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最終更新日:2010.6.1

役員・代表会員・歴代会長

 

平成22年度 情報処理学会 役員名簿

※リンクは改選時の略歴・抱負
役職名 担当職務 氏名

所属

就任年月日 学会勤務
会 長 法人 代表 白鳥 則郎 東北大学電気通信研究所 客員教授

平成21年5月30日

非常勤
副会長 会長補佐 村上 篤道 三菱電機(株)開発本部 役員技監

平成21年5月30日

非常勤
副会長 会長補佐 水野 忠則 愛知工業大学情報科学部 教授 平成22年5月31日 非常勤
理 事 総務/電子化 大場みち子 公立はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科 教授 平成21年5月30日 非常勤
理 事 財務 串間 和彦 日本電信電話(株)サービスインテグレーション基盤研究所 所長 平成21年5月30日 非常勤
理 事 調査研究 佐藤 三久 筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻教授/計算科学研究センター長 平成21年5月30日 非常勤
理 事 国際 砂原 秀樹 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授
平成21年5月30日 非常勤
理 事 企画 近山  隆 東京大学大学院工学系研究科 教授 平成21年5月30日 非常勤
理 事 会誌出版 塚本 昌彦

神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻 教授

平成21年5月30日 非常勤
理 事 論文誌 宗森  純 和歌山大学システム工学部デザイン情報学科 教授/システム情報学センター センター長 平成21年5月30日 非常勤
理 事 教育 村上 和彰 九州大学大学院システム情報科学研究院 教授/
(財)九州先端科学技術研究所 副所長
平成21年5月30日 非常勤
理 事 事業 吉川 正俊 京都大学大学院情報学研究科 教授 平成21年5月30日 非常勤
監 事 監査 東野 輝夫 大阪大学大学院情報科学研究科 教授 平成21年5月30日 非常勤
理 事 国際 井戸上 彰

(株)KDDI研究所研究戦略グループ グループリーダー

平成22年5月31日 非常勤
理 事 調査研究 岡田 謙一 慶應義塾大学理工学部 教授 平成22年5月31日 非常勤
理 事 会誌出版 奥乃  博 京都大学大学院情報学研究科 教授 平成22年5月31日 非常勤
理 事 総務/電子化 落谷  亮 (株)富士通研究所ソフトウェア&ソリューション研究所 主管研究員 平成22年5月31日 非常勤
理 事 調査研究 関口 智嗣 (独)産業技術総合研究所 情報技術研究部門 研究部門長 平成22年5月31日 非常勤
理 事 企画 谷口倫一郎 九州大学大学院システム情報科学研究院 教授 平成22年5月31日 非常勤
理 事 教育 寺田 真敏 (株)日立製作所システム開発研究所 主管研究員/Hitachi Incident Response Team Chief Coordination Designer
平成22年5月31日 非常勤
理 事 財務 西   直樹 NEC中央研究所システムIPコア研究所 所長 平成22年5月31日 非常勤
理 事 事業 茂木   強 三菱電機(株)情報技術総合研究所情報技術部門 統括 平成22年5月31日 非常勤
理 事 論文誌 横田 治夫 東京工業大学 大学院情報理工学研究科計算工学専攻 教授 平成22年5月31日 非常勤
監 事 監査 住田 一男 (株)東芝 研究開発センター知識メディアラボラトリー 研究主幹 平成22年5月31日 非常勤

※以上、国家公務員出身者(本府省課長・企画官相当職以上および地方支分部局の本府省課長・企画官相当職以上の経験者)の該当はありません。 また、役員報酬の支給はありません。

■役員区分 

 候補者名(ローマ字)(出身校学部卒年)
 勤務先および役職名(平成22年1月現在)
 略歴・専門分野等
 抱負

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■会 長

白鳥 則郎(SHIRATORI, Norio)(東海大昭 47卒) 東北大学電気通信研究所 客員教授

[改選時の略歴] 1977年東北大学大学院博士課程修了.1984年東北大電気通信研究所助教授, 1990年同大情報工学科教授, 1993年同大電気通信研究所教授.本会副会長(2004-05年度), 理事(1996-97年度), 研究会主査.本会フェロー(1999年度), 功績賞(2007年度), 25周年記念論文賞.本会主催国際会議General Chair, IEEEフェロー.人と情報環境の共生の研究に従事.

[改選時の抱負] 本会の活動は,理工系の領域から芸術, 人文系まで広く多岐にわたり今, 小学生から大学生までの「理科, 情報離れ」や金融危機など課題が山積しています.そのため2010年に50周年を迎える本会は, この節目を好機ととらえ, 前世紀を支配した欧米流の合理性や市場原理に基づいた近代の視座から脱皮し「ポスト近代」を指向し進展すべきと考えます.具体的には, グローバルとローカル, シニアとヤング, 国際と国内, 企業と大学などを対比や対立としてとらえるのではなく, 双方が「共生」し双方にとって魅力ある場となるべきです.そのためには, 従来の伝統的な判断基準を超えて多様な価値基準を創生することが肝要です.これに基づき次の50年へ向けて学会のあり方, 社会との関係, 人材育成, 産学連携, 国際性などについて, ポスト近代の枠組みの基盤作りに尽力したいと思います.これまでの本会における活動とIEEEやIFIPにおける国際活動の経験を生かし, 微力ながら本会の更なる発展にお役に立てればと考えております.

