1960年の創立後,発展を続ける情報処理分野で一貫して指導的役割を果たしてきた情報処理学会は, 2005年4月をもって創立45周年を迎えることとなりました.日本初の電子計算機(FUJIC,ETL
Mark III)が誕生したのは1956年ですから,情報処理学会45周年は,日本の電子計算機が数え年で50歳を迎える記念すべき年にも当たります.この半世紀の間に,コンピュータ技術とネットワーク技術は比類のない進歩と広がりを見せました.巨大な産業が生まれ,猛烈なスピードで小型化・高速化・高機能化が進んでいます.わが国のコンピュータ技術は,スーパーコンピュータからゲーム端末や携帯電話までの幅広い領域で世界をリードしています.また,サービスとしてのIT産業も大変活発で,携帯電話向けのモバイルインターネットサービスでは世界で最も進んだサービスを提供しています.
こうした情報科学技術が,これから物質・環境・生命・医療などの先端科学技術と連携しながらさらに発展するためには,情報科学技術に関する長期的な視野とそれに向かうための短期的なロードマップが不可欠です.