・システムソサェティの間で包括的な協力関係を推進する旨の「覚書」に調印した。その最初の活動として,本学会平成14年後期全国大会と電子情報通信学会
情報・システムソサエティ大会とが合同して新しい大会を創設する検討を行った。
10.2 連続セミナー
平成12年度(担当理事 調 重俊)は,社会に情報処理技術を広めるため会員外にも参加を公募し,「ネットワーク社会とIT」をテーマとして,年度中に次の通り連続セミナーを6回実施した(場所 工学院大学,参加者210名)。学会の収支に引き続き貢献した。
日 程 テーマ コーディネータ
- 第1回 平成12年6月22日(木) インターネットと安全性 今井秀樹(東大)
- 第2回 平成12年7月25日(火) 次世代インターネットへの挑戦 江崎 浩(東大)
- 第3回 平成12年9月26日(火) インターネットとビジネス 井田昌之(青学大)
- 第4回 平成12年12月18日(月) インターネットと教育 武井惠雄(帝京大)
- 第5回 平成13年1月26日(金) インターネットと生活 竹林洋一(東芝)
- 第6回 平成13年2月13日(火) インターネットと使い易さ 土井美和子(東芝)
10.3 産業フォーラム
企業間あるいは産業・学界相互間での新しい情報技術の情報交換の場を提供することを主旨に,下記のテーマで年度間に7回開催した(担当理事 滝沢 誠)。
- (1) ITS(第2回) 平成12年5月17日(水) コーディネータ 小花貞夫(KDD研究所) 参加者43名
- (2) 次世代インターネット(第1回) 平成12年9月28日(木) コーディネータ 寺岡文男(ソニーCSL) 参加者35名
- (3) ITS(第3回) 平成12年10月12日(木) コーディネータ 小花貞夫(KDD研究所) 参加者30名
- (4) オンライン・プライバシー保護 平成12年11月1日(水) コーディネータ 石田喬也(三菱電機) 参加者15名
- (5) 情報家電(第2回) 平成12年12月19日(木) コーディネータ 徳田英幸,戸辺義人(慶大) 参加者35名
- (6) 次世代インターネット(第2回) 平成13年1月26日(金) コーディネータ 寺岡文男(ソニーCSL) 参加者53名
- (7) ITS(第4回) 平成13年3月26日(月) コーディネータ 小花貞夫(KDD研究所) 参加者35名
10.4 プログラミング・シンポジウム
プログラミング・シンポジウム委員会(委員長 和田英一)において次のシンポジウムを開催した。
- (1) 第42回プログラミング・シンポジウム(参加者123名) 平成13年1月9日(火)〜11日(木) 箱根ホテル小涌園
- (2) 夏のプログラミング・シンポジウム(参加者23名) 平成12年 8月30日(水)〜9月1日(金) 六甲ハウス(兵庫県芦屋市)
- (3) 情報科学若手の会(参加者12名) 平成12年9月10日(日)〜12日(火) 草津セミナーハウス(群馬県草津市)
10.5 平成12年電気・情報関連学会連合大会
電気学会を事務担当学会として,平成12年9月に工学院大学で開催した。概要は次の通りである。
- 期日:平成12年9月12日(火)
- 会場:工学院大学新宿キャンパス
- 参加者数:119名
- 招待講演:テーマ:21世紀のネットワーク社会における科学技術
- 新しい時代の電気エネルギー流通システム構想-FRIENDS- 長谷川淳(北大)
- 社会を変革する暗号と情報セキュリティ 辻井重男(中大)
- ネットワーク社会の優しいインターフェースとバリアフリー 春日正男(宇都宮大)
- 日本学術会議シンポジウム:新世紀社会と研究理念の再構築 岩崎俊一(東北工大)ほか全3件の講演
10.6 協賛・後援等の活動
第12回テクニカルコミュニケーションシンポジウム2000(テクニカルコミュニケータ協会主催)(平成12年8月 31日(木)〜9月1日(金),工学院大)ほか96件。
11.出版・電子化
11.1 出版委員会
一般の書籍の他,創立40周年記念事業の一環として「IT革命最前線」,「爆発するインターネット」を発行した。
委員長:村岡洋一, 幹事:工藤育男,福井一夫
11.2 英文図書委員会
海外向け英文図書 " Advanced Information Processing Technology " シリーズの編集を進めた。第3巻「Information
Networking in Asia」を発行した。また,販売価格の見直し,広報など販売促進に努めた。
委員長:齊藤忠夫,副委員長:工藤育男,福井一夫,幹事:近山 隆,委員:岡田美智男ほか10名
11.3 教科書編集委員会
「IT Text」シリーズの編集を進めた。第1巻「コンピュータネットワーク」を発行した。
委員長:松下 温,幹事:大蒔和仁,阪田史郎,委員:大河内正明ほか13名
11.4 電子化専門委員会
創立40周年記念事業の一環として,学会誌(第1巻から第40巻まで)および論文誌(第20巻から第40巻まで)掲載の全論文を14枚のCD-ROMに収録し販売した。
また,ホームページのリニューアルも行った。 研究報告(昭和48年から平成11年まで),研究会論文誌(平成10年,11年)のWeb購読開始へ向け電子データの作成を行った。