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■副会長

村上 篤道(MURAKAMI, Tokumichi)(東北大昭46卒) 三菱電機(株)開発本部 役員技監

[改選時の略歴] 1971年三菱電機(株)入社.パターン認識, 信号処理プロセッサ, マルチメディア技術の開発, ITU, ISO/MPEG等の国際標準策定に貢献.IEEE論文賞, 映像情報メディア学会功績賞, 電子情報通信学会業績賞等受賞.博士(情報科学).IEEE Fellow.本会(2007年度), 電子情報通信学会, 映像情報メディア学会フェロー.日本工学アカデミー会員.2002-3年度本会理事. 2008年情報規格調査会役員.

[改選時の抱負] 卓越した“ものづくり”技術に支えられて発展した我が国も, 昨今の世界経済の混乱に巻き込まれました.若者の情報系離れも深刻な問題です.創立50周年を迎える本会は, 情報化社会の実現に果たした歴史を総括し, 将来のビジョンを策定実践するダイナミズムを導入して, ダーウィンの海を乗り越えねばなりません.若い世代が情報科学やコンピューティングの楽しさを体感できる環境を創り, 情報技術を活用して “人が仕事を拓き, 仕事が人を育てる”発展的スパイラルを引き起こす土壌を醸成しましょう. 産官学民の潜在的パワー掘り起し, 創発的連携を促し, 社会環境に幅広く・継続的に貢献できる学会のあり方を追求します. 本会には, 世界をリードすべく, 意欲的かつ魅力的な全国大会, 研究会, 講演会, 行事等を企画し, オープンな環境でイノベーションを創出する責務があります. グローバル化に対応した国際標準化の推進は必須です. 2010年の50周年記念式典に向けて, 年史編纂, 刊行物オンライン化, 次世代ハンドブックや記念論文・会誌編纂, 記念全国大会を成功させ, 学会の地位を向上させましょう.



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■副会長

水野 忠則(MIZUNO, Tadanori)(名古屋工大昭 43卒) 静岡大学創造科学技術大学院・情報学部 教授

[略歴] 1945年生まれ. 1968年三菱電機(株)入社. 1993年静岡大学工学部情報知識工学科教授, 1995年同大学創造科学技術大学院長, 現在, 同大学大学院創造科学技術研究部教授. 工学博士. ネットワークに関する研究に従事. 本会標準化委員会委員, モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会主査, 理事(1997-98年度), 監事(2005-06年度)等歴任.現在, DICOMO運営委員長.本会フェロー(1999年度).

[抱負] 情報処理学会は誰のために, 何のために存在するのでしょうか.私自身は, 情報処理学会に入会後, すでに40年を経過しています. その間に標準化, 会誌編集, 研究会などの活動において, 情報処理学会は私にとってなくてはならない存在でした. その活動を通じて, 多くの学会員の方が, ボランティアで本会のために精力的に活動されていることをいつも実感しておりました. 情報処理の世界は一時的に落ち込んだ時期もありましたが, 基本的には上昇気流に乗り, 情報学に関する科学技術の発展に寄与してました. しかしながら, この頃高校生が情報関係の学部を希望する比率が下がっているという現実があります.産業界に所属されている会員と大学・研究所に所属されている会員とでは, 情報処理学会に求めるものには違いがあるとは思いますが, 会員自ら学会活動に参画する機会を増やし, 更なる科学技術の発展に寄与できる組織にするとともに, 情報処理学会会員であることを誇りと思えるような学会にしていきたいです.


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■理事[総務/電子化担当]

大場 みち子(OBA, Michiko)(日本女大昭57卒) 公立はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科 教授

[改選時の略歴] 1982年日立製作所入社, システム開発研究所を経て, 現在, 同ソフトウェア事業部に勤務.知識工学応用システム, 企業情報システムの構築と統合, ワークフロー, SOAなどの研究開発に従事.現在は, IT分野における新分野のビジネス開拓に従事.博士(工学).

[改選時の抱負] 今, 情報システムやネットワークは社会を支える重要なインフラとなり, 生活する上でなくてはならない空気のような存在です.情報処理学会は2010年に50周年を迎え, 50年史を発行する予定です.1990年代後半以降のインターネットや情報技術の画期的な発展で前回の30年史発行当時の状況とは大きく様変わりし, 新たなキーワードが多数登場しています.情報処理技術は社会を変えたと言っても過言ではないでしょう.情報処理に関する権威ある学会として, 本会の活動はこの画期的な社会変化の一翼を担ってきたと考えております.これまで, デジタルドキュメント研究会運営委員を経て, 現在同主査, 情報システムと社会環境研究会運営委員や論文誌編集委員を担当しております.これら経験を活かし, 研究者や技術者, 特に若手や女性が明るく元気に活動ができる場作りや会員拡大に向け, 微力ながら力を尽くしたいと考えております.

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■理事[財務担当]

串間 和彦(KUSHIMA, Kazuhiko)(京大昭 55卒) 日本電信電話(株) サービスインテグレーション基盤研究所 所長

[改選時の略歴] 1980年京都大学工学部電子工学科卒, 同年日本電信電話公社に入社, エキスパートシステム, マルチメディアデータベースの研究・開発を経て, 2008年より現職, 放送コンピューティング研究グループ幹事, 博士(情報学).

