2.4 論文誌


どのように位置づけるか?

  1. 研究成果の公表
    1. 学から見ると学会誌は論文を出す場である
    2. 学から見ても論文を出す場としての論文誌がうまく機能していない。
    3. 研究者が研究成果を発表する場合、情処の全国大会で発表、情処の研究会で発表、通信学会の論文誌へ投稿という順番になっているようだ。
    4. 情報処理系の論文や特許は時間とコストがかかる。デバイス系は比較的楽に書ける。
  2. 研究情報の受信
    1. 通信学会では会員には学会誌と論文誌が送られるが、本学会ではほとんどの会員は論文誌を購入しておらず(発行部数:約6500部)、学会誌だけでは権威もメリットもない。
    2. 今の体制で会員全員に論文誌をも送るのは資源の無駄となってしまう。
    3. 査読制度も含めて論文誌のあり方を検討する必要があるのではないか
    4. 値段を高くしても内容が伴えばあまり問題にならないのではないか

今後どのような内容を取り上げていくか?

  1. 分冊化
    1. やはり分野別に分けて活動する方向がよいのではないか。例えば、各領域から領域ごとの論文誌を発行するなど。
    2. 論文執筆者は、どちらかというと通信学会に投稿してしまう。分野が狭いのでターゲットを絞れる。
    3. 分野毎にまとまり、あまり難しいことを言わず、その分野なりの査読を付け、発行できるような論文誌があれば、研究会がもつフラストレーションの多くは解決できるのではないか。賛成意見あり。
    4. 論文誌の分冊化は本委員会でも早くから意見として出されていたことであり、なるべく早い時期に分野毎の論文誌発行を実現するべきである。
    5. 分野毎の発行は大いに賛成であり、運営上の領域にこだわるより、全国大会キーワード表に基づくような発行ができればよいのではないか。
    6. 情処の論文誌は1冊のため読みたい論文が少ない。分野別の分冊化を検討すべきではないか
    7. 研究会が発行する論文誌は、現在の研究会資料の用途を包括する程度のものと考え、既存の論文誌は、現在の研究会資料の用途を包括する程度のものと考え、既存の論文誌とはACMのような住み分けをすればよい。
    8. 萌芽的・実務的な分野にまで論文誌発行を課すことは無理なので、各研究会の活動の度合い、内容に応じて、研究会単位の発行でも、研究会連合の発行でも、また発行しない研究会があるとしてもよいだろう。
    9. 研究会ベースで論文誌を発行するならば、現行の研究会のあり方でよいのか(分野、継続性など)という議論も必要ではないか。
    10. 通信学会方式で会費をプラスアルファして、学会誌&論文誌の発行とするとSE(実務)関係の会員がまた1万人位減ってしまうという危機感から、組織を変えられずにいるのが現状。
  2. 応用分野を積極的に取り上げていく
    1. いろいろな基準の雑誌を出せる(ユニフォームではない)体制が作れれば、この方法で応用的な分野(著作権問題、障害者への対応など)にも論文発行の可能性ができ、より広い分野を取り込めることになるだろう。
    2. 適当な分野のトランザクションがあれば、実務に関わる方々(情報処理技術者協会に属するような方々)をも取り込むことができるだろう。
    3. 情処の論文誌は応用が少ない。
    4. 物を作ったら、それを載せるような論文誌を新たに発行したらどうか
  3. 検証
    1. 論文の重要な点として、コンセプトの他に検証も必要なのか

査読と採録基準は今のままでよいか?

  1. 査読期間の短縮
    1. 査読の問題(査読期間が長い、疑わしきは掲載せず理論)を是正
    2. 情報処理の分野は技術サイクルが速く、研究者はどうしても査読の速い通信学会に投稿してしまう。
    3. 迅速な査読をもっと査読者へ徹底したらどうか。査読者は研究会にも多数いるので、研究会と論文誌のインタラクションを図ったらどうか
    4. 分冊化された論文誌毎に特集を組む
    5. 論文がなかなか通らない --- 多くの場合は電通学会の特集号に出してしまう。最近の経験では電通学会では特集号の例で8月末の締め切りで2回の査読を経て採録通知がきたのが12月下旬のスピードであった.情報処理学会の論文誌(特集号でなく通常の論文)では5月末にだして12月中旬に初めて通知がきた.これでは論文を出しにくい.少なくとも電通学会のように寄稿受付月日以降6か月を経過しても,採・否の決定が行われていない場合には,他誌への寄稿を妨げないと明記すべきである.
  2. 採録基準の再検討
    1. 「疑わしきは掲載しない」という論文の採択基準も問題である。
    2. 論文がなかなか通らない --- 査読が不親切な場合が多い。個人的な経験では論文を返却された場合でも次につながるような査読を受けたことが少ない.特に,既発表,または周知のものから容易に類推される内容と判定するならば,その根拠となる文献を必ず示してほしい.電通学会の場合は多くはそのような根拠となる文献の記述があった.
    3. 論文がなかなか通らない --- 他の先生からも情報処理学会には論文が通らなくて困ると言われたことがある。論文が通りにくく,博士号取得が困難なため,ドクターコースに学生を自信をもって進学させられない.その結果,その分野の研究者が増えない.また,大学では評価に論文数が決め手になることが多く,日本語で論文が通りにくいのは研究者としてつらい.しかし,情報処理関係の社会的ニーズは多い.外国の雑誌にだせばよいのであるが,大学によっては日本の学会誌に載ることを要求するところもある.日本語で論文が出しにくいのはやはり不自然である.
    4. 現在、論文誌の査読ポイントは、オリジナリティ、新規性にある。応用、インプリメントはリジェクトされる傾向にある。
    5. 論文の評価基準に問題があるのではないか。ノウハウ、技術を学会で見とめるような基準を設けてはどうか。
    6. 論文を「既発表,または周知のものから容易に類推される内容」と判定するならば,その根拠となる文献を必ず示すべきである.
  3. 権威の問題
    1. 査読の精度、配布領域の広さが支える
    2. 研究報告レベルであれば似たような研究会の存在も許せるが、トランザクション発行となると、それでは許されない。
    3. もともと研究会は同じ興味のある人たちの集まり、という考え方がある。ここに論文の採択を任せるには無理があるのではないか。
    4. 学会の「権威付け」と論文誌の「疑わしきは掲載しないは問題がある」というのは矛盾している。
    5. 論文誌は権威付けしている。投稿される論文数が少ない。質より量の問題ではないか。欧文誌は投稿論文が少なくなったので休刊にした経緯がある。

英語論文をどう支援するか?

  1. 英語のテクニカルライティング教育をサポート。テクニカルライティング会社の斡旋


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