メールニュース配信サービスをスタートさせた。
委員長:発田 弘,副委員長:工藤育男,幹事:福井一夫,委員:石井光雄ほか7名
11.5 歴史特別委員会
次の目的のために委員会を再開した。(1)歴史的資料の収集・整理・保管の支持,(2)わが国の情報処理関連のパイオニアを主とする"Who's
Who"の編纂,(3)その他:元IBM副社長James Birkenstock氏の回顧録のうち我が国に関係する部分の紹介(会誌42-2,42-3に掲載)。
委員長:高橋 茂,幹事:松永俊雄,委員:浦城恒雄ほか4名
12.調査研究活動
12.1 調査研究運営委員会
学会活動の核でもある調査研究活動を活性化するため,研究会活動の一環として研究会による論文誌(トランザクション)の編集を行った(内容は機関誌編集活動の項に掲載)。特に委員会内に「研究会論文誌連絡会議」(委員長 田中
譲)を設け,各トランザクション編集委員会の横の連絡の強化を図り,トランザクションの発展のための議論を行った。なお,論文誌(ジャーナル)編集委員会とはオブザーバの派遣や議事録の交換など常に連携をとりつつ協調体制を整えている。
また,委員会内に「著作権調査委員会」(委員長 中島 浩)を設け,著作権規程について研究会へのアンケートを基に議論を行い著作権委員会への提言を行った。
一方,領域および研究会の運営方法等の見直し,特にトランザクション,研究報告のWeb化について議論をしつつ,新規分野の開拓等を行うとともに,学会活動における関連事業,特に領域委員会を通じて全国大会への協力を行った。また,調査研究運営・領域合同委員会を開催し,委員会間の交流および意見交換を図った。
委員は次のとおりである。
- 委員長 安西祐一郎
- 幹 事 石井光雄,田中 譲,松山隆司
- 委 員 加藤和彦,竹林洋一,中島 浩,野寺 隆,萩谷昌己,平田圭二,松岡 聡,山田奨治
(1) 領域委員会(3)
各領域委員会ごとに委員会を開催し,領域および研究会の運営方法の充実を図るとともに,関連する学会活動と連携しつつ当該領域ならびに関連分野に関しての研究会活動の活性化を図った。
特にトランザクション編集へのバックアップ方法や新たな計画の推進を検討し,著作権規程や研究報告等のWeb化に関する議論を行った。
また,全国大会へはプログラム委員等を選出するなど協力を行った。
- 1) コンピュータサイエンス領域委員会(年3回開催) 委員長 萩谷昌己
- 2) 情報環境領域委員会(年3回開催) 委員長 田中 譲
- 3) フロンティア領域委員会(年3回開催) 委員長 松山隆司
(2) 研究会(31)
研究会名 |
英文略称 |
主査(運営委員数) |
登録者数 |
発表回数(件) |
<コンピュータサイエンス領域> |
データベースシステム |
DBS |
清木 康 (38) |
497
|
3(101)
|
ソフトウェア工学 |
SE
|
玉井哲雄 (37) |
468
|
4(54)
|
計算機アーキテクチャ |
ARC |
笠原博徳 (37) |
376
|
5(96)
|
システムソフトウェアとオペレーティング・システム |
OS |
石川 裕 (26) |
319
|
3(67)
|
システムLSI設計技術 |
SLDM |
浜村博史 (31) |
312
|
5(50)
|
ハイパフォーマンスコンピューティング |
HPC |
佐藤三久 (27) |
363
|
5(100)
|
プログラミング |
PRO |
柴山悦哉 (33) |
388
|
5(67)
|
アルゴリズム |
AL |
今井 浩 (34) |
331
|
5(50)
|
数理モデル化と問題解決 |
MPS |
富田悦次 (28) |
278
|
5(72)
|
<情報環境領域> |
マルチメディア通信と分散処理 |
DPS |
宮部博史 (46) |
493
|
5(93)
|
ヒューマンインタフェース |
HI |
間瀬健二 (47) |
508
|
5(55)
|
グラフィクスとCAD |
CG |
近藤邦雄 (28) |
391
|
4(44)
|
情報システムと社会環境 |
IS |
神沼靖子 (22) |
295
|
3(17)
|
情報学基礎 |
FI |
大山敬三 (26) |
251
|
4(68)
|
情報メディア |
IM |
上林憲行 (21) |
272
|
3(22)
|
オーディオビジュアル複合情報処理 |
AVM |
松本修一 (20) |
231
|
4(77)
|
グループウェア |
GW |
岡田謙一 (29) |
352
|
4(55)
|
分散システム/インターネット運用技術 |
DSM |
箱崎勝也 (30) |
341
|
4(43)
|
デジタル・ドキュメント |
DD |
安達 淳 (15) |
254
|
5(23)
|
**モバイルコンピューティングとワイヤレス通信 |
MBL |
水野忠則 (30) |
357
|
4(54)
|
コンピュータセキュリティ |
CSEC |
佐々木良一(33) |
325
|
4(79)
|
* 高度交通システム |
ITS |
松下 温 (28) |
199
|
4(56)
|
<フロンティア領域> |
自然言語処理 |