[改選時の抱負] 情報処理はオフィスだけでなく,家庭にまで浸透し, 生活に無くてはならない必須技術となりました.特に日本では携帯を駆使した様々なサービスが生まれ, モバイルインタ−ネットの分野では, 世界のトップランナーとして評価されています.そのため, アジアを中心に, 海外の方々から日本の先進的な事例に学びたいと言う声を多くうかがいます.これら先駆的なサービスの源となっているのが, 情報検索, セキュリティ, グループウェアといった情報処理技術です.今回の世界的な経済危機においても, 金融的な救済は一時しのぎに過ぎず, 最終的にはしっかりとした技術力を持った国・企業が生き残ることと考えます.このような中で情報処理学会には, アカデミアと産業界の連携を進めることで, 優れた研究者を育成し, 卓越した研究成果を生み出すことが求められています.若者の理科系離れや学会の会員数減少といった厳しい環境の中, これまでの活動を尊重しつつも, 新しい時代に適した学会のあり方を確立するために, 微力ながら尽力したいと考えています.

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■理事[調査研究担当]

佐藤 三久(SATO, Mitsuhisa)(東大昭57卒)筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻教授/計算科学研究センター長
※調査研究運営委員会からの推薦

[改選時の略歴] 1986年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退. 通産省電子技術総合研究所, 新情報処理開発機構室長を経て, 2001年, 筑波大学 システム情報工学研究科教授. 2007年より, 同大学計算科学研究センター長. 理学博士. 並列処理, 言語およびコンパイラ, グリッド技術, 省電力計算技術等の研究に従事.

[改選時の抱負] 研究会の活動は本会の中でも,学会の最も根幹をなす活動である. これまで, 1993-2001年まで, CS領域のHPC研究会の幹事, 主査を務め, 2000年には同研究会が関連する研究会論文誌の立ち上げにかかわってきた. ますます情報技術が重要となる社会において, 本会の果たす役割は重要性を増している. とりわけ, 研究の交流の場となる研究会は, 学会員の研究活動の推進及び人材育成という極めて重要な役割を担っている. これからの技術革新を推進していくためには, 各研究会の活発化はもちろん, 内外への研究の発信力・競争力を強化する必要がある. 特に, 国際的な発信力を増すための研究会の方策については重点的に検討・推進する必要があると考える. 調査研究担当理事として, 本会における研究会活動のより一層の活性化, 研究会関係資料のオンライン化を始めとするさらなる改革, 研究会が中心となるワークショップ・シンポジウム等の拡大及び国際化を推進し, 研究会の活動が本会の会員の研究活動の一層の発展につながるように尽力したい.

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■理事[国際担当]

砂原 秀樹(SUNAHARA, Hideki)(慶大昭58卒) 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授

[改選時の略歴] 1988年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程単位取得退学. 工学博士. 電気通信大学情報工学科助手, 奈良先端科学技術大学院大学情報科学センター助教授, 教授を経て, 2008年4月より現職. 1984年より日本のインターネットの構築とその研究に従事. センサを用いた新たな情報通信基盤構築プロジェクトを進行中. 2003-05年高品質インターネット研究会主査.

[改選時の抱負] 2010年に本会は50周年を迎えますが, この間に起こったインターネットをはじめとする情報処理技術の革新によって, 本会に求められる役割自身が大きく変わろうとしています. 特に, 情報交換の形態の変化に伴い, 提供される情報の質の向上, 世代間での情報共有の促進といった役割が強く本会に求められるようになってきています. そしてこうした要求への対応は迅速に進めていかなければなりません. そういう観点から, 質の高い情報を迅速かつ幅広く提供していくこと, そして会員を中心としたオープンなコミュニケーションの場を展開することが一つの目標だと考えています. こうした目標を見据え, これまでの本会の果たしてきたことを尊重しつつ, 新しい時代に対応した本会の展開に貢献することができれば幸いだと考えます.

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■理事[企画担当]

近山 隆(CHIKAYAMA, Takashi)(東大昭52卒)東京大学大学院工学系研究科 教授

[改選時の略歴] 1982年東大工学系研究科博士課程修了.工学博士.同年, 富士通(株)入社後, (財)新世代コンピュータ技術開発機構に出向, 第五世代コンピュータの研究開発に従事.1995年東大大学院工学系研究科助教授, 1996年同教授.日本ソフトウェア科学会2004-06年度理事長.プログラム言語と処理系, 並列分散処理, 機械学習に興味を持つ.

[改選時の抱負] 20世紀後半からの急速な産業の展開を支えてきた情報技術は今, 人類の社会, そして文化のあらゆる面においてなくてはならないものとなりました.その影響は, 従来からの物質的側面はもちろんのこと, 精神的側面においても決定的に大きくなっていくことはまちがいありません.本会は情報技術分野全体を視野に捉える学会として, 情報技術の進歩発展と普及啓蒙のための活動はもちろんのこと, 情報技術と人類社会との係わり合いのあらゆる側面を見据えて, 果たしていくべき役割がますます広く, そして重くなってきていると考えます.こうした本会の活動の推進に微力を尽くしていきたいと考えています.

