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最終更新日:2007年11月20日

 ソフトウェアジャパン2008 ITフォーラムセッション

 
サービスサイエンス フォーラム
「サービスサイエンスの具体的な取り組み」

セッション概要
サービスサイエンスへの期待は高まっており,具体的な取り組みが始まりつつある.そこで本セッションではまず菊池 隆先生(東京工業大学経営工学系特任教授)にサービスの本質について話していただき,次に諏訪がサービスサイエンスの一つの大きなテーマである「サービスの定義」を提言する.これまでに作られてきたサービスの定義を振り返り,今回新しい「サービスの定義」を紹介する.パネルディスカッションでサービスの本質とサービスの定義を議論し,サービスサイエンスの理解を深める.

司会 門倉 純一 (CRM協議会 専務理事)
【略歴】日本アイ・ビー・エム入社後,電子系のCAD/CAMなどのアプリケーション分野の営業に従事,IBM初のVANサービス営業を経て,通信とコンピューターを融合したシステムの営業推進を担当.80年代後半からはコールセンターを中心に担当し,その発展形としてビジネスとしてのCRM部門立ち上げに参加.当部門の責任者を経て現在CRMの営業支援を担当.1970年日本アイ・ビー・エム入社,1980年代後半より,CTI,IVRなどの製品を担当.以後コールセンタービジネスを担当.1996年頃より,CRMビジネスの担当.1999年CRMのマーケティング,営業支援2001年CRM協議会参加

プログラム [会場: 5F 503A]
講演(1)

13:15-13:55

 


「サービスの本質に迫る」
 

講演概要
前半は菊池が,何故今,サービスが脚光を浴びているのかを一旦整理をし,サービスの本質とは何かについて歴史的,機能的,分類的考察を加え,製造業が知識集約サービスを取り込まねばならぬ必然に言及する.後半は鴨志田が,今後のサービスが戦略性および革新性を帯びなければならない必然について「テクノロジー企業」,「サービス企業」という独自の捉え方に基づき考察を加え,サービスのオープン性,また顧客に相対するが故のサービス価値の不安定性についての議論を提示する.
 

菊池 隆(東京工業大学 経営工学系21世紀COE 特任教授)
略歴
東京大学文学部西洋史学科卒業(Bachelor of Letters,1980),スタンフォード大学経営大学院(MBA,1990)卒業. 学部在学中は,ネブラスカ州立大学にも留学(米国マイノリティー研究).学部卒業後,(現)商船三井入社(1980),海上機器在庫動態管理および海外駐在(米国)を経験. A.T. KearneyおよびMonitor Company(両社とも米国大手戦略系経営コンサルティング会社)において,企業・事業戦略,ブランド価値評価,マーケティング戦略,移転価格,等のプロジェクトに参画,統括.その後,テレマーケティング会社に入社,経営企画部長兼人事本部長を歴任し,顧客のCRM戦略の推進等に従事するとともに人事制度改革を図る.その後,Enterprise IG Japan社(英国系大手ブランド・コンサルティング/デザイン会社の日本法人)に入社し,ブランド・コンサルティング部門の設立に参画.ブランド戦略のあり方,ブランド評価方法の研究,等を推進.2003年7月,ヴィブランド・コンサルティングを共同創設.ブランド経営戦略の研究・実践を更に推進.2005年1月より現職.専門は無形資産論,経営戦略論,ブランド論,サービス戦略論.東工大ソリューション研究機構 Social Brain Forum会員(テーマはサービスイノベーション).
 
鴨志田 晃(東京工業大学 統合研究院 ソリューション研究機構
        イノベーションシステム研究センター 特任教授)
略歴
1981年,横浜国立大学工学部卒業.1990年,慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了.同年,ロンドン大学経営大学院IEP修了.経営学修士(MBA). 1981年,東京電力株式会社入社.同社を経て,1990年,日本総合研究所の設立とともに参画.以降,「ソフトエネルギー」「独立系発電事業(IPP)」「省エネルギーサービス事業(ESCO)」の各コンソーシアムを設立・運営. 1999年10月には,都銀,地銀,コンビニ,通信会社,メーカー各社と海外企業の20数社を結集し,「次世代型ネット金融ビジネス」のコンソーシアムを設立・運営. その後,外資系コンサルティング会社パートナー(執行役員),慶應義塾大学上席客員研究員等を経て,現在,東京工業大学 統合研究院 イノベーションシステム研究センター特任教授.併せて,Global Fortune 500クラスの大手企業,政府機関のCXO(役員)を対象にネットワーク経営やIT・インターネットによる生産性向上とVC(仮想企業体)経営に関するコンサルティングに従事. 知識時代におけるビジョン・政策提言,産業論・社会論の論文発表,講演等でも活動中.東工大の設立運営するソーシャルブレインフォーラム(http://www.sbforum.jp/)の代表を務め,サービスイノベーションについて国内外の企業と研究に取り組んでいる.

