本パネル討論におけるパネリスト皆様からのご意見・ご提案については,今後,適切な委員会で検討の上,検討結果を14年度中に理事会に答申予定です.
パネル討論司会:村岡洋一(本会副会長)
■全体概要(全国大会プログラム掲載内容)
学会で「学会の在り方」を議論すると,非常に単純化した言い方をするならば,次のような図式になります.
- 学会は論文のaccreditaion機関
- 加えて,研究発表の機会提供機関
- これらの活動をコストパフォーマンス良く行いたい.そのためには経済的基盤の確立が必須
- さあ,一般会員の数を増やそう.会員のメリットのために質の良い会誌が不可欠
- でも市販雑誌に太刀打ちできるかしら
- ということで,あの手この手の会員エンタテインメント策の立案
でもこれだけで本当にいいのでしょうか.例えば,以下のような疑問があります.
- 研究活動の場として,学会はドッグイヤーとか称するこの時代に対応できるほど,身軽に動いているのでしょうか?
- そもそもそれほど大事にしているはずの研究活動が,本当に世のため,自分のためになるものでしょうか? 単なる自己満足だけでなければいいのですが.
- 身軽に,素晴らしい研究成果を世に問う場所である学会が,重たくなっていないでしょうか.なんでもできる場である学会になるためには,もっと強力なサポートインフラの構築がいらないでしょうか?
- そもそも学会は,研究成果の発表の場だけでいいのでしょうか? これからの大不況時代を技術者・研究者として生き延びていくために,もっと智恵を発揮する場になる必要はないでしょうか?
このような疑問も含め,常日ごろから学会の在り方について「建設的な破壊的ご意見(?)」をお持ちの論客の方々にご参加いただき,「春の嵐」を巻き起こしたいと思います.
若人よ,黙っていると学会は解体されてしまいますよ!!
■メンバー紹介およびお話の内容(*リンク先は当日会場投影資料)
パネリスト:土居範久氏(慶大)の内容
[略歴等]1939年7月11日生.1969年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了.慶應義塾大学理工学部教授,国立民族学博物館客員教授.工学博士.
現在,日本学術会議会員,日本学術会議第4部副部長,国立情報学研究所運営協議員,国際日本文化研究センター運営協議員,文部科学省科学技術・学術審議会委員,総合科学技術会議専門委員,情報処理振興事業協会技術委員会委員長,科学技術振興事業団計算科学技術委員会委員長,ACM日本支部長,Object
Management Group Japan-SIG議長,など.専門はソフトウェアを中心とした計算機科学.
[略歴等]1997年から(株)富士通研究所フェロー.1992年富士通(株)常務取締役ネットワーク開発本部長.1988年NTT常務取締役研究開発技術本部長.1960年NTT理事情報通信処理研究所長.1958年日本電電公社入社.1999年から東京工科大学客員教授.1996〜98年情報処理学会会長.1991〜97年学術会議会員,等.専門分野は,コンピューターアーキテクチャー,コンピューターネットワーク,e-コマース.
[略歴等]昭和57年東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻修士 課程修了.京都大学数理解析研究所を経て,現在,東京大学大学院情報理工学系研究科教授(コンピュータ科学専攻).基本的に,演繹的推論を計算上に実装することに興味を持っている.また,最近では,生命情報関連の研究(特に,分子コンピューティング)も行っている.
[略歴等]東京工業大学情報理工学研究科数理・計算科学専攻助教授.高性能並列ソフトウェアシステム,高性能オブジェクト指向システム,グローバルコンピューティング,大規模コモディティクラスタなどが現在のプロジェクト.
司 会:村岡洋一氏(早大/本会副会長)の内容(※上記全体概要参照)
[略歴等]1965年早稲田大学理工学部卒業.1966〜1971年の間イリノイ大学Illiac-IVプロジェクト参加.同大学Ph.D..1971〜1984年電電公社電気通信研究所にてデータ通信システムDIPSの研究開発に従事.1985年より現職.本会論文誌担当・研究会担当などの理事を歴任.現在,IEEE
CiSE誌編集委員,Supercomputing 00プログラム委員などを務める.
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