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■理事[会誌出版担当]

塚本 昌彦(TSUKAMOTO, Masahiko)(京大昭62卒) 神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻 教授

[改選時の略歴] 1987年京大卒, 1989年同大学院修士修了, 同年シャープ(株)入社. 1995年阪大工講師、1996年助教授を経て, 2004年神戸大工電気電子工教授. 2007年より現職. 工学博士. ウェアラブル・ユビキタスシステム, インタフェース, 応用の研究および開発を行っている.NPO法人ウェアラブルコンピュータ研究開発機構理事長.

[改選時の抱負] ここ10年の人々のくらしを大きく変えたIT産業において, 近年, 日本企業は米国企業に先進性・創造性で敗北しており, また学術分野からのビジネスへの貢献は極端に少ない状況にあります. このような状況を打破するうえで, 特に, IT新時代に勝ち残るための創造的研究・教育を充実させること, アカデミックと産業のギャップを埋めるためにより実戦的な研究・教育を推進すること, メディア等を通じて新しい技術を積極的にPRしていくことの3点が重要だと感じています.私は, これまでのNPO活動や実践的IT研究, 技術PR活動などの経験を踏まえ, これら3点を積極的に取り入れた新しい学会運営を考えてゆきたいと思います. さらに, 来たるべき高齢者社会においてITをより積極的に活用できるようなキーテクノロジーの強化と実践, 高齢者会員の拡大を図ることで, 新しく楽しい技術の拠点としての本会の役割をさらに向上してゆくことを目指したいと思います. そして, より豊かで楽しい人々の生活をITにより実現していくことに少しでも貢献できればと思います.

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■理事[論文誌担当]

宗森 純(MUNEMORI, Jun)(名工大昭54卒) 和歌山大学システム工学部デザイン情報学科 教授/システム情報学センター センター長

[改選時の略歴] 1984年東北大博士課程修了.工学博士.同年, 三菱電機(株)入社.鹿児島大学助教授, 大阪大学助教授, 1999年和歌山大学システム情報学センター教授を経て現在に至る.1998年度本会論文賞受賞. 論文誌編集委員会主査等を歴任.現在グループウェアとネットワークサービス研究会主査, 前関西支部幹事.専門分野はグループウェア.

[改選時の抱負] 本会は日本の情報関連分野全般を牽引する学会ですが, 会員の減少や会員の予備軍たる高校生の情報離れといった問題も抱えています.一方で, 日本のアニメーションやゲームなどのコンテンツと, 携帯電話を中心とする若者文化は世界のトップを走り, 各国の若者の羨望の的となっています.この文化をうまく取り込み, 学問的な裏付けを与えて論文化等を積極的に推奨すれば, 世界レベルの研究への発展が望め, これが若者の学会参入へのモチベーションになると考えます.さらに, IT関連企業の研究者や技術者などが新しいサービスやシステムを気軽に発表でき, 評価される場を実現できれば, 学会は多様化し, 時代の要求に合致するようになり, 会員数の増加にもつながると考えます.私が幹事を務めた関西支部では一昨年からIT関連のセッションを設け, 数多くの発表を得てきています.足下からこの分野の日本の優位性を固め, これを広めていくことが本会の発展のみならず, この国の再生にもつながると考えています.このために微力ながら力を尽くしていきたいと思います

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■理事[教育担当]

村上 和彰(MURAKAMI, Kazuaki)(京大昭57卒) 九州大学大学院システム情報科学研究院 教授/(財)九州先端科学技術研究所 副所長

[改選時の略歴] 九州大学情報統括本部長(2007-08年度)として学内の情報基盤・環境の向上改善, ならびに, 九州大学情報基盤研究開発センター長(2004-08年度)として国内の学術情報基盤の充実化に尽力. 本会計算機アーキテクチャ研究会幹事として, SWoPP, HOKKE,等の新しいスタイルの研究会活動を創出.

[改選時の抱負] IT技術の社会への浸透,技術としての成熟化に伴い, IT技術の教育・研究・事業に関わっている会員の本会に対する期待の内容が自ずと変化し多様化しています. しかも, そのスピードは年々加速し, その境界は国境を越えてボーダーレス化しています. 一方, IT技術の進展に伴い, 本会に限らず「学会」そのものの活動の在り方がどうあるべきかがいま問われています. すなわち, 時々刻々と変化し多様化する会員の要求に対して, 学会として如何にIT技術を駆使してきめ細やかに応えて行くかです. 本会はIT技術を看板に掲げる我が国随一の学会として, 「IT時代における学会の在り方」について範を示すべき立場にあると考えています. 役員として少しでもそのお役に立てればと考えています.

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■理事[事業担当]

吉川 正俊(YOSHIKAWA, Masatoshi)(京大昭55卒) 京都大学大学院情報学研究科 教授

[改選時の略歴] 京都産業大学, 奈良先端科学技術大学院大学, 名古屋大学を経て2006年より現職. この間, 南カリフォルニア大学客員研究員, ウォータルー大学客員准教授. The VLDB JournalおよびInformation Systems(Elsevier/Pergamon)の編集委員.XML, データベース, 情報検索, 異種情報源の統合, 地球観測データ管理などの研究に従事.