NL |
松本裕治 (29) |
489
|
6(119)
|
知能と複雑系 |
ICS |
沼尾正行 (28) |
458
|
4(54)
|
コンピュータビジョンとイメージメディア |
CVIM |
池内克史 (40) |
478
|
5(62)
|
コンピュータと教育 |
CE |
武井惠雄 (30) |
506
|
4(48)
|
人文科学とコンピュータ |
CH |
柴山 守 (23) |
299
|
4(34)
|
音楽情報科学 |
MUS |
松島俊明 (25) |
303
|
5(65)
|
音声言語情報処理 |
SLP |
新田恒雄 (29) |
302
|
5(98)
|
電子化知的財産と社会基盤 |
EIP |
安田 浩 (18) |
221
|
4(22)
|
ゲーム情報学 |
GI |
小谷善行 (21) |
188
|
3(31)
|
合 計
|
|
(909)
|
10,845
|
133(1,876)
|
* 新設 **名称変更
(3) 研究グループ(2)(詳細:省略)
研究グループ名 |
英略称 |
主 査 |
記 事 |
<情報環境領域> |
システム評価 |
SE |
福田 晃 |
平成13年度から研究会へ |
高品質インターネット |
HQI |
池田克夫 |
平成13年度から研究会へ |
12.2 シンポジウム・講習会等
平成12年度中に次の通り20回開催した。
題 名 |
研究会略称 |
開催期日/場所 |
参加者 |
演題数 |
2000年記念並列処理シンポジウム(JSPP2000) |
ARC,OS,HPC,PRO,AL |
H12. 5.30(火)〜 6. 1(木)/早稲田大学国際会議場
|
275名
|
60件
|
グラフィクスとCAD/ビジュアルコンピューティング合同シンポジウム |
CG |
H12. 6.28(木)〜29(金)/早稲田大学国際会議場 |
155名
|
21件
|
DICOMO2000(マルチメディア,分散,協調とモバイル)シンポジウム |
DPS,GW,MBL,DSM,ITS |
H12. 6.28(木)〜30(金)/山代温泉ゆのくに天祥 |
208名
|
131件
|
DAシンポジウム2000 |
SLDM |
H12. 7.17(月)〜19(水)/遠鉄ホテルエンパイア |
140名
|
39件
|
情報教育シンポジウム |
CE |
H12. 7.29(土)〜31(月)/上山田文化会館 |
89名
|
21件
|
音声認識セミナー:基礎からディクテーションまで |
SLP |
H12. 8.28(月)〜30(水)/会津大学 |
42名
|
5件
|
オブジェクト指向2000シンポジウム |
SE |
H12. 8.30(水)〜9.1(金)明治大学(駿河台) |
236名
|
24件
|
モバイルコンピューティングとワイヤレス通信シンポジウム |
MBL |
H12.10.13(金)ソニー会館 |
109名
|
7件
|
コンピュータセキュリティシンポジウム2000 |
CSEC |
H12.10.26(木)〜27(金)学術総合センター |
162名
|
58件
|
コンピュータシステムシンポジウム |
OS |
H12.11.15(水)〜16(木)東京国際展示場 |
62名
|
18件
|
データベースとWeb情報システムに関するIPSJ DBS/ACM SIGMOD Japan
Chapter/JSPS AMCP合同シンポジウム(DBWeb2000) |
DBS |
H12.12. 6(水)〜 8(金)お台場 |
154名
|
48件
|
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ |
DPS |
H12.12. 6(水)〜 8(金)ホテル伊那華 |
78名
|
46件
|
新しい計算パラダイム |
MPS |
H12.12.14(木)・15(金)NKK本社 |
68名
|
22件
|
人文科学とコンピュータシンポジウム |
CH |
H12.12.15(金)・16(土)立命館大学 |
171名
|
39件
|
ウィンターワークショップ・イン・金沢 |
SE |
H13. 1.11(木)・12(金)辰口温泉松崎旅館 |
43名
|
46件
|
高度交通システムシンポジウム |
ITS |
H13. 1.12(金)慶應義塾大学 |
100名
|
6件
|
2001年情報学シンポジウム |
FI |
H13. 1.18(木)〜19(金)日本学術会議講堂 |
69名
|
13件
|
情報システムと社会環境シンポジウム |
IS |
H13. 1.26(金) 國學院大学 |
115名
|
10件
|
分散システム/インターネット運用技術シンポジウム2001 |
DSM |
H13. 2. 1(木)〜 2(金)名古屋大学 |
87名
|
19件
|
インタラクション2001 |
HI,IM,GW |
H13. 3. 5(月)〜 6(火)早稲田大学国際会議場 |
309名
|
69件
|
12.3 小規模国際会議
平成12年度中に次の通り2回開催した。
会 議 名 |
開催期間 |
参加者 |
開催地 |
アルゴリズム・計算日韓共同ワークショップ |
