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最終更新日:2003.11.28

4.3全国大会の改善検討

 

 全国大会では、平成6年度に改善委員会を設置し、低迷する参加者対策として会員にとって魅力のある大会の在り方、健全な財政運営、運営方法の見直し等の検討を重ねた結果、第52回全国大会から、従来の全国大会運営委員会を廃止し、全国大会組織委員会およびプログラム委員会を新設、研究会の協力によるシンポジウムの開催、無料の公開パネルセッションの導入、大会優秀賞の新設等の改革を行い、また非会員の発表も可能とした。
 以降、各大会毎に魅力ある催しは併設されてはいるものの、研究会による大会併設シンポジウムも企画提案は出されなくなる等、良好な改善結果は得られない現状であり、その運営方法に更なる改革が必要と思われる。
 本WGでは改革のための議論を重ねたが、全国大会は事業的性格が強く、広範なマーケティング、および理事会レベルでの活性化施策が必要と思われ、以下の検討をもとに、平成9年度に向けての引継ぎ事項とすることをお願いしたい。

4.3.1現状の課題

  1. 参加者の低迷。
  2. 魅力ある大会とは?

4.3.2改善に向けての主な提案・意見

  1. 従来の「学生の発表の場」の大会から、「有用な情報提供・議論の場」としての大会とする。「大抵の人に会える場、交流の場」、「社会への顔」、「学会員・一般人との交流・討議の場」、「第三のユーザーにとって最も近しい催しの場」。
  2. 具体的には大会企画の内、2/3をパネルや招待講演、チュートリアル等のホットな話題・最新情報提供等の有効な議論の場とし、残り1/3を一般講演とする。デモセッションも設ける。
  3. 一般発表の時間枠が削られる点は、N_=@0発表や座長等による発表セレクト等で対処する。
  4. 産業界の取込み:インダストリアルセッション。
    *技術的説明を要する等の一定のガイドライン付きで企業の製品紹介を行う。
  5. 理事会レベルでの広報活動、マーケティングの必要性。
  6. ダイレクトメールなど広報などの充実についても検討する。
  7. 開催時期の検討:入試時期を外して設定する等。
  8. 年一度の開催(東京近郊)とする。
  9. 他学会との協調を検討する。
回次
会場
開催時期
講演件数
参加者
収支差額
45 徳島大 1992年10月 1,068
1,600
3,821,866
46 工学院大 1993年3月 1,067
2,473
6,823,039
47 鳥取大 1993年10月 1,006
1,534
-11,041,328
48 東京理科大 1994年3月 1,055
2,080
-5,872,605
49 北大 1994年9月 1,129
1,693
-6,895,760
50 青山学院大 1995年3月 1,006
1,706
-1,327,365
51 富山大 1995年9月 918
1,467
-2,049,389
52 電通大 1996年3月 1,099
2,129
-395,204
53 大阪工大 1996年9月 807
1,370
-6,600,000
54 千葉工大 1997年3月 971
1,600
960,000

 

 

*関連委員会における主な意見は次の通り。

  • 大きな組織の大会は、国際心理学会の大会(参加者1万人程度)のように、数年に1回で発表も短く、ポスター発表という傾向になっていくのではないだろうか。情報処理学会のように、半年毎に毎回1000件の発表という形は無理が大きいのではないか。(ICC3(H9.2)
  • 第54回大会のプログラムも、招待講演・シンポジウム・パネル等の企画は非常に面白く、フェスティバル的なこの企画だけで十分に思えるのだが、プラス1000件近い(学生の発表練習的な)一般発表があり、この部分が、参加者を低下させているように思えてしまう。(ICC3(H9.2)
  • 学生の発表会化してしまったような大会には、座長でもない限り、関係者はあまり出席しない。講演者イコール参加者のような大会が現状である。(ICC3(H9.2)
  • 学生発表では産業界には魅力はない。産業界側としてはフェスティバルとして位置づけて、セッションの多くをチュートリアルやワークショップ、パネル等の企画として、研究・教育・産業の交流の場として欲しい。学生の発表は全体の1/3程度で十分ではないだろうか。いつ大会に行っても必ず面白い企画が開催されていて、学生発表はそれに平行して行われているという形で良い。(ICC3(H9.2)
  • 人を惹きつける企画が多くなればそれだけ一般発表(学生の発表)分の時間は減る訳だが、座長の選抜のようなセレクションをかけるなり、発表をポスター化するなりで対応できないだろうか。
  • 企業から見た大会とはシステム開発などの発表の場となっている。情報の探り合いの場でもある。

4.0検討結果概要

■現状

論文誌
研究会
[問題点]
(1)量:論文誌1冊/論文数が少ない
(2)査読レベルは高いが、疑わしきは掲載しないものとなっていないか
(3)速報性:査読期間が長い/特集号が組みにくい
(4)国際性:英文論文が少ない
(5)分野:実務・応用・境界領域の分野が少ない
[問題点]
(1)量:27研究会の乱立/新設・統廃合の課題
(2)質:査読なしの1500件の発表論文、大量の紙資料、資料印刷義務による運営上の制約
(3)国際性:欧米から見えない日本語資料
(4)分野:実務に役立つ研究会新設の必要性
■改革案
論文誌と研究会の協調
研究会
[第1ステップ]
●基幹論文誌の充実改善、および研究会連合による分野別論文誌(仮称)の発行
論文誌編集委員会
(基礎、ソフト、ハード、応用 各WG)
★基幹論文誌の充実改善
  1. メタレビューア制による査読期間短縮等の改善
  2. ゲストエディタ制度、推薦論文制度の検討
  3. 採択基準見直しの検討
調査研究運営委員会
CS,IE,FR各領域 調査委員会
研究会(27)、研究グループ(2)
 ↓ 研究発表会、シンポジウム等の開催
分野別論文誌(仮称)発行 →
  1. 論文の発表の場の確保、分野の拡大、論文数の増加
  2. 研究会の統合・分野再編成の促進
  3. 他学会との連携の強化と促進
フレキシブルな運営
  1. 発表会資料の電子化
    ・研究会運営の自由化
    ・登録費負担軽減
  2. 研究グループの活用

SIGの権威向上

*新方式(論文誌発行)or現行方式(資料発行)の選択

機動的な新設、統廃合

 
[第2ステップ]
 ●論文誌編集委員会、調査研究運営委員会の発展的解消
 ●研究分野の再編

学術技術研究委員会(仮称)設置…基本活動立案、研究領域間調整

 A B C D? 各研究領域
 論文誌発行(分冊)
 研究会・研究グループ...研究発表会・シンポジウム等の開催

(1) 新設例
  1. 知的所有権問題の研究会
  2. 企業のエンジニア対象の実務的研究会
  3. 標準化問題の研究会
  4. その他関連周辺分野を考慮した新分野等

(2) 検討・提言のための委員(委員会)の設置

 

※全国大会については引続き検討
 改善に向けての検討事項

  1. 学生の発表の場から有用な情報提供・議論の場、交流の場へ。
  2. 産業界の取込み
  3. 広報活動
  4. 開催時期
  5. 他学会との協調