[改選時の抱負] 本会が対象とする分野の重要性は増大する一方にも関わらず, 会員数減少率は日本の人口のそれを上回っています. 現状のペースが続けば約20年で会員数はゼロになります. このことは, 学会に構造的な欠陥があり, 非会員の方から見た魅力に乏しいことの証左です. 学会が, 功成り名を遂げた年長者による支配の道具であるならば20年を待たず即消滅すべきですが, 未来ある若手研究者による研究発表と自由な交流を促進する場はどのような時代でも必要であり, そのためには優秀な諸先輩が築き上げられた本会のソフトパワーは十分に活用されるべきです. 国内外を問わず, 志の高い個人とそのような構成員から成る組織のみが未来の安泰を保証される百年に一度の危機の世にあって, 本会のような国内学会はゼロベースでの再構築が迫られています. 本会再生のためには過去に囚われない未来志向の大胆なリストラを断行すべきと考えます. 当選させていただいた場合は, そのために尽力する所存です. そうでない場合はどなたかが改革を断行されることを期待しております.

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■監事

東野 輝夫(HIGASHINO, Teruo)(阪大昭54卒) 大阪大学大学院情報科学研究科 教授

[改選時の略歴] 1979年大阪大学基礎工学部卒業.1984年同博士課程修了.工学博士.同年同大助手, 1999年より同大教授.本会フェロー(2002年度).本会理事(2001-02年度), DPS研究会主査, 調査研究運営委員会委員, 関西支部幹事などを歴任.IFIP WG 6.1委員.分散システム, モバイルコンピューティングなどの研究に従事.

[改選時の抱負] ICT技術の発展・普及に伴い, 様々な産業分野の基盤技術として「情報処理」技術が活用されています.それに伴い, 本会が扱うテーマもますます広範囲になり, 複雑化しています.新領域のIT技術者を含め, 様々な分野の企業・大学・研究所の研究者や技術者に情報交換やコミュニティ形成の場を提供するとともに, 社会に対して積極的に情報発信できる学会を目指していくことが重要であると考えます.とりわけ, 若手研究者・技術者が自由に発表・討論・情報収集できるオープンな場を提供し, 様々な情報発信ができる環境を提供していくことで, 国際的な競争力を持つITプロフェッショナルを育成していければと思っています.産業界の技術者に魅力的な交流の場を作り, 会員にタイムリーな情報を提供する枠組みを充実させることで学会の活力を高め, 会員に魅力的な学会を構築していければと考えます.本会理事, 研究会主査, 調査研究運営委員会委員, 支部幹事などの経験を生かして, 今後の学会の企画・戦略作りに貢献できれば幸いです.

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■理事[国際担当]

井戸上 彰(IDOUE, Akira)(神戸大昭 59卒)  (株)KDDI研究所研究戦略グループ グループリーダー

[略歴] 1986年神戸大学大学院工学研究科修士課程修了. 同年KDD(現KDDI)入社. ネットワークアーキテクチャ, プロトコル実装・試験, モバイルネットワーク, ユビキタスネットワークなどの研究に従事. 1993年本会大会奨励賞, 1998年本会大会優秀賞受賞. 1999-2002年度本会モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会幹事. 博士(工学).

[抱負] 高機能な携帯端末や高速なインターネットアクセス環境の普及に加えて, 携帯やインターネット上で新たなアプリケーション・サービスが発展し, 仕事の進め方やライフスタイルまで含めて変化のスピードがますます速くなっています. 一方で, 環境問題や少子高齢化問題など, 社会的な問題も大きくなっており, 情報通信関連技術に関しても, これらの社会的な課題への対応が重要になっていると言えます. このような中で, 情報処理学会も50周年という節目を迎え, 新たな時代に向かって進んでいくことが求められていると思います. 世の中全体の動きがますます速くなる中で, 研究者・技術者も社会全体の将来を見据えた取り組みが重要になると思います. このための技術の発展と共有, 将来を担う人材の育成などの面で, 本会は大事な役割を担うものと考えます. 基本的な技術の重要性を認識しながら, 産学官の連携や異分野間の連携など, 新たな課題に取り組む上でさまざまな連携・協力関係を構築できる場を目指して, 微力ながら本会の活性化・発展に尽力したいと考えています.

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■理事[調査研究担当]

岡田 謙一(OKADA, Ken-ichi) (慶大昭48卒) 慶應義塾大学理工学部 教授
※調査研究運営委員会からの推薦

[略歴] 1973年慶應義塾大学卒業,現在慶應義塾大学理工学部教授.本会会誌編集委員会主査,論文誌編集委員会主査,GW研究会主査,DPS研究会運営委員,MBL研究会運営委員,BCC研究グループ主査を歴任し,現在IE領域委員長,調査研究運営委員会委員,DICOMO運営委員.本会フェロー(2003年).本会論文賞(1996,2001,2008年),40周年記念論文賞.SAINT2004,ICAT2007最優秀論文賞.日本VR学会理事.GW研究会,MBL研究会,BCC研究グループの立ち上げに尽力,国際会議IEEE ICDCS, ACM CSCW, SAINT,CollbTechなどの大会委員長,プログラム委員長,IE領域財務委員などを歴任.