H12. 7.21(金)〜22(土) |
75名
|
東京大学山上会館 |
第2回ゲーム情報学国際会議 |
H12.10.26(木)〜28(土) |
80名
|
カリアック(浜松市) |
13.教育活動
13.1 情報処理教育委員会
情報処理教育委員会(委員長 大岩 元)は主に電子メールを用いて活動を展開したが,平成12年12月には会合を開き活動計画について検討を行った。アクレディテーションについては次項で述べるが,その他に,初等中等教育小委員会(委員長 大岩 元)は,「コンピュータと教育」研究会と協力して7月にシンポジウムを開催し,特に高校における情報教育に関する議論を行った。
13.2 アクレディテーション
アクレディテーション委員会(委員長 高橋延匡)はJABEEの情報分野の検討組織として,認定基準の検討や認定実施上の問題点の検討を行い,平成12年12月には各試行審査団を設け,京都大学,大阪工業大学における認定試行の審査を行った。その結果は平成13年3月の全国大会のアクレディテーションセッションでも報告した。また,ソフトウェア工学のカリキュラムとアクレディテーションを検討するため,この委員会の下にソフトウェア工学WG(委員長 松本吉弘)を組織して活動を行った。
13.3 文部科学省委嘱調査
文部科学省高等教育局から「大学等における一般情報処理教育の在り方に関する調査研究」の委嘱を受け,大学等における一般情報処理教育の在り方に関する調査研究委員会(委員長
川合 慧)を設け調査研究を行い,その結果をまとめて報告書を提出した。
13.4 経済産業省委嘱調査
新エネルギー・産業技術総合開発機構が窓口となって経済産業省から受託した「技術者教育の外部認定制度導入に関する調査」の情報分野につき,アクレディテーション委員会が担当し調査研究を行った。
13.5(株)三菱総合研究所委嘱調査
平成11年度に引き続き三菱総研からの委託による「情報システム学とソフトウェア工学のカリキュラム開発に関する調査研究」につき,情報システム小委員会およびアクレディテーション委員会ソフトウェア工学分科会が担当して調査研究を行った。また,平成13年3月には「アクレディテーション」シンポジウムを行うなどして同社あて報告書を提出した。
14.国際活動
14.1 国際業務委員会
平成12年度中に5回開催し,主催・共催会議の申請等について審議を行った。
- 委員長 小花貞夫
- 委 員 大岩 元(SEARCC日本代表),石田喬也,増永良文(ACM担当),山田昭彦(IEEE担当)
14.2 IFIP委員会
平成12年度中に4回開催し,IFIPの国内活動,WCC2000への対応を中心に企画・審議した。
- 委員長 三浦武雄(IFIP日本代表,IFIP副会長) *吉澤充博(日本代表補佐)
- 幹 事 小花貞夫,石田喬也
- 委 員 伊藤貴康(IFIP/TC1),筧 捷彦(TC2),大岩 元(TC 3),木村文彦(TC 5),齊藤忠夫(TC 6),亀田寿夫(TC
7),内木哲也(TC 8),松本恒雄(TC 9),南谷 崇(TC10),黒川恒夫(TC11),堂下修司(TC12),黒須正明(TC13),江尻正員(IAPR),樋口和雄(JEITA)
14.3 IFIP活動
(1) 平成12年8月21日(月)〜25日(金)に北京で開催されたIFIP WCC2000に本学会長尾会長が出席し,基調講演を行った。
(2) WCC2000の期間中に開催されたIFIP 総会に三浦武雄 日本代表が出席し,IFIP副会長に再選(任期3年)され,Committee
for Cooperation with Industry(CCI)委員長を兼任することになった。また,IFIP の活動にEntertainment
Computing を取り入れる提案を釜江尚彦 元理事より行い,Task Forceを設置して活動の立ち上げを図ることになった。我が国からのTask
Force Chairの選出を始めた。
(3) WCC2002(平成14年8月 モントリオール)の国際プログラム委員に,本学会から阪田史郎氏(NEC)を選出した。
(4) IFIP Executive Boardの東京開催が上記総会で決まり,平成13年2月5日(月)〜6日(火)に本学会事務局で開催し,本学会,JEITA(旧電子協),IFIPの3者間で活発な意見交換がなされた。
(5) 平成13年3月4日(日)〜8日(木)にナポリで開催されたIFIP Councilに三浦委員長が出席した。
14.4 SEARCC関係
平成12年11月26日(火)〜29日(金)にフィリピンで開催されたSEARCC大会に大岩 元 日本代表が出席した。また,平成13年のSEARCC
EXCO(理事会)開催担当が本学会と決まっているため,その対応として国際業務委員会傘下に,SEARCC WG(chair発田副会長)を設けることとした。
14.5 その他の国際活動
(1) KISS(韓国情報科学会)関係:平成12年10月27日(金)に開催されたKISS全国大会(Sookmyung Women's
Univ.)で,本学会発田副会長が招待講演を行った。
(2) IEEE,IEEE-CS関係:平成13年3月の第62回全国大会においてIEEE-CS会長のDr. Benjamin.