講演(2)

13:55-14:15

「サービスを定義する」

  諏訪 良武 (ワクコンサルティング(株) 常務執行役員)

講演概要
これまでに多くの人々がサービスを定義してきた.しかし,誰もがなるほどと思える定義がない.納得できる「サービスの定義」がサービスサイエンスの大きな課題の一つである.2007年1月に私も参加した「ソフトウェアジャパン2007」のパネルディスカッションで東京大学名誉教授の吉田民人先生がサービスの定義に言及された.この発言を私なりにまとめたのが「人や構造物が発揮する機能でユーザーの事前期待に適合するものがサービスである.」というサービスの定義である.本講演でこの定義の妥当性を説明し,パネルディスカッションで議論を深めたい.

略歴
1971年 オムロン入社.85年通産省の買vロジェクトに参加. 95年情報化推進センター長.97年オムロンフィールドエンジニアリングの常務取締役として,企業変革を実践. 04年OA協会からIT総合賞,コンタクトセンタアワードのマネジメント部門金賞を受賞.04年7月1日よりソフトブレーン副社長.05年7月1日より独立系のコンサルタントとして活動中.サービスや顧客満足を科学的に分析(見える化)し,日本企業が課題とするサービス分野の競争力アップに必要な方法論を提唱している.
パネル討論

14:25-15:15

「サービスの本質とサービスの定義」


討論概要
準備中
司会: 門倉 純一 (日本アイ・ビー・エム(株)経営イノベーション ISVアライアンス 副主管)
写真・略歴は上記司会参照
パネリスト:安部 忠彦((株)富士通総研 経済研究所 取締役研究主幹)
略歴 1976年3月 東京大学理学部卒業,1978年3月 東京大学大学院理学系修了のち2004年3月 学術博士(金沢大学)取得.(株)三菱マテリアル,(株)長銀総合研究所をへて現在に至る.立教大学大学院特任教授 兼務.MOT,産業構造論,リーデイング産業論,科学技 術政策論などを専門とする.
パネリスト:菊池 隆 (東京工業大学 経営工学系21世紀COE 特任教授)
写真・略歴は上記講演(1)参照
パネリスト:岸良 裕司((株)ビーイング 取締役)
略歴 1959年生まれ.(株)ビーイング取締役 経営推進室長.日本TOC推進協議会理事.84年京セラ(株)に入社.半導体部品事業本部にて主にハイテク技術開発のマーケティング強化に取り組む.全社のマーケティングプロジェクトのリーダーをつとめ,その成果はシンポジウムで発表されるなど広く産業界で脚光を集めた.2003年,ヘッドハンティングされ,土木積算業界のソフトでトップシェアを誇る(株)ビーイングに入社し経営改革を実践.その活動は社内のみならず,自動車産業,製造業,ソフトウェア産業,建設業,行政改革など多岐にわたっており,目覚しい成果をあげ,また国際的にも高い評価を受けている.その活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業」はゴールドラット博士の絶賛を浴び,2007年4月に国策として正式に採用された.そのセミナーは,わかりやすく,楽しくさらに実践的との定評がある.著書の「マネジメント改革の工程表」はアマゾンでNo.1のベストセラー,「目標を突破する実践プロジェクトマネジメント」は,専門書では異例のベストセラーとなっている.趣味はハードロックのバンド活動でボーカルを担当.
パネリスト:諏訪 良武 (ワクコンサルティング(株) 常務執行役員)
写真・略歴は上記講演(2)参照
パネリスト:日高 一義(日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所 部長)
略歴 理学博士.1984年3月 東京工業大学総合理工学研究科エネルギー科学科修了,1996年3月 早稲田大学理工学研究科 論文博士(理学). 1984年より日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所勤務.最適化技術,離散アルゴリズム,数理解析技術,ビジネス・ソリューション,計算組織論などの研究プロジェクトの指揮にあたる. IBM Research ワトソン研究所の戦略部門での海外勤務を経て,現
在,東京基礎研究所 ビジネス・サービス・リサーチ担当.文部科学省科学技術動向研究所客員研究官.応用数理学会評議員.情報処理学会会員.日本オペレーションズ・リサーチ学会会員.