[抱負] 少し前まで花形だったITC業界はいつのまにか3Kといわれるようになった.また,米国の大学のコンピュータサイエンス学科の人気凋落傾向はいまだに続き,国内でも情報関連学部の偏差値は下がっている.情報処理の分野においてなんとなく皆が感じている閉塞感がこのまま続いていってしまうのだろうか.私はITC分野にはまだまだわくわくするような事がたくさんあると信じている.新しい時代を切り開けるような新鮮なビジョン,誰もが目を見張る革新的な技術,感動を与える作品など,まだ世に出ていないものは,これまで目にしてきたものよりもずっと多いはずである.学会は業種,世代をこえた様々な人々が集まり,大いに意見を交換し,お互いに触発される場を形成する働きを持っている.50年の歴史を持つ情報処理学会は,その重み故にわくわく感を提供する力が弱くなったのかもしれない.力不足である事は重々承知しているが,情報処理学会の活性化のために精一杯努力したいと思う.

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■理事[会誌出版担当]

奥乃  博(OKUNO, Hiroshi G.)(東大昭47卒) 京都大学大学院情報学研究科 教授

[略歴] 1972年日本電信電話公社入社, NTT基礎研究所, 1998年科学技術振興事業団, 1999年東京理科大学を経て, 2001年より現職. 音環境理解, 音楽情報処理, ロボット聴覚, 人工知能などの研究に従事. 博士(工学). 本会プログラミング研究会幹事, 英文誌編集委員, 論文誌編集委員等歴任, 英文図書出版委員会委員を歴任. 日本ソフトウエア科学会, 人工知能学会元理事.

[抱負] 情報処理技術の体系化とアーカイブ化が本会の使命の1つであると考えています. 「ジャーナル論文の生産性」という尺度から見ると, 本会のアクティビティは, 同規模他学会と比較して, それほど高くありません. 優れたプログラムを開発すれば, それが論文の代替になると従来考えておりましたが, ハードウエア・ソフトウエアの急速な展開により, 一世を風靡したプログラムであっても, ハードウエアあるいは基盤ソフトウエアの衰退により, 新しいプログラムに世代交代してしまうことを少なからず経験します. もし, そのプログラムの設計思想, 技術的な課題や解法が一般化され, ジャーナル論文として掲載されておれば, たとえプログラムが使われなくなっても, その思想や算法はいつまでも生き残ります. 若い研究者がソフトウエア論文を含めて本会論文誌に投稿し, それが多数の方に読まれ, それを通じてさらなる投稿が増える, このような施策を通じて「論文も書ける情報処理技術者」の育成も取組んでいき, 情報処理技術者の地位向上につなげていきたいと考えております.

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■理事[総務/電子化担当]

落谷  亮(OCHITANI, Ryo)(阪大昭 57卒) (株)富士通研究所ソフトウェア&ソリューション研究所 主管研究員

[略歴] 1984年大阪大学基礎工学研究科修了. 同年富士通研究所入社. 1989-91年スタンフォード大学CSLI客員研究員. 1991-92年国際情報化協力センター機械翻訳システム研究所へ出向. 機械翻訳, 情報抽出, 対話処理など自然言語処理の応用技術の開発に従事.

[抱負] インターネットや携帯電話など一般的なものからサービスやビジネスの背後で使われる情報システムも含めて, ITはビジネスや社会を支えライフスタイルを変えるまでの技術になっています. ITがあらゆる人間の活動で必須のものとなる中, ITの研究は単にインフラとなる技術だけを研究するだけではなく, ITを活用するあらゆる人間の活動まで入り込んで, 人の活動全体を安全安心かつ適切で効率の良いものにしていくのが大きな目標であるべきだと考えています. ITの研究は他の分野の研究を基盤として支えつつ, その情報基盤から得られるデータに基づいたモデル化や予測といった得意の技術を活かし, 積極的に他の分野の研究に貢献して行けると思います. 他分野との共同により情報処理学会自体の活動を活発化するとともに, より幅広い分野で研究者の興味を惹きつけることは会員数を増やすことにもつながると思っていますので, 企業の研究者としての経験を活かし微力ながら貢献していきたいと考えています.

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■理事[調査研究担当]

関口 智嗣(SEKIGUCHI, Satoshi)(東大昭57卒) (独)産業技術総合研究所情報技術研究部門 研究部門長
※調査研究運営委員会からの推薦

[略歴] 1982年東京大学理学部情報科学科卒.1984年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了.同年通産省工業技術院電子技術総合研究所入所以来,現職に至るまで一貫して並列計算や分散計算などの情報システム高性能化に関する研究やマネージメントに従事. Open Grid Forumの諮問委員を始めとしてグリッド技術やクラウドにおける国際活動への貢献が大きい.日本学術会議連携委員,グリッド協議会会長,NPO法人産学連携推進機構理事,日本応用数理学会評議員,地理情報システム学会理事(2008年4月より).

