情報処理学会では2008年度から高度IT資格制度に関する検討を開始した.2009年7月には政府のIT戦略本部からi-Japan戦略2015が発表され,その中にも「高度デジタル人財の認定・認証」が盛り込まれている.IPAはITSSレベル4および5に対応する資格制度の検討を進めており,その成果を「社内プロフェッショナル認定の手引き」として発表している.世界レベルでもIFIPによるIP3やCEPIC(Council of European Professional Informatics Societies)によるEUCIPなどの取り組みが行われている.本セッションではこれらの取り組みを概観し,参加者が高度IT資格制度の意義について考えるきっかけとしたい.
講演概要 情報処理学会では,2008年度から,情報処理推進機構(IPA)に参画頂いて,高度IT人材資格の検討を行っている.さらに,この成果を用いて,2009年度から,高度IT人材資格認証制度の設計を開始した。これに当たり,IFIPの下で,各国のIT人材資格認証機関を認定することにより,国際的に一貫性のある資格の普及を推進しているIP3(International Professional Practice Partnership)に参加し,国際的にも通用する資格制度を設計することを目指している。本講演では,資格認証制度や認定機関の条件,企業など他の組織における認証制度の活用方法など,IP3が求めている基準や仕組みについて解説する。また,CEPISについても簡単に紹介し,我々が目指している資格制度について議論したい.