W. Wah氏が講演した。また,協力関係を平成14年12月まで延長する協定書に調印を行った。
(3) SAINT関係:IEEE-CSとIPSJの共催で,第1回国際会議SAINT-2001(The 2001 Symposium
on Applications and the Internet)を,平成13年1月8日(日)〜12日(金),San Diego(米国,カリフォルニア州)で開催し,本学会長尾会長が基調講演を行った。また,SAINTの長期的運営に関する協定書に,CSと本学会の両会長が調印した。
参加者 167名(邦人半数以上) 論文(大会) 25件 (ワークショップ)58件
14.6 国際会議の開催
(1) 第4回企業分散オブジェクトコンピューティング国際会議(共催) EDOC2000:4th International
Enterprise Distributed Object Computing Conference 平成12年9月25日(月)〜28日(木)
開催地:富士通幕張 委員長:上原三八 参加者:151 名,うち海外9カ国43 名
(2) 第8回ネットワークとプロトコルに関する国際会議(共催) IEEE-ICNP-2000:2000 International
Conference on Network Protocols 開催日:平成12年11月14日(火)〜17日(金) 開催地:阪大 委員長:松下
温 参加者:146名,うち海外7カ国56 名
(3) アジア南太平洋設計自動化会議2001(共催) ASP-DAC 2001:Asia and South Pacific
Design Automation Conference 2001 開催日:平成12年1月30日(火)〜 2月2日(金) 開催地:パシフィコ横浜 委員長:後藤
敏 参加者:589 名,うち海外 20カ国141 名
(4) 自律分散システムに関する国際シンポジウム(共催) ISADS:International Symposium on
Autonomous Decentralized Systems 開催日:平成13年3月26日(月)〜 28日(水) 開催地:米国,ダラス 委員長:森
欽司 参加者:130名 うち海外19か国110名
14.7 協賛・後援等の活動
INET2000-The Internet Global Summit(平成12年7月18日(火)〜7月21日(金),INET日本委員会依頼,パシフィコ横浜)ほか11件。
15.規格調査活動
15.1 国際活動の状況
(1) JTC1の今後の戦略
1) 戦略検討特別グループ会議(2000年6月チューリッヒ)
2000年2月のオスロ会議に続く6月のチューリッヒでの特別グループ会議でJTC1標準開発に国の代表のみでなく私企業,コンソーシアムなどの参加を認める「新参加モード」の試行に関する提案がまとめられた。
2) 2000年11月トロムソ総会
「新参加モード」の試行に関する提案はJTC1での郵便投票により承認され,トロムソ総会ではSCレベルまでを含めて企業等を含む団体の参加を認めた先の提案を覆し,(SC下の)WGに絞ってこの試行を行うことになった。試行結果の評価は2002年JTC1総会行われ,次のステップが決定される予定。
3) 2001年1月ISO/TMB会議
WGレベルでの「新参加モード」の試行はJTC1の上部団体であるISO/TMB会議で基本的には承認されたが,ISO/TMBは元々のより急進的な提案をJTC1が再考し再提案することを求めている。
(2) JTC 1標準のWEBからのダウンロード
1) 2000年3月ニューヨーク特別グループ会議
ISOはJTC1の標準ドキュメントをWEBからの無償あるいは小額での配布を可能とするビジネスモデルについてマーケット試行プロジェクトチームを設置し試行案を策定した。
2) 2000年11月トロムソ総会
ISOのマーケット試行プロジェクトチームへのJTC1の推奨事項をまとめるとともにこのプロジェクトチームへのJTC 1の代表を決定した。尚,ISOによる試行は2001年末まで行われ2002年4月のISO総会で今後の対応が協議される予定。
(3) マーケティングおよびPR活動の強化
マーケティング・ラポータグループを中心に次の活動を展開した。
1) SCの出版物名,プロジェクト名などWebで検索,閲覧できるメカニズムの構築を推進
2) ISO BulletinにJTC1活動計画を記載する章の設置
(4) SC 1開発の用語規格書のメンテナンス
1998年に解散となったSC1が開発した用語規格書IS0/IEC 2382の各パートのメンテナンスをそのパートに関連するSCに割り振るという日本の提案は2000年11月トロムソ総会で承認された。
(5) 新Technical Directionの設置
2000年11月トロムソ総会で新たなTechnical Directionとして,"Application Technologies"を設置し,99年11月のソウル総会で設立されたSC
36(Information Technology for Learning, Education, and Training)をこのTechnical
Directionに配置することを決定した。
(6) 特許ステートメントの雛型
2000年11月トロムソ総会でJTC 1はITTFにITU-Tの特許ステートメントの雛型と既存のISO/IECの特許ポリシを考慮にいれ,ITU-Tとの共通のテキスト(標準)に対する特許ステートメントの雛型を作成することを要請した。
(7) DIS/FDIS以前のドラフトドキュメントの無償配布