[抱負] 研究会の活動は本会の中でも,最も根幹をなす活動です.1988年に数値解析研究会幹事を拝命して以来,今日までハイパフォーマンスコンピューティング研究会主査や運営委員などを通じて20年近くにわたり研究会活動の活性化に努めて参りました.この間,若手研究者や大学院生,また企業が研究活動を通じて学会に寄与するにはどうすればよいかを考えて参りました.分野の特徴や会員のニーズに応えた運営方法を採ることで複数の研究会が積極的に交流する事業などを実現し,様々な相乗効果を生むことができたと思っています.昨今,産学官連携が謳われているもののメディエータの役割を担う学会が十分に機能していないのではないかと懸念しています.これは,情報関連技術に従事する人口は増加しているものの,学会員数の伸び悩み等に現れています.これは学会に加入するかどうかを躊躇している境界層をどう取り込んでいくかにかかっていると思います.学会が主催・共催する事業の大規模化が必ずしも会員の期待に応えていないのではないか,研究やITの現場を日々支えている人たちの目的に適っているのかどうかが改めて問われていると思います.調査研究担当理事として,本会における研究会活動のより一層の活性化, 研究会関係資料のオンライン化を始めとするさらなる改革, 研究会が中心となるワークショップ・シンポジウム等の拡大及び国際化を推進し,研究会の活動が本会の会員の研究活動の一層の発展につながるように尽力してまいります.

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■理事[企画担当]

谷口倫一郎(TANIGUCHI, Rin-ichiro)(九大昭53卒) 九州大学大学院システム情報科学研究院 教授

[略歴] 1980年九州大学大学院工学研究科修士課程修了. 1980年九州大学大学院総合理工学研究科助手. 1989年同助教授. 1996年同大学院システム情報科学研究科(現研究院)教授. 本会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会幹事及び主査, 論文誌コンピュータビジョンとイメージメディア編集委員, アクレディテーション委員会幹事等を歴任. 現在, Trans. on Computer Vision and Applications 編集委員. 本会論文賞, 坂井記念特別賞等を受賞.

[抱負] 近年, IT技術は社会に深く浸透してきており, 様々な局面で我々はその大きな恩恵を受けています. しかし, 一度, IT技術を基にしたシステムに不具合が発生すると, その影響は甚大なものになってきます. また, IT技術を「持つ者」と「持たざる者」の格差(個人レベル, 社会レベル)も大きくなってきており, 大きな社会問題, 国際問題になっています. このような状況の下, IT技術の総本山ともいえる本会の果たすべき役割と責任は益々大きくなってきています. IT技術は従来の「技術」と異なり, 人や社会との接点に関する問題を中心に据えて考えていく必要があると思います. 本会は, そのような他分野との協調を積極的に進め, 豊かな社会を作る礎とならなくてはなりません. また, 若い人たちに夢と希望を与えるための努力も怠るわけにはいきません. 若い人たちがIT技術に夢を持つことができなければ, 我が国のIT技術はたちまちにして空洞化してしまい, やがては社会の衰退を招くことは火を見るよりも明らかであります. このような本会の重要な責務に, 微力ではありますが, 貢献させて頂ければと考えております.

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■理事[教育担当]

寺田 真敏(TERADA, Masato)(日大昭 59卒) (株)日立製作所システム開発研究所 主管研究員/Hitachi Incident Response Team Chief Coordination Designer

[略歴] 1986年(株)日立製作所入社, ネットワークセキュリティの研究開発に従事. 現在, システム開発研究所とHitachi Incident Response Teamに所属. 2004年よりJPCERT/CC専門委員, (独)情報処理推進機構セキュリティセンター研究員. 2008年より中央大学大学院客員講師. 日本シーサート協議会,テレコム・アイザック推進会議運営委員. 2006-08年コンピュータセキュリティ研究会主査.

[抱負] さまざまなシステムがネットワークで結ばれ, 社会で, 組織で, 家庭で, 手軽な情報流通や便利なサービスを利用できる時代になっています. その反面, 情報システムにおけるセキュリティ問題は「脅威の見えない化」と表現されるほど複雑です. 今やネットワークで繋がれた情報システムに関わる問題は, 社会全体, 組織全体の問題としてとらえ, 組織や人が連携して, 安心して利用できる便利な情報システム基盤を作り上げていくことが必要になってきています. このような状況の中で, 情報処理技術の研究とその研究成果の普及はますます重要なものとなり, 本会への期待も大きいと考えています. 身近な課題に対する実践的な取り組みを積み重ねながら, 各方面の研究者や技術者が活躍する魅力的な場としての本会の実現に向け, 微力ながら貢献したいと思います.

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■理事[財務担当]

西  直樹(NISHI, Naoki)(広島大昭 57卒) NEC中央研究所システムIPコア研究所 所長

[略歴] 1984年広島大学大学院工学研究科修了, 同年日本電気(株)入社. C&Cシステム研究所にてスーパーコンピュータのアーキテクチャ研究開発, コンピュータ事業部でCMOS SX-4開発に従事. 1995年よりマルチコアプロセッサ研究開発・携帯用実用化を推進. 2003年研究部長, 2007年より現職.

[抱負] 急速に発展を続ける情報処理技術は, 携帯等・ユビキタス情報化社会の実現・発展と共にクラウドコンピューティングの進展など, 社会インフラとしての側面がさらに強まる時代を迎えました. 人々の期待は, 社会が抱える大きな課題(安心安全, 地球環境の負荷低減, 少子高齢化への対応)等への貢献・支援へと, 複数学術領域を繋ぐ情報処理技術への発展・社会価値創造へ期待が高まっています. 同時に, 人間活動である価値創造は, 個の独創・アイデア創出(学)を起点して, 群の創造(産業)につなげ, 実社会価値の実現・浸透へと辿ることは今も昔も変わりません. この価値共創の場が情報処理学会の大きな役目と認識する次第です. 学術界, 産業界の両方の会員の方々の求心力を得る学会の実現に尽力してまいります. また, 2010年に本会は50周年を迎えます. 次の50年の本会の有るべき姿への変貌に向けても全力を尽くしていきます.

