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最終更新日:2007年12月25日

 ソフトウェアジャパン2008 ITフォーラムセッション

 
ITダイバーシティ フォーラム
「企業の経営課題:女性の活躍を加速するダイバーシティマネジメント」

セッション概要
昨今ダイバーシティマネジメントは,IT企業にとって大きな経営課題の一つとなっており,推進のための部署や委員会を設置し,女性のリーダをアサインする企業が増えてきている.ITダイバーシティフォーラムのセッションでは,このような企業の取り組みを紹介してもらい,真に女性の活躍を加速するには,組織としてどのような施策があるか,どう展開すれば役立つかを考えたい.本セッションの講演者は,研究者,技術者であり,現在はそれぞれの企業のダイバーシティマネジメントに関わっている女性である.なお,ザ・ジャパンソフトウェア セッションで,日本アイ・ビー・エム株式会社技術顧問の内永ゆか子氏が講演されるが,氏は日本におけるダイバーシティマネジメントの開拓者でもあり,講演の中でダイバーシティマネジメントも取り上げて頂く.

司会 安信 千津子 ((株)日立コンサルティング テクニカルディレクター)
【略歴】東京大学工学部計数工学科卒業,(株)日立製作所入社.システム開発研究所, (株)日立総合計画研究所を経て現職.数理技術や知識処理を適用したビジネス情報システムの研究開発,海外調査研究,事業化等に従事.著書等「エキスパートシステムの設計と開発」「金融サービス統合のIT戦略」「金融・契約技術・エージェンシーと経営戦略」「よくわかる企業セキュリティ入門(事業継続(BCM)とSOX法)」.博士(工学).東京電機大学非常勤講師.情報処理学会理事(国際担当).

プログラム [会場: 6F 602B]
講演(1)

13:15-13:45
「東芝における多様性推進の取組み」

 岩切 貴乃((株)東芝 多様性推進部 部長

講演概要
少子高齢化時代が到来し,企業のグローバル化が促進されている中「ダイバーシティ(多様性)」は,経営戦略の一つとして掲げられている.東芝では2004年10月に「きらめきライフ&キャリア推進室」を発足.「従業員一人ひとりが共に自分らしく,持てる力を十分に発揮できる」組織・会社作りを合言葉に,活動を続けてきた.2007年4月に (1)多様性の受容と尊重,(2)ワーク・ライフ・バランスの実現,(3)意識・風土の改革を三本柱に,コンセプト作りから制度企画までに活動を拡大し,多様性推進部へと改組した.本講演では,東芝が推進室を発足させた背景と三年余りの活動内容について紹介する.

略歴
1983年4月,東京芝浦電気株式会社(現(株)東芝)に入社.入社6年目の1989年2月に総合研究所から情報通信システム国際事業部電子機器部に異動(当時).海外PCの商品企画に携わる.その後,マーケティング,市場分析,競合分析,商品企画,グローバルセールス,企画業務,損益分析,経営企画部などを経て,2004年10月きらめきライフ&キャリア推進室参事を兼務.2005年4月に同推進室本務に.2005年10月より室長.2007年4月より多様性推進部長.
講演(2)

13:45-14:15
「システム構築最前線でのダイバーシティ」

 中島 淑乃(伊藤忠テクノソリューションズ(株)
          エンタープライズビジネス第2本部文教システム部 部長)

講演概要
インターネットの普及,ネットビジネスの拡大,グローバリゼーションの進展に伴い,ITエンジニアの現場は大きく変化してきた.特にネットビジネスを支えるインフラ基盤構築を得意とするCTCにおいては,常に顧客のサービスをいかに支援するかという視点で厳しい環境に対応してきた.その結果,業績伸長とともに人材不足は加速し,ダイバーシティ(多様性)への対応は欠かせないものとなっている.CTCでは,昨年度人事部にダイバーシティ推進課が新設され,「働きがいがあり,魅力ある会社」を目指して,「意識改革」「環境作り」「女性の活躍推進」の3つの施策を実施している.特に新入社員の2割を占める女性の活躍に関しては,教育・研修はもちろんメンタリングプログラムといった運用面からも支援を進めている.本講演では,施策整備以前のシステム構築最前線の状況とその後について,自己の経験をもとに紹介する.

略歴
1982年3月広島大学総合科学部卒,4月伊藤忠データシステム(現・伊藤忠テクノソリューションズ)入社.システムエンジニアとして多くの企業のインターネット関連システム構築を行い,近年はプロジェクトマネージャとして主に航空系システム基盤プロジェクトに従事.2002年に技術部門で部長職.今年4月から営業部門の部長職となり,現在は大学・研究所を中心に営業活動をしている.1990年,91年に誕生した長男と長女はともに高校生.
講演(3)

14:15-14:45
「日立製作所におけるダイバーシティ推進の取り組み」

 藤本 昌代 ((株)日立製作所 金融システム事業部 金融システム第一本部第一部 担当部長
          兼 情報・通信グループ女性カウンシル 副リーダ)

講演概要
今後,企業にとっては技術の進展や社会情勢の変化に,いかに柔軟に対応するかということが大きな課題となっている.そのために企業はそこで働く従業員が持つさまざまな違いを受け入れ,それらを活かして,競争力向上の原動力にすることが重要となってくる.日立製作所は人材に関する施策を経営戦略として位置づけ,その中でも昨今,特にその必要性がうたわれている「ダイバーシティ」の推進について全社的な取り組みを図っている.本講演では,日立製作所がダイバーシティ推進のために実施している全社での取り組みについて紹介する.また,複数ある事業グループの中で,独自の活動組織「情報・通信グループ女性カウンシル」を設立し,2006年4月より女性の活躍支援を推進している情報・通信グループの取り組みについてもあわせて紹介する.

略歴
1992年慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業後,NTTデータ通信株式会社(現・株式会社NTTデータ)入社.システムエンジニアとして金融機関向けのシステム構築に従事した後,米国大学院留学を経て,2004年株式会社日立製作所に入社.アウトソーシング事業等に従事し,2007年4月より現職.現在は,国内金融機関向けのシステム構築ならびに金融部門の中国ビジネスの取り纏めに従事.2006年4月より情報・通信グループ女性カウンシル副リーダを兼務.
パネル討論

14:45-15:15
「ダイバーシティマネジメント活動のいろいろ:課題,工夫,効果」
司会: 安信 千津子((株)日立コンサルティング テクニカルディレクター)
写真・略歴は上記司会参照
パネリスト:岩切 貴乃((株)東芝  多様性推進部 部長)
写真・略歴は上記講演(1)参照
パネリスト: 中島  淑乃(伊藤忠テクノソリューションズ(株)エンタープライズビジネス第2本部文教システム部 部長)
写真・略歴は上記講演(2)参照
パネリスト: 藤本 昌代 ((株)日立製作所 金融システム事業部 金融システム第一本部第一部 担当部長
                  兼 情報・通信グループ 女性カウンシル副リーダー )
写真・略歴は上記講演(3)参照