2年間に渡る試行結果を踏まえて,DIS/FDIS以前のドラフトドキュメントの無償配布をJTC 1の制度とすることをISO理事会に要請することを2000年11月トロムソ総会で決定した。ISO理事会の承認のもとにこの制度はJTC1
Directivesに反映される。
(8) NP投票のレビュー
2000年11月トロムソ総会で日本の主張により,SCレベルでのNP投票時にNP資料をSCに配布するのと同時にJTC 1事務局に送付すべきこと,JTC
1事務局はNP資料を各NBがSC投票と同時にレビューできるよう各NBに配布すべきことを明確化した。
(9) 国際規格の出版状況
2000年の国際規格の出版数は,IS 112件,ISP 3件,TR 14件で合計 129件 (1999年: IS 136件,ISP
8件,TR 9件で合計 153 件 )で,昨年に比べ24件(16%)減少したが,この原因は特定のSCの状況によるのではなく,約2/3のSCにおいて出版数が減少したことによる。一方,国際規格案となったものがDIS
116件,DISP 10件,DTR 9件で合計135件あり(1999年 DIS 139件,DISP 13件,DTR 11で合計163件)昨年に比べ28件(17%)減少したが,主因は前年度DIS段階にあったSC6のプロジェクトの多くがIS段階に進捗したことである。
15.2 情報規格調査会の国際活動
(1) 文字コード標準体系委員会(第2ステージ)の準備と委員会発足
1999年8月に提出された「文字コード標準体系検討専門委員会報告書」を受ける形で,同報告書において"第2ステージ"以降で検討されるべきとされていた課題を見なおし,
2000年11月に「文字コード標準体系専門委員会」を設立して"第2ステージを開始し,2001年度に継続して活動する予定である。
(2) 日本提案による国際標準化の推進
1) 日本のJISをファストトラック手続きで国際規格にする提案する活動を継続的に推進した結果,今年度は次の成果があった。
@ 新たに提案され現在投票中のもの
TR 22250-1 Text and office systems -- Regular Language Description
for XML (RELAX) -- Part 1: RELAX Core (TR X 0029)
A 投票の結果承認され出版待ちのもの
DIS 20563 80 mm (1,23 Gbytes per side) and 120 mm (3,95 Gbytes
per side) DVD-recordable disk (DVD-R) (JIS X 6245)
B 出版されたもの
DIS 17462 3,81 mm wide magnetic tape cartridge for information
interchange -- Helical scan recording -- DDS-4 format (JIS X 6137)
2) 新規標準化提案項目 今年度は日本から次の3つのNPを提案した。
@ SC36N43: Collaborative Technology -- Collaborative Workplace
A SC36N44: Collaborative Technology -- Agent/agent communication
B C36N45: Collaborative Technology -- Learner to learner interaction
scheme
3) モバイルマルチメディアコミュニケーションツール
1999年6月に日本から標準化提案(JTC1 N5812)を行い,国際投票の結果,9月に新規プロジェクト(ISO/IEC
18021)として承認された。本プロジェクトは日本がエディターを担当し,現在,FCD投票(2001年4月20日締切り)を実施中である。
4) レスポンシブ・リンク
SC25/WG4/レスポンシブ・リンク標準化SGでは,レスポンシブ・リンクの標準化を行っている。レスポンシブ・リンクの標準化は1999年に開始され,NP(New
Proposal)の提案がSC25総会で認められている。現在,レスポンシブ・リンクSGにおいて,規格案の作成と国際標準化の提案を行おうとしている。
(3) 国際活動における日本の主要な役割
1) 議長,コンビーナ,ラポータなど
下記に示すとおり1名の新任と1名の退任があり,2000年度末においては,計11名であった。
2) プロジェクトエディタ
2名の退任と,下記に示す26名の新任があり,2000年度末においては,計 73名(プロジェクト数 118)であった。
3) セクレタリアート
2000年度末においては6つの国際事務局を担当した。
(4) 国際会議への参加
2000年度は198回の会議が開催されたが,うち183回の会議に日本から962名が参加した(うち外国開催176回,日本からの参加者843名)。なお,当調査会がホストとなり日本で開催したものは6回であった。
15.3 国内委員会の活動状況
(1) 委員会等の開催状況
事業執行に関しては,規格総会,規格役員会,運営委員会,広報委員会および表彰委員会を計25回開催した。技術活動のうち,JTC
1全体に関する対応のため計484回の委員会を開催した。なお,2001年3月末現在の委員の総数は,重複を含めて1,241名,オブザーバは139名であった。
(2) 各専門委員会の活動の概況
1) 第1種専門委員会関係
JTC 1の組織変更等に対応して,下記の国内委員会の組織の変更を行った。
@ SC 6専門委員会 : 国際の組織変更(WG1がWG3を吸収)に合わせてWG3を解散
A SC 7専門委員会 : 国際の組織変更に合わせてWG11をWG19に名称を変更
B SC 22専門委員会 : 委員会の役割の終えたJava SGを解散
