平成9年6月24日
将来ビジョン検討委員会
委員長 野口 正一
編集者 幹事 飯塚 浩司
はじめに
1960年4月22日の学会創立以来37年、本学会は多くの諸先輩の努力により順調に発展してきました。ここ数年の間に、情報システムのダウンサイジングが進展するとともに、ネットワークの急速な普及などにより、学会を取り巻く社会環境が急速に大きく変化してきました。
この間、学会活動の時代への対応の遅れなどから、多くの問題が発生し、結果として会員数が毎年減少、これにより収入減をもたらし経営に影響をおよぽすようになってきた。
また、日本企業の動向もグローバル化し国内の空洞化現象が言われている。
このような環境の中で、本学会はわが国の情報・通信の技術開発をリードする最も責任のある学会として、新しい考え方を創出し活動してゆく必要があるとの認識と自覚を新たにした。
このため、理事会は元理事を含む「将来ビジョン検討委員会」と研究会で現在活動しているメンバーによる「研究会将来ビジョン調査委員会」の2つの委員会を発足させ、21世紀に向けて学会の活動を活性化しつつ、会員をはじめ社会にとっても魅力あるものとするための戦略を、討議・集約することとした。特に本委員会では、今後の情報処理の進展の方向を見極めつつ、学会の在り方と活動全般について、核心となる問題を中心に課題を整理し、実現可能な解決策を提言することとした。特に学会と学界・産業界との望ましい関係については配慮した。
1.活動の目的と背景として、次のような認識を持って検討を進めた。
- 企業所属の会員の減少傾向、一方でインフォメーションテクノロジーの一般社会への普及、第二次産業革命への道を急速に進み始めたこと。
- 学会を支えてきたメインフレームを中心とした安定した企業集団自体が、メインフレームからワークステーション/パソコンビジネスに経営リソースの重心を移しつつあり、メインフレームのSEと予備軍のリストラが始まっていること。
これらのことから、学会が会員入会者、在籍者の魅力の対象となっていないこと。
- 一方、アカデミックの会員にとっては、学会活動とは最近の大学改革の事情(研究・教育の評価、大学院重点化で博士課程進学者の大幅増加)を反映して、「論文投稿」機能、および「研究発表」機能の提供母体とみていること。
- 近似した分野の国内学会も、情報処理学会と電子情報通信学会の2つの大規模学会と、本学会会員がオーバーラップしているソフトウェア科学会、人工知能学会などがあり、さらにボーダーレス化に伴いIEEE、ACMなども強力な競争相手となりつつあること。
- 欧米の学会の役割と同様に、学会の目的や役割についても再確認の必要がある。すなわち、職業人の再教育、資格、評価、倫理などについてサポートする体制を見直す必要があること。
- 学会を経営体としてみた場合、会員のボランティア活動と事務局の業務分担を工夫しつつ、事務局のレベルアップと軽量化をはかってゆく必要があること。
1.1委員会名称 将来ビジョン検討委員会
1.2委員会設置期間 平成8年3月から平成9年4月まで
1.4委員構成 (50音順)(18名)
委員長 |
野口正一会長(日大・会津大) |
副委員長 |
高橋延匡(農工大・拓殖大) |
幹事 |
磯崎澄(NTT)、飯塚浩司(事務局) |
委員 |
安西祐一郎(慶大)、池田克夫(京大)、
池田俊明(日立)、小泉寿男(三菱電機)、
杉本和敏(日本IBM)、諏訪 基(電総研)、
富田真治(京大)、林弘(富士通)、
藤林信也(NEC)、益田隆司(東大)、
松田晃一(NTT)、山本昌弘(NEC)、
米田英一(東芝)、 |
オブザーバー |
白鳥則郎(東北大)、塚本享治(電総研) |
学会誌問題
部外協力者 |
林 秀幸(日経BP発行人兼編集長)、
西沢邦浩(同開発部次長)、護田一郎(オーム社専務)、
森(取締役) |
1.5委員会開催日
第1回
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平成8年 |
3月21日(木) |
2
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5月23日(木) |
3
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8月29日(木) |
4
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11月 5日(火) |
5
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平成9年 |
1月10日(金) |
6
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2月24日(月) |
7
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3月17日(月) |
8
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4月21日(月) |
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