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■理事[事業担当]

茂木  強(MOTEGI, Tsuyoshi)(京大昭55卒) 三菱電機(株)情報技術総合研究所情報技術部門 統括

[略歴] 1980年京都大学理学部卒業. 同年4月三菱電機(株)入社. 各種コンパイラの開発に従事し言語処理系標準化活動にも参画. 1991年米国スタンフォード大学留学. 以後, 計算機システム構築に関わる研究開発を経て現在, 情報技術総合研究所情報技術部門統轄. DICOMO2010プログラム委員長(予定).

[抱負] 私は産業界の一員として30年にわたりITの発展のただ中で, ITシステムの実現に貢献してきました. 感じたことは, ITは役に立つ, ITは面白い, ITは常に進化する, しかしITを使いこなすのは難しい, ということでした. 一方, 技術のほとんどが海外, 特に米国起源であること, また, 3Kとも呼ばれるIT業界の厳しい実情も否定できません. そこで私は, 学会の役割は, 日本発のIT技術を発掘し育成すること, また, ITの楽しさやITに関わる喜びを若い世代に実感させることだと考えました. この国には, 優秀な人材をもつ教育機関, 豊富なモノづくり実績をもつ産業界, IT国家の戦略を担う公的機関があります. 学会の役割は, (1)これらリソースを集わせ, 活発に議論する場を提供し, (2)そこで出た新しいアイデアや技術を発掘, 育成し, (3)それが最終的に世の中の役に立つよう, 広くフィードバックすることです. 学会がいずれ世界をリードする日本の情報処理の牽引母体となるよう微力ながらも精一杯貢献する所存です.

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■理事[論文誌担当]

横田 治夫(YOKOTA, Haruo)(東工大昭 55卒) 東京工業大学大学院 情報理工学研究科計算工学専攻 教授

[略歴] 1982年東工大大学院修士課程修了. 同年富士通(株)入社後(財)新世代コンピュータ技術開発機構. 1986年(株)富士通研. 1992年北陸先端大助教授. 1998年東工大大学院情報理工助教授. 2001年東工大学術国際情報センター教授. 工博. 主として情報の蓄積と活用の研究に従事. 本会論文誌データベース共同編集委員長(2005-06年). 電子情報通信学会・本会フェロー(2008年度). ACM SIGMOD日本支部長.

[抱負] 情報環境が, 既に普段の生活になくてはならない社会的インフラストラクチャとなっていることは, 広く認識されているところだと思います. その延長として, 今後さらに物理的な生活環境とディジタル化された情報環境が一体化していく方向にあり, そのために情報処理技術にはさらなる進化が求められています. 学生の情報離れや会員数の減少といった現象に歯止めをかけるためにも, 新しい情報環境への進化を本会が中心になって牽引していくという姿勢を示すことが重要なのではないでしょうか. 現在衆目を集めているナノやバイオ技術等々と同様に, 情報処理技術においても我が国が将来に渡って競争力を保持していくことが必要であることを, そしてそのためには本会の活動が必要であることを,我々自身が社会に向けてアピールしていくことが大切なのだと思います. そうすることが学会としてのアカウンタビリティを果たすことになると信じます. 個々の会員がそのような社会の進化の中核を担う自負を持ち, 夢を語れるような学会にしていくことに貢献できるよう努力したいと思います.

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■監事

住田 一男(SUMITA, Kazuo)(東工大昭 55卒)  (株)東芝研究開発センター知識メディアラボラトリー 研究主幹

[略歴] 1982年東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了. 同年, (株)東芝入社, 自然言語処理, ナレッジマネジメント, 情報検索, 音声翻訳の研究開発に従事. 1999年-2005年東工大大学院客員助教授, 2006年東京外大客員教授. 人工知能学会副会長, 言語資源協会理事. 博士(工学).

[抱負] 情報処理技術の深耕と産業への展開や実社会への貢献は, 資源のない我が国の人々が現在の生活レベルを維持・向上していく上で, 欠くことのできない活動であると考えています. 本会は, このような情報処理技術をスコープにして学術界と産業界との協同の場を提供し, 連携を強化・加速する役目を担う学会として最重要な学会といえます. 私は, 企業の研究者として, これまで情報検索や自然言語処理の研究開発に携わってきましたが, 技術の商品化や拡販には事業部門の開発や商品企画, システムエンジニア, 営業の方々との連携が重要であることを体験してきました. また, 大学での講義や学生の指導などに携わる機会や, 当社の海外研究拠点を含めた部署をまたがった研究開発の推進を担当する機会, 本会の会誌編集委員や論文誌編集委員をさせていただく機会などにも恵まれました. 情報処理技術の発展と産業化の推進のために産学が連携していく場として本会が一層貢献できるよう, これまでの経験を活かしてお役に立つことができればと思います.

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