C SC 25専門委員会 : WG1の事務局をEIAJから当調査会に移動 国際の組織変更に合わせてWG4を新設
D SC 27専門委員会 : 活動量の増加に伴い、WG1とWG3の合同委員会をWG1とWG3に分離
2) 第2種専門委員会関係:
文字コード標準体系専門委員会(委員長:石崎俊(慶大))を3回開催し,2001年度には報告書を纏める予定である。
3) 第3種専門委員会関係:
今年度は11の委員会を設けて活動した。
4) その他:
@ 学会標準制度化検討委員会の新設:国際標準制定までには長時間かかるので標準化の中途段階である程度の公式な標準(学会標準)として制定するとともに普及を促進する。
15.4 その他
(1) 広報活動
広報活動として,次の事業を実施した。
1) 刊行物 「情報技術標準Newsletter」: 季刊誌(年4回)および別冊(年2回)を発行した。
3月号別冊:年間国際会議出席者状況,年間国際規格等発行状況
6月号別冊:専門委員会関係活動報告(1999年度)
2) 情報技術標準化フォーラムの開催
2000年7月17日「ISO/IEC JTC 1/SC29が過去10年間に標準化したJPEG,MPEGなどの成果のまとめと今後の見通しなどについて(講師
渡辺 裕氏(NTT))を規格賛助員会社の社員を対象に開催した。
3) パンフレットの作成
新規賛助会員の開拓などに使用するため当調査会の活動をわかりやすく紹介したパンフレットを作成した。
4) ホームページ
操作性,構造,見栄えなどを抜本的に見直し,全面的に設計し直した。
5) 学会の全国大会における標準化活動の紹介
学会の会員にも標準化活動について理解を深めてもらい,できれば標準化活動に参加してもらう目的で,初めての試みとして3月に開催された学会の全国大会で,SC7専門委員会とSC27専門委員会が標準化活動の具体的内容を紹介した。この試みは次回以降の全国大会でも継続する。
(2) 表彰
1) 情報規格調査会の表彰
当調査会事業に関連して,顕著な功績あるいは貢献があった者を,2000年7月17日に開催した規格総会で表彰した。氏名の後の括弧内は表彰時点の所属を表す。
@ 標準化功績賞:2名
藤崎正人(NEC),田中英彦(東大)
A 標準化貢献賞:11名
木下研作(NTTアドバンステクノロジ),勝山光太郎(三菱電機),竜田敏男(日本IBM),長谷川清(PFU),湯淺太一(京大),高橋宗雄(桐蔭横浜大),芝野耕司(東京外国語大),関口正裕(富士通),忠海 均(NTT),野田 誠(神戸日本電気ソフトウェア),高橋 修(NTT移動通信網)
技術活動関係委員会
委員会(テーマ) |
委員長 |
〔技術委員会関係〕 |
技術委員会 |
棟上 昭男 |
技術委員会/幹事会 |
棟上 昭男 |
DIS等調整委員会 |
浦山和三郎 |
〔第1種専門委員会〕 |
SC 1(用語) |
大野 義夫 |
SC 2(符合化文字集合) |
石崎 俊 |
SC 6(通信とシステム間の情報交換) |
今井 和雄 |
SC 7(ソフトウェア技術) |
山本 喜一 |
SC11(フレキシブル磁気媒体) |
荒木 学 |
SC22(プログラム言語,その環境およびシステムソフトウェアインタフェース) |
筧 捷彦 |
SC23(情報交換用光ディスクカートリッジ) |
田中 邦麿 |
SC24(コンピュータグラフィクスおよびイメージ処理) |
藤村 是明 |
SC25(情報機器間の相互接続) |
山本 和幸 |
SC27(セキュリティ技術) |
苗村 憲司 |
SC29(音声,画像,マルチメディア,ハイパーメディア情報符号化) |
富永 英義 |
SC31(自動識別およびデータ取得技術) |
柴田 彰 |
SC32(データ管理および交換) |
芝野 耕司 |
SC34(文書の記述と処理の言語) |
小町 祐史 |
SC35(ユーザインタフェース) |
山本 喜一 |
SC36(学習,教育,研修のための情報技術) |
仲林 清 |
〔第2種専門委員会〕 |
文字コード標準体系検討 |
石崎 俊 |
〔第3種専門委員会〕 |
情報処理用語 データの構成 JIS改正 |
大野 義夫 |
情報処理用語 データの表現 JIS改正 |
大野 義夫 |
情報処理用語 プログラム言語 JIS改正 |
下田 宏一 |
SC 6 JIS原案作成委員会(LANの論理リンク制御,LAN-媒体アクセス制御副層中継,私設統合サービス網アーキテクチャとシナリオ) |
今井 和雄 |
プログラム言語 COBOL JIS改正 |
今城 哲二 |
プログラム言語 Fortran JIS |
田中 稔 |
プログラム言語 C JIS改正 |
野田 誠 |
計算機プログラミング言語 C++ JIS |
後藤志津雄 |
〔その他〕 |
ISO 2375登録委員会 |
三上 喜貴 |
学会標準制度化検討委員会 |
石崎 俊 |
16.日本学術会議・各省庁関係
(1) 平成12年9月12日(火)に開催された日本学術会議3研連代表と電気・情報関連学会役員連絡会に旭総務理事他1名が出席した。
(2) 日本学術会議の平成13年度文部省科学技術研究費補助金の審査委員推薦に,とりまとめ学会として協力した。
17.日本工学会・他学会・団体関係
(1) 平成12年9月12日(火)に工学院大学新宿キャンパスにおいて平成12年電気・情報関連学会連合大会を開催した。
(2) 前年に引き続き長尾会長が情報処理振興事業協会(IPA)の評議員,日本情報処理開発協会(JIPDEC)の理事,および日本技術者教育認定機構(JABEE)の理事を留任した。
18.支部活動
18.1 北海道支部(支部長 北島秀夫)
- (1) 支部総会(平成12年5月10日(水),於 北大,参加者85名)
- (2) 情報処理北海道シンポジウム2000(平成12年5月10日(水)〜11日(木)於 北大,参加者200名)
- (3) 支部大会・電気関係学会北海道支部連合大会(平成12年10月21(土)〜22日(日),於 北海道工大,参加者486名)
- (4) 幹事会(2回),評議員会(1回),支部奨励賞選定委員会(2回)
- (5) 講演会(10回),見学会(1回),支部奨励賞(5名)
18.2 東北支部(支部長 阿曽弘具)
- (1) 支部総会(平成12年5月10日(水),於 東北大,参加者187名) (2) 支部大会・電気関係学会東北支部連合大会(平成12年8月24日(木)〜25日(金),於
会津大) (3) 電気・情報系21世紀企画プレシンポジウム(支部協賛,平成12年10月28日(土),於 東北大) (4) 幹事会(2回),役員会(1回)
(5) 講演会(6回),研究会(4回),支部だよりの発行(4回),支部奨励賞(5名),学生奨励賞(6名)
18.3 東海支部(支部長 阿部圭一)
- (1) 支部総会(平成12年5月9日(火),於 愛知厚生年金会館,参加者354名) (2) 支部大会・電気関係学会東海支部連合大会(平成12年9月16日(土)〜17日(日),於
静岡大, 参加者1,293名) (3) 評議員会(3回),幹事会(5回) (4) 講演会(7回),研究会他(4回),講習会(1回),学生論文奨励賞
18.4 北陸支部(支部長 中島恭一)
- (1) 支部総会(平成12年5月12日(金),於 富山県立大,参加者151名) (2) 電気関係学会北陸支部連合大会(平成12年9月15日(金)〜16日(土),於
北陸先端大) (3) 電気関係学会北陸地区学生研究発表会(平成13年3月10日(土),於 富山工業高専) (4) 幹事会・評議員会(4回)
(5) 講演会(8回),研究会補助(3回),見学会(1回),優秀学生表彰(12名)
18.5 関西支部(支部長 北橋忠宏)
- (1) 支部総会(平成12年5月17日(木),於 梅田センタービル,参加者457名) (2) 関西情報関連学会連合大会(平成12年7月7日(金),於
阪大,参加244名) (3) 電気関係学会関西支部連合大会(平成12年11月25日(土)〜26日(日),於 大阪電通大) (4)
評議員会・幹事会合同会議(1回),幹事会(4回) (5) セミナ(1回),講演会(1回),サイバーメディア研究会(3回),新ソフトウェア産業研究会(3回),環境知能研究会(3回),学生奨励賞(5名)
18.6 中国支部(支部長 岡本卓爾)
- (1) 支部総会(平成12年5月12日(金),於 中国電力,参加者156名) (2) 電気・情報関連学会中国支部連合大会(平成12年10月21日(土),於
岡山大) (3) 評議員会(3回),幹事会(3回) (4) 講演会(12回),講習会(2回),研究会・シンポジウム(5回)
18.7 四国支部(支部長 青江順一)
- (1) 支部総会(平成12年5月12日(木),於 ヨンデンビル別館,参加者82名) (2) 電気関係学会四国支部連合大会(平成12年10月14日(土),於
高知工科大) (3) 役員会(4回) (4) 講演会(5回),支部奨励賞(37名)
18.8 九州支部(支部長 岡田直之)
- (1) 支部総会(平成12年5月15日(月),於 九大,参加者215名) (2) 支部大会・電気関係学会九州支部連合大会(平成12年9月13日(水)〜14日(木),於
九州産業大) (3) 火の国情報シンポジウム2001(平成13年3月8日(木)〜9日(金),於 九大) (4) 幹事会(1回),評議員会(1回),奨励賞選定委員会(2回)
(5) 若手の会セミナー(1回),講演会等(5回)
19.会員増強活動
19.1 会員増強・広報活動
(1) 年度内に会員増強委員会を7回開催し,定款改訂,創立40周年等に伴い会員増に繋がる下記事項等を実施した。
- 正会員入会金免除キャンペーン実施
- ソフトウェア関連企業,大学の文・数学部教職員への入会案内送付
- 中学校・高校教職員,自治体職員等への準会員制度新設の案内ならびに入会案内送付
- 大学図書館等への新購読員制度案内送付
- 学生会員特別施策による学生会員入会促進
- 学生会員から正会員への継続者に全国大会聴講引換券無料配布
- 産業フォーラム参加者へ入会呼びかけ
- 研究発表会,シンポジウム,全国大会等各種行事での入会促進
(2) 平成12年10月5日(木)〜7日(土)幕張メッセで開催されたCEATEC JAPANにブースを設け,本学会の活動をPRした。また,各種行事(共催・協賛)会場に於いて本学会の活動を案内した。
19.2 情報発信の推進
ホームページをリニューアルし,学会紹介,行事案内,採録論文等の掲示により会員および一般に向けて最新情報の発信に努めた。また,メール配信による最新情報の提供を開始した。
19.3 会員特典・サービスの充実
メールフォワードサービスなどの特典を追加するとともに,ホテル,レンタカー等の会員優待サービスの拡充に努めた。
20.事務局
20.1 事務局組織等の変更
平成12年5月に組織再編を行い,システム企画係と会員係を会員サービス部門として,会員サービスの向上および強化を図った。
20.2 システム化による作業の効率化
会員・研究会新システムの安定稼働に努めた。データベースサーバの増強を行った。ネットワーク運用体制を確保した。
20.3 職員数等
平成12年度中の職員の異動は,入社1名,退社2名で,年度末在籍者は32名(うち規格部10名)であった。
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